SSブログ

続・鎌倉駅~江の島、津波が来たらどうするか。 [震災]

「鎌倉駅~江の島、津波が来たらどうするか。」

というのを以前2012年にupした。
http://orch.blog.so-net.ne.jp/2012-09-05

それが今年に入ってから急激にアクセス数が増えている、
特に熊本地震以降それが顕著で、
あの「ガルパン劇場版」の雑感よりもアクセス数が多い。

このため自分も何か急にこのことが心配になり、
急遽鎌倉から江の島まで再度これについて、
考えながら歩くことにした。

ただし今回は、
鎌倉市と藤沢市が指定している、
津波緊急避難所の確認をすることにした。

最初が八幡宮から若宮大路の先端、
つまり滑川交差点のあたりから八幡方面を歩くことにした。

このあたりの海岸ら八幡宮までだいたい2キロ。
歩いて25分くらいというところ。

もし100mを20秒前後で走れるようなら、
7分くらいで八幡まで行ける計算になるが、
おそらく地震の後は歩道が避難する人であふれかえるので、
それはもう事実上不可能といっていい。

それでこの交差点から八幡方向に歩きながら、
津波避難ビルと津波来襲時緊急避難空地を探しながら行ってみた。
因みにこの交差点付近は海抜6.1m。

074.JPG

まず交差点から八幡方向をみると、
道路向うの左側に大きな公園がみえる。

080.JPG

ここが緊急避難空地のひとつ、
由比ヶ浜地区の鎌倉海浜公園。

ここは入口から中へ向かって地面がかなりかさ上げされていて、
ここのベースと思われるところの高さは8.2mとなっていた。

076.JPG

そしてその中央部は10mはあろうかという高さになっていた。
だただしこの最頂部はそれほど広くない。

078.JPG

確かにそこそこの広さもあるので避難所としては最適かもしれないけれど、
鎌倉市は最大14.5mの津波を予想している。

それだとこの高さははたしてどうなんだろう。

確かに8m未満の津波ならなんとかなるかもしれないけれど、
鎌倉市の最大想定だとここはひとたまりもないような気がする。

はたしてここの津波緊急避難空地としての定義というか、
選定理由はどういうものなのだろうか。

自分の見間違えかなあ。

正直東南海地震の時、
自分はここを利用する気にはなれない。

このあと八幡宮に向かって21号を北上する。
ここではほとんど八幡に向かって右側に避難ビルがある。

鎌倉消防署

086.JPG

しばらく歩いてガソリンスタンドのななめ右側に
由比ヶ浜コーポ

083.JPG


そしてこのあたりでは最もしっかりとして高さもある
ザ・パークハウス鎌倉若宮大路

goo1.jpg

※なぜか写真が消えていたのでここはグーグルの写真をお借りしました。


このあと警察署の先に、
21号の左に第一小学校があり、
(じっさいの小学校はこの左手奥にあります)
089.JPG
そして右に鎌倉女学院。
088.JPG

ただ学校は開いている時はいいが、
夜間や休日はちょっと問題があるような気がする。

このあたり非常時は8分以内に開放できるのだろうか。


このもうすこし先に、
下馬交差点を右折し川を渡ってすぐのところにあるのが、
カドキホール。
091.JPG

このあとじつはしばらく距離があく。

そして雪ノ下教会を挟んで、
手前に鎌倉彫会館、
094.JPG
奥側に鎌倉春秋スクエア。
096.JPG

とこんな感じで八幡宮まで津波避難ビルが点在している。

だがちょっとじつは不満がある。

それは消防局以外、
学校は確認しなかったけれど、
他のビルにこれが避難ビルだという、
そういう印があまり見当たらなかったということ。

087.JPG
これのこと。

ひょっとすると自分の見落としかもしれないけれど、
とにかくあったとしても、
ちょっと見つけづらいものがある。

このあたりを正直なんとかしてほしいと思った。

地元の人たちはともかく、
この日も観光客や修学旅行の生徒さんたちが、
じつに大勢鎌倉に来ていた。

はたしてこの人たちにはそれらが容易に分かるのだろうか。

自由行動になったらグループ単位でバラバラになるし、
はたして地図上で理解していても、
目印がこういう状況でわかるのだろうか。

いつかもう一度このあたり確認してみたいと思う。

(後日)

その後確認したら、自分の見落としがけっこうあり、ちゃんと津波避難ビルの目印が貼ってあるところもありました。ただ名前は言いませんが、貼ってはあるものの、木の陰に隠れてて注意しないと分からないというところもあり、やはりちょっと問題かなと思いました。カドキホールなど二か所も貼ってあり、ちょっとビルによってこういう物に対する認識の温度差がけっこうあるようです。


つづいてさっきの滑川交差点から、
今度は海沿いに江の島まで歩いてみた。


さきほどの由比ヶ浜の海浜公園をすぎると、
次は長谷駅近くの斉藤ビルまでじつはない。
070.JPG

しかも斉藤ビルはそれほど大きくない。

なのでもし長谷駅より北にいたら、
むしろ長谷寺か鎌倉大仏の方向に行く方がいいのかもしれない。

また斉藤ビルよりも力餅屋のそばにいたら、
逆方向の山側の道へ行った方が安全かと。
斉藤ビルは個人的には、
山にも長谷寺にも行けない間に合わないという、
窮余の時の避難所というふうに考えている。

このあとまた海沿いを歩くが、
このあたりはほんとうにビルは何もない。

ここがおそらく最大の危険地帯だろう。

特に車はダメだ。
というよりもうハッキリ言ってしまうが、
八幡宮より南で巨大地震に遭遇したら、
車では絶対逃げられない。

この狭い車線、
常に渋滞が慢性化している道路、
そして三方が山に囲まれてるため、
逃げ道が圧倒的に少ない。

巨大な揺れの後、
間髪入れず大津波警報が発令されたら、
空いているならともかく、
一度でも渋滞にひっかかったら、
迷わず車を捨てることをお勧めする。

しかも海岸沿いの通りは、
海から逃げてくる人がいっせいに渡ってくる。

ゴジラで群衆が逃げるあのような感じでです。

そうしたらもう車は絶対ダメだろう。


話を戻してしばらく歩くと、
江の島方向に向かって右側に三つの避難ビルが続けてみえる。

きしろホーム
062.JPG
きしろホームの後ろには、
後ろの高台へ逃げられる道がみえている。

鎌倉清和由比
061.JPG

鎌倉パークホテル
059.JPG

このあたりはこのあたりでは比較的安全な場所かもしれない。


問題はここから稲村ケ崎までまるで何も無いということ。

特に中間あたりはどちらに逃げるかまようところだろう。

ただこの看板の側なら鎌倉パークの方が多少近いと思われる。
055.JPG

稲村ケ崎に来るとこの山側に向かう道がある。
今回初めてここを歩いてみた。
053.JPG

急な道なのでけっこうきついが、
登るとかなり高いのでここなら安全かもしれない。
052.JPG

ただ後ろが山が迫ってるので、
がけ崩れがとても心配だ。

津波は大丈夫だけどしかし…というところか。


ここをすぎると稲村ケ崎の海浜公園となる。
047.JPG

そしてここから先はもう腰越あたりまでビルは無い。


ただし高台方向へ抜けられる道がいつもあるので、
それを通ってという感じになる。


稲村ケ崎駅方面
042.JPG

鎌倉プリンスホテル方面
038.JPG

七里ヶ浜駅方面
033.JPG

県立鎌倉高校方面
028.JPG

この道だけ道側から海方面という、
逆に撮影していますが、
じつはこの日台湾からと思われるアニメファンが、
大勢撮影していたため
顔がどうしても写りこむためこうなってしまいました。

それにしても学生服着て撮影している人もいたぞ。
凄いなあ。

ところでこの道をすぎると、
またしばらくそういうものがなく、
次は小動交差点を右折して萬福寺。
026.JPG

直進してやや道を登り
小動神社に行くということになる
022.JPG

ここをすぎるとあとは藤沢市との境界近くの、
サンクス鎌倉腰越海岸店の、
江の島に向かってやや右斜め前方にあるマンション、
江の島ビーチハウスということになる。
018.JPG


このあと藤沢に入る。

ここで状況は一変する。

おそらく市の条例が違うのでこうなっているのかもしれないけど、
突然背の高いビルが、
かなり間断無く片瀬江ノ島駅まで林立している。
016.JPG

もう眼前にあるほとんどのビルがじつは避難ビルとなっている。
全体が撮影しにくかったのでその入り口付近を撮影しておきました。

ホテル夕彩
015.JPG

ホテルサンクルー
013.JPG

鵠生園
012.JPG

シルフィードタワー
011.JPG


この間にひとつかなり大きなビルがあるが、
これは避難ビルに指定されていない。
何かこみいった事情でもあるのだろうか。

ルックハイツ江の島。
009.JPG

江ノ島サマリーナ
※写真がなくてすみません。

江の島ビュータワー
007.JPG

片瀬江ノ島駅方面からみた江の島ビュータワー
005.jpg

因みにこちらは鎌倉と違いビルの入り口のハッキリわかるところに、
津波避難ビルの印が貼られている。
010.JPG

この違いはいったいどこにあるのだろう。

尚、藤沢市の他の避難ビル等の一覧は以下のリンク先をご覧ください。
http://bosaiinfo.city.fujisawa.kanagawa.jp/index.php?module=bosai_shisetsu&gid=10005

鎌倉はこちらです。
https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/sougoubousai/260821open-data2.html

以上こんな感じでした。

まだザックリとしかみていないので、
8分云々ということはあまりみていませんが、
鎌倉と藤沢にこの問題に対する姿勢の違いが、
何となくですが感じられました。

これは町全体に観光客が散ってる鎌倉と、
江の島と海水浴場に集中している藤沢の違いなのかもしれませんし、
地形的な問題もあると思われます。

ただ鎌倉には、
分かり易いところはともかく、
やはり避難ビルすべてに、
より分かり易い所に避難ビルのマークを貼ってほしいと思いました。

またこれは藤沢市にもお願いなのですが、
それら津波避難ビルの印、
できれば海岸線のものだけでも蛍光にしてくれるか、
非常灯のそばに貼ってくれると、
夜中迷うことなく観光客も移動できると思います。

熊本地震でこのあたり、
特に最近強く感じています。


以上です。
nice!(2)  コメント(11)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 2

コメント 11

阿伊沢萬

自分は専門家ではないので、あくまでも目についたもの感じたものをそのまま書いてますが、ちょっとときおり?というものにでくわします。あと観光客を呼ぶことに力を注ぐなら、災害時にも安全に避難でるよう安心してもらわないと、これからはちょっとダメなのではないかと思っています。地元だけでなく外国人客も含めて、観光客に対するそれをもう少し分かりやすく、より力を入れてほしいと思ってます。

ハムサブローさま、DorakenBeginnerさま、nice! ありがとうございます。
by 阿伊沢萬 (2016-04-25 21:08) 

サンフランシスコ人

アメリカ合衆国の大地震によって発生する津波が鎌倉に行く可能性はあるのでしょうか?
by サンフランシスコ人 (2016-04-26 06:00) 

阿伊沢萬

1700年のカスケード地震の時、茨城の那珂湊に5m、静岡の三保に3mの津波が来てます。今心配されているこの地震の再発ですが、おそらく鎌倉は伊豆半島に当たってはねかえって来る津波がけっこう強く、鎌倉や江の島で3~5mくらいになるのではないかと思いますが、それ以上になるかもしれません。因みに1700年の地震時、岩手の津軽石には7mの津波が来たらしいですが、この時の地震はM9クラス、断層の長さは1000キロ以上もあったそうです。東日本大震災の倍以上の長さです。
by 阿伊沢萬 (2016-04-27 21:19) 

サンフランシスコ人

「岩手の津軽石には7mの津波が来たらしい」

7mの津波!
by サンフランシスコ人 (2016-04-29 05:53) 

サンフランシスコ人

「ゴジラで群衆が逃げるあのような感じでです。」

規則的に逃げてる感じで非現実的です...
by サンフランシスコ人 (2016-04-30 01:24) 

阿伊沢萬

おそらく考えいてるシーンが違うと思います。私のはもうほとんど人が弾けて飛んでくる感覚に近いシーンです。
by 阿伊沢萬 (2016-04-30 18:03) 

サンフランシスコ人

「ゴジラで群衆が逃げる.....」

物理的に逃げる方向がまったく同じなのは不自然です...
by サンフランシスコ人 (2016-05-01 02:55) 

阿伊沢萬

ゴジラではそうかもしれませんが、鎌倉ではほぼ間違いなくその不自然なことが起きます。それは海から海岸沿いにある歩道に上がれる階段が意外とかぎられているとこと、そしてそのほとんどが道路を挟んだ向こう側に、真っ直ぐビルや高台がある市街地に向かう道があるからです。

このため、どこの階段を上がっても、みんなこの道に向かって直進することになるはずです。だからほんとはその各所に津波に対する緊急避難ビルがあればいいのですが、市の条例、おそらく景観がらみだと思いますが、それによってそういうものが無いというのが現状です。私が何度も鎌倉から江の島を歩くのは、じつはそのため何か他にいい逃げ場所は無いかと調べていることも理由としてひとつあります。

鎌倉高校前あたりまでくるとそういう心配はないのてすが、とにかくこのあたりいつも歩くたびに真剣に考えています。因みに自分のそれは観光客目線なので、地元目線とはちょっと違うと思います。
by 阿伊沢萬 (2016-05-01 19:00) 

生き証人

 防災目線でのレポ有難うございます。観光客目線で考えられており好感が持てました。家族が江ノ島で働いているため、津波から逃れる避難ルート(島東側の駐車場側から高台に避難するルート)を確認したのですが、「う~ん大丈夫じゃない」。崖にへばりつく住宅密集地の狭い路地を上るルート!震度6が想定されているので、家屋の倒壊で道が塞がれれば即アウトです。
 いっぽう、江ノ島のメインストリートにいる沢山の観光客はパニックになり、我先にと江ノ島を脱出しようとするはずです。それをいかに逆方向の高台(展望台)に誘導できるかも課題です。
 藤沢市で津波避難ビルを指定しておりますが、特定のビルに沢山の人が集中した場合、後から到着した人が津波の犠牲になるリスクがあります。(3.11で宮城県内の小学校体育館で実例あり)
by 生き証人 (2016-05-15 12:42) 

阿伊沢萬

>我先にと江ノ島を脱出しようとするはずです。

そうですか。てっきり上に逃げるかと思ってましたが、言われてみればその可能性は高いです。

>特定のビルに沢山の人が集中した場合、後から到着した人が津波の犠牲になるリスクがあります。

たしかに江の島大橋から逃げてくれば一番近いビルにみんな飛び込むと思われるので、その危険性は高いですね。いつも鎌倉から江の島へと歩いてるので、その逆からみた感覚が欠如してました。とても参考になりました。

生き証人さま、貴重なコメントありがとうございました。
by 阿伊沢萬 (2016-05-16 19:56) 

サンフランシスコ人

「、この時の地震はM9クラス、断層の長さは1000キロ以上もあったそうです。」

アメリカに未発見の断層が沢山ありそうです.....
by サンフランシスコ人 (2016-05-17 05:43) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0