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宮沢賢治の火の鳥 [宮澤賢治のクラシック]

宮沢賢治の持っていたクラシックのレコード目録の中に
ストラヴィンスキーの「火の鳥」があったのには正直驚きだった。

持っていたのはオスカー・フリートが1928年に
フルトヴェングラー時代のベルリンフィルを指揮して録音した
1919年版の組曲によるものと思われるので
この版が完成してから9年しかたたないうちに録音された
ある意味当時としてはピッカピカの録音ということなのだろう。

それを賢治が持っていたのだからたいしたものだ。
ただストラヴィンスキーはこの録音当時47歳。
賢治の14歳年上だったが
賢治の持っていたクラシックの作曲家としては
けっこう年齢的に近いものがあり
そういうところから親近感を感じていたかもしれない。
そんな賢治がもっていた「火の鳥」の演奏が最近CDになっているのを知り購入した。


(ARB153)

録音のせいもあるのか
さすがにそれほどの迫力は感じられないし
当時最高といわれたベルリンフィルをもってしても
やはり当時はまだまだこの曲は手強い曲だったのではないかと
そう感じさせられる瞬間もあった。

たださっぱりとした演奏ではあるものの
雰囲気の作り方がななかなかうまく
緊張感の持たせ方や
「王女たちのロンド」「子守歌」などの歌わせ方などに
けっこう聴かせ上手なかんじがした演奏だった。
また終曲で通常には無い箇所でシンバルが入っていたりと
ちょっとユニークなところがあった。
これが指揮者によるものかそれともなにかまた版があるのかは
自分の勉強不足でそのあたりはわからないが
当時の再生環境からいうと
案外これは効果的なものだったようにも感じられた。

演奏時間は17分22秒。

現在はコンサートの曲目としてもスタンダードなものとなったこの組曲。
はたして賢治はそこにどのようなものを当時感じていのでしょうか。
素朴な土俗的響きに惹かれたところもあるでしょうが
果たしてそれだけだったのか。
例えばあの「魔王カスチェイの凶悪な踊り 」など
賢治の五感にどのようにうったえてきたのか。
じつに興味深いものがあります。

因みに自分はこの曲が
「風の又三郎」にちょっと影響を与えているのでは?
と考えたりしています。
そのあたりについてはまたの機会がありましたらということで。


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