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劇場版「花咲くいろは HOME SWEET HOME」を観て。 [劇場公開アニメ]

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http://www.hanasakuiroha.jp/
(公式サイト)
http://www.youtube.com/watch?v=toOo9iRyV9k
(予告編)

というわけで先行上映がはじまった。

全体の話としては本編に組み込まれていたエピソードや設定を、
その中央にメインテーマとしての「家族」というものを据えることにより、
それらひとつひとつを丁寧に掘り起こし、
幾重にも重ねそして語っていく…といったものとなっています。

このため全体的にサイドストーリーというよりは、
本来この話がベースとなって本編が動いていた…
というようなかんじになっています。

声優さんも本編以上に踏み込んだ演技をされており
(なかには大きく踏み込みすぎて弾けまくった人もいますが…)
今までとは一味違ったかんじに全体が仕上がっています。
※一人二役という方もいますし…

全体は66分。
TV版三本分の量にほぼ匹敵しますが、
時間以上に全体が長く感じられるものの、
それでいてあっという間に終わってしまったような、
そんな雰囲気も感じられた作品で、
肩肘はったかんじはそれほどではないものの、
それでいてTV版よりもいい意味で気合の入った作品に出来上がっています。

ただほんの一部ちよっと仕上げが粗く感じられた瞬間があり、
ここの部分が全国公開の時には修正されるのかどうかが
ちょっと気になっています。

とはいえそれは本当にごくごく一部の些細なものでして
この作品や声優さんが好きな方には
観て損は無い出来となっています。

あとこれまた自分の予習不足ですが、
入場時にPA WORKSのでかい袋をもらった。
中には二種のクリアファイルとこれが一枚入っていた。
会場先着特典とのこと。
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以前も「インデックス」で何も知らないで単行本をもらってしまったが、
これからこういうことがどんどん増えていくのかなあと思った反面、
これを高く売りつける人とか出てくるんだろうなあと、
ちょっと心配してしまった。

今回ユナイテッドシネマの初日一回目はほぼ満員。
前日空席情報を観たときは6割くらいが埋まっていたので
当日にかなり伸びたようだ。
また取材の撮影が入っていたようですが、
写されたら嫌だという人もいるだろうなと、このあたりもまた心配。

あとここでちよっと戸惑ったのはパンフレットの売り場。
まさか飲食物のカウンターと同じ所で販売しているとは!
横浜や川崎ではそういうものが分離しているので、
このあたりのごった煮感覚はちょっと慣れないと???だった。

またこの映画館は駅から歩いて二十数分だが、
なんかいまいちどこから映画館の入り口に行けば近いのか
車は分かりやすいかもしれないが徒歩だと逆に分かりづらいかも。
これから行かれる方は余裕をもって行かれることをお薦めしたい。

ただスクリーンはデカイし座席もゆったりしているので、
中へ入るとなかなか快適に鑑賞をすることができる。
そういう意味ではとてもいい映画館でした。

これから行かれる方はごった煮感覚さえ事前に認識しておけば、
むしろ気軽に快適に鑑賞できる映画館だと思います。

因みに「HOME SWEET HOME」。

イングランド民謡で「埴生の宿」の英題にもなっています。
そこでの別タイトルとしては「楽しき我が家」「懐かしの我が家」
そして「あたたかき我が家」とのこと。
http://www.youtube.com/watch?v=KMETdwdgcwE

あたたかさの中に、ひとすじの爽やかな風が駆け抜けていく。
そんな作品です。

以上で〆

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以下3/17追加。※ネタバレも含む。

というわけで公開から一週間経ったこともあり、
もうちょっと突っ込んだ感想を。
ただしまだ初日の一度しかみてないので、
記憶との戦いとなりますのでご了承を。

冒頭いきなり皐月の高校時代の回想からはじまる。
厳しい母スイとの衝突の連日。
そしてそこで後の夫となる写真家、松前綾人との出会いが描かれていく。

ここから緒花と皐月のそれぞれの高校時代が
交錯するように各々が描かれていく。

そして途中から豆じいのかつての業務日誌が鎹となって、
さらに緒花と皐月、皐月とスイの親子のそれを紡いでいく。

そしてそれは菜子の家族の話が関わってくることにより
親子から家族へと話がひとつ大きくふくらまされていく。
特にここでの菜子の、ためにためた感情の激しいぶつけ方は、
TVではあまりみられなかっただけに、
とても強く印象に残るものがありました。

親のことがわかるまでの時の経過。
「輝きたい」という想いをいだく緒花と皐月。
そして「親子」と「家族」の絆な強さ。

そして走り出す主人公達。

TV版では緒花だけが走っていたが、
映画では皐月もまた走っていた。
ともに父親を早く失った二人が、
ともに喜翆荘から解き放たれところから走り出す。

スイが喜翆荘を閉じる理由がここでまた生きてくる。

ほんとうに総まとめというか、
TV版のベースをあらためて思い起こさせられる作品だった。

ただもちろんこういう難しい話だけではない。
これとバランスをとるように今回は巴姉さんが、
ギャグメッセンジャーとして炸裂している。

特に「かかと」ネタと蓮さんの「髪型」ネタでは容赦ない突っ込みをしている。
また修行にきて喜翆荘をひっかきまわしている結名とのコンビが
妙にはまっているのもまたこの映画の見所で、
TVではあまり絡まなかった二人だけにこれは意外に新鮮な組み合わせだった。

最後の方で綾人が皐月に緒花の名前の由来を話すところがある。
そこではじめて「おはな」がハワイで「家族」という意味で使われる、
【ohana】からつけたことが明かされる。
皐月にとっての緒花がわかったように感じられた瞬間だった。


【ohana】「緒花」のかけあわせは、
「リロ・アンド・スティッチ」あたりをみていた人の中にには、
けっこう分かってる方もいたようです。

ときおりちょっとテンポが速めで、
時代転換がやや煩雑に感じる瞬間もなくはないが
このように全体的にじつにうまく「家族」というものが描かれ、
そして似たもの親子の「走る」姿で〆られた作品だった。

最初にも書いたが刺激はないが
とにかくなかなか味わいのあるいい作品だった。

声優も二役の伊藤さん、終盤を盛り上げた豊崎さん、
そして大きくアクセルを踏み込んだ能登さんと、
とにかくTV版以上に気合の入った、
それでいて見事なアンサンブルをかたどっていました。

3/30から全国公開になるので、
そのとき上のことを確認する意味でも
もう一度しっかり見てみたいと思います。

最後に。

今回は皐月によりスポットが当てられていましたが、
皐月が緒花より美人に描かれていたのはともかく、
緒花が冒頭で小学生に直接ではないものの、
「チビ」とか「無理」とかいわれていたのはちと不憫でした。
だいたい小学生に「無理」といわれる高校二年生ってどうよ、です。

それにしてもこの表情みてると親子だなあとつくづく思いました。
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以下4/1追加。

映画の日を利用して久しぶりに観ました。
感想はあえてつけくわえることはありませんが、
P.A.WORKS の描く背景はなんとなく温かくて心地よいと再確認。
特に空気の透明感とひんやり感がこの作品ではよくでていたような気がします。
P.A.WORKS による空と雲のやさしい雰囲気はとにかく絶品です。

(追加)

上記先行上映は金沢でみたのですが、
バスで早朝着いた後、金沢城と兼六園にも行きました。

金沢城
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兼六園
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こんなかんじでした。ただちょっと花粉が強かった…。
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阿伊沢萬

この作品が好きな方にはこたえられない内容だと思います。内容に関するネタバレ込み感想は全国公開がはじまってしばらくした来月以降にします。

ゆきママ様、nice!ありがとうございます。
by 阿伊沢萬 (2013-03-10 23:40) 

阿伊沢萬

AKIさま。

もう一年半前の話ですが、この初日初回のそれは本当に金沢への小旅行も兼ねていたせいか、とても印象に残っています。それにしてもPAの聖地がらみの作品は、その多くがなんか昭和の古き良き「邦画」のような語り口が感じられて、とても心地よい感覚があります。これからもこういう作品をつくりつづけてほしいものです。

nice!ありがとうございます。
by 阿伊沢萬 (2014-10-30 23:58) 

佐久間

検索から来ました。
去年の年末から見始めて、ようやくコンプリートしましたけど面白かった。

のんのんびよりのように「花咲くいろは りぴーと」にすれば、今年以降でも放送できそうな気がしますが、北陸新幹線開業も終わったことだし旬は過ぎたか。
by 佐久間 (2016-01-27 22:13) 

阿伊沢萬

>「花咲くいろは りぴーと」

これは気付かなかったです。確かにそれもありですね。しかしあれからもう三年。あのときは行きは夜行バス、帰りは在来戦+新幹線でしたが今は新幹線だけでOKというのですからほんと楽になりました。

この作品今年で放送開始からちょうど5年。311直後の4月からはじまった作品ですが、そのときの暗い雰囲気を吹き飛ばすかのような前向きでみてて元気をもらえるような作品だったことに、とてもありがたいものを当時感じていたものでした。自分もまたこの機会に見直してみようかなと思ってます。

佐久間様、コメントありがとうございました。
by 阿伊沢萬 (2016-01-28 20:25) 

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