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吉野裕行さん [声優(ひと)]

吉野裕行さんというと
かっこいい
ちょっと一本気な少年役というところに定評がある。

そんな吉野さんの自分が見た役では
「CLUSTER EDGE」のクロム役。
「BACCANO! -バッカーノ!-」のフィーロ役。
「アリソンとリリア」のトレイズ役。
「true tears」の三代吉役。
が印象が強い。

ふつうならここで早々と〆なのですが
吉野さんの場合そうはいかない。

この人のもうひとつの売りに
「へたれ役」というのがある。
これがとにかくうまい。
というより
ひょっとすると現代屈指かもしれない。

その最大例が以下の二つ
「となグラ!」の神楽勇治役、
「カオス;ヘッド」の西條拓巳役。
特に後者は情けないくらいへたっていた。

吉野さんは
そんなに役ごとに声を変えたりとかはしていない。
ある意味地声の「味」のような部分、
そこを軸にそのまんま役に沿ったことをしているだけなのですが、
それがなぜか強烈なへたれ状態をそこに現出させている。

だから最初に神楽勇治をみたとき
「なんで」というのと同時に「これはいいなあ」と思ったし、
けっこうこういうの吉野さんいけるかもと思ったりもしましたし、
ちょっと違うけど
中尾隆生さんがフリーザとスニフをやってる、
ちょっとそれをそこに思い出したりもしました。

でそれが極まったのがかの西條拓巳役。
もう救いようが無いくらいのへたれだし、
のび太くんだってもっとしっかりしてるぞ!
といいたいくらいの大へたりだった。

ただ吉野さんのこの拓巳がよかったのは、
そんなへたれが最後ヒーローにはなったものの、
最後までそういう部分をひきずっていたこと。

たしかに最後はどことなくカッコよくはなったけど、
そのへたっていた過去が拓巳に影として残ったところ、
そしてこの時点でも本質的には拓巳がまだまだへたれていると
強くこちらがどこかそういうふうに感じられるところなどは、
吉野さんが変にいろいろと脚色しないで、
自分の声という素材を軸として動かさなかったことが
うまくでた結果という気がします。

もし「カオスヘッド」の第二期がはじまり
拓巳がまたへたれ状態ではじまっても
おそらく最終回を見ていたこちらには
なんの違和感も感じないことでしょう。

それくらい
とにかく吉野さんの拓巳役はうまくはまっていたという気がします。

吉野さんは
とにかく自分の特長のある声をそのまま活かし、
それを味として巧く使うタイプの方という気がします。

たしかに声優さんには
役によって自分の技術をフルに動員して
役を深く掘り下げ役との距離を縮める方もいらっしゃいます。
そういう方と比べると
吉野さんのそれはいささか素朴というか、
そのまんまというかんじがするときもありますが、
吉野さんの場合
自分の声質とか声色を完全に掌握しているためか、
その使い方をあやまったり、
過大に考えたりということをしていないので、
見ている自分としては
けっこう安心してみていられる場合が多いです。

ですから吉野さんが出てくると
ものすごくびっくりするとか
うなってしまうということはないのですが
なんか安心してしまうというか、
いい意味での予想通り感を感じてしまいます。

まあ投手に例えると
吉野さんは変化球投手ではなく、
真っ直ぐとカーブだけの速球派というところなのでしょう。

とにかくそんな吉野さんですから、
そこにフォークやシュートのキレを求めてもお門違い。
真っ直ぐとカーブにおける吉野さんなりの魅力が存分に味わえれば
それはそれでOKなのです。

まあただしカーブともいえる吉野さんの「へたれ」役の方を
よりもっともっといろいろとみてみたいという、
そういう個人的な欲求はありますが…。

というところで唐突にこれで〆です。
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