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『桑島法子 朗読夜 ~春~2011・rebirth』雑感 その壱 [朗読夜]

3/13に当初岩手花巻市文化会館にて予定されていた公演だが、
この公演が行われる二日前にあの大震災がおきたため順延。
そしてその振り替え公演となったのがこの日の公演。

自分は3/13に予定していたときと同様
まず平泉の中尊寺によりそれから花巻というコースを考えていた。
で、できれば水沢の天文台でのフェスにも立ち寄ろうかと。

だがこの間に平泉は世界遺産に登録されたため大混雑という、
そんな話を聞いたたため急遽コースを変更、
新花巻の宮沢賢治記念館とその周辺、
そして花巻城の城跡等を見学しようということにした。

朝四時に自宅を出発。
意外とどの電車も混んでいて新幹線も心配したが、
自由席は東京から乗る分には何の心配もなかった。

新花巻についたのは九時すぎ。
ここに来るのは十五年以上ぶり
いやひょっとすると二十年ぶりかもしれない。

あいかわらず駅前はすっきりしているが
それでも以前よりいろいろと建物が多くなった。
記念館へ向かう道路も整備され
また当時あったかな?という施設もいろいろとあった。
歩道も前よりも歩きやすく綺麗に舗装されている。

ただそれ以上にこんなに坂がきつかったっけと思うことしきり、
あらためて自分の年齢を思い知った次第です。

それにしてもこの日は気候がよかった。
前日までは猛暑や大雨だったというのに、
この日は夏にしては涼しくしかも湿度も低く、
ときおり吹いてくる風の爽やかさは最高だった。

空は一ノ関過ぎまでは曇っていたが、
こちらにつくと多少晴れ間もみえ、
時間がたつにつれ雲が薄くなり晴れ間も広がり、
いろいろと見て歩くには最高の環境となった。

そういえば自分が桑島さんの朗読に行くときは
いつも天候にも気温にも恵まれている。
偶然とはいえありがたいことだ。

こうして記念館に到着。
前回来たときはほんとうにとんぼ返りだったので
今回はいろいとじっくり見ていくことにした。

http://www.city.hanamaki.iwate.jp/sightseeing/kenjimm/
(宮沢賢治記念館公式HP)

そしてここで賢治のチェロやレコードと久しぶりの対面となった。
ただチェロが以前よりもずいぶん光沢があるように感じた。
そういえば数年前このチェロを藤原真理さんが弾いたことがあり、
手入れをすればまだまだ大丈夫というこを聞いたことがあった。
その後手入れが以前よりもされているからなのだろうか。
妹トシの愛用したヴァイオリンが横によりそっている光景がまた微笑ましい。

また賢治が製作設計したといわれる四重奏用の鉄製の譜面台もあったが、
前回これをみた記憶が無いので、
おそらく自分が見落としてしまったのだろう。 
やはりこういう所には時間をかけないといけない。
この館は来年で開館三十周年ということなので
なにかまた記念式典みたいなものでもあるのだろうか。

『遠野と賢治「ぼくらの方の、ざしき童子のはなしです」』
という企画展もされていたのでそちらも見学。
ノートに簡単な書き込みをした後館を出る。

その後しばらくいったところにある胡四王神社に行く。
本殿は来年で建立百年を迎えるというが、
拝殿を含めなんかとても寂しそうな佇まいだった。
いろいろとおもうこともありここでお参りをする。

その後新花巻駅まで てくてくと戻る。
ここで以前から気になっていた釜石線に乗る。

以前来たときはそのローカルな単線の雰囲気と
おっそろしくシンプルな駅の佇まいが
すぐそばの新幹線とその駅との対比でより際立っていたため
ここの駅から列車に乗りたいとずっと思っていた。

今回は念願かなってついに乗ることができた。

電車が来るまで隣の新幹線新花巻駅の待合室で
この日の高校野球決勝をみる。
日大三校が圧勝しゲームセットとなったとき、
妙に待合室が静かな雰囲気となった。

「ああそうだ、ここは岩手だったんだ」とこのときあらためて気づく。
これがふだんいる横浜なら歓声がそこそこおきるのですが、
ここは日大に負けた青森の隣の県。
ちょっと喜ぶに喜べず肩身が狭くそのまま退出。

このときテレビに
アナログ放送が来年三月に終了というテロップがでた。
横浜あたりではもう震災が少しずつ過去のものになりつつあるが、
ここ岩手ではまだ震災は現在進行形なのだということを
あらためて認識させられた。

このあと釜石線の駅に行く。
ほんとうにローカルな駅で、
かつて自分の地元にあった
軽便鉄道、越後交通栃尾線のそれを思い出してしまった。

来た電車は快速だったせいかとても綺麗な列車だったが
その乗り心地はなんとなく幼い時にのった栃尾線のそれに似ていた。
そういえば栃尾線の速度はたしか時速四十キロだった
それよりは早いかもしれないけど、だけどとにかく似たものがあった。

この釜石線もかなりの被害を震災で蒙ったという。
だけどこうしてまた交通機関は少しずつ復旧している。
全体の復興がより一日でも早く進むことを願わずにはいられない。

花巻について花巻城へ行く。
すでに明治二年に取り壊されているため
その佇まいをみることはもうできないが、
(賢治ですらすでにその全容をみることができなかった)
それでも随所に当時を偲べる巨大な石垣がまだ現存している。

花巻市有形文化財となっている数少ない遺構のひとつ円城寺門をみるが、
以前にかなり痛んでいた時期があったためか、
いろいろと修復されてはいるがやはり痛んでいるという気がする。
それにその修復のしかたもかなり応急的なものがあり、
みていて少し痛々しいものがある。
どこかがもう少しなんとかしっかりと復旧させてほしいものだ。

ここでお隣の鳥谷崎神社にもお参り。

このあといよいよ会場の文化会館へ向かう。

空からセスナ機が今日行われる地元花火大会のお知らせと
駐車場がないという注意をよびかける。
今日じつはこのよぴかけを何度も聞いた。
よほど人出の多い大会なのだろう。

途中「いわて花巻イーハトーブの里ツーデーマーチ」に参加されている
ウォーカーの方々に何度も出会う。
この日の20キロコースは
「賢治文学散歩の道コース」だったことがあとでわかった。
いつかこういうものにも参加してみたいものだ。

このときあちこちでいろいと閉まった状態の店をみかける。
中には店の内部ががらんとしたとこもある。
市街地に正直こんなに閉まったお店があることに
軽いショックを覚える。

これは震災の影響だけではもちろんないし、
それ以前の慢性的な地方を襲う不景気というものもあるので、
震災以前からこうなっていた部分も少なからずあるだろうけど、
この光景には心穏やかならないものがあった。

震災からもう五ヶ月以上がたったものの、
急速に復旧が進んでいるところがある反面、
まだ全然すべてが進んでいないところもあるという。

しかも以前から地方の景気は決してよくないのに、
この震災がさらにそれらに追い討ちをかける。
震災の直接的なものだけでなく、
それらによって好転できなくなったものまで含めると
いろいろな面でまだ厳しい現状があることをあらためて思い知らされた。

こうしていろいろと花巻巡りをした後いよいよ文化会館へ向かう。


しかしここまであまりにも書くことが多すぎて
完全に花巻一人旅の巻となってしまいました。
申し訳ありません…。


(以下に続く)
http://orch.blog.so-net.ne.jp/2011-08-21
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