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広川太一郎さん [声優(ひと)]

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BA%83%E5%B7%9D%E5%A4%AA%E4%B8%80%E9%83%8E
(ウィキペディア(Wikipedia)

広川太一郎さんが亡くなられてしばらくたった。
正直最初この報に接したときは信じられなかった。
このため広川さんについてこの機会に書こうと思ったものの、
何をどう書いていいのかわからなかった。

広川さんの声というと自分が印象に残っているものが二つ。

ひとつは「ムーミン」のスノーク。
そしてもうひとつが「モンティ・パイソン」のエリック・アイドルだった。

スノークはプライドが高く鼻持ちならないところがあるが、
ほんとうは自分がいい人であることをちょっと恥ずかしがっているといった
そういう憎めない部分ももっている。
また敵にするととにかく最高に嫌な奴なのだが、
味方になるとけっこう頼りがいのあるという面ももっている。

広川さんはこのちょっとシニカルだがどこか愛すべきキャラでもあるスノークを
じつにその要素すべてを活かした演技をみせていた。
「ムーミン」の第一シリーズは原作者ヤンソンンには極めて不満だったようですが、
広川さんのこのスノークには文句が無かったのではなかろうか。
この第一シリーズを単なる子供向きにしなかったのは、
広川さんのスノークによるところが大きかったと思う。

エリック・アイドルはとにかくお調子ものでお軽い、
そして特に人を食ったような仕草が強烈だった。
広川さんはこの食えないキャラクターを
とにかく巧妙に演じてみせた。
「モンティ・パイソン」が当時ヒットしたのは
とにかく日本語吹き替えの絶妙さが大きかったが、
なかでも山田康夫さんのグレアム・チャップマン、
納谷悟朗さんのジョン・クリーズ、
そしてエリック・アイドルの広川さんは強烈だった。

広川さんのアイドルはとにかくいろいろなシーンが印象に残っているが、
その中で一番強烈に印象に残っているのが、
ペキンパーのパロディ作品を紹介した司会者役。
妙なカメラ目線で喋りながら最後に
「ペキンパーっておもしろうございますね。」
と言った瞬間
「ぐわっ!」
といってスローモーションで椅子の上で撃たれるようなシーン。
そのときの「ぐわっ!」と言ったシーンがなんか妙に面白かった。

他にもアドリブ満点のいろいろな台詞があったが、
なぜかあのときの「ぐわっ!」が
かなりツボだった。
「モンティ・パイソン」というと自分はどうしても
ジョン・クリーズが中心となってみてしまうのですが、
広川さんが演じたことでアイドルもかなり自分にとって大きな存在となりました。

その広川さんが亡くなられてしまった。
演技にかなりストイックな姿勢を持っていたといいますが、
その姿勢と瞬間にでてくるアドリブのキレも重視した広川さん。
求道者と天才性を両立させたような方だったようですが、
普段聞かれるその声からは、
その過程や姿勢などは微塵もなく
常にそこには明るくそして真摯な広川節がありました。

そこがまた凄いと自分などは思ってしまいます。

あるベテランピアニストが
かなりの難曲を練習中にそのお弟子さんから
「先生、ずいぶん難しい曲を演奏してますね。」
と言われたところ、
「難しいように聴こえたらダメなんだよ…」
と言いながら黙々と練習を続けていたとか。

広川さんとはそういう方だったのではないでしょうか。


最近、岸尾だいすけさんがある番組で
広川さんのようなアドリブをしていたシーンをみた。
収録されたのがおそらく今年の3月頃だったのでちょっと気になったものでした。
まあいつもアドリブが多い方らしいので、考えすぎなのかもしれません…。
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