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日本のメディア芸術100選 [アニメ(日本のメディア芸術100選)]

http://www.bunka.go.jp/
文化庁のサイトですでに発表になっていますが

「日本のメディア芸術100選」

の投票&アンケート結果が発表されました。
詳細は
http://plaza.bunka.go.jp/hundred/index.html
にあります。

因みにアニメ部門は
http://plaza.bunka.go.jp/hundred/bumon_anime.html
年代別は
http://plaza.bunka.go.jp/hundred/nendai.html
また
http://plaza.bunka.go.jp/hundred/choice.html
には富野由悠季さんと神村幸子さんの投票内容も掲載されています。

※以下に雑感が続きます。


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「日本のメディア芸術100選」 のアニメ部門雑感その1 [アニメ(日本のメディア芸術100選)]

今回行われた「日本のメディア芸術100選」は
2006年7月13日(木)~8月31日(木)の50日間 に

■一般の方
Webサイト「文化庁メディア芸術プラザ」内に「文化庁メディア芸術祭10周年アンケート 日本のメディア芸術100選」コーナーを設置し、アート部門、エンターテインメント部門、アニメーション部門、マンガ部門の4部門それぞれに回答。<Webアンケート・エントリー方式>
■専門家の方
メディア芸術に関わる専門家(文化庁メディア芸術祭歴代受賞者・同歴代審査員を含むアーティスト・編集者・評論家の方など)約400名にアンケート票を郵送し、回答後、同じく郵送(またはFAX)にて回収。

以上文化庁公式サイトより

というやり方で集計したものとなっています。
因みにアニメ部門は
回答者数 12,840名(一般の方12,791名/専門家の方49名) 総得票数 80,402票
となっています。

この結果は
http://plaza.bunka.go.jp/hundred/bumon_anime.html
に詳細がでていますが
これをみてまあまあ妥当という反面、
「え!あの作品が無いの!」というものがあったのも正直な感想でした。
なかには自分の思い入れが強い作品もありますのであれなのですが
今回50位に入らなかった作品で気になったものをいくつかあけでみたいと思います。

「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」のような
ほとんど日常生活に溶け込んでしまった作品はともかくとして
※(「サザエさん」は60年代のベスト10には入っています。
例えば70年代の
「コンバトラーV」や「ボルテスⅤ」といっ長浜作品
少女漫画の傑作としてロングランとなった「キャンディキャンディ」
スポーツアニメとして一世を風靡した「ドカベン」
「フランダースの犬」や「マジンガーZ」といった超有名作品

また60年代の「オバケのQ太郎」や「パーマン」といった藤子作品

そして80年代にひとつのムーブメントをつくった「マクロス」や
女性アニメ層を開拓することもなった「キャプテン翼」「聖闘士星矢」
といった作品群や
さらにはTVやビデオとしてヒットした
「北斗の拳」「サイバーフォーミュラ」「るろうに剣心」「シティ・ハンター」
もその名前がでてこなかったのは意外でした。

他にもちょっとこのあたりに入ってくるのがきつかったかもしれませんが
「ワタル」「サムライトルーパー」「らんま」「めぞん」「バイファム」
あたりも残念ながらおよばなかったようです。

この50に入らなかった作品に共通する項目というのは自分には見当たりませんが
あえていうと
この10年に垣間見られることが少なかった作品ということがいえるのかもしれません。
たしかにDVDBOXとして大きなセルをあけだり
続編がOVAとしてヒットした作品はあるものの
TVに限っていえばやはりあまり話題にならない
もしくはその作品に遡るためへの糸がほとんどみあたらない
またはその作品の代わりとなるべき作品があらわれた作品
(ファンが乗り換えていってしまった率が大きかった作品と言うべきかもしれません)
といったものが多いようにも感じられます。

ただ正直にいうと選ばれた作品とそうでない作品には
上であげた理由を含めて決定的な大きな違いや差などがあったというよりも
むしろ今回たまたまそうなったという印象の方が正直強いです。
これがまた五年後十年後となると
新しい作品、さらには過去であっても再評価もしくは人気がぶり返す作品などで
またまた大きく変化していくものと自分は今回の結果をとらえています。

それにしてもこの結果。
とても面白いのは現時点でのDVDのセルが好調もしくは安定しているものと
かなりの部分でシンクロしているというということ。

それを思うとDVDのセルの一年間の全国売り上げを出すと
今現在のアニメ動向だけでなく
現在どういう過去の作品が垣間見られそして依然として根強い人気と評価を
リアル世代だけでなく新しい世代にも継承されていっているのかという
そういうものが浮かんでくるような気がします。
(もっとも「ワンピース」や「名探偵コナン」がそれじゃあなぜ無いのかという疑問もありますが
 ひょっとするとこういう現象は現在進行形の長寿アニメにみられるような
 あまりにも一般的な意味で「サザエさん」や「まる子ちゃん」同様
 身近な作品になりすぎ日常の一部となってしまったために起きた現象なのかもしれません。
 このあたりはより考察すべきことかもしれません。)

たしかにうすうすそういうことは感じてはいたものの
今回の結果はそういうことをあらためて再認識させられる結果となったという気もします。
このあたりは今後のデータとしてたいへん貴重というだけでなく
息の長いアニメーションと疾風のごとく駆け抜けていった作品との違いを検討するのに
とても価値あるものという気がしました。

文化庁にはこれからも継続的にこういうことを続けていってほしいものです。

※以下に続きます。


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「日本のメディア芸術100選」 のアニメ部門雑感その2 [アニメ(日本のメディア芸術100選)]

ところで今回の結果をみてひとつ思ったことに
ギャグアニメがほとんどでてこなかったということでした。

60年代を代表するキャラでもあったニャロメ有する「もーれつア太郎」
80年代を代表するキャラでもあったアラレちゃん有する「Drスランプ」
さらには「天才バカボン」もでてきませんでしたし
あの「らんま」や「タイムボカン」もやはりでてきませんでした。

自分はかつて
喜劇よりも悲劇、陽性よりも陰性のものを高く評価する傾向が日本にはある。
ということをなにかで読んだか聞いたかした記憶があります。

これは文学だけでなく美術や音楽にも合い通じるものがあるらしいのですが
たしかに音楽、特にクラシックでもそういう傾向はあると思います。
ただそれははっきりと明確化されたものではなく
なにか別の要素と結びつくことによって顕著化したものが多く
かならずしも絶対的に陽より陰というわけではないようです。

アニメでもひょっとしたらそういう傾向があるのかと
今回ちょっとこの結果から感じたものです。
ただアニメにおける陽性の作品には陰性の作品よりも
時代を長く生き抜くだけの要素がたりない
言い方を変えればその放送された時代の感覚に密接に近づきすぎたため
後世にまで強くその生命力をもつことが出来ないのではないかという気がします。

これは「笑い」というもののむつかしさにもよるところが大きいと思います。
よく劇において「泣かすよりも笑わせる方がむつかしい」といいます。
この言葉には
たしかに「泣かせる」パターンや傾向というのは案外時代に左右されない
ある意味普遍的なベースのようなものがあるのに対して
「笑わせる」というのはそれらの要素がかなり多様すぎて
かえって狭いことがあげられるのかもしれません。

例えばたんなる笑いでもセンスや感覚というものはドンドン変化します
このあたりは泣かせるということにも通じるのですが
泣かせる場合はいきなり瞬間的にくるということはまずなく
積み重ねで泣かせに来るという場合がほとんどだと思います。
ところが笑いはたしかに積み重ねもありますが
それだけでなく「瞬間の閃き」や「その時代の感覚」というものが
泣きよりも要素として場合によっては大きいということがあり
この部分が逆に時代が変ったときに対応しきれない部分がでてくるのでは?
という気がするのです。

また笑いの大きな要素のひとつにその時代の世相に対する
パロディやジョークというものがあり
これらなどはその時は爆発的な笑いを誘うことがあるものの
ちょっと時代がずれただけで「シラ~」としたものに転化してしまうものもまた多く
たまにはその笑いが後世、感心になってくれるものもあるものの
そのほとんどはやはりその時代を体現もしくは熟知としてないと笑えないという
そういう理由づけ無くして笑えないものとなってしまうものが多いようです。
(立川談志師匠や柳家小三治師匠もこのあたりを落語の課題のひとつとされているようです)

ご存知のとおり、笑いにあとづけの理由などをいわれても
納得はすれど笑うことはまず無いとおもいます。
ここに笑いの要素のむつかしさがあると思うのですが
逆に考えると今回の結果発表に
あれだけ過去人気を誇ったギャグアニメの数々が出てこなかったかということは
これらの作品がいかに当時の世相に即し
しかも時代感覚を巧くとらえマッチしていたかということを
じつによくあらわしているということも言えると思います。

この結果発表はそういう意味で結果にあらわれたものと
あらわれなかったものの両方から考える
じつに興味深いものであったという気がします。

正直ほんとうに意義のある企画でしたし
とても面白い結果であったと思います。
次回同企画があったときの結果が今からとてもたのしみです。

※以上で〆です。

(追伸)
じつはここまで書いてふと思ったことに
作品のもつ量感というか「重さ」や「軽さ」というものも
また人々の印象や記憶というものに影響を与えているようなことがあります。
これに関しましてはまたいずれ機会をみてあらためて書いていきたいと思います。


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