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新日本フィル・ニューイヤー・コンサートに行く。 [演奏会いろいろ]

原田慶太楼指揮新日本フィルハーモニー交響楽団
(ニューイヤー・コンサート 2017)

1.3(火) 14:00 開演/すみだトリフォニーホール

J.シュトラウスⅡ:喜歌劇『こうもり』序曲
J.シュトラウスⅡ:ポルカ・シュネル『雷鳴と電光』
J.シュトラウスⅡ:トリッチ・トラッチ・ポルカ
J.シュトラウスⅡ:新ピッツィカート・ポルカ
J.シュトラウスⅡ:ポルカ・シュネル『観光列車』
J.シュトラウスⅡ:ワルツ『美しく青きドナウ』
J.シュトラウスⅡ:喜歌劇『ジプシー男爵』序曲
アッペルモント:トロンボーンのための『カラーズ』(オーケストラ版)
※トロンボーン山口尚人(新日本フィル 副首席トロンボーン奏者)
外山雄三:管弦楽のためのラプソディー

司会/田添菜穂子

◎三階11列37番。


自分は人の話を聞いてないようで聞いてることがままある。

この指揮者の名前は以前から知ってたけど、さして気にとめてはいなかった。

だが数か月前ここにその指揮者をとりあげるコメントをみかけた。

そのときはそれほど興味の無い素振りをしていたが、少しこのことから気になっていろいろと調べていたら、まもなく来日することが分かった。


日にちが微妙なところなので、なかなか購入に踏み切れなかったが、かなり残席がすくなくなっていたため、12/27の夜に見切り発車で購入したのがこの演奏会。


曲目的に指揮者のセンスが問われる部分があり、けっこうおもしろいプログラムでもあった。

ワルツがほとんどないけど、明るく晴れやかという意味ではこういう選曲も◎。

で、肝心の演奏ですが、指揮者はかなり自由に、しかも聴かせどころを上手く押さえた演奏をしていて、どの曲もまったく飽きさせない。


どの曲も気持ちいいくらい明るく、そしてちょっと詩的でチャーミングな部分もあって、賑やかな部分でもただの喧騒にならないのがまたいい。

音が大きくなってもギスギスしたり力みかえったこともなく、洗練された響きがとにかく心地よい。

指揮者のセンスのよさが最初から全開。


ただそれ以上に驚いたのが、久しぶりに聴いた新日本フィルの弦の良さ。

以前聴いたときよりも各段にふくよかで艶があり、これがまたとても聴いていて気持ちいいものがあった。

ただそれはウィーン風というより、テラークの録音で聴く「シンシナティ・ポップス」のそれに似ていて、シンシナティが活躍している指揮者だからかなと、ちょっとこのあたり興味深い響きとなっていた。

それとも新日本フィルはここ数年弦が充実しているのだろうか。


後半は抽選会などもあり、かなりこれまた愉しいものとなっていた。

指揮者の原田さんは、トークをはじめとして場もちも上手く、このあたりはアメリカで培ったものなのかなあと思ったけど、この世代は川瀬さんもそうだけど物おじしない人が多い。

若い世代の粋の良さと逞しさをあらためて痛感した次第。

最後もちょっとしたサプライズを用意したり、外国のポップスオケがよくやるクロージングの一発ものありと、手慣れた感じで休憩時間20分を挟んでの二時間かっきりに、見事にコンサートをまとめあげていた。


今回はこういう小品集を聴かせてもらったけど、なるほど評判がいいのはごもっともというかんじで、
いろいろとまた聴かせてもらいたし、特にリヒャルト・シュトラウスのオペラなど聴いてみたいとかんじさせてくれた。


というのもこの日演奏されたアッペルモントの曲。

なんでも管弦楽版をプロオケが演奏したのは、今日が日本初ということらしいのですが、これをじつに素晴らしく絶妙に聴かせてくれたからだ。


曲としてはハリウッドの映画音楽や、劇場版の大作アニメに使われてもおかしくないようなかんじで、そういうとても聴きやすいものだけど、それだけに指揮者の手綱捌きが大事。

原田さんはこの曲の聴きどころを明確に、しかもソロもとりやすいスペースをとりながら、冗漫になることもなく、じつにうまく山あり谷ありに聴かせてくれていた。

尚、この曲、、じつは四つの部分に曲が分かれているらしく、各々「黄色」「赤色」「青色」「緑色」がイメージされているため、舞台の壁ではその部分ごとに、該当する色を映し出すというなかなか粋な演出をしてくれていた。

因みに「青」の部分はジェームズ・ホーナー風、「緑」はアラン・シルヴェストリ風の曲調だった。

ソロの山口さんもかなり頑張っていて、これはこの日の掘り出し物というかんじだった。



とにかく新春コンサートらしい楽しさと華やかさ、そして指揮者のしっかりとした実力も伺える、とても得したいいコンサートでした。


原田さんにはまた近いうち来日してほしいものです。

…と思ってたら2017年7/29に、神奈川フィルの指揮台に立つとのこと。

昨年の海老名のコンサートが、横浜市民は聴けないという悲しい縛りがあったので、これはほんとうにありがたいです。


あともちろん司会をされた田添さんも良かったから、とてもいいコンサートになったと思います。

何も触れなかったのでダメ出しと勘違いされそうなので、最後にあえて一言でした。



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コメント 9

サンフランシスコ人

現在、米国で年中活躍する日本人指揮者は、原田慶太楼しか知りません...
by サンフランシスコ人 (2017-01-18 03:51) 

 サンフランシスコ人

7/17 原田慶太楼がシンシナティ・オペラを指揮.......

http://www.cincinnatiopera.org/song-uproar
by サンフランシスコ人 (2017-05-24 08:02) 

 サンフランシスコ人

原田慶太楼がバークレー交響楽団に出たみたいです...

http://www.sfcv.org/reviews/none/berkeley-symphony-pulls-off-dramatic-program-of-saints-and-sinners
by サンフランシスコ人 (2018-02-11 05:29) 

サンフランシスコ人

「現在、米国で年中活躍する日本人指揮者は、原田慶太楼しか知りません...」

http://operawire.com/lawrence-brownlee-carl-tanner-featured-in-north-carolina-operas-2019-20-season/

来シーズン、原田慶太楼がNorth Carolina Operaを指揮......
by サンフランシスコ人 (2019-03-29 02:35) 

サンフランシスコ人

今夏、原田慶太楼がヒューストン交響楽団を指揮...

http://www.houstonsymphony.org/tickets/concerts/harry-potter-and-the-order-of-the-phoenix-in-concert/
by サンフランシスコ人 (2019-04-29 03:48) 

サンフランシスコ人

原田慶太楼がサバンナ・フィルハーモニックの音楽監督に決定...

http://www.connectsavannah.com/savannah/keitaro-harada-set-to-take-the-baton-at-savannah-philharmonic/Content?oid=13003056

"THE renowned conductor Keitaro Harada will join the Savannah Philharmonic as its Music and Artistic Director in the 2020-21 season, the Philharmonic has announced."
by サンフランシスコ人 (2019-07-30 05:58) 

サンフランシスコ人

面白そうな演奏会みたい.....

http://yomikyo.or.jp/concert/2023/07/post-649.php#concert

読売日本交響楽団 華麗なるラフマニノフ&《新世界》原田慶太楼☓牛田智大

2024 1.24〈水〉 19:00 

会場=和歌山県民文化会館 大ホール

指揮=原田慶太楼
ピアノ=牛田智大

ネイラー:序曲「徳川頼貞」
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18
ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 作品95「新世界から」

http://www.wacaf.or.jp/event/event.html?sno=7201
by サンフランシスコ人 (2023-11-23 05:17) 

サンフランシスコ人

外山雄三:管弦楽のためのラプソディー.......8/24 原田慶太楼がサヴァンナ・フィルハーモニックで.....

http://savannahphilharmonic.org/event/romantic-rachmaninoff/

Saturday, August 24, 2024 – 7:30pm
The Lucas Theatre for the Arts
Keitaro Harada conductor – Imani Winds

YŪZŌ TOYAMA Rhapsody for Orchestra
GIPPS Death on the Pale Horse
JEFF SCOTT Paradise Valley
RACHMANINOFF Symphony No. 2

by サンフランシスコ人 (2024-03-02 08:34) 

サンフランシスコ人

シンシナティ交響楽団も、来年"外山雄三:管弦楽のためのラプソディー"をやるみたいです...

http://www.cincinnatisymphony.org/tickets-and-events/buy-tickets/cso/2425-cso-season/sheherazade/

MAR 28-29 | Music Hall

Artists

Keitaro Harada, conductor

Anne Akiko Meyers, violin

Program

TOYAMA: Rhapsody for Orchestra
Arturo MÁRQUEZ: Fandango

RIMSKY-KORSAKOV: Sheherazade


by サンフランシスコ人 (2024-03-06 04:35) 

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