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10月期放送アニメが「放送延期続出」の異常事態。背景に制作現場の過酷な環境 [アニメ]

◆この1か月で3本も放送延期に

 今年10月期放送のアニメで異変が起きている。10月8日からテレビ放送を開始していた『Occultic;Nine-オカルティック・ナイン-』は21日、すでに放送していた1、2話分のAbemaTVやGYAOなどへの動画配信サービスを停止。また、『ろんぐらいだぁす!』、『第502統合戦闘航空団ブレイブウィッチーズ』といった他のアニメ番組も「制作スケジュールの遅れ」などを理由に放送延期が相次いで発表された。

 なぜ、ここまで立て続けに放送延期、中断が発生しているのか。内情をよく知るアニメ業界関係者は「すでに昨年から『2016年クライシス』という言葉がささやかれていた」と明かす。

◆「状況はさらに悪くなっている」

「昨今はそもそもアニメ番組の制作本数が、業界全体のキャパシティを超えつつあります。仕事を掛け持ちで仕事をせざるを得ないアニメーターが多く、今年はそれがついに決壊してしまったのだと思います。

 たとえば、アニメにとって大事なレイアウトと原画作業は、本来であれば最低4~6週間は作業の時間がほしいところ。ですが、今はそこまでスケジュールに余裕をキープできる作品はほとんどなく、中にはレイアウトと原画に1週間しかかけられないという作品まであります。『限界と思われた数年前より、さらに状況は悪くなっている』とも言われています」

 また、かねてから指摘されている、一部アニメーターの劣悪な労働環境も事態の根底にあるという。

◆劣悪な労働環境で若手養成すら機能せず

「特にアニメーターは1カットレイアウトと原画でギャラが数千円と単価が安い。なので、仕事を掛け持ちすることで、手空きの時間をつくらないようにするんです。これもスケジュールが読めなくなる原因ですね。

 また、アニメーターにはフリーランスが多く、業界として若手の養成がうまく機能していない。そのため、基本すらできていないアニメーターが増えているのですが、仕事量は多く、またスケジュールもないので、仕事の依頼があることはあるんです。

 ただ、結果としてレベルの低い原画があがってきて、そのしわ寄せを作画監督が背負うことになるんです。作画監督の修正がなければ、今のアニメのクオリティは成り立たちませんよ。

 また、現在では1作品に20名程度のアニメーターが参加しますが、その成果物の回収は制作進行の担当者が行います。先ほども申し上げた通り、アニメーターにはフリーランスが多いため、朝方がいたり、夜型がいたり、なかにはスケジュールを守らない人までいて、やり方もまちまち。大量の人数のアニメーターをフォローして、回収までするので、制作の負担が極端に増えてしまっている。スケジュールの遅れをごく一部の人間の頑張りによってなんとか取り返しているがゆえにスケジュールの崩壊が起きやすくなっているといえます」

◆「落とす」ことへのハードルが下がっている!?

 さらに今回、放送延期が発表された作品が在京キー局ではなく、TOKYO MXなどいわゆるローカル局である点も注目だという。

「最近になってアニメ番組の放送局がUHF局中心になったため、放送を“落とす”ことへの作り手側のハードルが下がっているのではないでしょうか。もちろん、過去にも放送が落ちた例はありますが、テレビ東京を含む在京キー局のほうが当然ながら厳しかった。

 特に10月開始の3番組は3話までの段階で、通常の放送・配信ができなくなりました。一般的にアニメ制作は話数に進むにつれて、スケジュールが厳しくなるもの。なので、初っ端で落としてしまったというのは、かなり深刻な印象を受けます。はなっからスケジュールが崩壊していたのではないでしょうか」

◆「業界自体が変えようと意識しないといけない」

 そして、さらにこう続けた。

「芸術祭などでアニメに対し、権威づけをしてくれる文化庁や、クールジャパンとして海外セールスを後押ししてくれる経済産業省。日本のアニメにはこうした行政のサポートはありますが、業界構造を変えるには、まずは業界自体が変えようと意識しないといけない。では誰が旗を振るのか。毎回の放送を急場しのぎでクリアしているうちは、なかなか変わられないのが現実だと思いますけどね」

 映画『君の名は。』の歴史的大ヒットの例を挙げるまでもなく、リオ五輪閉会式での東京五輪PRを見ても、いまや「アニメ産業」を「クールジャパン」として政府までもが利用しようとしている。しかし、できたコンテンツを都合よく利用するだけでなく、こうした現場クリエイターの過酷な労働環境などの「足元の危うい構造」を抜本的に改善することが必要ではないだろうか。

<取材・文/HBO取材班>

http://www.excite.co.jp/News/society_g/20161026/Harbor_business_114251.html


正直みんないうことは言うけど、
誰も動いていない、
もしくは動いていても効果がみえないというのが現状。

以前にもいろいと言ったけど、
ここまできたらまるまる1クール、
U局のアニメ新番組を凍結して、
一度仕切りなおすということが必要なのかも。

アニメはすべて再放送ということだ。

かつて新番組が極端に少なく、
再放送が目立つことが多かった時期があったけど、
あれのさらに極端バージョンといったところだ。


これにはガルパンも少し前例をつくったということで、
その責任の一端があるのかもしれない。


しかしここまで酷くならないと、
話題としてとりあげてくれない、
しかもこの状況でも、
ニュース等では取り上げられてもくれないというのだから、
どんだけ日本のアニメは冷遇されているのだろう。


こうなってくると、
かつて「迷家-マヨイガ-」でやった、
「後援会(ファンクラブ)」方式というのを、
各番組で今後頻繁にやるべきなのかもと、
本気で考えざるを得なくなってくる。


サポーター方式ともそれはいえるのかも。

あとこれは極論かもしれないけど、
制作会社が有料制の年間会員を募って、
会員に優先的に会社の作品の情報、
場合によっては制作現場の見学や、
聖地絡みの情報を放送前に知らせてくれるとか、
そういうことをして現場に直に資金を流し込むようなことをしないと、
金銭的などん詰まり状況はもう打破できないと思う。

国からの援助もまったくないに等しいだけに、
ほんとどうしようもないといったところだ。

お隣韓国や中国の方がはるかにまともな環境だ。

いやハッキリいうと日本だけが異常に劣悪で、
ブラック企業真っ青な状況に、
業界全体が泣く泣くつかっているといっていいのかもしれない。

これで日本を代表する文化とは聞いて呆れる。


もし政府が本気でそう思ってるのなら、
業界全体にオリンピックで使ったムダ金の
それこそ1%でも援助してほしいものだ。

昔からの文化といわれている、
音楽や絵画にはそこそこ使ってはいるようだけど、
アニメには正直そういうものがみえてこない。

というかあっても焼け石に水が現状だ。


最初にも言ったけど、
これはほんとうに1クールとめるべきなのかもしれない。

ただそのときの保証や現場の人たちへの支払いはどうするか。


コミケで募金でもするしかないのかなあ。


なんか酷いというか恥ずかしいというか。

弱者に厳しい世界ですよ、ほんと日本は。


これ、次の国政選挙の争点にならないかなあ。
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続アニメ7年周期 [アニメ]

今から11年前に自分はこんなことを拙ブログで書いている。

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アニメにはひとつのブームに周期があるように感じます。
特に1980年以降

ガンダム劇場版第一作公開(1981)
サムライトルパー放送(1988)
エヴァンゲリオン放送(1995)
ガンダムSEED放送(2002)

というようにアニメにおける大きなピークが7年周期で来ているような気がします。
まあそれはそれで喜ばしいのですが
それが退いていった時の厳しさも自分は何度も目にしています。
ファンの拡散が製作側のポイントもブレさせるため
なかなかその落ち込みを回復することができないのです。

ただそれが7年たつと、ファンの入れ替わり&ほとぼりがさめる、ということなのか
突然ドカーンとまた大きなピークがくるみたいです。

しかしそれにしても上の四つのうちの三つがサンライズ
そしていずれもメカがらみというのが共通点というのも要注目です。

もっともじゃあその間には何もヒット作が無いかというとそういうわけではありません。
その大きなピークの反動と戦いながらも良作をつくろうという
製作側と広報側が一体となった努力も忘れてはならないと思います。

ところで今年は2002年からすでに3年たっていますが
いまだSEED熱は冷めず、しかも良作もそこそこ出来ている現況をみると
「退き」対策というもにかなり本能的ともいえる対策を
製作側と広報側が考えているのかもしれません。

2009年にはたしてどこがピークをおさえるか?
すでにその戦いもはじまっているようです。

http://orch.blog.so-net.ne.jp/2005-04-13


で、今考えてみるとこの考え、
あながち間違ってはいなかったようです。

ガンダム劇場版第一作公開(1981)
サムライトルパー放送(1988)
エヴァンゲリオン放送(1995)
ガンダムSEED放送(2002)
けいおん放送(2009)
君の名は。上映(2016)


ただ厳密に言えば、

美少女戦士セーラームーン(1992)
名探偵コナン(1996)
ONE PIECE (1999)
千と千尋の神隠し(2001)
ふたりはプリキュア(2004)
涼宮ハルヒの憂鬱(2006)
魔法少女まどか☆マギカ(2011)
ガールズ&パンツァー(2012)
ラブライブ(2013)
進撃の巨人(2015)

とあるので、
かならずしも当たってるわけではないが、
7年周期で、
アニメという枠を飛び出した大ヒット作が、
飛び出していることは確かのよう。

またセーラームーンの放送を起点とした平成以降の7年周期も、

美少女戦士セーラームーン(1992)
ONE PIECE (1999)
涼宮ハルヒの憂鬱(2006)
ラブライブ(2013)

と、
これまた大きなムーブメントを起こしたものが揃っていて、
これもかなり興味深いものがあります。

このあたり何か目に見えない図式か、
決まった法則みたいなのがパターン別にあって、
それによりこういうことが起きているのかもしれません。


このあたりがきれいに解き明かされると、
けっこうおもしろい日本アニメの特長がみえてくるのかも。

2020年がちょっと楽しみです。
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フジテレビのアニメ開発部にいいたい砲台 [アニメ]

フジテレビが日曜朝を戦場にアニメで勝負している。従来から「ドラゴンボール超」、「ONE PIECE」を放送している午前9時からの枠に隣接させる形でスタートさせた午前8時30分からの「モンスターハンターストーリーズ RIDE ON」で、実にアニメ枠の新設は約10年ぶり。視聴率で苦戦が続くフジテレビを救うのがなぜアニメなのか。そして、なぜ「モンハン」なのか。フジテレビのアニメ開発部の、岡安由夏氏に戦略意図を聞いた。

 アニメに投資する理由を聞くと、まっすぐな答えが返ってきた。「2年先、5年先、10年先と寄り添っていただけるために、お子さんにフジテレビを好きになってもらって、そのまま、ほかの番組を見てもらうようになっていただきたいんです」。“フジ離れ”どころか、テレビ離れも業界的に懸念されている中、テレビが面白いもの、楽しめるもの、ということを訴えようというのだ。

 フジテレビはかつてアニメ王国だった。日曜日から土曜日まで、ほぼ毎日アニメが番組表を彩っている。例えばちょうど30年前、1986年の午後7時台を切り取ってみると…。

(日)「タッチ」、ハウス食品世界名作劇場「愛少女ポリアンナ物語」

(月)なし

(火)「サザエさん」再放送

(水)「ドラゴンボール」、「めぞん一刻」

(木)「北斗の拳」

(金)なし

(土)「ハイスクール!奇面組」

 アラフォー世代なら、どれもこれも見たことがある名作、あるいは名シリーズばかりではないだろうか。これらはあくまで一例で、以前も、以後もアニメは多数放送されており、1986年には放送がない月曜や金曜もアニメ枠が設置されていた時期は長かった。

 だが、日曜7時に放送されていた「ONE PIECE」が06年秋に日曜午後7時から日曜朝に枠移動してから、ゴールデンタイムでレギュラー放送のアニメを見かけなくなった。金曜深夜のアニメ枠「ノイタミナ」もあるが、小学生のキッズ層を対象にしているわけではなく、いわゆる上に挙げたような作品群とは趣が異なる。

 なぜ、ゴールデンタイムからアニメが消えたのか。岡安氏は「アニメだとなかなか営業がつきづらかったり。数字(視聴率)も昔は10%とって当たり前だったのが、だんだん取れなくなってきて、バラエティーにかわってきてしまったんだろうなと」と分析する。それだけ万人ウケするような作品を、視聴率20%を意識できるようなレベルで生み出すことが難しくなっているということになる。

 その一方で深夜アニメの手法も行き詰まりがあるという。深夜アニメは直接的な視聴率はもちろん、DVD化や各種グッズの売り上げも含めた事業となっている。今年はテレビ東京系の「おそ松さん」が大ヒットしたが、必ずしもすべての作品が商業的に成功するわけではない。岡安氏は一般論として「トップオブトップは変わらないんですが、何年か前なら1万枚売れていたような作品が3000枚となってしまうような。市場が縮小してきているんです」と懸念している。

 テレビ局としても、アニメ業界としても、新規のファン開拓は必須。フジテレビは約3年前にアニメ開発部を設置し、通常なら多部署にまたがる制作・編成・営業・マルチメディア展開を包括的に担当するようにし、コア層だけではなく広く受け入れられる作品づくりを目指すようになった。そんなころ、アプローチをかけてきたのが、ゲーム「モンスターハンター」を制作しているカプコンだった。

 「モンスターハンター」は文字通り、モンスターを狩るゲームで、一部血しぶきなどの表現があり、完全な子供向けとはいいにくく(それでも子供に人気ではあるが)、推奨年齢は15歳以上(15歳未満のプレーが禁じられているわけではない)となっている。オファーを受けた岡安氏も「えっ?」とモンハンの子供向けアニメ化に面食らったというが、カプコンサイドとしても全年齢向けのゲーム構想をかねてから温めていた。それが「モンスターハンターストーリーズ」で、フジテレビの狙いと合致するものだった。

 登場モンスターはデフォルメされていて、おどろおどろしさは控え目。ストーリーは子供たちとモンスターとの絆に焦点が置かれている。ただ、「子供向け」といってもアニメの作りまで甘くしているわけではなく、登場モンスターの動きは無印「モンスターハンター」の動きに準拠している。カプコンからはシリーズの生みの親・辻本良三氏と、ディレクターNOKANAMEこと藤岡要氏がアニメ制作前に会議に同席して、各モンスターの特徴、性質などをアニメ制作チームにレクチャーした。その後も新モンスターが登場するたびに説明会が開かれ、キャラクターのとらえ方をカプコン側と共有している。

 対するフジテレビ側も力の入れようは相当なもの。大多常務の「とにかく派手にいけ」という号令のもと、主題歌を歌う関ジャニ∞の協力を得て、制作イベントやPRのための番組ジャックなどに登場してもらった。ただ、日曜の午前8時半といえばテレビ朝日系では「プリキュアシリーズ」が、テレビ東京系では「デュエル・マスターズ」シリーズという“アニメの先輩たち”が放送されている。対するフジテレビはもともと政治討論番組「新報道2001」を放送していた枠。まだまだ子供たちにアニメを8時30分からフジテレビで見てもらう習慣は定着していない。

 「厳しい」戦いであることは認める岡安氏の夢は大きく、「ドラゴンボール」「ONE PIECE」に続く作品に「モンスターハンター-」を育てること。「ものすごくディティールをつくりこんでいます。最近のアニメにない、見ていて冒険しているような気持ちになれる時間帯にできたらいいなと思っているので、没入感を楽しんでいただきたいです」と満面の笑みで意気込みを語った。(デイリースポーツ・広川 継)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161023-00000067-dal-ent


まずひとこといいたい。

開発って何を開発するの?ということ。


なんかそこのところが、
こちらにはちとみえてこないものがある。


ノイタミナも当たり外れがあるし、
むしろTBSのアニメイズムの方が、
いろいろと多様な仕掛けをしているように思える。


正直言うと、
フジの考えている「大人」と「子供」というものが、
かなり現状のそれと乖離しているのではという気がする。

ちょっと古くしかも狭く保守的なのだ。


それとあと再放送のしかた。


これはとにかくテレビ朝日が伝統的にうまい。

かつて夕方の16時台の、
長浜アニメを中心とした再放送は、
それによって新たなファン層を掘り起こしたし、
現在でも「相棒」をはじめとした、
再放送のドラマはそこそこの視聴率をあげている。


あれと同じ感覚で、
「ONE PIECE」を深夜枠に、
それこそ半月遅れで再放送するなり、
初期の再放送をしたり、
場合によってはスタッフに、
当時の感想を話してもらうとか、
そういうことを考えて、
「ONE PIECE」のもつ幅広いファン層を、
再度掘り起こすという手もあるだろう。

ビデオをもっていても、
けっこう放送されると時間があうとみてしまうものなのです。


あとフジが本気だったら、
「進撃の巨人」や「ガルパン」も、
自分のところで放送できたかもしれない。

そこのところ、
もう少し考察するなり、
あと自分たちがフジという看板に頼りすぎたりという、
そういう部分がなかったかなど、
いろいろと精査すべきではないだろうか。


たしかにU局に比べると、
なかなかな小回りや融通がきかないかもしれないけど、

過去の遺産も潤沢に有していることを考えると、
なんか駒の使い方を含めて、
いちど多くの人たちに意見を幅広く聞き、
そしてできることを幅広く行うことを考えるべきではないだろうか。

聖地巡礼なんかで、
ひとつの番組をつくっていくのも、
フジのように全国ネットをもっている局なら、
けっこうなものができるのではないだろうか。

ただしこれを、
アニメに詳しくないお笑い系の人を使って、
それこそフジお得意のバラエティにしてしまうと、
完全に的外れになってしまうだろう。


とにかく、
なんかもどかしくてしかたがない。

かつてアニメで一世を風靡した局だけに、
ほんと再起してほしいし、

こういう大手が元気になれば、
U局のアニメもより活気づくことだろう。


ぜひ何を「開発」するかを明確に定め、
しっかりとこれからを築いてほしいものです。


最後一言いいますが、
開発というけど、
アニメそのものは開発されているので、
「フジ」のアニメに対する姿勢が「開発」されなければならない、
ということがそのひとつであることを、
これだけは明確に意識していただきたい。


以上偉そうに言いきって〆

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「アニメ資料は宝」と庵野秀明監督 漫画館の必要性訴え [アニメ]

 漫画やアニメの振興を目指す超党派の議員連盟の会合が3日、都内で開かれ、映画「シン・ゴジラ」の庵野秀明監督が出席し、「アニメーションの資料が日々、失われている。昔の資料は宝だ」として、アニメの原画などを保存・展示する国立漫画館構想の実現を訴えた。

 議連は、平成32年春に国立漫画館を都内にオープンさせることを目指しており、予算確保を政府に求める申し入れ書を採択した。

http://www.sankei.com/politics/news/161003/plt1610030036-n1.html


これ、
ガルパン超長大雑感でも言いましたけど、
ものすごく大事なことでして、
安房鴨川の「輪廻のラグランジェ」のそれなどは、
ほんとうに例外中の例外。

大洗のガルパンや、
神田&内浦のラブライブ、
さらには岐阜の「君の名は。」など、
はたしてどうなってるのかと、
ものすごく不安というか、
絶望的な気持ちにすらなってます。

声優や現場スタッフに対してもそうですけど、
なんかアニメって日本の財産みたいに言われてるわりには、
使い捨て感覚が見え隠れしていて、
正直憤懣やるかたないといった感じです。


文化というなら財産も同然、
それが保管も保存もできないなんて、
正直恥としかいいようがない。


日本にかつてオペラハウスがひとつもないことを、
「日本の恥」といった人もいたけど、
これも同じかそれ以上の恥といってもいいだろう。


東京オリンピックの年の春に開館を目指すというけど、
それまでじゃあどうするの?
という部分もあってなかなかこれからもたいへんです。


ぜひこれ以上の資料の消失をなんとかしてほしいものです。
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「深夜アニメ20本視聴」講義の実況中継ルポを読んで。 [アニメ]

http://bylines.news.yahoo.co.jp/ishiwatarireiji/20160523-00057957/

という記事を読んだ。

正直、

「そんなもんでいいんだ」

という感じがした。


自分がアニメと関わる仕事をしていたときは、
そんなのは当たり前だったし、
それ以外にも出ていたアニメ雑誌はほとんど毎月目を通していた。

また分からない過去の作品があったときは、
随時国会図書館にも通っていた。

しかもネットが今のようになる前だったので、
情報のやりとりははるかにたいへんだった。


ただ自分の場合はアニメオンリーの仕事ではないので、
目は映像媒体におけるアニメ、
耳は録音媒体における音楽ということに力を注がなければいけなかったので、
本という部分はかなり犠牲にしていた部分はあった。


だから休みの日はそれらの整理整頓がたいへんだった。

なのでここでの授業はそんなには驚いていない。


ただ他の授業もいろいろあることを思うと、
それ考えたらたいへんかなと思ったりもした。


だいたい声優だって、
アニメみてたらできるというものではない。

歌唱、日舞、ダンス、といったものもやらされるし、
当然いろいろな演劇本や文学も読むことになるだろう。

舞台はもちろん日本の伝統芸能やミュージカル、
さらにはオペラも観るべきなのかもしれない。


だいたいアニメの中でだけアニメを考えてればいいという発想が、
それを生業にしよと思っている人がいるとしたら、
それはかなり拙いという気がする。

かつて指揮者のサー・コリン・デーヴィスは、
指揮者は音楽以外の多くの事を知り、
勉強しなければいけないと言っていた。


それを思うと、
ようするにアニメをやりながら、
自分の引出の中身をつくるこれは授業といっていと思う。


まあようやくこういう本格的なものができたんだと、
なんかちょっとホッとした部分もあるが、
ただそれだけに染まるのもどうかなという、
そういう不安もじつはある。

このあたりのさじ加減はなかなか難しいところだけど、
この講義を受けた人は、
ぜひ有意義に自分の引出を満たしていってほしいものです。


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水浜線のアニメ [アニメ]

詳しいことは
http://www.i-contents.jp/2016/03/454/
をご覧ください。

タイトルは

「水浜線物語」


なんと意外な展開。

というかそういうものができるということに驚き。


水浜線がらみだと、
サイクリングコースとか、
ウォーキングコースとかができたらいいなあと、
以前そんなことを書いたけど、
さすがにアニメは考えたこともなかったです。

いいものが出来てほしいです。


できればガーター橋みたいな遺構も出してほしいなあ。



因みにこちらの話ですが、
あと海門橋から湊までの区間の踏破すれば、
水浜線全区間踏破となり、
写真もコンプリートとなりますが、
問題はその海門橋を自分が渡れないということ。

高所恐怖症が年々酷くなってる自分には、
ここが恥ずかしいことに渡れないのです。

最悪の場合ここだけバスを使うという信じられないことになるかも。


来月(2016/5/31)は水浜線廃止からちょうど50年となります。

それまでになんとかしないと…。
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伝統工芸×アニメ コラボグッズ [アニメ]

「日常生活に、伝統とアニメを」をテーマに、人気アニメ作品と日本の伝統工芸の限定コラボグッズを展示・販売!
古くより日本文化の発展を支え、多くの人々に愛されてきた「伝統工芸品」と「アニメ」がコラボレーションし、AnimeJapan 2016でしかゲットできない、スペシャルなグッズをご提供致します。

AnimeJapan 2016で販売される伝統工芸×アニメコラボグッズは、1つ1つ手作りで 製作するため、会場では展示のみとなります。
つきましては、より多くのお客様に伝統工芸×アニメコラボグッズをご購入頂けるよう販売方法を下記のようにさせて頂きます。

https://www.anime-japan.jp/main/showcase/#linkCategory11

ということで購入はしなかったけどどんなものかと観に行った。

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「アイドルマスター シンデレラガールズ」×「岐阜和傘(岐阜県)」
和傘 (「花簪」小早川紗枝Ver. /「夢の先へ」作品コラボVer.)

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「あらいぐまラスカル」×「香川漆器(香川県)」
小皿 (朱Ver. / 黒Ver.)

008.JPG
「おそ松さん」×「京友禅(京都府)」
ハンカチ

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「NARUTO-ナルト- 疾風伝」×「伊賀焼(三重県)」
茶碗

あと伝統工芸ではないけど、

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「黒執事Book of Murder」 × 「SHARP」
ANIPLEX+ × SHARP
プレミアムなCOCOROBO ロボット掃除機

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「機動戦士ガンダム」 × 「トヨタ自動車「AURIS」
シャア専用オーリスII

そして極め付きは多くの人が写真撮影をしていた、
昨年7月
・8月1日    2年生チーム 弘前ねぷたまつり 運行団体「土手町」
・8月2日    1年生チーム 青森ねぶた祭 運行団体「県庁ねぶた実行委員会」
・8月4日~8日 3年生チーム 五所川原立佞武多 運行団体「忠孝太鼓」

と各所で運行その後展示されていた三台が一堂に会した。

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最近は完全にフェスティバル色が強くなったけど、
こういうユニークな企画もどんどんやってほしいと思った次第。

それにしてもこの三台。

今年の山王祭で曳航しないのかなあ。
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JTB時刻表一月号の特集と特典が話題に。 [アニメ]

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先週発売になったのがこれ。

これが地味ながらそこそこ話題になっている。


中も最初の数ページは、
時刻表なのかアニメ雑誌なのかわからないくらいくらい。


因みに特典カレンダーの絵柄には

「ガルパン」「ここさけ」「あの花」「俺の青春ラブコメ」「秒速5m」「雲の向こう」

が使用されている。

ただし「ガルパン」などは今年夏に出た
「るるぶ ガールズ&パンツァー」と同じものなので、
使用されたものがどれくらい描き下ろしなのかどうかは不明。

あまりいい加減なことも言えませんので。

詳細は
https://www.facebook.com/jtbjikokuhyou/
を参照してください。


いやあ、しかしそれでもとうとうこういものがでてきましたか。

ブームから日常へと、
こういうものの流ができつつある証なのかもしれません。


しかしなんか不思議な感じです。

いいことですけど。
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『妖怪ウォッチ』が『スター・ウォーズ』超え! ファン愕然、の記事について。 [アニメ]

21日、興行通信社による週末観客動員数ランキングが発表され、土日2日間(19、20日)で97万4,557万人を動員した映画『妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!』が1位に輝いた。その一方、18日公開の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』はまさかの2位という結果になり、映画ファンを中心に波紋を呼んでいる。

 19日に公開された映画『妖怪ウォッチ』は、公開前の時点で特典付きの前売り券が約102万5,000枚売れており、土日2日間の興行収入も約10億6,000万円を記録。2014年公開の映画1作目『妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』も観客動員数約700万人、興行収入約78億円のメガヒットを記録した同作だが、未だ衰えない人気ぶりを見せた。

 その一方で、10年ぶりのシリーズ最新作とファンの期待を集めていた『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は、公開3日間で観客動員104万4,330万人、興行収入興収16億1,934万円を突破。週末オープニングの興行収入だけで言うと、日本歴代興行収入トップの『千と千尋の神隠し』を抜く快挙で、今後の展開次第では、14年に最終興行収入254億7,000万円を記録した『アナと雪の女王』超えが期待される。

 だが、その中で2作の上映スクリーン数を比べてみると、『妖怪ウォッチ』は全国434スクリーンで、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は全国958スクリーン(字幕480/吹替え478)。『妖怪ウォッチ』は『スター・ウォーズ』の半分以下のスクリーン数、しかも3D・4D・IMAXの上映もなしという中で、まさかの“スター・ウォーズ越え”をしてみせたのだ。

 アメリカとカナダでは、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の週末オープニングの興行収入が歴代最高となる推定2億3,800ドル(約288億円)を記録する中、日本で起きたこの驚くべき事態に、当然ネットでは「SW、妖怪に負けたなんてショックだわ」「世界でSW祭りなのに日本は妖怪かよ」「全部妖怪のせいだ」「日本はアニメ強すぎ」といった声が多数上がっている。

「前々から業界内では、もしかすると『妖怪ウォッチ』が興行収入なり、観客動員数なりで『スター・ウォーズ』を抜くかもしれないとささやかれていましたが、まさか本当にそうなるとは……。この事態は、劇場版『ラブライブ!The School Idol Movie』(15年6月13日公開)が6月20、21日の週末観客動員ランキングで、20日公開の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を上回り、2週連続で1位になったことを思い出す映画ファンも多いようで、『マッドマックスの悪夢再来…』と愕然とする声が見られますね」(映画ライター)

 日本でのアニメ人気の高さを再確認させられることとなったが、『スター・ウォーズ』の今後の伸びにも注目したいところだ。

http://www.excite.co.jp/News/anime_hobby/20151222/Otapol_201512_post_4580.html


随分否定的な物言いにみえたけど、
実際どういう気持ちがこれを書いた人の奥底にあるかは不明だ。


ただ正直自分はそんなに驚かない。

これがガルパンが抜いたんなら仰天だけど、
「妖怪」の場合はちと状況が違う。

「ラブライブ」や「ガルパン」はある意味マニアやアニメファン向きだけど、
「妖怪」は一般のお子様層をかなり巻き込んでるので、
同じアニメでもジブリやドラえもんあたりと感覚は似てると思う。

それに「妖怪」の場合、
観る層がこども中心となると、
当然その保護者として親もついていくことになる。

つまり子供+大人の二人もしくは三人で一組というパターンが多い。

そうなるとSWのように大人一人一組が主流のパターンよりも、
入場者数も料金も少し状況が変わってきてしまうのだ。

もちろん常にSWも満員、「妖怪」も満員という状況が続けば、
今度はひとりひとりの単価が高いSWの方が上を行くのだが、
じっさいはそうではなかったようだ。

だからこれはある程度予想されたことと言っていいのかもしれない。

ただそれ以上に、
「妖怪」を企画した人たちが、
今の市場動向をじつによく掌握していたということが第一で、
むしろその企画と営業努力を賞賛すべきだと思う。

SWが負けたのを嘆いたり悪夢だと言うのではなく、
「妖怪」を仕掛けてきた方が一枚も二枚も、
地の利を生かした上で上手だったということだ。

まさにホームの強さをみせたといっていいだろう。


むしろ嘆くとしたら、
こういうことができるのがアニメばかりであって、
邦画にそういうものが見当たらないということや、
SWなら「妖怪」にも勝つだろうと、
どこかに油断があった配給元の方ではないだろうか。


ただそうであったにせよ、
横浜でもSWの初日から土日かけて、
意外なほど空席があったのでちょっと驚いていた部分はあった。

やはりルーカスではないSWということで、
一部様子見というのもあったのかもしれません。


とにかくまだどちらも始まったばかりなので、
最終的な結果はまだまだ下駄をはくまでわからない。


クリスマスイブ前後から正月三が日にかけて、
はたして横綱SWの逆襲なるかどうか。

ちょっとこれは見ものになりそうです。
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『「宇宙戦艦ヤマト」をつくった男 西崎義展の狂気』を読んで。 [アニメ]

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かつて一代の風雲児とも、
またいろいろと黒いうわさもあった稀代のプロデューサー、
西﨑義展氏のことを描いた、
いわゆるドキュメント風の一代記。

その異常とも思えるその生き様と行動が、
この本にはかなり細かく描かれている。

正直そこには常識とか謙虚の欠片も無い、
自らの夢を商売とリンクさせながら、
ひたすら自己満足に重きを置き、
一本道をあらゆる手段を用いて、
全力で突っ走ろうとした男の姿がそこにはあった。

自分以外はほとんど誰も信用しないし、
利用価値のある使い捨ての道具にしかみていない、
それでいて人一番孤独を嫌い、
常に誰かを側に置き、
そして動き、そして喋り続けていなければ、
突如として不安に陥ってしまうという、
そういう脆さも持ち合わせた、
ひじょうに人間のもつ我欲と弱さを、
わかりやすく持ち合わせた人物像が、
そこには描かれていた。

それにしても西﨑氏のそれはほとんど狂気に近い。

だがその狂気に誰もが傷つけられながらも、
なぜかそれにいつのまにか引き込まれ、
そしてそのペースにのまれていく。

その結果があの「ヤマト」だった。

そして西﨑氏は「ヤマト」とほとんど心中するかのように、
最後まで「ヤマト」を自分の懐からはなそうとせず、
そのまま小笠原に消えて行った。

この本ではそのあたりの顛末、
そして西﨑氏にとっての「ヤマト」が、
いかなるものだったかまで言及している。

そんな西﨑氏の姿をみていて、
自分はもうひとりの人物が浮かんできた。

大島幹雄さんがその著書「虚業成れり」で描いた人物。

神彰

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その人だ。

大島さんの言葉を借りれば、

「昭和29年秋、東京。ふと口ずさんだロシア民謡からすべては始まった。何ももたない青年がドン・コザック合唱団の来日を実現し、ボリショイバレエ、レニングラード・フィルなど「幻」と思われたアーティストを次々と招聘して旋風を巻き起こす。栄光、破産、そして居酒屋経営での再起。「戦後の奇跡」神彰の波瀾の生涯を描く。―――」

これをみると、
どこか西﨑氏と神氏が重なってこないだろうか。

もちろん神氏もかなり破天荒だし、
手段を選ばないし人を傷つけまくってはいたが、
さすがに西﨑氏ほどではない。

だけど破天荒さやひとつの狂気あればこそ、
道なき場所に道をつくり、
前例のないものを実現し、
その業界に爆弾を放り込んで、
慣例も常識もぶっ壊して新しいものが呼び込める。

この二人をみていると、
何もないとろころに新しいものを打ち立てる、
閉塞した世界に新しいものを打ち立てるという、
そういうことには、
規格外の破天荒さや、
狂気にも似た常識からかけ離れた考えと行動力が、
絶対に不可欠なのかもという気がしてならなかった。

そして二人ともその夢が実現すると、
その勢いを持続することができず、
ついには会社も無くし自らも表舞台から消えてしまった。

なんとも不思議な共通点のある二人だ。

ただ神氏の方はその後「居酒屋」で復活を果たすが、
西﨑氏はその復活途上志半ばで倒れてしまう。

ここの差は、
この両者の他者に対する接し方と扱い方、
そしてどこまで信用することができたかの差が、
そのままあらわれたような気がしてしまう。


とにかくこの本はそんな西﨑氏、
そして当時のアニメ業界の断面を顧みることができる、
かなりの力作となっている。

また西﨑氏の時代はネットどころか、
最初の「ヤマト」の本放送時には、
アニメ専門誌さえなかった時代だ。

コミケももちろんまだ開かれていない。

そんな中でどのように情報を発信し、
それをエネルギーに西﨑氏は転化していったか。

そしてそれが後にどう変容し、
ファンの間に影響が及ぼされていったかも、
ここでは分かりやすく明記されている。

このあたりもひじょうに興味深く参考になるものがある。

この本を読んでいると、
今のアニメ業界に足りないもの、
そして今後もやってはいけないものというのが、
かなり明確に感じられると思う。

もっともそこにはいいことだけではない。
悪い例も書かれている。

そういう意味で、
西﨑氏はまさに成功例と失敗例を、
多くの人々にあまりにも分かりやすく、
それらを結果的に提示していった。

このように、
内容的には西﨑氏の一代記かもしれないが、
そこから読み取れることが、
じつに多い一冊となっている。

特に自分のように最初の「ヤマト」本放送から、
その一連の流れをよこからみてきた人間には、
じつにいろいろと当時のそれが思い起こされ、
懐かしさもこみあげてくるものがある。

この本はそんな部分も踏まえているため、
「ヤマト」という日本のアニメにとって、
エポックメーキングとなったこの不朽の作品が、
いかにして生み出され、
そしてそのときどのようなことが周りでは起きていたか、
その歴史的瞬間をもじつによく描いている。

そういう意味では資料的価値もある、
そんな内容にもなっている。

いろいろな意味でとにかくこれはひじょうに面白く、
そして強く印象に残る一冊となりました。

350頁近くありましたが、
半日で一気に読んでしまいました。

字もそこそこ大きさがあるので読みやすいです。

とにかく興味のある方はぜひ一読をお勧めします。


それにしても西﨑氏。

正直に言って人の使い方が下手。

ようするに人とのコンタクトの仕方が下手なので、
結果すべてを自分が仕切らないと安心できないし、
自分自身も動けないという、
そういう部分がじつに強く感じられた。

確かに個人プロデューサーで、
資金も自分持ちという部分があるからかもしれないが、
それでもあまりにも駒の動かし方が下手だ。

これでは常に自分が100の力を出さないと、
100以上のものができないし、
まだその伸び代も小さいものになってしまうだろう。

クルーザーで外国にあらわれたのも、
そんな自分の名前を売り、
自らを広告塔として知名度をあげ、
箔をつけ売り込む手段としたかったのかもしれないが、
やはり個人商店的な限界がそこには見え隠れしてしまう。

またその狂気と激しやすい粗暴な性格のため
直言されても、
それを受け止めたり受け入れるだけの、
そういう器用さももちあせていないため、
結果イエスマンしかまわりにはいなくなる。

イエスマンは話し相手にはならないし、
腹を割って話すこともできない。

そしてますますひとり孤立し孤独となり、
反動としてその狂気と激しやすさに拍車がかかり、
さらに個人商店的色合いが濃くなってしまう。

これらを不器用と片づけるのは簡単かもしれないが、
なんかそこに自分はこの人の、
なんというか悲劇性も感じてしまう。

その原因のようなものもこの本には書かかれてあるが、
この本を読まれた方は、
暴君や風雲児という一面だけでなく、
そんな部分にもちょっと気持ちをもっていってほしいと、
最後思った次第です。


人を信じきれなかった人、
ただひとつ信じたのが「ヤマト」だった。

たしかにこれはものすごい悲喜劇かもしれないけれど、
まだひとつ信じられるものがあっただけ幸せだったのかもしれません。


人の狂気はとことんいくと、
人を魅了し惹きつけそしてその人もまた狂わす。

だけどそれがひとつの世界の問題点も浮き彫りにする。


以上で〆。
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