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中村正さん [声優(ひと)]

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E6%9D%91%E6%AD%A3_%28%E5%A3%B0%E5%84%AA%29
(ウィキペディア(Wikipedia)

中村正さん。
もう超大ベテランの声優さんだ。

じつは自分が声優さんで最も尊敬している方のお一人がこの中村さんで、
自分がかつてテアトル・エコーを受けたとき
もし受かったら将来中村さんみたいな存在感のある役をやりたいと、
本気で思っていたほど尊敬している。
(実際受かったもののその夢はあれになってしまいましたが…)

中村さんの声を初めて聞いたのはTVの
「奥さまは魔女」のオープニングにおける台詞。
ちょっとお洒落で小粋なその語り口がとにかく強く印象に残ったものでしたし、
その後別の番組で中村さんの声が吹き替えで登場するたび
とにかく何かホッとするというか、
「またこの声が聞けた」という満足感のようなものを常に感じたものでした。

中村さんというととにかく小粋でお洒落でちょっと気品のある、
そしてちょっと皮肉でちょっと冷たい役をやらせたら絶品だ。
特にデヴィッド・ニーヴンの声をあてたら当代随一というか
TVを見ている人に
「この外国人さん日本語上手だね」
と思わせるほどの境地にまでいってしまっている。
デヴィッド・ニーヴンの出演作品リストそのものが
中村さんの作品リストといってもいいくらいだ。

中村さんのデヴィッド・ニーヴンは上でいった要素もそうだけど
特に感心してしまうのは
怒って語気を荒げたときや、皮肉まじりに相手を貶すときの表現。
そこにたしかに怒りや皮肉がたっぷりこめられているのに、
決してギスギスしたり下品になったりするようなところがない。
ちゃんと気品も格調もしっかり存在しているので、
ほんとうの英国紳士ってこんなかんじなんだろうなと、
そう思わせてしまうほどなのだ。
それはレックス・ハリソンにおいてもそうだ。

ただそんな中村さん。
かなり悪役をやらせても定評がある。

自分はその中で映画「サブウェイ・パニック」での、
ロバート・ショウ演じる、犯人グループのリーダ「グリーン」。
その役をやったときの中村さんの声が忘れられない。
冷酷な犯人のその声を淡々と冷徹に演じたその演技は
正直ほんとうに怖かったし静かな底知れぬ狂気すら感じさせられたものでした。
(それは対決するガーバー警部補役のウォルター・マッソーの声が
かの富田耕生さんだったこともあり、その対比によってより強烈に焼きつきました。)

とにかくなんというのだろう。
ふだん怒らない人が怒ったときほど怖いものはないというものが、
このときそれが見事に実践されたような感じで、
逆にこういう表現があるからこそ
先のデヴィッド・ニーヴンのああいうきわどい怒りの表現とか
もしくは紳士がたまにみせるような
お洒落で気品があるけどちょっと皮肉でちょっと冷たい部分も表現できるのかなと
このとき感じたりしたものでした。

あと忘れてはいけないのがフレッド・アステアでの役。
「タワーリング・インフェルノ」のハリー役は最後泣けたし、
「足ながおじさん」のジャービス・ペンドルトン役は、
まるで声までステップを踏んでるようでじつに愉しかった。

このあたりは今でこそ字幕主流になってしまったが、
TVで吹き替えが当たり前だったときは
中村さんのこれらの演技が無ければはたしてこれらの名作名優が
ここまでお茶の間に浸透できたかどうか。

そういう意味でも中村さんは
その吹き替えの歴史の一頁に名前を刻むほんとうに素晴らしい声優さんです。

これからも末永く元気でご活躍されますことを。

以上です。


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伊藤静さん [声優(ひと)]

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E8%97%A4%E9%9D%99
(ウィキペディア(Wikipedia)

というわけで今回は伊藤静さん。
プロレス好きということでうっかり
http://blog.so-net.ne.jp/ORCH/2008-01-08
にわき道へ行ったまま
ド完璧に放置しまくってしまいました。
ほんとうに申し訳ありませでした。
(まあ本人がここ見てるとは思えませんが…)

伊藤さんというと
自分がアニメと疎遠になっていた時期に
いろいろな主役もしくはそれに準ずる役で頭角をあらわし
その後現在に至っている。

さてこの方
登場する作品に対しての主役もしくはそれに準ずる役の割合がとにもかくにも多い。
伊藤さんは主役声と脇役声をじつにうまくもっている。
先発完投でもリリーフ連投でもどちらもOKみたいで
そういう意味ではじつに便利な声優さんといっていいと思うし、、
職人型声優系の今を代表する人達の一人といっていいのかもしれない…
…とこんな偉そうなことを言おうとしたのではないのでここから本題。

伊藤さんというと自分のイメージはやはりこの方。

(公式サイト:http://rikujyo3ka.com/)

アニメに戻ってきた時期の関係と思うけど
とにかくこのイメージが強く、「エル・カザド」のナディ役も
なんかこの延長線上にみえてしまったものだった。

しかもこのためかこの手の声を聞かないと
伊藤さんだとわかってても実感できないものが自分にできてしまった。
ようするに元気で前向きというイメージ=伊藤さんという図式で。

この「パンプキン・シザーズ」は、
ストーリー展開は後半ちょっと緩慢になった感じがしたし、
終わり方もなんかまんじりとしないものがあったが、
伊藤さん演じたアリス・L・マルヴィンがとにかくストーリーに活を入れていたのが、
とにかく強く印象に残った。
引っ張っていたという感じではなかったけど
最後の最後まで各キャラが精彩に富み、
ひとりとして脱落したようなイメージがなかったのは、
各キャラを担当した声優さんの頑張りも大きかったけど、
アリス少尉のストーリーや各キャラに対して、
常に前になり後になりながら活を入れていたのが
より大きかったという気がしたものでした。

そのアリス少尉を演じた伊藤さん。
ほんと少尉=伊藤さんというくらいぴったりとした感じで、
そういう意味でこの作品を最後まで活きた作品にしていたのは
伊藤さんの力がとにかく大きかったと今でも思っています。

ここ数年観たアニメの中で
作品全体よりも一人のキャラクターの方が大きく感じた作品は
決して多くはありませんし、むしろ少ないくらいですが、
この「パンプキン」のアリス少尉&伊藤さんは、
その数少ない例だったといえると思います。

じつは「パンプキン」。ああいう終わり方だったにもかかわらず、
というかああいう終わり方だったからこそかもしれませんが、
ぜひ続編を作ってくれないかなと密かに期待しております。
これも伊藤さんの熱演あればこそなのでしょう。

あとこの作品の伊藤さんの台詞で、
たまに単調な雰囲気になってしまうことがあったのですが、
ちょうどアリス少尉の弱い部分を演じているときにそういうことが多く、
それがまた少尉の不器用な一面を垣間見るような気がして、
なんともそのあたりが強く印象に残ったものでしたが、
ひょっとするとこういうところも含めてアリス少尉という役は、
伊藤さんにとってある意味相性のいいキャラであったのかもしれません。
(感情移入がしやすい身近なキャラといった方がいいのかもしれませんが…)

とにかく自分の伊藤さんに対するそれはこの「パンプキン」からなので、
古くからのファンには甚だ?なものがあるかもしれませんが、
まあこんな見方をしているものもいるんだよ、と軽く流してください。

それにしもこの方、酒とプロレスにまつわる話しが多いですよね。
なんかそういう話を聞くと
かつて酒飲みで知られる5代目古今亭志ん生師匠のことが思い起こされます。
ウォッカ自殺未遂札事件や、空襲中泥酔事件なるものもあったようですし、
(このあたりはウィキペディアの古今亭志ん生の項に詳しい)
当時の大横綱双葉山に
「横綱、こっちの方もなかなか強いんでしょ」みたいなかんじで
飲み比べを挑んだというからとにかく凄かったとのこと。

そのうち伊藤さんもプロレスラーと飲み比べなんかするかもしれませんね。
そうなったら自分は伊藤さんのことを「御前」ではなく、
「五代目」と呼ばせていただきます。

最後はお酒好きということに敬意を表して、以上で〆


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日高のり子さん [声優(ひと)]

日高のり子さんというと
自分にとっては声優以前の
CBSソニー時代にニッポン放送の
「鶴光のオールナイトニッポン」のアシスタントというイメージがまずくる。

つまり逆説的に言うと歌手としての印象は皆無だった…ということです。
申し訳ない話ですが…

これは時期が悪かったということもあります。
当時日高さんの所属していたCBSソニーは
ドル箱山口百恵が引退しその後を埋めるべく
日高さんと同い年であった松田聖子さんを大プッシュしていたため
日高さんもそのあおりを受けたお一人のようなのです。

このオールナイトニッポンでのアシスタントは自分は妙に強く印象に残っています。
ただ何をどう言っていたかということはすでに記憶の外にあるのですが、
鶴光のオールナイトのアシスタントというと「日高のり子」という印象が強く
番組からいなくなることを知ったときじつに寂しい思いが当時したものでした。
(ひとつ思い出としてこの番組のクイズか何かで
日高さんが記録的にかなりひどい正答率を出したことがあり、
それは後にゲストできた堀江美都子さんがさらにそれを下回る正答率をたたき出すまで
 [※最近これが堀江さんだったかどうかちょっと自信が揺らいでいます。]
たびたび番組で鶴光さんが日高さんの名前を出して話題にしていたことがありました。
ただ番組を降りた後もアシスタントの名前をそこまでしょっちゅう鶴光さんが出していたということは、
今考えると鶴光さんもかなり日高さんのことを気に入っていたのかもしれません。)

そのためそれから何年か後
TVで放送される前から評判と期待が大きかった「タッチ」
そのヒロインの浅倉南役をその日高さんがやると聞いたとき
「ああ、あのオールナイトニッポンの」
とほとんど条件反射のようにでてきたものでした。

この成功が引き金となって日高さんは一気に人気声優への道を進むこととなります。
(そういえば松田聖子さんもこの年に神田正輝さんと結婚しており
 ご両人ともこの年はひとつのエポックメーキングの年となったようです)

「アニメ三銃士」のコンスタンス役(1988)
「となりのトトロ」のサツキ役(1988)
「トップをねらえ!」のタカヤノリコ役(1988)
「らんま1/2」の天道あかね役(1990)
「ふしぎの海のナディア」のジャン役(1990)
「赤ずきんチャチャ」のしいねちゃん役(1994)
「るろうに剣心 」の瀬田宗次郎役(1996)

と続き「犬夜叉」の桔梗役(2000)などを経て最近では

「DEATH NOTE」のニア役まで
とにかくその出演作すべてをみると壮観というくらい素晴らしいものがあります。

あとで聞いたところ
ともかく演技力をつけるのにたいへん努力をされたらしく
1988年の「タッチ」終了の翌年タイプの違う三作品で
大きな役を演じているところをみると
「タッチ」で育ち卒業とともに花開いたのでは?というかんじで、
この「タッチ」の三年間が日高さんの生涯を決定させたようです。

あと日高さんのついていた点として
こんなに長いこと南役をやっていると
「何をやっても浅倉南」になる危険性があったものの
前述したようにまったくタイプの違う三作品で
まったくタイプの違う役を演じられたことが大きく、
またジャン役で男の子役をやったこともあってか、
南役にとらわれることなく次へ次へとステップできたことも
また大きかったという気がします。

活躍していた時期が林原めぐみさんとかなりダブるためあまり騒がれませんが
日高さんの出演作品数とその主要キャラでの出演数は
20世紀の平成年間でも林原さんと並ぶほどの膨大さで
この時期を語るとき絶対外せない声優さんのひとりとなっています。

それにしても人生わかりません。
下手をすれば名も無いアイドルとして忘れられてしまったかもしれない方が、
ひとつのきっかけで声優界でひとつの時代を語る上に絶対欠かすことのできない
それほどの圧倒的な存在となってしまう。
もちろんそこにはたいへんな努力があったことも忘れてはならないでしょう。

自分を肯定する強さ、努力、そしてそれらほ感じさせないふだんの笑顔。
日高さんをみていると声優という仕事の素晴らしさだけでなく
その他いろいろな素晴らしさというものも強く感じさせられるものがあります。

世代を超えた多くの方々が現在も日高さんの声を聞き続けられるのは、
そういう気持ちが製作者や自分以外の多くの視聴者にもあるからなのかもしれません。


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根谷美智子さん [声優(ひと)]

根谷美智子さんの名前をみたのはかなり早い時期だったと記憶している。

声優であり勝田声優学院(当時は勝田話法研究所付属の声優教室だったと思います)
の所長さんだった勝田久さんが
将来有望だったか、とてもうまい若手だったかちょっとはっきりしてませんが
根谷さんの名前を雑誌かなにかであげていたときおみかけしたのが最初。
まだ昭和といわれている時代の話だった。

これは勝田声優学院に根谷さんが当時在籍していたからなのでしょうが
このときの印象がなぜかとても強く
それ以来しばらく根谷さんの名前というのを
しばらく意識していたものでした。

ですが当時なかなか根谷さんの名前をみつけることができず
まだ名前ののらないガヤあたりしか出ていないのかな?
という感じがし
しばらくするとそのお名前意識することを忘れてしまったものでした。

そんなあるとき
番組の名前は失念してしまったのですが
根谷さんの名前を初めてテロップでみかけたとき、
「ああ、ついに登場されましたか。」
ということで急に思い出し、再び気に留めるようになりました。

ですが自分のみていない作品に出ていたり
また自分が次第にアニメから離れていく時期と重なったことから
この時点で印象に残っている役となると
「地獄先生ぬ〜べ〜」の律子先生役くらいしかおもいつきません。
ただ律子先生はじつに癖なく好演されていたという気が当時しました。

その後アニメと完全に疎遠となったことから
「鋼の錬金術師」のリザ・ホークアイ役しかこの間は知らないものの
その後再びアニメをみるようになってからも根谷さんの声はたびたびTVで接しており、
いつどこで聞いてもじつに癖の無い(個性が無いということではない)
キャラそのものが自然に話しているような演技で
常に安心しながらその演技をたのしむことができています。
(特に気の強い女性役では、より秀逸なものを感じます。)

最近では「ゼロの使い魔~双月の騎士~」のアニエス隊長役や
「ご愁傷さま二ノ宮くん」での二ノ宮涼子役という役柄に特に強い印象をもっていますが
考えてみると根谷さんほど
自然にキャラクターといっしょ呼吸している方というのも珍しいのではという気がします。
たいていは多少強引にでも役をこちらにひきつけるか
もしくは役に近づこうという方が多いことを思うとなおさらです。

それだけに何を聞いてもこちらがその間合いというか
話しに気持ちがすぐ乗せることができ
その語りに耳を自然に傾けることができるのかもしれません。
とにかくじつに聞きやすいという気がいつも根谷さんの演技のベースにあるという気がします。

根谷さんの名前をみると妙に安心するというか
もうそれだけである一定のレベルが保持されたという安堵感がおきるのは
そういうところにも理由があるからかもしれません。

どちらかというとガンガン作品を引っ張る役と言うより
ストーリーを支えるしっかりとした役が多いように感じられますが
こういう方がこれからもどんどん活躍されると
さぞ現場もやりやすいのでは?という気がします。

守備範囲が広くしかも堅実な名選手といった感じがする根谷さん
ある意味以前取り上げさせていただきました雪野さんとまた違った意味で
とにかく職人的な巧さをもった方という気がしますので、
これからもひとつでも多くの作品に無理なく出演し
その作品達を支えていってほしいと強く願う次第です。

こういう方の存在
地味かもしれませんがほんと大きいと思います。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%B9%E8%B0%B7%E7%BE%8E%E6%99%BA%E5%AD%90
根谷美智子さん
(ウィキペディア(Wikipedia))より。


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金田朋子さん [声優(ひと)]

ある意味地元横浜が生んだ世界遺産的な声優さん。
それが金田朋子さん。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E7%94%B0%E6%9C%8B%E5%AD%90
(ウィキペディア(Wikipedia)より)

この人の声を意識したのは「あずまんが大王」の美浜ちよ役。
それ以前に出ていた作品もあるけど
ちょうど自分がアニメと疎遠になっていた時期なので
このあたりは当時記憶に残っていない。

で、その声を聞いたとき
これがナチュラルなものなのか本人の加工声なのか
ちょっと判別しずらいものがあったが
この役はこの人しかいない
というものをとにかく強く感じたものでした。

で、その後この声がほとんどナチュラルだと気づいたのですが
そうなるとこの声は他に取替えがきかない貴重な声と思った反面
需要がなくなるとどうにも潰しのきかない声という気もしてしまい
ちょっと気になったりしていました。

で、その後いろいろな作品に出演されていたようですが
意外なほど記憶や印象に残ることがなく、
これなら金田さんがやらなくてもいいのでは?
という気がしたりするものもいくつか見受けられました。

ここでひとつ思ったことに
金田さんというのは失礼な物言いですが
ちょっと役に入るのが不器用な方なのかな?
ということがありました。

つまりその役を無難な程度にやれるというのならともかく
自分のものに染めてしまうということ
もしくは自分がその役を完全に掌握するということが
あまり得意ではないのかなという気がしたのです。
もちろん自分が聞いたどの役も一生懸命にやられてはいるのですが
この方どこまでいっても本能的というか天動説型の方なので
沿わないところを微調整してうまくあわせるということが不得手らしく
そこの部分が大きければ大きいほど
印象が薄くなってしまうように感じられてしまうのです。

ただそのかわりひとつ役を完全に掌握して
自分の語法に完全染め上げると
その語法を認めた場合
出来不出来が皆無の
じつに安心して聞いていられるし
この役はこの方以外には考えられないというほどの
圧倒的な存在感をみせてくれるようです。

そんな中で近年出色だったのが
「BLACK LAGOON」の双子のグレーテル役。

正直最初「ちよちゃんの人殺し!」という感じがしたものの
みてて、これ金田さん以外じゃ無理な役だなという気が強くしはじめ
終わってみれば「お空がきれい…」の最後の台詞まで
じつに素晴らしい存在感をみせてくれました。

ただここで思ったことに
この人は年齢や精神、さらにはそれに対する環境のどれかが
ひじょうにアンバランスなとろこで成立しているキャラに
ものすごく強いものをもっているのではということがありました。

美浜ちよは年齢と精神はともかくその環境とのバランス
グレーテルは年齢と精神のバランスの危険なところでの成立と、さらにその環境とのバランス
そして最近の「Myself ; Yourself」の織部麻緒衣における単純に年齢と精神のバランス
にそれぞれ独自のアンバランスをもったところでバランスをとっているといった役に
かなり強いものをもっているという気がします。

だから単純に小さい女の子とか年齢の幼い子だと
どこかで金田さんの声とすれ違っている部分があるのではないかと
そんな気がしてしまい
それが上での掌握の件とあいまって印象の薄さにたまに繋がっているのではないかと
そんな気もしています。

もっともそうなると金田さんの声って単純童女声ではない
ちょっと複雑な紋様をもった声質なのかもしれません。
ある意味幼さからくる無垢でナチュラルな残酷さといいましょうか、
そんな要素をもった部分の背後に繋がっている声といいましょうか…。

ただこういう部分って、けっこう惹かれる方々が多いシチュエーションと繋がってもおりまして
そういう意味ではその範囲は決して広くないかもしれませんが
永遠に廃れることのない分野の声質という気もします。

そんな部分を押さえているかもしれない貴重な声質を
あまり考えることなく自然に使用し原生林的な状態で保っている金田さんに
自分は冒頭で述べた独特な印象を持っています。

とにくかこれからも手付かずの状態の声質で自然に演じていってほしいものですし、
それだけに声の疲れには特に気をつけ大事にご活躍してほしいものです。


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桑島法子さん [声優(ひと)]

自分は一度書かなくなると何日間もさっぱりとなるが
書き出すと収拾がつかくなるくらい一気に書き込む癖がある。
ただこの二十四時間でこれだけ書き込むのは珍しい。
おそらくこの反動でいつかまるで書かなくなる時期がくるだろう。
一足早い入梅といったところだろうか。

さて今回の桑島さん。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A1%91%E5%B3%B6%E6%B3%95%E5%AD%90
(ウィキペディア(Wikipedia)

最初の「機動戦艦ナデシコ」のミスマル・ユリカ役。
これにいきなりつきてしまうところがあった。

このとき
「この人も林原さんと同じかんじで
最初はアイドル的な売りで行くんだろうな」と思っていたが、
途中からどうもそういうかんじではなくなってきた。

ナデシコの二年後に
「dancing blade かってに桃天使!」のOPとEDを出したり
アルバムもその後出したもののどうも雲行きがおかしい。

当時ある関係者に聞いたところ
「どうも桑島さんは歌が苦手らしい」という答えが返ってきた。
「音痴なんですか?」とこちらもまたよせばいいのに馬鹿な聞き返しをして、
けっこうその場がにっちもさっちもいかなくなってしまったものだった。
このとき自分はその方に
「だったら朗読でもお願いしたら?同郷の宮沢賢治なんかどうですか?」
と、こちらからリクエストしたものでしたが、やはり売る方としては
「うーん」となったものでした。あたりまえのことですが…。

その後桑島さんは声優としては活躍するものの
いわゆるアイドル路線的なものからはフェードアウトしたようで
その後はじつに堅実に活動されているようですが、
なぜか最近どうも「亡くなられる」役が多いようです。
その声質からかちょっと薄幸な宿命をもった役に当たりまくっているようで、
ここ数年「SEED」や「BLACK LAGOON」から
最近の「ゲゲゲの鬼太郎」の百々目鬼役にいたるまで、
じつにみな潔いほど印象深く死にまくっている。

一時のピラニア軍団の川谷拓三さんではないが、
ここまでくるともう死に役の名人とさえいいたくなってくる。

ただこの人の演じる死んだキャラクターの場合、
なぜか皆、ここでおしまいというかんじではなく、
どこか来世での幸せを強く感じさせる部分がある。
それは宮沢賢治のもつひとつの死生観というものに、
どことなくつながっているような気がして不思議な感じがしたものでした。

まあそのあたりは考えすぎの夢物語として、
そう思いたくなるほど観る側に強く感情移入させるような、
そんな演技と声質を桑島さんがもっていることは確かだと思います。

…とはいえ、やはりしょっちゅう死に役というのもなんといいますか…でして、
やはり最後を明るく元気に笑顔で迎えられる役をもう少し増やしてほしい…、
という気が正直します。なんとかならないものでしょうか。

ところで桑島さんの声、本質的には清澄なのですが、
ドラマ性を常に包括した声でもあるといっていいでしょう。
これが上での現象を引き起こしている
ひとつの要因といえると思います。

そういえば同じようにドラマ性を持った声優さんとしては
かの小山茉美さんあたりもあがるのですが、
そうなると「SEED」で三石さんに対する桑島さんが
「DESTINY」では三石さんに対して小山さんだったのも、
たんなるガンダム繋がりだけではなかったのかもしれません。

このあたりなかなか面白いものがありますが、
まあこれだけいろいろと考えられるのは、
逆に言うと桑島さんの幅の広さがあるからなのでしょう。

他にも桑島さんと能登さんとの声の関係というのも、
じつはなかなか興味深いものがありますが、
このあたりはまた機会がありましたらということで。

最後に桑島さんにとってライフワークのひとつともいえる
そんな公演がこの9月にあります。
宮沢賢治が好きな自分にとってもこれは注目の公演です。

最初自分はこの公演のことを「今後ライフワークのひとつとなる」と書いてしまいましたが
これは自分の書き間違いと事実誤認が原因です。申し訳ありませんでした。

詳細は以下のリンク先をご参照ください。
http://www.ms-e.jp/roudokuya/kongo.htm

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余談ですが当blog内「賢治さんの田園」
http://blog.so-net.ne.jp/ORCH/2005-10-26


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福山潤さん [声優(ひと)]

別に声の仕事をしてるわけでもないし
その専門の人間でもない自分がああだれこうだれというのは
いささか出すぎたものがあるのかもしれない。
ただ書いていて自分なりにいろいろと発見があるというか、
ちょっとした声優さんの流れというものが見えてくる場合があるし、
かつての声優さんと似たポジションを新しい方が受け継ぐ場合もあることを
たまに気づかせられることがある。
そういうのを見たり感じたりすると、
年月は経てど人の趣味嗜好というのは、
ベースのところではあまり変わっていないのかな?と、、
いろいろと感じられなかなか興味深いものがあります。
このあたりまとめていつか系譜というか流れというか、
さらにはひとつの周期みたいなものを書いてみたいと思います。
ただいつのことかはわかりませんが…。

さて福山潤さん。
最近活躍している男性声優さんの中でも
かなり目立った活躍をされている方だということは、
もうファンならずとも一致した意見だと思います。

ただ自分は福山さんのことを意識したのはかなり最近で、
「クラスターエッジ」のベリル・ジャスパー役からだったと思います。
そのためかつて∀ガンダムに出ていたことは最近まで失念していましたし
「テイルズオブデスティニー2」や
「巌窟王」はみていなかったのでそのあたりを語ることもできません

ただこのベリル役はとても印象が強く
その存在感の強い、しかもかなり腰の強い声質は、
ある意味、気位の高いキャラにピッタリというかんじがしたものでした。
その後「いぬかみっ!」の川平啓太役や
「xxxHOLiC」の四月一日君尋役のようなコミカルな役、
さらには「武装錬金」の武藤カズキ役のような熱血役や、
「はっぴぃセブン~ざ・テレビまんが~」の河川菊之介役などもこなしていますが、
インパクトの強さは先のベリル役、
さらには「少年陰陽師」の藤原敏次役、
そしてなによりも
「コードギアス 反逆のルルーシュ」のルルーシュ・ランペルージ役は
おそらく今後この人の代表作となっていくほどのものがありましたし、
そのストーリーを引っ張る力というか強さには並々ならぬものを感じたものでした。

考えてみるとベリル役といい、藤原敏次役といい
そしてこのルルーシュ役といい、
その設定に貴族もしくは高貴なものを持ち、
なおかつ強めの意志を持つキャラクターを演じたときの福山さんは、
正直ここ数年の男性声優でも極めて異彩を放っているといえるとおもいます。
その芯の強い声、ある意味直線的ともいえる喋り方が
絶対退くことがないという意識と格調のようなものがそう感じさせるのでしょう。

こういう貴族系のキャラにおいてこういう語り口をもった声優さんというと、
かつての長浜アニメ作品群で敵人気キャラを演じていた、
名優、市川治さんが自分は浮かんできます。
たしかにこのての役をやらせると、
お二方ともじつに方向性が似た、
ひたむきかつどこか悲劇的な雰囲気(除く「敏次」)を漂わせた語りとなります。

特に福山さんのルルーシュと市川さんのボルテスにおけるハイネル役は
状況は違うにせよどこ似た感触を感じてしまういます。
特にひたむきさと真っ直ぐという部分においてです。

もっともじゃあ福山さんが市川さんのコピーかというとそうではありません。
投手で例えるとお二方ともに同じ本格派の速球投手ではあるものの、
市川さんは高めの真っ直ぐストレートで三振を取りにくるのに対し
福山さんは低めの微妙に変化するストレートでつまらせるタイプという感じで、
聞き手に強さや気品からくる格調を共に感じさせはするものの、
その質には少なからぬ違いがあると感じさせられるものがあります。

ただ福山さんがたしかに市川さんとは違ったタイプではあるものの
そのラインを担うことができる数少ないタイプの方ということは確かでして、
そういう意味ではいろいろな主役をこなせるだけでなく、
上記したような格調的な喋り方を要求されるような、
そういう希少な役に類稀な強さを発揮できる方ということもいえると思います。

コードギアスがこれだけ人気が出たのも、
福山さんの白熱的かつひたむきな要素が色濃くでればでるほど
悲劇的な要素がより増幅し緊迫の度合いを深めるという、
そういう特色が大きかったという気がします。

もっともそれだけにギアス以降
「何をやってもルルーシュ」というあたりが多少出てくるとは思いますが、
福山さんは引き出しがけっこういろいろとあるようなので、
このあたりのバランスも今後うまくとっていくのではと思っています。

このあたりも今後ちょっと注目してみたいと思います。
そういう意味で今秋の新番組
「レンタルマギカ」の主役伊達いつき役はたのしみです。
http://www.kadokawa.co.jp/sneaker/magica/animation/

福山潤さん。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%8F%E5%B1%B1%E6%BD%A4
(ウィキペディア(Wikipedia)


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斎賀みつきさん [声優(ひと)]

斎賀みつきさん。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%8E%E8%B3%80%E3%81%BF%E3%81%A4%E3%81%8D
(ウィキペディア(Wikipedia)

最初におことわりしますが
自分は2000-2004年くらいの間
アニメからかなり離れていた時期があり
その期間を含めた前後数年の作品はかなり抜け落ちています。
その点をまずご了承ください。

斎賀さんの声を初めて意識したのは
「ギルガメッシュ」のヴェルデンベルグ伯爵夫人役と
「PEACE MAKER鐵」の沖田総司役。
この二人が同じ人がやっていると気づいたときには驚きました。

特に沖田は完全に男性がやっているとおもっていただけに
これはかなりの衝撃でした。

男性役が得意な声優さんというと
過去にもいろいろと著名な方がいらっしゃいましたし
緒方恵美さんなどは特にこのあたりの役に大きな貢献をされています。
斎賀さんもこの系統の声優さんということなのでしょうが
斎賀さんの場合はなんといいますか、
例えば緒方さんなどが多少年齢を上げた男性の声をやると
一種独特の艶のようなものがそこに加わり
ひとつの個性を築いていたのですが、
斎賀さんの場合はそのあたりが意外と希薄なのです。

つまり聞いていてその艶からときおり感じられる「女性が男役をやっている」という部分が無く
男性がふつうに男役をやっているというかんじに聞こえてくるのです。
これはしゃべり方や声域が低いということもあるでしようが
それ以上に颯爽とし、
かつあっさりとした声質というのもこの場合影響しているのかもしれません。

例えとしてはちょっときびしい例えかもしれませんが
野沢雅子さんが子供の声をやると、
女性が声をやっているという部分が無くなることと同じかもしれませんが、
ただ斎賀さんの場合野沢さんが自分に役をひきつけるのに対して
より役にこちらから近づいていく声ということを考えると
どの領域でもしっかりと各種「男性」を演技されているということに
ある意味畏敬の念さえ感じてしまいます。

「げんしけん」の高坂真琴役。
「今日からマ王!」のヴォルフラム役。
「CLUSTER EDGE」のベスビア・バレンチノ役。
「Project BLUE 地球SOS」のペニー・カーター役。
「地球へ…」のジョミー・マーキス・シン役。

これらはいずれもその最たる例だと思います。

ただ斎賀さんの場合はじゃあ男性役ばかりかというとそうでもなく、
女性役もけっこうな数こなしているということ。
そこにもまたある意味畏敬の念を感じてしまいます。

あと斎賀さんを囲む環境というのも斎賀さんの男役というのを後押ししているようで、
最近の活躍されている男性声優さんが
そのファンのニーズからなのか、かなり声域が高めになっているということもあり
これが斎賀さんの声域にとって有利に働いているという部分もあるようです。
斎賀さんの男役。
こういう状況下ということもあり、さらにこれからも磨きがかかっていきそうです。

それにしてもここまで女性による男性役がきわまると
将来女性だけの男性キャラオンリーのアニメができるかもしれませんね。
(もうあったかな?)
男性声優もたいへんだあ…。

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あと余談ですが
斎賀さんの声を聞いた時、ある方の声が急に浮かんできました。

ブリギッテ・ファスベンダー。
http://www.bach-cantatas.com/Bio/Fassbaender-Brigitte.htm

1970年代以降に一世を風靡したメゾ・ソプラノの歌手ですが
「ばらの騎士」のオクタビアン、「こうもり」のオルロフスキー、
「ヘンゼルとグレーテル」のヘンゼル役などの男役(男の子も含む)もこなし、
特に名指揮者カルロス・クライバーの指揮した
「ばらの騎士」でのオクタビアンは絶賛を博しました。

この方の声がどことなく斎賀さんのそれと似ているのですが
颯爽とした雰囲気がそういう部分で重なるのかもしれません。


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雪野五月さん [声優(ひと)]

雪野さんというと、とにかく何をやっても巧いという印象があるし、
この方の名前があると
その役づくりに関してはまず全幅の信頼をおける方だけに
見る前からこちらも安心できてしまう。
それくらいの方なのだ。

しかもこの方
かなり幅広い役柄を(すべてを観てはいませんが)
じつに多彩かつ真摯に演じることができるので
この方と山寺宏一さんの二人だけで
アニメ一本のすべてのキャラがまかなえるのでは?と
本気でおもえたことがあるほどでした。

そんな雪野さん
いつも巧い巧いでみていた自分を根こそぎ驚かせたのが
「ひぐらしのなく頃に」での「園崎魅音、園崎詩音」役。

正直その役への没入の仕方が尋常ではなく
怖いというかんじすらしたほどでしたが、
そういう真摯な姿勢は当たり前だしそれがプロという当人の姿勢がみえるようで
そのストイックなところにちょっとロバート・デ・ニーロとダブる部分があるものの
まこと良心的な方という気がこのとき強くしたものでした。

それにしても怖かった。
園崎姉妹役はふだんの姿と
次第に狂気に染まっていく姿との対比が鮮烈で
特にときに発する凄まじいまでの奇声が
行き場の無い爆発的な感情が裂けてしまった瞬間をみたようで
みていて戦慄的なものさえ感じたものでした。

また「ごめんなさいごめんなさい」の異常なまでの早口の繰り返しも
狂気の空間を埋め尽くす呪文のようにも聞こえ
「雪野さん、ほんと大丈夫?」と心配さえしたほどでした。

ただ雪野さんの場合たしかに上記のように
狂気と紙一重のところまで没入し没我の状態まで演技しているように感じられるものの、
じつはその狂気や没我の状態も事前にしっかりと計算された上で設計されており、
「ここまでは完全に没我になりきる」という強いコントロールの下で
すべてがきっちりと寸法の中で収まっている。
だからこちらはどこまでいっても絶対の信頼をもって作品を観ることができる。

ふつうあまりコントロールが強いと
どこか突き抜けないイメージというのがでてくるのですが
雪野さんの場合アクセル踏むと
それこそ本能的なくらい床まで踏み抜くほどに
一気にその振子を大きく振り切ることができるのでそういう変な抑制感が無い。
ほんとにたいしたものだと思う。
しかもそれを観ている人間にそれを感じさせないのだから感心してしまう。

おそらく影ではかなり自分を追い込んでいく、
それこそイチローやかつての中田ヒデのような
ストイックなまでに自分を追い込み
危険なまでに作品やキャラクターに接近することを試みているのだろうけど、
ただそれにしてはこなしている作品数がかなり多い。

ひょっとするとじつは役によっては息抜き&リラックスする役というのを決め
そこで自分の気持ちに硬軟緩急をつけるようにしているのかもしれない。
そうでなければちょっともたない気がするのだけどどうでしょう。

ただこの方の場合息抜き&リラックスも真摯にやるので
決してグダグダにならず手抜きにもならない。
ここのところが雪野さんのこれまた凄いところなのかもしれない。

あと雪野さんは自分の痕跡を本編に残さないこともある。
最近放送された「ゲゲゲの鬼太郎」における綾という小さい女の子役、
あれがEDのキャストをみるまでに雪野さんと見破った人が何人いたことか。

自分は雪野さんを畳百畳に達磨を書き、米粒に観音様の絵も書ける、
そう言ったことがありますが
それは自分の個性を強く投影することもできれば消し去ることもできるという
そういうことも意味として含まれておりまして
とにかくいろんな意味で凄いですし
またとても実直な人という気がします。

因みに今月25日は雪野さんのお誕生日。
これからもあまり無理せず
それこそ自分の役作り同様、しっかりとした設計のもとに末永く活躍してください。

以上で〆です。

雪野五月さん
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%AA%E9%87%8E%E4%BA%94%E6%9C%88
(ウィキペディア(Wikipedia)

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(追伸)

なんか雪野さんをよいしょしているだけの文とみえるかもしれませんが、
正直、じゃあどこに注文つけるの?という気がします。
あえていえばあまりにも巧すぎるがためにとっつきにくく
一歩退いてしまう部分が人によってはあるといったところくらいでしょうか。

ただそれもまた雪野さんらしいといえばらしいんですけど…。

自分などは昔かたぎの職人さんといいますか
昭和に活躍していた声優さんのような感じがするので
そういう意味でちょっと懐かしいし、むしろとっつきやすいんですけどね。
その演じられている役のつくりに対しては。

もし雪野さんの役づくりあたりが正当に評価されなくなったら
世代やファン層の価値観が激変したか
日本のアニメ業界が駄目になったかのどちらかでしょう。


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能登麻美子さん [声優(ひと)]

能登麻美子さん。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%83%BD%E7%99%BB%E9%BA%BB%E7%BE%8E%E5%AD%90
(ウィキペディア(Wikipedia)

じつは自分がいちばんアニメから離れていた時期に
急に頭角をあらわしてきた方だけに
いつ頃から人気が出てきたのかちょっとリアルな状況をしらないので
なんともいえないものがあるのですが
個人的には「地獄少女」の閻魔あい役で人気が出てからの印象ということになります。

最初その「地獄少女」の印象は無口なキャラということもあって
やや無機質なかんじを受け、
また常に声の語尾が下がり気味な音質となるため
なんかちょっと暗い影のようなものをそこに感じたもので、
そのせいか印象もけっこう強いものがありました。

その後能登さんの声はあちこちでよく聞いたのですが
全部をみていないのでなんともいえないものの
じつはその後あんまり強い印象を受けていません。

なんといいますか特に人数の多い作品や
強い声を全体的に要求されると
前者ではこの方独特の声の伸ばしに入る前にフレーズが終わったり
後者では強い声を出しながらもどこか軽い声に抜けようとするような
そんな部分が感じられ、それほどインパクトを強く受けなかったのです。

 (特に大人数系の作品だと強い印象を与えるまでになかなか行かないようで、
 そういう意味では平野綾さんなどはある意味一発芸的特性をもってます。
 能登さんはそういう意味では効き目に時間のかかる漢方系なのでしょうか?)

そんな能登さんが最近演じられている二つの役
「sola」の四方茉莉役と、「怪物王女」の令裡役。
この二つに自分はちょっと注目しています。

かつて自分はこのサイトの別項で
その役柄から地獄少女を含めて
これがほんとの「もののけ姫」状態と呼称してしまいましたが、
そこで自分は以下のようにも書いています。

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また能登さんは閻魔あいもそうですが
人間にしてはテンポが微妙にズレた味があるというところが、
それぞれうまくスイングしたのかもしれない。

特に能登さんはいろいろな役をやってはいるけど
こういう人型をやったときの方が人をやるよりもハマるのは
前述したズレた部分と僅かに感じられる無機質的な声質が
(※無機質…もうちょっと上手い例えがあるといいんですけど…)
そこにミステリアスな部分を生み、それがうまく咬んでくるからだろう。

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たしかにこれもこれであれなのですが
別のページで書いた項目に対してのある方のコメントで
能登さんの声に癒されるというご意見を拝見したときに
ある声が能登さんの声とかぶって浮かんできたのです。

それはいわゆるグレゴリオ聖歌等の古楽系の歌を歌う
古楽系男声アンサンブルのそれで、
能登さんの声のもつ方向性が
このあたりの声と近いという気がしてきたのです。

意外かもしれませんがじつはこのあたり、
現在はヒーリング音楽としても愛聴されているので
先にご指摘された「癒し」という部分と
このあたり微妙にかぶっているのかもしれません。

能登さんの声はいわゆるハスキー系なのですが
それがマリリン・モンローだとか
ヘレン・メリルのような艶のあるようなものとは微妙に違い
声の質がより軽くしかもより乾いた感じがするためか
(変な例えですが乾いた霧のような声といっていいのでしょうか)
むしろ清澄さにその座標が向いている部分があるようです。
これが先の古楽系男声アンサンブルと
どこかイメージがかぶる要因なのかもしれません。

ではそんな能登さんの声が
他の明確で硬質な声の方と共演するとどうなるかというと
お互いの異質な部分が鮮やかに対比されるかんじとなり
能登さんおよび共演の方両方の特長が際立つ
そんな結果に多くはなっているようです。

(余談ですが古楽アンサンブルとサックスの組み合わせによる
「オフィチウム」というアルバム
http://blog.so-net.ne.jp/ORCH/archive/20060309
そこでも同じようなことがおきていましたし
結果としてそれは稀に見る美しいコラボレーションと
癒しの音楽を奏でることに成功していました。)

あと能登さんの声はその聞いた印象より芯の強い、
しかも伸びのある要素をもった質感のある声質であるため
いくら声が軽くなっても耳に強く残る部分があり
印象が弱くなることがないのが強みといえるようです。
(「怪物王女」の令裡役などはそのいい例かもしれませんし
「sola」の四方茉莉役で、はかなさと強さの両方を表出しているのもそのせいだと思います。)

とにかく独特の漢方系ヒーリングボイスをもった能登さん。
「sola」の四方茉莉役と「怪物王女」の令裡役という好対照なふたつの役で、
現在自分の特性をフルに発揮していらっしゃいますが、
これからもその声質でより多くのファンを永く癒し続けてほしいものです。

以上で〆です。

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(追補)

久しぶりにこの種の個人スレ書いたのですが
けっきょくより散漫かつ冗長になってしまいました。
正直能登さんのファンの方には申し訳ない内容という気も…。

ほんとうは以前声楽の方に聞いた話しで、
例えばフォルマントとか発声と声質のメカニズム等を織り込んだ方が
よりわかりやすく短くなったのでしょうが
情けないかなその話しは自分にはむつかしすぎて
聞いてもほとんど理解できずわかりませんでした。
このあたりもうちょっと勉強しないと…。

書き上げていきなりですが今回は反省しきりです。
時間があったら少しずつでも今後手を入れていきたいと思います。


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