SSブログ

アミューズメントメディア総合学院東京校学院祭2015に行く。 [声優]

tag.jpg

数年ぶりに行った。

ここ数年いろいろとあって、
みることがかなわなかったけど、
ようやく今年久しぶりに観ることができた。

みたのもののひとつが声優科の本科一年の朗読劇。
かならず今まで観てきたもののひとつ。

一年のこれは前回みたものと同じようで、
群読→ひとりひとりの詩の暗唱、
そして全員によるリーディングライブとなっていた。

ただ最初の群読を聞いたとき、
「あれ?声が小さい」
と思ってしまった。

いつもは耳が痛いほどの音圧みたいなものが、
多少力んだような部分はあるものの、
かなりの力感で迫ってきていた。

だが今回はそれがなかった。
ただし声の粒がひとつひとつ聞き取れるような、
そんな響きになっていた。

じつはいままでこの一年の公演、
各クラスが二回公演を行うのですが、
その最初しか観たことがなかった。

今回初めて二回目の公演を聞いたのですが、
二度目ということで、
初回とは違って力んでないので、
こういうふうになったのかなと思ったりもしました。

これはなかなか面白かったです。

やはりこういうのは条件を変えてみないと、
なかなかわからないもの。
いつかまるまる聞き比べをしてみたいものです。

じつは今回この前日に,
本科二年選抜のライブも観せていただいた。

そこで思ったこと。

「たった一年で今風のアニメ声になっちゃうんだ」

ということ。

本科一年のそれは、
良くも悪くもいわゆる普通の人たちのそれと、
じつはあまり変わり映えはしていない。

自分の個性そのものでやっているというかんじなのだ。

だが二年のそれはもう完全に、
そのまま今放映のアニメに出てもいいくらい、
完全にそういうタイプの声に仕上がっていた。

おそらくこういう声の演技ができるよう、
いろいろとそのテクニックを教えているのだろうけど、
これには正直驚いた。

しかもそれらの上に、
画面上の演出にもしっかりあわせていた。

あるシーンで、
キャラが実際は静態しているのに、
最初は右から左に表情をとらえ、
次のカットでは左から右へと、
今度はややupでとらえているのをみて、

「これ弦のあげ弓さげ弓と同じだなあ」

と思わず思ってしまうようなところがあったり
演技者のマイク前での出入りが激しく、
まるでモーツァルトの「フィガロの結婚」を、
ものすごい早回しでみせられているような、
そんなかんじの動きも要求されるようなところありと、
これはなかなか厳しいのを選んでるなあと、
ちょっと唸ってしまったものの、
それらにもある程度ちゃんと対応していた。

他にも
全体的にアンサンブルが多用されたものと、
作品が演技者を引っ張ってしまう力が強いものという、
なんともやってる人にとって、
その実力がもろにみえてしまうものが選ばれていてたが、
これらもやはり見事に演じていた。

「自分のところの生徒に自信があるんだろうな」

とこのときそれらの作品を通して、
そういうこの会社の自負もなんかみてとれるものがあった。

余談ですが、
それらが10年近く前のもの、
そして20年前の作品でありながら、
今の若い人たちがそれらの中で、
何の違和感なく演じているのをみて、
ああやっぱり声優って伝統芸能なんだなあと、
あらためて再確認させられたものでした。

※このとき、「シン・ゴジラ」の庵野樋口コンビの旧作が、この若い人たちの声で放映されていたが、やっぱすげえ作品だ!と思ってしまった。ゴジラ、いい作品に仕上がってほしいなあ…。


ただ二年は数年前、
その卒業公演をみさせていただいたことがあるのに、
今回のような感想はじつはなかったと記憶している。

これは今年の選抜がそうなのか、
それとも舞台と画面の前では演技が変わるのか、
ここがなんとも気になってしまいました。

今年の卒業公演、
できればこのあたりの確認込みで、
なんとか観に行きたいところですが…。

ところでここからは公演とは直接関係のない雑感。

こういう形で今のアニメに対応できる声をつくる。

確かに需要にマッチしない声を供給しても意味がないが、
だけどここまでパターン化されていくと、
はたして行き詰らないかなあと、
正直心配してしまう。

今秋のアニメの学園ものなど、
どれがどれなのか区別がつかない作品がある。

それはあまりにも似た設定似たキャラ、
そして当然のごとく似た声が出ているからだけど、
こういう状況がこの先延々と続くのかなあと思うと、
うーんとやはりなってしまう。

宮崎駿監督はこのあたりのことも嫌なんで、
声優を使用しなくなったんだろうなあと、
ちと思ってしまった。


また今回二年が使った、
過去のアニメ作品も現在と同じく、
やはり女性に主要な役が多い。

それを思うと今後も
男性は少数精鋭になる傾向が続くし、
女性は逆に広く浅い使われ方をされるだろう。

それを思うと男女とも声優はたいへんだなあという、
そんな気があらためてしたものでした。


最後に舞台終了後の休憩室での出演者の挨拶。

一年と二年の差はかなり歴然としていて、
ああこれはやっぱりしかたないかと思ってしまった。

初々しさをとるか手馴れ感をとるかは好き好きですが。

とにかくこういう養成所の公演はいつみても、
いろいろと新しい発見と楽しみがあります。

若い人にはどんどんでてきてほしいところです。

が、

これからどんどん少子化が進んでいきますが、
問題なのはそれ以上に
アニメ好きの年寄りがどんどん増えていくこと。

ようするに口うるさい保守的な外野が増えるということ。

これらの人の中には、
育てようという気持ちが皆無で、
むしろ潰そうとしてるんじゃないかという、
マイナスポイントのみをあら捜しして、
古い価値観や好みで物言いしてくることがままあります。

正直そういうものに押しつぶされることなく、
ただしそういう人たちも、
悲しいかなじつはお客様だということを認識し、
これからを頑張ってほしいです。

しかしなあ。

あまりにも需要と供給の比率が悪すぎるよなあ。
しかたないとはいえ、
それを思うとちといつもこういう公演をみてると、
気持ち的に辛い部分があるのも事実。

全員に頑張れとはいえるけど、
負けるなとは言いきれないこちらのむずかしさ。

ほんとたいへんです、声優の世界は。

以上、とりとめもなく〆。
nice!(1)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アニメ

nice! 1

コメント 1

阿伊沢萬

こういう公演をみるたびに若い人の可能性かけるエネルギーの凄さと眩しさをいつも強く感じさせられてしまいます。それだけにもっと環境、特に収入の部分なんとかならないかなあといつも思います。声優になるってボランティじゃないんですよね。

ハムサブロー様、nice! ありがとうございます。
by 阿伊沢萬 (2015-11-03 20:02) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0