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平野綾さん(…に対しての雑感) [声優(ひと)]

最近平野綾さんがけっこういろいろ言われている。

多くはTVで出演時の発言や
自分のところのTwitterでの発言のようだけど
どうなんだろうと正直思う。

たしかに発言のいくつかには
なんだろこれ?もあるにはあるけど
正直そんなに騒ぐことかなあ?
というものもあった。

例のライフラインだって
文の流れを読めばそんなに問題があるだろうか。
自分みたいに
「おお、平野さん石油に手を出すのか?」
と思う人はともかく、
本人には悪意などないし、
もし下心だったとしたらそれをあけすけに書くのも
正直どうなのよという気がする。
まあたしかに書き方に問題はあるかもしれないけどですが…。

ただ自分は平野さんの最近の発言の内容よりも、
なにか本人が自分の座標だけでなく、
本来の自分の魅力もわからなくなってきているように感じられるのが、
かなり心配になってきている。

平野さんはたしかに声優としては順風だった。
特に「ハルヒ」は見事にはまった。
あれで平野さんの声優としてのベースが決まった。
たしかにハルヒのイメージが強すぎて、
その後何をやってもハルヒだし、
そこから離れると今度は個性が希薄になるという、
けっこう難しい立場に立たされた時も正直あったけど、
「まなびストレート!」の衛藤芽生役や
「絶対可憐チルドレン」の明石薫役では、
それをうまくアレンジしていい役作りを行っていた。

また全然今までと違う役にも挑戦しはじめ、
さあこれからというそんな時期、
本人の意思か事務所の方針かは知らないが、
本人はTVにうって出る方向に座標を進めた。

たしかにこれそのものは悪くないが、
正直平野さんはTVではまだ
「ハルヒ」のようにベースになるものをつかんでいない。
声優としてはたしかに名前をつくったが、
TVではまだちょっと目新しい小型の新人程度しか、
まだそのポジションが与えられていない。

おそらく本人はこんなはずでは…という気持ちが、
今現在多少でてきているかもしれない。
正直今平野さんはそういう意味で正念場だろうと思う。

自分は平野さんの行動に若干矛盾を感じている。
平野さんは声優の活動を抑えTVに新しい活動の場を求めた。
だがもしその自信の裏に声優としての実績があるとしたら、
今までのそれを引きずって新しいことへの挑戦など
はたしてそんなこと可能なの?という気がする。

声優としての活動も減らさず
TVにもより出演して自分の立ち位置を探り
その上で自分の新しい可能性にかけるというのであればわかるけど、
抑制した声優活動の過去の実績を自分の糧にするというのは、
それを心の支えにするというのならともかく、
その上に立ってというのであれば、
それはとても不安定な立ち位置であり、
声優というものに対しての考え方が
ひじょうに曖昧なものに感じられてしかたがない。

それこそTVで駄目だったらまた声優やろうという、
そういう甘い考えがそこに見え隠れしてしまうのだ。
正直そんな中途な考えではTVなんかとても勤まらないし、
アニメにも今までのようなかんじでは仕事はできないだろう。

すでに今までなら平野さんがやりそうな役を、
別の若い声優さんがどんどんそれらを現在立派にこなしている。
正直今のままだと「退路」もかなり断たれつつある状況なのだ。

おそらく平野さんのファンは
平野さんに対する不信感よりも
この中途半端に感じられる現在の状況への不安、
そして苛立ちを覚えているような気がする。

もちろん本人にとっては大きなお世話かもしれないし、
可愛さあまって憎さ百倍とはこのことかと思ってるかもしれないが、
それが今の自分への不安と心配の裏返しも含まれていると考えたら、
単純にそれを嫌悪するだけではすまされないという気がする。

あれだけ一時人気のあったボブ・サップが今どうなっているか。
多少これとは違う部分もあるけれど、
今のままでは将来の自分と今のサップが
どこかで重なる可能性が充分あることを、
今の平野さんは考えておくべきだろう。

平野さんは本来たいへん人の意見を気にするタイプだが、
最近は何故かそういう部分があまりみうけられない。
おそらくいろんな意味で
かなりいっぱいいっぱいの部分が気持ち的にあるのかもしれない。

落ち着いてくればもう少しまた違った展開もでてくるかもしれないけれど、
それを見出すのは自分自身の問題だろう。

大きなあたり役を早い時期に掴むと、
その後いろいろとたいへんな事に直面するのは何も平野さんだけではない。
かつての麻上洋子さんや久川綾さんも似たような状況に直面している。
ひょっとするとこれらのことをふまえての、
今の行動があるのかもしれないけれど、
やはりちょっとズレてると考えるのは自分だけだろうか。

麻上さんや久川さんもたしかにたいへんだったけど、
それでも彼女たちはファンを大事にしていたし
ファンに対して率直だった。

以前自分は久川さんのイベントを企画したことがあるが
そのイベント時に久川さんが何百人ものファンの前で、
まだ今の時点では今後の新作にレギュラーが無いということを、
驚くほど率直な言葉で伝えていた。
そしてその後続けてこれからも自分はかんばりますと言ったが、
これに対してファンがじつに暖かい拍手をおくっていた。

正直自分はほんとこのとき一瞬泣きそうになってしまったけど、
その後の久川さんを支えたのが
このときみせたファンと自分との間の垣根の無い率直さと、
それに対するファンの後押しだったと今でも自分は信じている。

平野さんももしファンとのラインをより築きたいのであれば、
より率直な姿勢と発言が必要になってくるのかもしれないし、
それがこれからの自分を支えてくれるだろうことを、
より信じそして誇りに思う事が
今の宙ぶらりん的な状況を打破し、
自分を次のステップに進めてくれる原動力になることを、
あともう少しだけ考えるべきだと思う。

ただそれ以上に自分ひとりで今の自分がいるわけでないことを、
そして必要以上に自分ですべてを背負いこみすぎて
今の自分が今までより少しだけみえにくくなっている、
そんな今の状況も認識すべきなのかもしれません。

今の貴重な時期が淡々と過ぎ去っていくのは残念ですけど、
ただ平野さんって喜多村英梨さんと同い年ですし
沢城みゆきさんより年下なんですよね。
ですからもし悩みたければ一年くらい充電込みで悩みまくって、
それから再度もう一度歩き、そして走り出すのも、
今だったらまだ充分できる状況ではあると思います。

そしてファンはそんな平野さんも見守っているわけでして、
そのファンをつくってきたのが
平野さん自身の今までの努力と声優としての活動だったことも、
もう一度ふりかえってみるのも、
今の平野さんには大事なことなのかもしれません。

平野さんがこれからどう動いていくのか。
今年は特に個人的に注目していきたいと思います。
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吉野裕行さん [声優(ひと)]

吉野裕行さんというと
かっこいい
ちょっと一本気な少年役というところに定評がある。

そんな吉野さんの自分が見た役では
「CLUSTER EDGE」のクロム役。
「BACCANO! -バッカーノ!-」のフィーロ役。
「アリソンとリリア」のトレイズ役。
「true tears」の三代吉役。
が印象が強い。

ふつうならここで早々と〆なのですが
吉野さんの場合そうはいかない。

この人のもうひとつの売りに
「へたれ役」というのがある。
これがとにかくうまい。
というより
ひょっとすると現代屈指かもしれない。

その最大例が以下の二つ
「となグラ!」の神楽勇治役、
「カオス;ヘッド」の西條拓巳役。
特に後者は情けないくらいへたっていた。

吉野さんは
そんなに役ごとに声を変えたりとかはしていない。
ある意味地声の「味」のような部分、
そこを軸にそのまんま役に沿ったことをしているだけなのですが、
それがなぜか強烈なへたれ状態をそこに現出させている。

だから最初に神楽勇治をみたとき
「なんで」というのと同時に「これはいいなあ」と思ったし、
けっこうこういうの吉野さんいけるかもと思ったりもしましたし、
ちょっと違うけど
中尾隆生さんがフリーザとスニフをやってる、
ちょっとそれをそこに思い出したりもしました。

でそれが極まったのがかの西條拓巳役。
もう救いようが無いくらいのへたれだし、
のび太くんだってもっとしっかりしてるぞ!
といいたいくらいの大へたりだった。

ただ吉野さんのこの拓巳がよかったのは、
そんなへたれが最後ヒーローにはなったものの、
最後までそういう部分をひきずっていたこと。

たしかに最後はどことなくカッコよくはなったけど、
そのへたっていた過去が拓巳に影として残ったところ、
そしてこの時点でも本質的には拓巳がまだまだへたれていると
強くこちらがどこかそういうふうに感じられるところなどは、
吉野さんが変にいろいろと脚色しないで、
自分の声という素材を軸として動かさなかったことが
うまくでた結果という気がします。

もし「カオスヘッド」の第二期がはじまり
拓巳がまたへたれ状態ではじまっても
おそらく最終回を見ていたこちらには
なんの違和感も感じないことでしょう。

それくらい
とにかく吉野さんの拓巳役はうまくはまっていたという気がします。

吉野さんは
とにかく自分の特長のある声をそのまま活かし、
それを味として巧く使うタイプの方という気がします。

たしかに声優さんには
役によって自分の技術をフルに動員して
役を深く掘り下げ役との距離を縮める方もいらっしゃいます。
そういう方と比べると
吉野さんのそれはいささか素朴というか、
そのまんまというかんじがするときもありますが、
吉野さんの場合
自分の声質とか声色を完全に掌握しているためか、
その使い方をあやまったり、
過大に考えたりということをしていないので、
見ている自分としては
けっこう安心してみていられる場合が多いです。

ですから吉野さんが出てくると
ものすごくびっくりするとか
うなってしまうということはないのですが
なんか安心してしまうというか、
いい意味での予想通り感を感じてしまいます。

まあ投手に例えると
吉野さんは変化球投手ではなく、
真っ直ぐとカーブだけの速球派というところなのでしょう。

とにかくそんな吉野さんですから、
そこにフォークやシュートのキレを求めてもお門違い。
真っ直ぐとカーブにおける吉野さんなりの魅力が存分に味わえれば
それはそれでOKなのです。

まあただしカーブともいえる吉野さんの「へたれ」役の方を
よりもっともっといろいろとみてみたいという、
そういう個人的な欲求はありますが…。

というところで唐突にこれで〆です。
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市川治さんの思い出 [声優(ひと)]

市川治さんが去る一月二日に心不全でお亡くなりになった。
いや亡くなられていたと言った方がいいだろう。

自分はこのことをつい今しがた知った。
もう何日も前にニュースで流れていたはずなのに
なぜかまったく気がついていなかった。
じつに情けない話です。

遅くなりましたが
心よりご冥福をお祈り申し上げます。

市川さんについてこの機会に
いろいろとお話しをしようかと最初考えたのですが
今から四年前に拙サイトに書き込んだ
http://orch.blog.so-net.ne.jp/2005-09-19-1
のページにそのほとんど書いてありました。
もしまだの方がいらっしゃいましたら
よろしければそちらの方をぜひご覧ください。

今自分の脳裏には「ボルテスV」のラストシーン、
炎の中に消えていくハイネルの姿が浮かんできて
じつに言葉では言えない気持ちになっています。

長浜アニメで育った方の多くは
ひとつの時代が終わったと
この報を聞いたとき思われたのではないでしょうか。

あのストイックともいえる
一途な市川さんの声は
自分の脳裏に生涯焼きついて離れないことでしょう。

市川さんに謹んでひとつの音楽をお送りしたいと思います。

JSバッハ作曲/ストコフスキー編曲:前奏曲 変ホ短調 BWV853
レオポルド・ストコフスキー指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

市川さん。天国で長浜さんと末永くお幸せに。

合掌
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茅原実里さん [声優(ひと)]

若い(もしくは経歴の短い)声優さんを書くときは、
おもいっきり見当違いのことを書くことがある。
以前書いた沢城さんなんか最初書いた部分などは
今読むと目いっぱい外したことを書いている。

またある意味けっこうこちらも気を使う部分もあるので
正直何人かはあえて素通りしている部分もある。
今回の茅原さんもそのひとりだった。

茅原実里さん
http://chiharaminori.jp/
(公式サイト)

茅原さんのことを書こうと思ったのは
その台詞のもつ独特のラインに面白さを感じたからです。

じつは茅原さんの歌と台詞は
その声の高低等の違いはあれど
なんか不思議なくらい似た感覚を自分は覚えてしまいます。

これはどういうことかといいますと
茅原さんの台詞は台詞の内容をベースにはしているものの
それ以上にその言葉の抑揚と響きを軸にした
ひとつのメロディラインのようなものを築いている場合が多く、
そのため何か台詞を聞いているのに
なんかひとつのメロディを聴いているような
なんとも不思議な感覚を感じてしまうことが多いのです。

ようするに台詞を「聞く」というより「聴く」というかんじがするのです。

このため人によっては
もっと台詞本来の意味をより掴んで接近してほしいという気持ちにもなるかもしれません。
たしかに多少そういう部分を後ろに追いやったという部分を感じたりすることもままありますが
それがギスギスした響きを結果的に取り除き
台詞のもつ響きや抑揚をもとにそこからメロディラインをつくるように語る
そういう部分を生み出しているとしたら
自分はなかなかそれはそれで
なかなか得がたい面白いやり方という気がしています。

もっとも本人がそれを意識してやっているという感じはあまりないので
自分がそう言われることに
ひょっとしたら抵抗があるかもしれません。
もしそうだったらじつに申し訳ないこと書いてるなあ、という気もします。

ただこういう台詞まわしっていうのは
ひとつはまると無類の説得力があります。
「聞く」と「聴く」が一致すると
オペラでもありますがとんでもない力というものが出来上がる場合があります。

茅原さんの場合
正直この後この個性が推し進められていくのか
それともまた違った部分があらわれてくるのか
あらわれるとしたらそれが以前の個性と
どう折り合いをつけていくのか
今のところそれは自分にはわかりませんが
こういうところに
これからさらに伸びていく声優さんを追っていく
ある意味醍醐味のひとつがあるのかもしれません。

それにしても考えてみると
あの寡黙な長門役がなぜ茅原さんになったのか?
今考えるとじつに不思議という気がしますが
ひょっとしてあの機械的なとつとつとした
それこそ呪文のような台詞だからこそ、
茅原さんがやったら化けるかも
と思われたのかもしれません。

唐突ですが以上で〆です。
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伊倉一恵さん(名指揮者ラザレフとの共演、その感想。) [声優(ひと)]

去る6月9日、東京サントリーホールにて以下の演奏会がおこなわれました。

読売日本交響楽団第503回名曲シリーズ
(指揮)アレクサンドル・ラザレフ
(会場)サントリーホール
(曲目)
ドヴォルザーク:交響詩『真昼の魔女』
プロコフィエフ:交響的物語『ピーターと狼』(N/伊倉一恵)
ボロディン:交響曲第2番

なんと名指揮者ラザレフと声優の伊倉一恵さんの共演が実現したのです。
そしてこれがなかなかの公演なりました。
以下に別のところに書き込んだこの日の演奏会の感想から、
伊倉さんが出演された「ピーターと狼」の部分を以下に転載いたします。

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ですがこの日の聴き物はなんといっても前半二曲目の「ピーターと狼」。かつて交響曲第5番や「アレクサンドル・ネフスキー」において、圧倒的ともいえるプロコフィエフを日本フィルと演奏したラザレフが、同じプロコフィエフとはいえ、この「ピーターと狼」をどう料理するか。これはたいへん興味がありました。しかも語りを伊倉さんがやるのですからこれはもう望外ともいえるものがありました。

伊倉さんがまず落ち着いた雰囲気で語りはじめ、ラザレフのちょっとコミカルな指揮で楽器とそのキャラが紹介されていくのですが、この時弦で演奏されたピーターのテーマがあまりにも素晴らしかった。豊かでしかも光沢と無限なほどの柔軟さと、一音一音表情が次々と、それこそ千変万化していくような、そのテーマの響きのすばらしさに自分は鳥肌すらたったものでした。

その後も極めて真摯な響きが全体を支配していたのですが、ここでのラザレフはもうこれが子供のために書かれた曲などという考えなど毛頭なく、それこそプロコフィエフの代表的管弦楽作品であるという観点からこの曲を再構成していったような、「あなたたちはこの曲がプロコフィエフの曲であるということを忘れているのでないか」といわんばかりのものすらそこにはありました。

またここではラザレフのストーリーを追っての劇的な語り口と運びの巧さが大きくものをいっており、音楽をだれることなくテキパキとすすめ、音ひとつひとつのもつ威力と意味を思いっきり引き出すことにもこのあたりの要素がうまく活かされていました。

さらにラザレフの語りの伊倉さんに対する小刻みなキューの出し方のタイミングは、指揮者と語りのアイコンタクトによる「語りとオケの対話」という図式を薄め、語りの寸法やタイミングすべてをオケの中に完全に組み込んでしまうというやりかたを徹底していたようで、これがまたプロコフィエフのオーケストレーションを浮かび上がらせることに大きく力を与えていたように感じられました。

このようなラザレフのやり方ですと、普通は語り手が結果的にかなりの制約を受けて持ち味を殺してしまうのですが、伊倉さんはそんな面を微塵もみせず、ラザレフの頻繁なキューに対しても、自分とラザレフとの間合いとスペースでうまくバランスをとりながら、いろいろな声質を駆使してちゃんと自分の役と個性をそこに描いていったのはさすがという気がしたものでした。

ただ正直伊倉さんほどの実力者とはいえ、今回のシチュエーションはかなりたいへんだったのではという気がします。お子様向けコンサートではない純然たる演奏会での、プロコフィエフに焦点をあてた「ピーターと狼」。なかなかたいへんだったとは思いますが、見事に演じられたと思います。特に終盤はそれにもかかわらず、なかなかいいノリをみせていたのはさすがでした。

それにしてもこんな素晴らしい「ピーターと狼」を聴けるとはおもいませんでした。というより今まで聴いていた「ピーターと狼」はいったい何だったんだと、そこまで言わせるほどの今回は演奏でした。オケも好調だった強者揃いの今回の「ピーターと狼」できればぜひ録音してほしいところです。

なお伊倉一恵さんですが、今回のプログラムには経歴等が紹介されていませんでした。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E5%80%89%E4%B8%80%E6%81%B5
伊倉さんの経歴等は上をみていただくとして
自分もかつて舞台で伊倉さんをみていますが、
そのときの舞台でも伊倉さんは存在感のある多彩な演技をみせていました。
大変実力のある声優さんであり女優さんです。
今回この伊倉さんが参加しラザレフに見事についていったのがほんとうに大きかったです。

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以上です。

正直あの一を聴いて千を知るほど頭の回転が早く、
しかもそれを共演者やオーケストラにも求めるきらいのある
あの天才ラザレフに伊倉さんがついていけるだろうかという
そういう心配がありましたが、
結果は伊倉さんの確かな実力と豊富な経験が
見事にラザレフの要求に応えきっていたという気がしました。

ラザレフのあの瞬間的に出されるキューに対しての反応も
アニメにおける数多くのアフレコでの経験からか
じつに鋭く反応されていたのが印象に残りましたし、
終盤ピーターの声が一瞬「ブラックラグーン」のガルシア・ラブレスになったりして
伊倉さんならではの声や演技も随所に聴かれるなど、
たしかにラザレフがこの曲における語りを完全にオケの中に組み込んだため
本来この曲における語りのスペースとしては今回かなり制約があったものの、
結果それも演奏の完成度の高さに関係していたことを思うと
ファンも満足できる出来ではなかったかという気がしました。

今回ラザレフというややうるさ型の巨人と伊倉さんが見事に共演したことを
オケの関係者は評価していると思いますし、するべきです。
伊倉さんのしっかとした語りがラザレフの音楽のもつ流れ
そして緊張感を支えていたことを見落としてはならないと思います。
またそれが今回ラザレフが音楽に安心して集中できた大きな要因であったことも
ここに付記しておきたいと思います。

これからもこういう企画、ぜひ続けていってほしいものです。
それにしてもあのラザレフと共演ですか…。
伊倉さんに今回白羽の矢をたてた人。偉いなあ…。

※アレクサンドル・ラザレフ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%82%B6%E3%83%AC%E3%83%95
(ウィキペディア(Wikipedia))
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くまいもとこさん [声優(ひと)]

2008年3月。

いきなり広川太一郎さんの訃報に接し、
かなり暗いはじまりとなった月でしたが、
同じ3月にとても嬉しいニュースが飛び込んできました。

4月からNHKで始まるアニメの新番組
「アリソンとリリア」
の主人公ヴィルヘルム・シュルツに
くまいもとこさんが演じることになったからです。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8F%E3%81%BE%E3%81%84%E3%82%82%E3%81%A8%E3%81%93
(ウィキペディア(Wikipedia)

くまいさんというと2006年に突然病気を理由に休業、
かなりその後の状態を心配していたのですが、
2007年秋から単発で活動をされはじめ、
そして今回のレギュラー復帰ということで、
まずは一安心したものでした。

くまいさんというととにかく元気印の役が多く
特に「人形草紙あやつり左近」の右近役と
「鉄人28号」の金田正太郎役が強く印象に残っています。

右近では緒方恵美さんの左近と山田美穂さんの薫子とのやりとり
そして金田少年ではラストの溶けていく鉄人との会話がじつに素晴らしく、
元気印だけどものすごく含蓄のある台詞の多い役を演じることができる人という、
そういう印象を持ったものでした。

そんなくまいさんが突然消えてしまった。
最初は風邪をこじらせて肺炎でも併発したのかと思ったのですが
長期化するにつれもっと悪いほう悪いほうに考えてしまい、
もうカムバックしないのではと最悪のことまで思ったものでしたが、
今はこうしてまだ本数は少ないですがレギュラーもこなされているようで、
正直ほんとうにホッとしています。
(かつてのつかせさんのことも頭にありましたので…)

「アリソンとリリア」のヴィルは
かつてよくくまいさんが演じていた、
グイグイ引っ張っていく威勢の良いキャラではないようですが、
これから見せ場がいろいろと出てきそうなので、
そのときどう変わっていくのか今からとてもたのしみにしています。

くまいさんの声を聞くととても気持ちに力が入りますし、
ストーリーの後半で絶対の聞かせどころを見事につくってくれるということで、
これから出演される作品にものすごく期待しています。
とはいえ健康第一。
期待は期待、今は今ということで、
無理せず焦らず自分に最適のペースで仕事をしていってほしいものです。
ファンの方々もそれを第一に望んでいることと思います。

最後に一言。

おかえりなさい。くまいさん。

〆です。
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広川太一郎さん [声優(ひと)]

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BA%83%E5%B7%9D%E5%A4%AA%E4%B8%80%E9%83%8E
(ウィキペディア(Wikipedia)

広川太一郎さんが亡くなられてしばらくたった。
正直最初この報に接したときは信じられなかった。
このため広川さんについてこの機会に書こうと思ったものの、
何をどう書いていいのかわからなかった。

広川さんの声というと自分が印象に残っているものが二つ。

ひとつは「ムーミン」のスノーク。
そしてもうひとつが「モンティ・パイソン」のエリック・アイドルだった。

スノークはプライドが高く鼻持ちならないところがあるが、
ほんとうは自分がいい人であることをちょっと恥ずかしがっているといった
そういう憎めない部分ももっている。
また敵にするととにかく最高に嫌な奴なのだが、
味方になるとけっこう頼りがいのあるという面ももっている。

広川さんはこのちょっとシニカルだがどこか愛すべきキャラでもあるスノークを
じつにその要素すべてを活かした演技をみせていた。
「ムーミン」の第一シリーズは原作者ヤンソンンには極めて不満だったようですが、
広川さんのこのスノークには文句が無かったのではなかろうか。
この第一シリーズを単なる子供向きにしなかったのは、
広川さんのスノークによるところが大きかったと思う。

エリック・アイドルはとにかくお調子ものでお軽い、
そして特に人を食ったような仕草が強烈だった。
広川さんはこの食えないキャラクターを
とにかく巧妙に演じてみせた。
「モンティ・パイソン」が当時ヒットしたのは
とにかく日本語吹き替えの絶妙さが大きかったが、
なかでも山田康夫さんのグレアム・チャップマン、
納谷悟朗さんのジョン・クリーズ、
そしてエリック・アイドルの広川さんは強烈だった。

広川さんのアイドルはとにかくいろいろなシーンが印象に残っているが、
その中で一番強烈に印象に残っているのが、
ペキンパーのパロディ作品を紹介した司会者役。
妙なカメラ目線で喋りながら最後に
「ペキンパーっておもしろうございますね。」
と言った瞬間
「ぐわっ!」
といってスローモーションで椅子の上で撃たれるようなシーン。
そのときの「ぐわっ!」と言ったシーンがなんか妙に面白かった。

他にもアドリブ満点のいろいろな台詞があったが、
なぜかあのときの「ぐわっ!」が
かなりツボだった。
「モンティ・パイソン」というと自分はどうしても
ジョン・クリーズが中心となってみてしまうのですが、
広川さんが演じたことでアイドルもかなり自分にとって大きな存在となりました。

その広川さんが亡くなられてしまった。
演技にかなりストイックな姿勢を持っていたといいますが、
その姿勢と瞬間にでてくるアドリブのキレも重視した広川さん。
求道者と天才性を両立させたような方だったようですが、
普段聞かれるその声からは、
その過程や姿勢などは微塵もなく
常にそこには明るくそして真摯な広川節がありました。

そこがまた凄いと自分などは思ってしまいます。

あるベテランピアニストが
かなりの難曲を練習中にそのお弟子さんから
「先生、ずいぶん難しい曲を演奏してますね。」
と言われたところ、
「難しいように聴こえたらダメなんだよ…」
と言いながら黙々と練習を続けていたとか。

広川さんとはそういう方だったのではないでしょうか。


最近、岸尾だいすけさんがある番組で
広川さんのようなアドリブをしていたシーンをみた。
収録されたのがおそらく今年の3月頃だったのでちょっと気になったものでした。
まあいつもアドリブが多い方らしいので、考えすぎなのかもしれません…。
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和久井節緒さん [声優(ひと)]

和久井節緒さん
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%92%8C%E4%B9%85%E4%BA%95%E7%AF%80%E7%B7%92
(ウィキペディア(Wikipedia)

現在の若いファンの方はあまりご存知のないお名前かもしれませんが、
自分が若いときはいろいろな作品で活躍されており、
その特長のある声質は
TVからその声が流れてくるとすぐにわかるほどのものがありました。

ちょっと高めの声ではあるものの
ややかすれ気味でしかも野太く、
コミカルにもドスがきいた声にも一瞬でシフトチェンジできる、
じつに個性的な方でした。

ただ自分がこの方の声を最初に意識したのは
ウィキペディアには書いてありませんが、
海外のTVドラマ「三バカ大将」におけるカーリー・ハワード役。
http://www.threestooges.com/
(「三バカ大将」公式サイト[英語])
じつはどういう作品であったか
小さいときにしか観ていないためもう記憶にはないのですが、
とにかくとてつもなく面白くてやみつきになったという記憶と
ハワード役の和久井さんの声が印象強かったという記憶だけは、
今でも記憶に強く残っています。

それから和久井さんの声をアニメにせよドラマにせよ、
また特撮ものにおいてもその声を耳にするたびに
なんか妙にうれしくなったものでした。

またその姿もじっさいTVでおみかけしたことがありますが、
こちらもまたなかなか個性のあるもので、
これまた印象に残るものがありました。

そんなある日、
新聞で突然知った和久井さんの訃報。

たしかにちょうどその時期
その声を聞く機会があまりなく
またあまり意識してなかった時期ではあったものの、
その報はかなりびっくり
そして気落ちしてしまいました。

しかもまだ年齢が五十歳になる前ということをそのとき知って
「どうして?」とさらにがっくりきたものでした。

和久井さんの名前が現在アニメファンから急速に忘れられてしまったのは、
「ヤマト」や「ガンダム」といった現在でもメジャーな知名度をもつ作品に、
主要キャラで出ていなかったということがありますが、
特撮ファン&海外ドラマファンには
その逆にかなり現在でも知名度の高い作品で声をあてていたこともあり、
いまでもかなりの知名度をもっているという話を聞いたことがあります。

ただ自分としてはもう少し長く活躍していただければ、
さらに多くの作品に名を残し存在感を示したただろうに、
未だに悔やまれてなりません。
それにしても和久井さんと同い年の声優さんの名前をみますと
田の中勇さん、納谷六朗さん、山田康雄さん、 兼本新吾さん、
それにいわゆる声優ではなかったのですが
「突貫カメくん「で主役のカメくんをやっていた海野かつをさんと、
とにかく個性的な声の持ち主が集中しているのにちょっとびっくり。

海野さんはともかく、
他の声優さんに比べると和久井さんのアニメにおける現在の知名度は、
やはりその活動期の短さのためやや低いという気がします。
それもありますし、また自分が子供のときとてもお世話になった声優さんということで、
この場を借りましてご紹介させていただきました。

当時は他の声優さんと同じかそれ以上に知名度があり、
そしていろいろなジャンルの作品でご活躍されていた和久井さん。
もし和久井さんが出演されている作品をご覧になることがありましたら、
ぜひその声をお聞きになってみてください。
いかに得難い声をお持ちになっていたかおわかりになると思いますし、
独特の個性を堪能できると思います。

尚、余談ですが和久井さんの亡くなられたこの年、
その二ヵ月後の3月30日に相模太郎さん、
そしてその翌4月19日には「宇宙戦艦ヤマト」のナレーションでもおなじみだった
木村幌(きむら・こう)さんが亡くなられました。
木村さん47歳、相模さん50歳、そして和久井さん48歳。
当時ある紙面にコラムを書かれていた勝田久さんが、
相次ぐ実力派の後輩の訃報に、
そのコラムで無念の言葉を書かれていました。
今から27年前のちょうど今頃のお話です。

〆です。
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太田淑子さん [声優(ひと)]

太田淑子さんというと
自分にとって声優を意識した最初期の方だったといってもいい。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E7%94%B0%E6%B7%91%E5%AD%90
「太田淑子」(ウィキペディア(Wikipedia)

印象に残っているのは
リボンの騎士のサファイア姫役。
ひみつのアッコちゃん(1969)のアッコちゃん役。
ジャングル大帝のレオ役。
タイムボカンの丹平役。
ヤッターマンのヤッターマン1号役。
といったところですが、他にもいろいろな作品でその声は耳にしていました。

太田さんの声はとにかく特長があり
ちょっとハスキーな声なのですが
とにかく◎に超元気印な少年もしくは少女キャラ、
特に少年をやらせたら
「わんばく」とか「やんちゃ」
そして少女役をやらせたら
「おてんば」
というそれがここまでピッタリ出来る人は
ひょっとして現在に至るまで他には野沢雅子さんくらしかいないのではないか、
というくらいのものがありました。

ただ太田さんの声。
これは自分だけの勝ってな印象なのですが
どこか当時の昭和四十年代~五十年代の持っていた子供達の雰囲気、
まだテレビゲームや携帯どころかビデオなんかが登場する前の、
どこの家の子供も近くの神社で三角ベースをやったり、
女の子は女の子でゴムだんやったり、
さらには鬼ごっこ、かくれんぼなどをして
それこそ「カラスがなくからかーえろ」みたいな雰囲気を
ものすごく強く感じてしまうものがあります。

どうしてそうなのかはわかりませんが、
現在ほどなにごともめんどくさくなるまえの、
物事がストレートでしかも子供たちがみな元気にとびはねていた、
そして外で小さな発見にみんなでわくわくした時代の雰囲気に、
太田さんのそのくったくのないストレートで超元気印、
何事にもポジティブで聞いていていつの間にかこちらまで元気になってしまうその声が、
その時代にじつによくマッチしていたのかもしれませんし、
その時代の子供達にとって自分達の夢を投影できる声だったのかもしれません。

その後の太田さんの声はこれまた元気印のネコ
じゃりん子チエのアントニオ・ジュニア役でもたのしく聞かせていただきましたし、
平成に入っても元気にご活躍されているようです。

今映画「ALWAYS 三丁目の夕日」やその続編が話題になっていますが、
自分にとっては太田さんは
声優版ひとりALWAYS
といったかんじなのかもしれません。
でもほんと子供のときこの人の声聞くと
とにかく自分のまわりは「冒険がいっぱい」みたいな夢を感じました。

今の声優さんにも
今のこの時代にあった
そういう雰囲気をもった方がひとりでも多く出ていらっしゃると
またこの時代ももっと元気になるのかな?と
ちょっとおもったりした次第。
(もちろん今誰もいないというわけではありません)
いい時代だったなということを思い出としてつくってくれる声優さん。
いいですよね。

〆です。
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釘宮理恵さん [声優(ひと)]

釘宮さんの名前を初めてみたのはじつはアニメではない。

かなり以前の話ですがコミケの会場のあるサークルのPOPに
「釘宮理恵」という名前があったのがじつは初めてでして、
それが関連グッズの販売だったのか当人が来るのかは
正直記憶がはっきりしていません。

じつは「釘宮」という苗字をみるのはこれが初めてでして
かつてヤクルトに「釘谷」という選手がいたので
釘という名前がつく苗字そのものは珍しいとは思っていなかったが、
釘に宮とは随分凄い名前だなと思ったものでした。
九州の大分や熊本でみかける苗字ということですが、
宮大工か造船に関係した宮家か何かの系列の方かな?
と当時思ったりしたものでした。

それはさておきそういう珍しい苗字なので
ちょっと注目していたのですが
なかなかその後お名前をみかけない、
そのうちこちらがアニメと疎遠になっていたこともあり
いつのまにか忘れてしまっていたのですが、
「鋼の錬金術師」でのアルフォンス・エルリック役で初めてその声を聞き、
ああこういう声の方なのかと当時思ったものでした。

ですが実際は「こういう声」という単純な声ではなかった。
ツンデレ声とか弟ヴォイスとかいろいろといわれ、
最近ではそれ以外にもいろいろな役柄で活躍している。
けっこう幅が広い方なのだ。

で、自分が一番印象が強いのが意外かもしれませんが、
「ぽてまよ」の春日乃ねね役と関とまり役。
春日乃ねねはもうほとんど頭頂部から直角に抜けていくようん先鋭的な声で
関とまりはツンデレ声と弟ヴォイスが合体したようなものだった。

ただどちらも抑えた部分がほとんどにないようなハイテンション状態の役で、
この二人やってて喉潰れないのかな?と心配すらしたほどでしたが、
この関とまりの声を聞いたとき、
「あれ?この声昔子供の時聞いたことがあるなあ。」
という気がしたものでした。

誰だろうといろいろ記憶の片隅をほっくりかえしているのですがなかなかうかんでこない。
で、どうもお二方いるだろうというところまでわかった。
お一方は作品もキャラもどうしても思い出せないのでわからないのですが、
もうお一方は意外かもしれませんが松島みのりさん。

この松島さんのドカベンの山田サチ子が
多少舌足らずな部分はあるものの、
釘宮さんのとまりとじつによく似ていたのです。

ただじゃあ松島さんがシャナやルイーズをやると似合うのかとか、
釘宮さんがキャンディをやるとなると「うーん…」となってしまうが、
とにかく大きく重なる部分があったのです。

そのこともあって関とまり役の釘宮さんを聞いてから、
なんか妙に親近感というか懐かしさを感じるようになってしまいました。
ようするにどこかアニメがTVマンガといわれていた時代の雰囲気、
それを感じるようになってしまったのです。

まだお若い方ですのでこれからさらにいろいろと役をやられていくと思いますが、
けっこう今後その声を聞く度にいろいろと懐かしいおもいをさせられるかもしれません。
いい味をもった方です。名前も。


…しかしそうとなると松島みのりさんはツンデレ声優の元祖となってしまうのでしょうか?
このあたりはご当人に…聞けるわけないな。

〆!
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