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交響組曲「キャプテン・ハーロック」 [アニメ(20世紀)]

※2010年4月4日に書き込んだものです。多少加筆改訂しました。

ch.jpg

キャプテン・ハーロックというキャラクターは
おそらくあまりにも有名なキャラクターであり
それは松本零士作品だけにとどまらず
日本のアニメにおいても
ルパンと並んで屈指の名キャラクターだと自分は思っている。

だけどそのハーロックが初めてTVにあらわれた
1978-1979に放送された
「宇宙海賊キャプテン・ハーロック」を
実際どれくらいの方がみたか
もしくは今の新しいファンがみているかと思うと
それは「ヤマト」や「999」に比べて
かなり少ないのではないかと思う。

でも個人的には当時これをリアルタイムでみていた自分にとっては
たしかに多少説明がほしかった部分もあるけど
そんなことどうでもいいくらい
このアニメは強く心に残った作品となった。

どっちが善だとか悪だとかという
そう単純な図式が成り立たない構図が次第に明らかになり
それでも自分が守るべきものに対し
一途にその信念を貫くハーロックに
自分はひじょうに強く惹かれたものでした。

この姿勢、じつは「カリオストロの城」のルパンと
ひじょうによく似たものがあるように感じており
この「ハーロック」終了後の10ヶ月後に「カリオストロ」が公開されていることを思うと
宮崎さんも隠れハーロックファンだったのかな?と
ちと思ってしまったものでした。

ただ悲しいかなこの二人の一途なキャラを描いたアニメが
それぞれ興行成績や視聴率でかなり伸び悩んだのには
当時はこういうタイプのキャラが受けなかったのだろうかと、
ちょっと今でも?なものを感じています。

さてこの作品がらみで当時あるLPが発売されている。
それは主題歌等によって構成されたアルバムとは違ったもの、
「交響組曲キャプテン・ハーロック」だ。

このアルバムについては以下のサイトにその詳細がある。

http://www2u.biglobe.ne.jp/~maja/index.htm

このサイトはたいへんハーロックを強く敬愛しているサイトで
上記のアルバムについても詳細に語られている。

特に現在発売されているCDには
当時のLPのような詳細な解説等が無いため
余計これはありがたい。
たいへん素晴らしいサイトなので
ぜひ一度お立ち寄りください。

ところでこのアルバム、
まず驚くのがその参加メンバーが凄いことだ。

まずピアノの羽田健太郎さん。
数年前に亡くなられたあの羽田さんだ。
当時はポピュラーとクラシックの両方を演奏されていたようで
自分はこの録音の数年前に
N響とガーシュウィンの「ラプソディー・イン・ブルー」を演奏していたのを
今でもはっきり記憶している。
それはなかなかストレートでしかもちょっと粋な演奏だった。

それからマリンバの安部圭子さん。
押しも押されもせぬ当時最高のマリンバ奏者だ。
現代音楽のマリンバとなるとかならずといっていいほど
安部さんがそこにいたものだった。

そしてコンサートマスターでソロもとられている小林武史さん。
かつて東響や読響のコンサートマスターを歴任された方で
60年代はN響の海野さんと並ぶ日本人の名コンマスのひとりだった。

さらにはやはりN響の首席だった
霧生吉秀さんや菅沼準ニさんの名前もある。
常光誠治さんは大阪フィルの首席だった方。

またドラムスの石川晶さんの名前もあるし
後に演歌のそれでさらに有名になった木村好夫さんもいる。

ホーンはクラシックとジャズのプレイヤーが混在しているようですが
とにかく他にもいろいろなところで名前をお見かけした方が多い。

ある意味ドリームオーケストラみたいな感じだったわけです。

そのオーケストラが熊谷弘さんの指揮で演奏しているわけですから
悪かろうわけがない。

たしかに多少今聴くと
ちと時代を感じる部分もあるように聴こえるかもしれませんし、
音質も今のそれ、
例えば「涼宮ハルヒの弦奏」あたりとはかなり違う。
聴きようによっては拡がりはあるけど薄い音に細工された音質と
そう感じられるかもしれませんが
それでもなかなか聴き応えのあるサウンドとなっています。

特に冒頭のあの「果てしなき宇宙の海」は
数あるアニメのBGMの中でも最高のもののひとつだろう。

あれを聴いただけでもう気持ちは宇宙という大海に乗り出したような
そんな素晴らしいこれはサウンドだ。
こういう音楽はクラシックでもヴォーン=ウィリアムスの大曲、
「海の交響曲」の冒頭くらいだろうか。

そして終曲の「歓びの賛歌」。
羽田さんのピアノが大きくフューチャーされているこの曲で
このアルバムは終わるのだけど。
聴き終わると、何か今から幕が上がりドラマがはじまるといった、
それこそ
「これって50分近い八部構成の壮大な序曲だったのかな?」
と思われるような出来となっている。

自分はTVをみてこのLPを買ったのですが
ひょっとするとこれを聴いてから
この作品をみた方もいらっしゃるかもしれません。

現在このアルバムはCD化されていますが、
限定ということですのでお買い逃しないように。

因みにこれは自分が初めて購入したアニメのLPです。
(「999」の劇場版サントラとほぼ同時に購入したので、正直言うとどちらが先かはちょっと曖昧です)

指揮
熊谷弘

演奏
コロムビア・シンフォニック・オーケストラ

(メンバー)

ヴァイオリン
小林武史、堀江悟、黒柳方晶、大沢浄、大松八啓、公門俊之、中瀬裕道、田淵章、角田智寿子、石岡則子、金田幸男、板橋健、田中栄一、藤米田健生。古田中達男、川畠正雄、多田義徳、古谷方一

ヴィオラ
菅沼準二、平井光、伊藤正、久里登、林勝彦、小橋行雄

チェロ
矢島富雄、藤沢敏樹、茂木新緑、館野英司、藤本英雄、矢島三雄

コントラバス
田中雅彦、瀬戸川道男、新納益夫、建部欣司

フルート
衛藤幸雄、旭孝、相馬充

クラリネット
宮島基栄、奏中司郎

ファゴット
霧生吉秀、大畠條亮

オーボエ
常光誠治、山本洋一

トランペット
羽鳥幸次、村田文治、野村毅

トロンボーン
新井英治、平内保夫、岡田澄雄

ホルン
山口弘治、下館広起、塚田彬、笠原長久

チューバ
久保修平

ピアノ
羽田健太郎

ギター
木村好夫

ベース
寺川正興

ドラムス
石川晶

ラテンパーカッション
瀬上養之助

パーカッション
安倍圭子、山本直喜、瀬戸川正

ハープ
木村マリ


※2023年2月21日追加。

2月10日に松本零士さんがお亡くなりになられました。

ここに謹んで哀悼の意を表します。

今迄本当にありがとうございました。深謝です。
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「ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌」をみて。 [アニメ(20世紀)]

1992年の12月に公開された映画で、

MARU.jpg

というのがある。


1990年からはじまった「ちびまる子ちゃん」は、
1992年の9月に一度放送を終了、
その後1995年から再開、
現在に至っている。


この映画は「ちびまる子ちゃん」の劇場用作品としては二作目ですが、
ちょうどTVの放送が無かった時期に公開されている。

そのせいかどうかは分からないが配収もそれほど目立っておらず、
「クレヨンしんちゃん」の劇場版の1/4程度だったということで、
この後、「ちびまる子ちゃん」の劇場版は途絶えている。


自分は当時あまりこの作品のことは意識していなかったが、
後年この作品がなかなかの良作だということを聞き、
一度見てみようかと思ったときにはすでに遅く、
VHSは生産終了でLDも無く、
DVDは未だに発売されていないという、
最悪の状況に直面してしまった。


DVDが出ないのは、
どうも使用されている楽曲の権利がクリアできないというのが、
その大きな理由となっているらしい。


こうして見る事のできない状況が延々と続くうち、
この作品のことをすっかり忘れていたところ、
突然「日本映画専門チャンネル」という、
衛星系の放送局で放送がされることを知った。

そしてようやく見ることができた。

感想は…、


いかん、なんか泣けてしまった。

はっきりいってベタな語り口なんだけど、
これだけストレートにやられるともう泣くしかない。

内容としては、
まるちゃんと、絵描きを目指しているお姉さんとの出会いによる、
いろいろなエピソードを中心として、
往年の名曲がいろいろと流れていくというもの。

特に「めんこい仔馬」における五番の歌詞とまる子の想い。
M1.jpg

さらには笠置シヅ子の強烈な「買い物ブギ」が大きな山となっている。
M2-09d9c.jpg
それにしてもこの笠置シヅ子のそれは絵が強烈で、
これが今見ることが自由にできないというのはあんまりだ!
というくらいの出来となっている。
※因みに今年(2014)は笠木シヅ子さんの生誕百年、来年は没後三十年にあたります。

そして最後の結婚式の場面のまる子の万歳のそれは、
「めんこい子馬」のエピソードと重なって、
なんかとにかく泣けてしまった。
M3.jpg

かといって作品としては別段特に泣かそうというかんじではないのですが、
それだけに余計気持ちが強く揺さぶられるものがありました。

またここでの音楽も素晴らしい。

音楽は、千住明さんと川原伸司さん。

気持ちに直接響いてくるメロディです。


作品上映時間は90分ちょっとというところなのでちょうどいいというかんじ。

またTVアニメが劇場版になったときによくみられる、
話を大きくし過ぎてその世界観を壊してしまうような、
そんな力みも気負いもまったくありませんでした。


それにしてもこの作品。

権利関係なんとかならないものでしょうか。
ぜひDVD化してほしいこれは傑作です。


尚、日本映画専門チャンネルでは2015年の1月にも、
この作品を数回放送するとのことです。

http://www.nihon-eiga.com/index.html
※日本映画専門チャンネル公式サイト。


(7/12追加)
tm.jpg

この度、12月クリスマスに、テレビアニメ25周年を記念して映画化が決定しました!
23年ぶりとなる本作の映画脚本は原作者のさくらももこ先生自らが担当!
普段の「ちびまる子ちゃん」では見ることが出来ない、映画ならではの笑って泣けるストーリーでまる子がスクリーンに帰ってきます。
映画では、まる子が清水市を飛び出し、作品史上初めての大阪・京都へ旅行。
スクリーンいっぱいに広がるまる子達の活躍にご期待ください!

笑って、笑って、そして思わず涙する。
親子で楽しめる、テレビでは見られない「映画ちびまる子ちゃん」をお楽しみに!


【さくらももこ先生 コメント】

皆様の温かい御声援に支えられ ちびまる子ちゃんはアニメ25周年を迎えました。
感謝の気持ちでいっぱいです。心を込めて映画の脚本を書きました。
笑いあり 涙あり、切なさありの25年目の ちびまる子ちゃんを
楽しんでいただけたら嬉しいです。
さくら ももこ


【あらすじ】

まる子の町に、世界5カ国からやってきた子どもたち。
個性豊かなお友達との出会いに驚きつつも、クラスのみんなは興味津々。
まる子の家にもイタリアからきた男の子が滞在することになったから、さあ大変!
「ボクは、マルコが、スキです」突然の告白!?に驚くまる子。
さらには、クラスメイトと一緒に清水の町を飛び出し、大阪・京都にも!
初めての町を訪れる、まる子達のてんやわんやの旅の結末やいかに!?
時代と国を超えた友情に、この冬あなたもきっと涙します。

http://chibimaru.tv/news/entry/2015/002543.html



(2018年 8月28日 追加)

国民的人気漫画「ちびまる子ちゃん」などで知られる漫画家のさくらももこさんが今月15日、乳がんのため亡くなりました。53歳でした。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180827/k10011596071000.html


突然の訃報にただただ驚いています。
心より哀悼の意を表します。

できればこの作品を地上波、
もしくは劇場で再公開して多くの人にみてほしいですし、
限定でもいいですからDVDをぜひ出してほしい。

それが作者さくらさんへの手向けになると思います。

本当に残念です。

合掌
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「にっぽんアニメーションことはじめ」をみる。 [アニメ(20世紀)]

川崎市民ミュージアムで開かれている、

国産アニメーション誕生100周年記念展示 
「にっぽんアニメーションことはじめ」 
~「動く漫画」のパイオニアたち~
日本1.jpg
https://www.kawasaki-museum.jp/exhibition/8738/

を観に行った。

日本2.jpg

内容ははチラシの裏にもあるように、

下川凹天、北山清太郎、幸内純一、前川千帆

この四氏の足跡と、
この四人がアニメをつくった1917年という時代、
そして漫画と浅草を多くの貴重な資料とともに取り上げた、
とても勉強になるし分かりやすい好企画だった

今は展示中心だが、
10月からはいろいろと企画もあるようなので、
そのあたりは市民プラザのそれを参考にどうぞ。


現存する最古のアニメ
「塙凹内名刀之巻」がここでみられるのも嬉しい。


ただひとつ残念なのは、
浅草をとりあげるのなら、
もう少し他の方面の方から、
この企画における浅草について思う事なども、
少しは聞いてもらっていたら、
さらにユニークでダイナミックなものになったような気がする。

アニメだからといって、
その方面だけからだと些か窓口が狭くなるし、
他方面の方がみたら、
こちらが思いもよらぬ新鮮な発見をしてくれたかもしれない。

そういう部分の弱さがちょっと残念だった。

山崎浩太郎さんや大島幹雄さんがこの企画をみたら、
どういう感想をもったことだろう。

とても興味があるだけに、
このあたりへの踏み込みが無かったのがちょっと寂しかった。


ただ企画としてうまくまとまっているので、
ぜひ一度興味のある方は見聞されることをお勧めします。


しかし若き日の下川の気の強そうというか、
怖いもの知らずで肩で風を切るような表情!

好きだなあ。


それと戦前の日本のミッキーマウスの無許可使用と思われるもの。

某国のそれをみているようで苦笑ものだけど、
のらくろとの共演はなんか嬉しかった。
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長浜忠夫監督没後35年 [アニメ(20世紀)]

 今年(2015)の11月4日で長浜忠夫監督が亡くなられてからちょうど35年がたちました。早いものです。ここで以前に書き込みました長浜監督の項を多少文をいじりましたが、再掲載したいと思います。

 1975年4月4日は、「勇者ライディーン」(主役、神谷明さん)が放送開始となった日ですが、当初この作品は後に「ガンタム」を手がけた富野喜幸氏が監督だったものを、後半長浜忠夫氏が監督となったもので、その後「コンバトラーV」(主役、三ツ矢雄二さん)、「ボルテスV」(主役、白石ゆきながさん)、「闘将ダイモス」(主役、神谷明さん)、「未来ロボダルタニアス」(主役、古川登志夫さん)と長浜作品の名作が続くきっかけとなりました。

 長浜監督は厳しい製作姿勢をもっており「白味線撮り」を許さなかったのもそのあらわれで、製作サイドとは何度もそれで衝突したものの、現場ではそのおかげでとても事がスムーズに運んだようです。また人情味溢れる人柄からかとても多くの方々とファンに親しまれ慕われつづけた方で、ファンから積極的に直接意見を聞いたりして、それを作品に反映させたりしていたようでした。(余談ですが、長浜監督は一時この世界を離れ、写真を扱う職業に就いた時期があったようですが、その理由がなんであったかは失念してしまいました。)

 長浜作品というといろいろありますが、特に個人的に印象が強いのは「ボルテスV」。あの最終回での異常な盛り上がりと信じ難い劇的な展開は多くのアニメファンを狂喜させたものです。(その後この作品を劇場用の話が一時決定したもののけっきょくは実現しなかったのはほんとうに残念でした。)またこの作品はフィリピンで放送が禁止されたことがありましたが、表向きはともかく、ストーリーの裏に、その当時のマルコス政権を全否定しているような部分があったことが原因といわれています。それほどこの作品は深い部分に強いメッセージが潜んでいたのです。

 その後長浜さんはいくつかの作品を手かげたものの、1980年の秋に体調を崩しアニメージュのインタビューなどは受けていたものの、その後体調不良から当初受けていた学園祭をキャンセルして養生されていたようですが(このキャンセルの電話もご本人が直接、そのイベントの責任者の方にされていたようです。)、まったく突然に11月4日に急逝されてしまわれました。

 この一報が入ったときアニメージュの編集部は一瞬騒然としたようですし、(実際このときインタビューをされた方は、インタビューしたばっかりだっただけに絶句してしまったようでした。)各アニメ情報媒体もこの報を流しました。その後追悼企画などもいろいろありましたが、とにかく48歳という年齢での急逝はあまりにも今でも惜しみて余りあるものがあります。

 ですがその後もファンの方の支持は強く、没後10年には当時の同人誌サークルがコミケ等で追悼本を出しこれが完売したほどでしたし、これは聞いた話ですが、東映から長浜作品がLDBOX化されたときは、横浜でのイベント時参加者が少なかったものの、最後にゲストの方といっしょに、「上がってきてみんなで歌おう」ということで、全員で舞台上での大合唱となったとのことでした。(因みに長浜作品のLD化を積極的に推した一人に自分もいただけに、この話を聞いたときはとても熱いものがこみあげてきたものでした。そういえばテアトルエコーの1980年の入所試験で、自由課題で楽譜持参で歌を歌うものがあったのですが、このとき女性の方で「ボルテスVの歌」を選んで歌っていた方がいて、それを聴いた他の受験生の方が「自分もそれにすればよかった。」と悔しがっていたのを急に思い出しました。)

 ※余談ですが上記長浜作品に主役声優さん以上にその「顔」となられた市川治氏が、「サムライトルーパー」(1988)に登場したとき、かなり多くの長浜ファンが当時を思い起こし随喜の涙を流したとか。

 あれからアニメはいろいろな名作、話題作、そして多くの製作者、声優を生み出してきました。今この状況を長浜監督がみていたらどういう感慨をおもちになっていたでしょうか。ご健在でしたら今年73歳。ほんとうにあらためてその早すぎる死にいろいろと考えさせられるものがあります。

 この機会に長浜監督の作品などをふりかえりたいものの、なかなか主要作品すべてがDVD化される事がなくなんとも寂しいかぎりですが、上記しました作品を含む珠玉の名作群がそうなることを今はじっくり待ちたいと思います。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』における「長浜忠夫」監督。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E6%B5%9C%E5%BF%A0%E5%A4%AB

※当サイト内関連blog/「市川治さん」↓
http://blog.so-net.ne.jp/ORCH/2005-09-19-1

※当サイト内関連blog/「神谷明さん」↓
http://blog.so-net.ne.jp/ORCH/2005-10-27

主なCD
◎テレビオリジナルBGMコレクション 勇者ライディーン
¥1,260 :COCC-72025
◎Columbia Sound Archives Series 勇者ライディーン オリジナル・サウンド・トラック
¥3,990 [税込]:COCX-31829/30

◎テレビオリジナルBGMコレクション 超電磁ロボ コン・バトラーV
¥1,260:COCC-72023
◎アニメーション・ヒーロー・エヴァーグリーン・シリーズ 超電磁ロボ コン・バトラーV
¥2,548 [税込]:COR-10142

◎テレビオリジナルBGMコレクション 超電磁マシーン ボルテスV
¥1,260 [税込]:COCC-72020
◎超電磁マシーンボルテスV~テレビアニメーション・ドラマシリーズ~
¥2,548 [税込]:COR-12400

◎ テレビオリジナルBGMコレクション 闘将ダイモス
¥1,260 [税込]:COCC-72066

(注)テレビオリジナルBGMコレクションシリーズは数量限定盤。

※11/4、改訂

※来年(2016)の11月4日は三十七回忌となります。ほんとうに早いです。


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「森雪」雑感 [アニメ(20世紀)]

はやいもので「宇宙戦艦ヤマト」がテレビ放映されてから、
来年(2014)でもう四十年が経つ。
巨人の長嶋茂雄が引退した年でもある。

「ヤマト」は本放送当初かなり視聴率に苦しんだというが、
じつは当時自分のまわりの人間はみな「ヤマト」をみていた。
そのため後にこの視聴率云々の話を聞いた時は、
ちょっとその実感がわかなかった。

その後はじまった再放送で「ヤマト」人気に本格的に火がついた。
そしてそれは劇場作品、そして声優ブームにも及んでいった。

そんな「ヤマト」の中で特に目立ったキャラが「森雪」だった。

今の「ヤマト」(「2199」)と違って当時の「ヤマト」の乗組員は、
じつは女性はこの「森雪」しか乗っていなかった。
文字通り「男たちの大和」そのものだったのだ。

紅一点というそれだけでも目立ってたのに、
やってることも幅広く、
艦橋でのレーダー監視から医務室での看護まで、
さらには銃をもって戦闘に参加するなど、
なんでも幅広くしかもそつなく完璧にこなせるという、
ほとんど超人的なまでにひとりでこなす、
しかもその愛らしい外見もひときわ目立つヒロインだった。

そのせいもあってか「森雪」の当時の人気はかなり凄く、
その人気は当時その声を担当していた、
麻上洋子さん(現:一龍斎春水)のそれにも当然影響していった。

けっきょくこのことが麻上さんだけでなく、
声優というものに新しい可能性と方向性を指し示すものとなったのですが、
それもこれも「森雪」というキャラによるところか大きかったといえるだろう。

で、最近TVで「ヤマト2199」をようやくみた。
じつは劇場でもビデオでも自分は「ヤマト」の新作はいっさい見てなかった。

というのもやはり初代「ヤマト」のイメージというものが強く、
なかなか見る気になれなかったというのが本音で、
それだけ当時の「ヤマト」の影響とその呪縛が大きかったというところ。

たださすがにTVでやるとなるとそろそろという気もして、
そしてようやく今回みることとなったのですが…

「なんでこんなに女性の乗組員が多いの?」

がまず最初のそれ、そしてもうひとつが、

「森雪が細胞分裂してしまった!」

というのがそれ。

まあこの四十年間のアニメの変化を如実に感じた瞬間でしたが、
特に「森雪」がけっこう仕事を減らされているのがなんともだった。
もっとも単純に減らされたわけでなく、
戦闘行為に関する仕事の範囲はむしろ増えているので、
以前より生活的な部分がそぎ落とされたような感じになったともいえる。

だけどあのときの何でもこなすスーパーウーマンが
そのときの持ち場を何人にも分け与えてしまった今の姿をみると、

ああ、ふつうのヒロインさんですねえ…。

というふうに感じられてしまったものでした。

もちろんそれも悪くはないかもしれませんし、
あんな蟹工船みたいなことを笑顔やってる姿など、
今の「2199」でやられたら他のキャラも立つ瀬がないし、
それ以上にそういうシステムにしてる艦長等に
「あんたらバカじゃねえのか。」
と文句のひとつもとんできてしまうだろう。
当時の働く日本人の縮図みたいなキャラといってもいいのかもしれません。

だけど…にもかかわらず…
やはりなんか違和感がそこに感じられてしまいますし、
他のキャラと妙に横一列になってしまっているその姿に、
かつての強烈な印象のそれを重ね合わせると、
なんとも一抹の寂しさを感じてしまうものがあります。

アニメがより現実的になったというところでしょうか。

因みに「2199」の「森雪」さんをされている桑島法子さんは、
「ヤマト」本放送当時に生まれた世代の方で、
麻上さんが野上冴子を演じてる頃に、
ミスマル・ユリカを演じて出て来られたということで、
かなりすでに背負ってる時代が違う世代の方ではあるものの、
その今の標準にあわせた「森雪」を好演されている。

ただもし今でも「森雪」が紅一点でガンガン働くスーパーウーマンだったら、
はたして桑島さんはどう「森雪」を演じていたのか、
そのあたりもまたちょっと気になるところ。

ところでこう書いてると「森雪」というのは、
かなり便利屋で都合のいいキャラという印象を受けるかもしれないが、
正直気の強い面ももっているし、
キレるというか天然で暴走するところもある。

このため死にかけたメインキャラもいたほどで、
そういう意味では決して都合のいいキャラというわけでもない。
ひたむきというと聞こえはいいが、無鉄砲にもほどがあるときが些かある。

ただそんなところも含めて当時、とにかく「森雪」は人気があった。

その後メーテルやナウシカ、さらにはセイラさんといった女性キャラの出現で、
「森雪」の名前はかなりその背後に押しやられてしまったものの、
アニメの歴史上、「森雪」はとてつもなく大きな存在であり、
その出現が現在のアニメヒロイン達への道筋をつくったということで、
その声を演じた麻上洋子さん同様、
偉大なひとつのパイオニアだったとも言えるだろう。

そんな働きすぎの「森雪」さんも、
当然ながらヤマト同様来年でデビュー四十周年。

何かお祝い事でも企画されているのでしょうか。

10001.png

しかしこうやって見比べると時代を感じます。
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第8回キャンディ・キャンディ・コレクション展 [アニメ(20世紀)]

書き込みがありましたのであえてこちらにも掲載します。

第8回キャンディ・キャンディ・コレクション展
が開催されています。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=477712792290268&set=a.407446055983609.90992.403930823001799&type=1&theater

この作品に関してはいろいろいろいろと言いたいことはありますが、とにかくなんとかしてほしいですし、こういう動きがこの状況に一石を投じてほしいと願うばかりです。

http://orch.blog.so-net.ne.jp/2011-10-17-1
※拙サイトの該当ページ
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「浮浪雲」 [アニメ(20世紀)]

久しぶりに「浮浪雲」をみた。

もう三十年前の作品だが、
感覚的にみても全然古くなってないことに驚いた。

というよりこの頃から
「みせる」という意味で日本のアニメって
ひょっとしたらほとんど前進してないのでは?
という気さえしたほどだった。

ZZ01.jpg

見どころはいろいろとあるが、
中でも秀逸なのは竜馬暗殺のシーン。

エンディングでもこのときこのシーンのみ絵コンテをされた
村野守美さんが真っ先にクレジットされている。
(村野さんは昨年の311の数日前にお亡くなりになられている。)

とにかくその凄み迫力スピード感と、
どれをとっても圧倒的としかいいようのない凄いシーンだ。
当時自分はたしかこの作品を映画館で何度も観たが、
特にこのシーンでは会場がしばらく静まり返るほどのものがありました。

(正直今でもあのシーンは日本のアニメが世界で最高になった瞬間と思っています。)

また声優さんのキャスティングも絶妙で、
メインの三人は俳優さんで、
他は当時の人気と実力を兼ね備えたで固めた豪華版だった。

そして当時もそうだけど今みても感じるのは、
全員が全員適材適所でうまくはまっているということだ。

これは三人の俳優さんがうまかったこともあるが、
当時の声優さんが「俳優」としての色を持っていたことも、
この三人が浮き上がらなかった大きな要因という気もする。

声優さんが俳優側から乖離し、現在の色と形を形成するのは、
平成に入りしばらくしての話なので、
まだこの頃はそういうこともなかったのだろう。

宮崎駿監督がまだ「トトロ」をつくる前の時代のことです。

それにしてもまだビデオが一般に廉価で普及する以前。
アニメというとテレビ、そして劇場が主だった。

特に劇場版の作品は当時の方が大作が多かったのは、
やはり映画館の大きなスクリーンというのを意識していたことと、
テレビと劇場では今よりはるかにランクの違いを感じていた、
そしてそれに負けないように全力でやっていたという、
そういう気概みたいなものがあったような気がする。

だがこの「浮浪雲」は決して大作扱いされていたわけではなく、
むしろアニメファンは同時上映の「ゴーショーグン」の方に、
気持ちも期待の大きさも持って行っていたようなところがあった。

けどそういう客層にも唸らそうという気概は当時とても強く感じられたし、
実際自分などは「浮浪雲」の方に見た後強い感銘を受けたものだった。

時代劇アニメというと今では「剣心」のようなカッコいいアニメが浮かんでくるが、
この「浮浪雲」の主人公も違った意味でカッコいい作品だ。
なかなか見応えもあり、ちょっと大人向けのネタもある、粋でスカッとする作品だ。

みる機会があったらぜひ一度観ることをお勧めしたいです。

あと余談ですが、この作品で古谷徹さん演じる一文字兵庫が、
主人公との対決シーンで「参る」と言うシーン。
当時劇場でみたすべての回でほぼかならず
女性客からため息とも歓声ともつかない声が、
そんなに大人数ではないけれどあちこちからかならず漏れていた。

当時の声優さんへのそれがわかるエピソードとして付記しておきます。
なんとも懐かしい話です。
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キャンディキャンディのこの10年 [アニメ(20世紀)]

今年の10/25は
最高裁判所である判決が確定してからちょうど10年となる。

http://www.translan.com/jucc/precedent-2001-10-25.html

この間自分はこの件に関していい意味で動きがあるかと思ったが、
それはついにかなわなかった。

「キャンディキャンディ」

1970年代から長きにわたり
多くのファンに支持されそして高く評価された、
日本の漫画&アニメ史上に残る不朽の名作だ。

だがこれが「二人の原作者」が袂を分けたために、
現在までその再販も再放送も商品化も行われていない。

もちろんリメイクもだ。

正直はたしてこのままでいいのだろうかという気持ちがとにかく強い。

いっそのことある期間のみ(例えば一年間だけとか)この権利関係を
第三者機関を設立してそこが管理、
その間に限定的に商品を流通させるというやり方だ。

ずいぶんな案だと思われるかもしれないが、
これを急ぐ理由はアニメにおけるマスターの劣化の心配がある。

現在アニメのオリジナルマスターがどういう状況かはわからないが、
すでに第一話が本放送されてから、
今年(2011)の10/1でちょうど35年目となっている。

この間何もしていなければ経年劣化は間違いなく進んでいると思われる。
だから修復不能に陥る前に再度修復し、
なんとかしなければいけないという心配があるからだ。
そうしないと後世に語り伝える術が無くなってしまう。

たしかに今は見ていた人がまだまだいるだろうけれど、
その人たちがいなくななったとき、
思い出したようにそのオリジナルを確認したら、
もはや手の付けられないような状態だったではすまされないのだ。

キャンディははっきり言うともう一部の人のものだけではない。
すでに多くの人たちひとりひとりのかけがえのないものになっている。
それをいかなる理由があるとはいえ、
封印してしまっているというのは、ある意味もう犯罪行為に等しいといっていいだろう。

まあいろいろと問題がそこにはあることは知っているし、
いろいろここ数年面倒な問題がおきていることも知っている。

だけど一時的にせよ、それらを一旦横においといて、
なんとかこの作品を21世紀以降も不朽の作品として存在できるように、
どこかがなんとかしてくれないだろうかと、
ほんとうに強く願う次第です。

もちろん誰が悪いとか誰のせいとかいう理由もあるかもしれませんが、
一時だけでもクリスマス休戦のようなものができないものなのでしょうか。

あまり話題に現在はなっていないかもしれませんが、
これは日本のアニメ史上歴史に残る、
進行形における最大の黒歴史と自分は考えています。

これにさらに失われた十年ということが付加されないためにも、
なんとか早急な対応をしてほしいものです。
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「TRIGUN」 雑感 [アニメ(20世紀)]

最近キッズステーションで
「トライガン」が放送されている。

あらためてみると
よーくできてるアニメだなとあらためて思った。
インストのみのOPからしてカッコイイ。
(当時としてはインストのOPは珍しかったらしい)

で他にもいろいろと感じたことがあった。

やっぱり今堀恒雄さんの音楽がいい。
特にときおり番組中にかかるギターなど
ちとデルタブルースみたいでなんかたまらないものがある。

そういえばビクターがらみのアニメって
ほんとうに音楽がいいなあということに気がついた。

ここは音楽づくりけっこう手抜きしないところがあって
「COWBOY BEBOP」の村田陽一さんもよかったし、
「SEED」では交響組曲にロンドン響を使い
本編でもいいところでそれを使用していた。

「天空のエスカフローネ」ではワルシャワフィル。

またハリー・グレッソン・ウィリアムズが
「スチームボーイ」の音楽担当だったり、
そしてあまり知られていないけど
「LAST EXILE」では劇中に使用されるヴァィオリンソロに
現神奈川フィルの名物コンマス石田泰尚さんが使われていたりと、
かなりいろいろと豪華版だ。

かつてビクターがアニメのサントラCDの売り上げに自信があると
そう自負していた時期があったが、
このあたりにもその理由がみてとれるものがある。

また声優陣が面白い。

ヴァッシュ・ザ・スタンピード 小野坂昌也
メリル・ストライフ 鶴ひろみ
ミリィ・トンプソン 雪乃五月
レム・セイブレム 久川綾
ニコラス・D・ウルフウッド 速水奨

まさに20世紀に名を馳せた声優さんと
21世紀にその実力が軌道に乗った声優さんが
ちょうど重なりつつある…
ある意味声優さんの世代交代がおきる前夜ともいうべき時期であるため
なかなか面白い組み合わせで
レギュラーのアンサンブルが組まれている。

特に鶴さんと雪野さんという組み合わせが面白い。
鶴さんがアニメから遠ざかりはじめ
雪野さんがアニメに頭角をあらわしはじめた時期が
ちょうど重なったていた時期で
ある意味とても貴重な作品となっている。

個人的にはこの二人のコンビによるそれは
自分が知っているアニメでも最高のコンビのひとつだと思っている。

そんなこの作品も今年(2010)で本放送から12年目となる。

で今年はなんと劇場版がいよいよ公開とか。
はたして12年ぶりの大活劇はどう蘇るのか?
乞うご期待。

TRI.jpg

http://www.trigun-movie.com/index.html
(劇場版公式サイト)
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ちょっとふりかえってみます。その3。 [アニメ(20世紀)]

(1995- )

エヴァンゲリオンが放送されてかなりの年月がたつけど、あの異常なまでの盛り上がりは昨日のことのようにはっきりと覚えています。当時はまだDVDはなかったけど、VHSとLDのそれは過去に類例をみないものすごい売り上げになったし。CDもとてつもなく売れていた。林原めぐみさんの人気のピークがそこにぶつかったのも大きかったし、緒方恵美さんや宮村優子さんの人気も当時かなりのものがあった。それら全部が一度にぶつかってできたのがあのエヴァの大旋風だった。それはさしずめパーフェクトストームの様相すら呈していた。映画の興行も凄かったし、あのとき使われたクラシックのCDもよく売れた。さらにそれがらみの渋谷で行われたコンサートも大盛況だったという。何から何までとんでもない状況だった。

今考えるとエヴァはそんなに変わったことをしていなかった。むしろつくり方としては正攻法だったといえるだろうが、要所要所で新しいこと、さらにこちらの潜在的な欲求を満たしたことがこの大旋風に繋がったというべきだろう。だがエヴァの風が少しずつ収まっていくと、そこには何ともいえない不思議な空洞感が残ってしまった。

その後いろいろと作品がつくられたが、あるものはエヴァを意識し、あるものはそれらと正反対のものへと走っていった。今までエヴァに向かっていたエネルギーが、一度に拡散し無制限に広がってしまったのだ。このため製作側も見る側にも多少の混乱と混沌を生じてしまったものでした。TVアニメの増大に拍車がかかったのはこのあらわれといえるかもしれない。

自分はそのときあるメーカーの方が「エヴァの後がどうなるか怖い。それを考えないためにも今いろいろとがんばって、ポストエヴァを探すか、エヴァの穴をどうやって埋めるかを考えなければいけない。」と真剣な顔つきで話していたのが今でも忘れられない。そしてその危惧は哀しくも当たってしまった。

その後アニメは「SEED」まで群雄割拠が続いた。だけどその「SEED」も、また近年の「涼宮ハルヒ」もエヴァの破壊力には遠く及ばなかった。それらは一般層まで広く広がることはなく、各マニア層に深く広がっていったのだった。そのころからだろうか。自分は次第にアニメから少しずつ興味が薄れていった。面白くなくなったというよりも、作品の量が増え多様化したことについていけなくなったことと、深夜アニメやU系アニメが増え、なかなかそれらを追えなくなってしまったためだった。

声優さんもだんだん誰がいるのかわからなくなってきたのもこの時期だった。こうして自分はこの頃からアニメと離れていってしまった。コミケからも次第に足が遠のきはじめていった。

それから十年ほどたって、数年前からまたアニメをみるようになった。理由は勤務の関係上深夜帯のアニメをよくみるようになったことが大きいと思う。久しぶりに見たアニメはどこか風景が変わっていた。なんかフィギュアのキャラがそっくり移植されたような女性キャラ、ちょっと弱々しい男性キャラ、そして聞き覚えの無い声優さんたち、それらが日常、もしくはどこか等身大の世界でいろいろと繰り広げていく。そんなものがじつに増えていた。

自分がアニメを見始めたときは、どこかそこに大きな夢のようなものを感じたりしていたのですが、ここでは夢よりも、なにか身近な友達感覚のキャラクターが、こちらに心地よい感覚や小さな夢もしくは萌えを与えるものが多くなっていました。そのせいかアニメはより深夜に広がり、次第に夕方以降のゴールデンから消えていった。かつてのプロレス放送と同じ道をたどっていったといっていいのかもしれない。力道山、馬場、猪木、鶴田、長州、天龍がいなくなったプロレスのことだ。ではアニメにとってこれらに当たるものはなんだったのか。それはちょっと自分にもわかりかねるけど、あきらかに何かが変わり、それが視聴率、さらに視聴層に変化を与え、深夜に動いていったことだけは確かだろう。自分はその肝心の十年間をみていない。そこだけは本当に残念だった。

もっともアニメのこの変化は他ジャンルにもみられる多様化と同じといえるかもしれないし、それを思うとアニメだけがマニアック化したというわけでもないだろう。そしてそれは宮崎駿監督にも影響を与えているような気がする。宮崎監督の劇場作品をみると、「紅の豚」から「もののけ姫」まで5年あいているが、その間にエヴァがはさまっており、しかもこの「紅の豚」から「もののけ姫」までの間に声優に対する考えが大きく変わり、そしてその作品のテーマがより広くなっていったことが、当時のアニメと逆行しているような気がする。宮崎監督にしてみれば、自分のやりたいことを一般の人は支持し続けている、これに対して今のアニメは一般の人が支持しているのか?と言うかもしれないが、すでにこの考えがエヴァの衝撃と、その後におきたアニメの多様化を、自分が認める認めないではなく、現状として認めてしまっている自分がいることを宮崎監督も知っているだろうし、その影響から自分も逃れられなかったということに対してのエネルギーが、「もののけ」以降の作品を生むエネルギーのひとつになったといえるかもしれない。

こうして21世紀のアニメは流れはじめた。アニメの多様化、声優の増大、2006年以降アニメを再び真剣に見始めた自分には、これらがそのまま21世紀の流れとなっていくかどうかはわからない。だけど、かつての「ヤマト」や「ガンダム」のようにアニメによってマニアが生まれたのではなく、マニアの欲求に即してアニメが生まれていくということが、これからは主流になっていくだろうということはなんとなくわかる気がする。

自分はクラシック音楽を19世紀は作曲家の時代、20世紀は演奏家の時代、そして21世紀は聴き手の時代と思っている。これと同じようにアニメもまたエヴァ以降、その図式が作り手と受けての間で確実に変わっていったような気がするし、これからもさらに変容していくような気がする。このとき声優さんははたしてどうなっていくのか。じつにこのあたり興味深いものがあります。

ですがここで昨年起きたプライムローンの破綻から起きた不景気がこの構図を崩す可能性がでてきました。おそらくこれらは作品の多様化に枠をもうけ、より実績のあるジャンルや傾向に作品が傾いていき、声優さんもCDの売り上げ等の二次的なものにまで影響力の大きな声優さんや、若くてギャラが安くて「○○さんに声が似た」声優さんが多く登用されていく可能性がある。余裕と創造性の無い作品の少数乱立がこれからしばらく起きる可能性がでてきたのです。

自分たちがこれからどうアニメや声優さんと向き合い、そして支持していくのか。これらは各人の課題なのかもしれませんが、間違っても自分の贔屓を押すために、他人の誹謗中傷を激化するようなことだけは避けてほしいところです。そういう意味でアニメもまたクラシック音楽に対する聴き手に当たる、受け手(見る側)の時代によりなっていくのかもしれませんし、その自立をさらに促される時代なのかもしれません。

これは見方によってはじつに面白い時代という気がします。これからの若い方には大変な時代かもしれませんが、じつにやりがいのある時代となっていくのかもしれません。そんな時代をもう少し自分も見ていけるのかなということが、自分にとって今は一番の楽しみとなっています。今年がこれからどんな年になっていくのか。まだアニメの新番組はひとつもみていませんが、今年もまたひとつでも面白い作品に巡り合え、声優さんがよりよい仕事ができることを願いたいものです。

以上で〆です。
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