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能登さんと早見さん。 [声優]

今年の、特に四月に入ってからの新番組で、
早見沙織さんの役が、
以前だったら能登麻美子さんがやっているような、
そんな役柄が急速に増えている。

確かに以前からどことなく似た声質をもってはいたが、
それを売りにしているということはなく、
強気だけど不器用でオロオロするようなキャラをやらせたら世界一という、
そんなかんじの役柄に強さというか個性を発揮するように感じられていた、

それだけにこの傾向はちょっと意外だった。

能登さんが黒沼爽子で、
あのヒーリングスタイルを極めた直後から、
輪島巴で一気に姉さん役でも評価をあげたこともあり、
以前からいろいろと多様な役もできることから、
そのスタイルから離れる傾向をみせていたことも、
早見さんがそこのポジションに入るきっかけにもなったのだろう。

自分は声優さんにはひとつのラインのようなものがあって、
そのラインに沿って次々と声優さんが、
ひとつのスタイルを継承していくように思っている。

※ただしこれが声優さんの寿命を縮めているのも事実なのですが…。

そんな中で能登さんのラインというのは、
正直継承する人っていないんじゃないのかなと思っていただけに、
早見さんがそこに何の違和感もなく収まってしまったのは、
演技的には釘宮さんを手本にしているように感じられるところがあったこともあり、
新たなツンデレタイプとして売れていくのかなと思っていただけに
これには正直意外だったけど、
考えてみれば当然だったのかもしれない。

平成生まれの早見さんがデビューしたころは、
「ハルヒ」をばしめとしてアニメバブルがひとつのピークに達していた時期で、
能登さんはその時期第一線で多くの主要キャラを演じており、
早見さんもその活躍を当然みていたことだろう。

しかも2007年には「CLANNAD」と「桃華月憚」で二人は共演もしており、
キャリアの初期にその影響をそれとなく受けていたのかもしれない。

それを思うと、
そんなに接点が無いように感じられた二人だけど、
ここにきてこういうふうになったのは、
前述したとおり、やはり当然のことだったのかもしれません。

なかなかおもしろいものです。


'(2016 6/13 追加)

ところでそんなお二人が
「ガルパン劇場版」で共演されている。

ただ互いに会話をするということはなかった。
同じ「どんぐり小隊」配属ではありましたが。


で、今回この二人の共演、
それまでこの二人の声がよく似ていると思って聞いていたけど、
この二人がこうして喋っているのを聞いていると、
あんまり似てないという気がしてきたから面白い。

というか声が似ていても、声の性格がかなり違うという、
そんな感じが強くしたからだ。

なんというのか能登さんは浮世離れ、
早見さんは小市民的といいましょうか…。


考えてみると能登さんは、
ちょっと人間離れした役、もしくは人間ではない役が多い。

かつてある人にそんな能登さんを、
「能楽声優」といったことがありますが、
とにかくちょっと声の背後に生身の人しての質感が稀薄で、
それが不思議なヒーリング感を伴っているのが能登さんの持ち味。

これに対して早見さんは、
むしろずっと生身の質感が感じられるし、
ヒーリング感も能登さんに比べるとそれほどではない。

そのせいか声が似ているように感じても、
過去の役歴をみても能登さんとは対照的に、
多少性格的に変でもごくふつうの人が多い。

おそらくプロの人が配役をすると、
この二人の声の性格的な違いがモロ分かりなのだろう。

これがガルパンでも如実に反映されている。

神秘的な雰囲気のリーダーであるミカを能登さん。
GP5.jpg
常識的なカエサルの親友カルパッチョを早見さん。
816e66f8-s.jpg

もうこれほど如実なものはないといっていいかも。


もしこのカルパッチョとミカの配役を交換したら、
かなり違和感が出まくってしまうだろう。


結果的に今回のガルパンは、
別にそれを狙ったわけではないだろうけど、
能登さんと早見さんの声の、
その違いというものを視覚的にも聴覚的にも、
かなりハッキリと感じさせる作品になってしまった。

「どんぐり小隊」の誰一人として似通った人物像ができなかったのが、
もうその最高の証明といっていいと思います。

あとは「神秘的」というキーワードを持ってるか否かでしょうか。

面白いものです。



以上で〆です。
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声優におけるパイオニアとちょっと思ったこと。 [声優]

声優さんの過去のアニメにおける歴史をみていると、
その歴史上何人かパイオニアといっていい存在の人をみかける。


まず清水マリさん。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%85%E6%B0%B4%E3%83%9E%E3%83%AA

おそらくこの方の存在なければ、
少なくともTVアニメの進歩があと数年は遅れていたと思うし、
TVアニメの声優としてのパイオニア的存在の代表者といっていいと思う。

神谷明さん。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E8%B0%B7%E6%98%8E#.E5.A3.B0.E5.84.AA.E3.81.A8.E3.81.97.E3.81.A6.E3.81.AE.E6.B4.BB.E5.8B.95

いわゆるロボットものの少年ヒーローの「型」をつくった人で、
その後このラインを引き継ぐ人をずいぶん見かけることとなった。
そしてそれは現在でもひとつの基本形になっていると思う。


麻上洋子さん。(現、一龍斎春水さん)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E9%BE%8D%E6%96%8E%E6%98%A5%E6%B0%B4

この人は声優に初めて明確に「アイドル」という要素を持ち込んだ人で、
決してそれを意図的に確立しようとしたわけではないものの、
結果その後そういうラインでも声優は「売れる」ということを示してくれた人だった。


小山茉美さん。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E5%B1%B1%E8%8C%89%E7%BE%8E

この方の場合は多様なスタイルをひとりでやってしまったこと以上に、
オスカルではない「カッコイイ」女性像をつくりあげたことが、
主役をはれる女性キャラを確立するきっかけとなったといっていいと思う。
またいわゆる「魔女っ娘」のラインを確立させたのもこの方の力が大きく、
そういう意味では複数の影響を後々に残した人といえるのかもしれません。


笠原弘子さん。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%A0%E5%8E%9F%E5%BC%98%E5%AD%90

歌手と声優を同時にという点では飯島真理さんもいるけど、
それら二枚看板を持続的に両立させたという意味ではおそらく最初の方で、
その後椎名へきるさん、坂本真綾さん、水樹奈々さんもそのラインによって、
大きく花開くことができたし、
またひとつのメーカーが全面的に抱えて売り出すというパターンは、
後に林原めぐみさんのそれに引き継がれ、
より巨大な影響をもたらすことになります。


他にも、野沢雅子さんや古谷徹さんといった、
自分の特長ある声質を全面的に利用してのスタイルで、
強く影響をあたえた人もいるけれど、
上であげた人たちもこれまたひとつのスタイルや道をつくりあげ、
後々により広く大きな影響を与えた
いわゆるパイオニアという気が強くする。

そんなパイオニアとよばれる人は今世紀に入ってもじつはいる。

釘宮 理恵さん。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%98%E5%AE%AE%E7%90%86%E6%81%B5

この人の場合はいわゆる「弟」系の声でも定評があったが、
とにもかくにもいわゆる「ツンデレ」系というものにおけるスタイルが、
完全に釘宮前と釘宮後を分けるほどに強烈な影響を与えることになった。


平野綾さん。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E9%87%8E%E7%B6%BE

この方の場合はとにかく「ハルヒ」。
あそこでみせた強気とも傍若無人ともいえるようなそれは、
上記の釘宮さん以上に、じつに多くの声優さんに影響を与えています。


今のアニメにおける女性キャラは、
いわゆる「綾波長門」型をのぞけば、
かなりのキャラが釘宮さんと平野さんの演技を要求しているような、
そんな状況を呈している。

まあそのため今のアニメのいくつかは、
タイトルをみてもストーリーもキャラも他の作品とごっちゃになってしまうという、
そういうかんじにもなってしまっているのですが、
それだけにこの二人の影響というのが
じつに大きいと今更ながらに痛感しています。


そんな多くのパイオニアによって伝統と歴史を築いている声優ですが、
そういうパイオニア的な存在だったにもかかわらず、
驚くほどその光を強く放っていた時期が短い人が何人かいる。

清水マリさん、麻上洋子さん、平野綾さん、がその例だろう。

ひの三人はアニメ史上に残るキャラクターにおいて、
そのパイオニア的なものを展開したという共通点がある。

おそらく短期間にキャラとのそれもあって爆発的な光を放ってしまったために、
その後のそれがどれも褪せてみえてしまったという、
そういう部分があるのだろうし、
いつまでもそういうイメージがつきまとってしまうという、
痛し痒しの部分によるところが大きいと思う。

もっとも古谷徹さんや野沢雅子さんという、
やはり不朽のキャラクターを演じたものの、
長期間に渡り安定した活動を続けている方もいるので、
それだけが理由ではないのかもしれない。

また笠原弘子さんの場合は、
笠原さんをバックアップしていたメーカーが途中で分裂したり、
片方がアニメから手をひいたりということで、
その立ち位置がこちらから見えずらくなるという不運ということもあり、
アニメから遠ざかってしまったということもあるので、
これまた先の三人とは状況がやや違うとは思う。


ただなんというのか、
パイオニアとして大きな影響力を強く残し、
ひとつの道を切り開いた人たちが、
そのことによってその絶頂期が長続きしなかったのは、
なにか不思議な…というか運命的なものを感じてしまう。

しかも麻上さんや平野さんはまた違うジャンルで、
自らの新しい可能性、
アニメ声優のジャンルとしてのパイオニアではなく、
自分自身のためのパイオニアとして新しい道を切り開こうとしている。

それを思うと、
パイオニアとなるべき人は、
もともとそういう資質というか性格を持ちあわせた人なのかもしれません。


と、とめどなくそんなことを徒然なるままに書いてしまいました。

ところでこの三人の方たち、
共演をしたことがあるのでしょうか。

まあどこかで一度はあわれているのかもしれませんが、
ちょっとすぐには思いつきません。

こういう世代を超えてのパイオニアの邂逅というのも、
一度はぜひ接してみたいものです。

〆です。


しかしそれにしても平野さん。
今売れっ子の茅野愛衣さんと同い年。
それ思うと凄いなあという気があらためてします。
走るのが速い人なのでしょうね。

まあときおり速すぎて、派手にけつまずいたりしていますが…。
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声優関係の明暗二題。 [声優]

少しずれたけど声優関係で二つほど。

ひとつは

◎梶裕貴が2年連続声優アワード主演男優賞

 第8回声優アワードの受賞者が28日、発表され「進撃の巨人」で主人公エレン・イェーガー役を演じた梶裕貴が2年連続で主演男優賞に輝いた。また、全ての得票の中で最多得票の声優に贈られる最多得票賞は、神谷浩史が3年連続で受賞した。

 主演女優賞は佐藤利奈、助演男優賞は細谷佳正、助演女優賞は石川由依、新人男優賞は石川界人と山下大輝、新人女優賞は内田真礼、歌唱賞は宮野真守が受賞した。

 特別功労賞は「北斗の拳」のラオウ役で知られ、昨年6月に亡くなった内海賢二さん(享年75)と音楽番組「演歌の花道」のナレーションで知られ、昨年11月に亡くなった来宮良子さん(享年82)に贈られる。

 昨年10月に亡くなった漫画家やなせたかしさん(享年94)原作の「アンパンマン」と、アンパンマン役の戸田恵子とばいきんまん役の中尾隆聖に特別賞が贈られることも決まった。

 授賞式は3月1日に都内の文化放送メディアプラスホールで行われる。

 [2014年2月28日20時49分]
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/f-et-tp0-20140228-1264012.html

今年はなんとなく納得というかんじです。

以前の該当者無しなどという愚行は今回なくてなによりでした。

梶さんの場合は、一時福山さんや神谷さんばかり目立っていた時期を思うと、
ようやく次の世代がでてきたかというかんじです。

ただ梶さんの場合スト―リーを引っ張る主役というより、
ストーリーに引っ張られながら自分の居場所を確保し自立するキャラが多く、
そういう点では主演でも助演でも両方獲得してよかったのでは?
というかんじすらしたほどでした。

最近放送された「ノラガミ」の#9 「名前」でも、
最後梶さんが強い演技をみせたことで最後の

60007.jpg

が強く印象づけられ説得力をもったという気がします。
今年も梶さんのそれはまだまだ続きそうです。

ただ個人的には松岡禎丞さんの頑張りも評価大なんですが。


そしてもうひとつはちょっと厳しいニュースで、

◎声優田村ゆかりさんのコンサート妨害容疑 34歳男逮捕

アニメなどで活躍する声優の田村ゆかりさんが2日、大阪市内でコンサートを開いている最中に、ステージに向かって携帯ラジオが投げつけられる騒ぎがあった。田村さんにけがはなかったが、コンサートは約30分間中断した。

 福井県の会社員の男(34)が現場で取り押さえられ、威力業務妨害容疑で現行犯逮捕された。天満署によると、男は「ファンだったが、あこがれの感情を断ち切りたかった」と容疑を認めているという。

 同署によると、男は午後6時20分ごろ、大阪市北区中之島5丁目の大阪国際会議場5階のメーンホールの舞台に向け携帯ラジオ(タテ9センチ、ヨコ5・5センチ)を投げつけてコンサートを中断させ、業務を妨害した疑いが持たれている。当時、会場には2600人ほどのファンがいたという。

3月3日00時15分

http://www.asahi.com/articles/ASG327VK5G32PTIL00W.html?iref=comtop_list_nat_n01

こちらは一般紙に掲載されてしまうほどのもので、
田中さんのときもヤバいと思ったのに、
またこれですかと、正直関係者も戦々恐々だろう。

もうね、自分さえよければあとはどうでもいいというこの大甘な意識。
はっきりいって小学生でもやっちゃいけないことくらいわかるレベルのことを
三十過ぎたおっさんがいい歳こいて何馬鹿やってんだか、というかんじで、
とにかく呆れ果ててしまいました。

こんなのファンでもなんでもない。
自分をファンだと間違って思い込んでいた、たんなる勘違い中年です。

まあ確かにまわりがみえなくなるという熱狂的なそれはわからないでもないですが、
そういう行為を思いとどまるかとどまらないかの、
そこのところの境界線をまたぐかまたがないかは、
正直雲泥の差があるのですよ。

人間なのかケダモノなのかの差なのですよ。

そこんところがもうわからないとなると、
ケダモノなら檻に入れとけ!になってしまうわけです。

こんなことはもうこれで打ち止めにしてほしいです。
やった人ももう二度とこういうことをしないと誓ってくれることを願わずにはいられません。

厳罰主義というのは嫌いだけど、
何か起きてからではもう遅いということを思うと、
そろそろこのあたりの対策を本気で考えなければいけないのかもしれません。

悲しいことです。


以上です。
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大学の声優同好会系サークル [声優]

春や秋は大学の学祭の季節。
今年は偶然通りがかった某大学の学祭を観たりしたけど、
ここだけでなくひとつ気になったことが最近ある。

それは大学にある声優同好会系のサークルのこと。

最初この名前をみたときは、
どういうことをやってるのか興味津々だったのですが、
自分がみたかぎりでは、
そのほとんどが声優をよんで学祭でイベントを開くという、
いわゆるイベント企画系のサークルだった。

正直いうと、
中には声優の歴史とか、
各声優が誰の流れをひいてるのかとか、
どこの学校を出て、誰に師事し、誰を目標にしてるかとか、
そういうことをまとめたような冊子を出しているような、
そんなサークルもあるのかなと思ったし、
体験的に声優養成所の体験入学に参加したレポートとか、
そういう養成所の学祭における発表会や卒業公演のレポートなどを、
やはりまとめたものを出してくれてるところがあるのかなと思ったりしたが、
そういうものもついに見かけることができなかった。

別にイベント系サークルが悪いということではなく、
そういうことにまで突っ込んだ、
そんなことをやるサークルがひとつくらいあってもいいのではないのかなと、
ちょっと思ったりしたからです。

ただひょっとするとそういうものを自分がまだみつけられないだけかもしれないし、
本当はかなりディープなサークルも存在するのかもしれない。

自分は日本の声優のそれはひとつの伝統芸能だと思っている。
ただ伝統芸能となると、
その流れというものが当然存在していなければならないし、
そのあたりがうまく掌握できてないと、
「声優は使い捨て的要素が大きいから仕方がない」
と思われてるような気がしてなんかすっきりしないのだ。

本来あまりこういうことを明確化すると、
ちょっと人間関係や仕事上に障壁となる可能性も無くは無いのですが、
ある程度これらを整理整頓していくと、
声優にとって時代ごとにどういう声が重宝され、
また時代に関係なく重宝される声が存在していたかということ、
そしてそこからアニメの供給される側からの嗜好の変化ベースなどが、
より明確になるのではないのかなと、
そんなかんじがしています。

そこのところを変に軽くみたりないがしろにすることは、
アニメ全体にとっても決していいことではないし、
平成に入ってなぜ7年周期で巨大なヒット作が登場しているかを、
そんなことを紐解くカギにもなるのではないのかなと、
ちょっと思ったりしています。

そんなことを扱ってるサークル。
どこかご存知ないでしょうか?
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「風立ちぬ」と「あの花」をみて声優に思ったこと。 [声優]

今現在、アニメ作品が劇場では何本も上映されている。

そんな中で宮崎駿監督の「風立ちぬ」と
二年前TVでも放送された
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」は、
声優の使い方がまるで違うそれに、
あらためていろいろと考えさせられるものがありました。

「風立ちぬ」は過去の宮崎監督のラインそのもので、
いわゆる声優を使用せず俳優や素人中心に配役をし、
宮崎さんの絵と演出や脚本の力を前面に出したつくり。

これに対し「あの花」は主役六人のキャラを担当した声優さんの、
その強い個性と息のあったアンサンブルで、
作品をぐんぐん引っ張っていくというつくりになっていた。

ある意味前者は監督が主導権を握り、
後者は出演者が主導権とまではいかないが、
ひとつのペースとテンションをつくっていったというところだろうか。

ただこの二つをみていてあらためて思ったことは、
宮崎監督は
「指揮者」(コンダクター)というより
「支配者」(ドミネーター)という方が正しいということだろうか。

そしてその支配力は声優が本来すべき演技の部分まで、
絵が入り込んでいるということだろうか。

これは岡田斗司夫さんの「風立ちぬ」を書いた本で気付いたことだが、
この作品で宮崎さんは主人公に細かい目の演技を絵で行っていたという、
それは主人公の性格というか判断基準にもかかわってくるところだが、
本来これらの細かい心情の描写は声優がかなり負担すべきところがある。
特に日本のアニメではそういう部分がかなり大きい。

だがそこの部分までも絵で説得力をもって描かれたとしたら、
声優にはたしてどこまで演じるべき許容範囲がこの作品では示されているのか、
はなはだ判断に苦しむ部分があるように感じられてしかたがなかった。

つまり声優としてやるべきとこまで宮崎監督はそのピースをもう、
それ以外のもので埋め込んでしまっていたということだ。
それを思うとジブリのアニメというのは、
確かに日本を代表するアニメなのかもしれないが、
その完成形はむしろディズニーのそれらに近いといっていいと思う。

そうなるとディズニーにはかなわないというところからはじまった、
日本の、特にTVアニメと、それによって育てられた声優では、
根本的に宮崎アニメと相いれない存在となってしまう。

ふつうのアニメではピタリとはまる声優さんたちも、
宮崎アニメではあまりにも大袈裟で表情がすぎるし、
色もまた濃すぎてしまうのだ。

宮崎アニメはそういう意味で
声優にとってオペラではなく声楽付き交響曲という
そんなかんじなのだろう。
そしてそれは歌手をかつてのように放し飼いにするようなことをせず、
演出重視でガッチリ固めてしまった、
現在のオペラのそれとも似通ったものがある。

これに対して「あの花」はとにかく声優の演技力と存在感が大きい。
過剰というくらいの演技をやったとしても
あの作品ではそれがオーバーになったり、
作品と違和感が生じることもない。
もっともそうならないのは演出が要所をしめているからだろう。

とにかくここでは声優の演技力が大きく前面に出ている。
そしてその声優の演技力と作品の演出等による共同作業がこの作品の特徴であり、
それはある意味、いかにも日本的なアニメのつくりともいえる特徴を呈している。

もっともこんなことを言うと宮崎監督以外は声優に対して、
放任主義をとっているのかと思われかねないがそんなことはない。
ただどんな厳しい監督でも、声優の演技できる「枠」は確保しているし、
あそこまで声優の個性を全否定するようなことはしていない。


宮崎監督の作品は「ナウシカ」以降、
声優的にみて大きく二つのグループに分けることができる。

ひとつは「ナウシカ」(1983)から「紅の豚」(1992)までの足かけ十年間。
もうひとつは「もののけ姫」(1997)から「ポニョ」(2008)までの約十年間。
前者は声優がふつうに使用されていた時期であり、
後者は声優の使用をひかえた時期だ。

こうしてみると前者は、
宮崎監督のインスピレーションが無限の可能性を感じさせたのに対し、
後者は、
前者に比べ「遊び」の要素が減り
同じファンタジーといっても、かなり厳しい様相をもった作品が多い。
しかも宮崎監督のメッセージ性もより色濃くなったこともあり、
その表現力と方向性がさらに妥協を排し厳しさを追及する色合いを強くしていった。

それは声の担当に個人プレーを許す範囲が前者よりはるかに小さくなっただけでなく、
声優の個性の発揮もさらに許されない色合いを濃くしていった。

極端に言うと「夢」を語る姿勢から「主義」を語る姿勢へと、
その占める割合に変化がおきてしまったことが、
これが声優という「夢」を売る職業が、
宮崎監督のそれから大きくはじかれたといってもいいと思う。

宮崎監督は最近の声優の声のことで、
「自分の声はかわいいと思っている、そのしゃべりがダメ。」
といっているが、
それは正直逃げだと思う。

はっきりいって最近のジブリはそんなにすべての声優のすべての引き出しを

それこそ総ざらいで精査したとはとても思えない。
「あの花」の戸松さん早見さん茅野さんだって、
作品によってはひじょうに現代的にナチュラルな演技をすることができる。

いやこの三人だけではない。
今年2013年に活躍している声優さんは、
少なくとも十年前よりははるかに癖のないナチュラルな演技も可能な人が増えている。
にもかかわらずあいかわらずそれを言うのは、
ちょっと時代の変化と乖離しているのではないかとさえ思われてしまうし、
ある一面しかみていないのではないかとさえ疑わしく思えてしまう。

それを思うと、声優の活躍できる「枠」が無いなら無いで、
なぜちゃんとそのことをいわないのかと不思議に思ってしまう。

それは「あの花」をみるとさらにそう思われて仕方がない。

「あの花」の場合、茅野さんはともかく、
戸松さんや早見さんのそれからは、宮崎監督の指摘する要素は、
とにかく少なくとも自分には感じられない。

まあ感覚的なもの観念的なもので処理している部分もあるかもしれないが、
だとしたらずいぶんとそれは安直な姿勢だなと思えてしかたがない。

ただ宮崎監督のやり方はたしかに特殊かもしれないが、
やり方としては決して間違った手法ではない。
声優に対してはたしかに完璧を旨とする宮崎監督としては、
いささか手抜きとも諦めともいえるようなところがあるが、
こういう手法による声優の選考の仕方というのは、
決して宮崎監督がいなくなったらそれで死滅する類のものかといわれると、
それはまた違うと思う。

こういうやり方による作り方は今後も頻繁ではないかもしれないが、
当然のごとく引き継がれて行くと思う。
そこに宮崎監督や鈴木プロデューサーの存在がなくてもです。
そのとき声優もまた声優はたんなる素通りされる存在となるのか、
それとも違った形でアクションを起こされるかはわかりませんが、
そのときまでに、
声優の素晴らしさが再認識させられるような、
例えば今回の「あの花」のような作品が今後どれだけ制作され、
そしてそれに対してどれだけの支持が得られるのか、
じつに興味がつきないものがある。


今回「風立ちぬ」と「あの花」という、
声優のもつポジションが正反対ともいえる作品が、
ほぼ同時期に公開されたことで、
声優というものに対していろいろと考えさせられた。

そして今の若い世代の人が、
きわめて順応性が高く決してひとつの「形」にとらわれない、
そういう人たちがでてきていることも再認識させられた。

あとはそういう人たちをどう使いこなせるかが、
最大のポイントになると思う。

劇場作品の場合、どうしても有名俳優に主役を譲る傾向がある。
そこのところはどうしようもないことだけど、
そのサイドをしっかりと声優で固めることによって、
お互いにとっていい刺激を分かち合えると思うし、
声優さんがTV等に、より出演する頻度があがる可能性もある。

そうなれば「俳優」「声優」といった部分の垣根もやや低くなり、
かつての宮崎監督が育った東映のアニメのように、
俳優も声優も分け隔てのない感覚のアニメだって登場するだろう。

声優は確かに有名になりアイドル化したかもしれないが、
それが知らないうちに、
その環境等によって独自の色合いと世界をもったことが、
結果として俳優とは違う目で必要以上にみられることにもなった。

だけど環境はともかく、個人個人のそれまで、
そう決めつけてしまうのはいかがなものかと思う。
自分はそういう意味では宮崎監督のように、
今の声優に諦めなど抱いてはいない。

特に平成以降に育った、
1980年代半ば以降に生まれた世代の方たちの順応性は、
もはや昭和にどっぷりつかった者には計り知れないものすらある。

自分はそういう意味で声優のこれからを期待したいし、
宮崎アニメ型の作品にもいつかは声優さんが自然に登場する機会も、
そう遠くはないだろうと感じている。

そのころにはその世代の声優さんは
「新伝承派声優」と呼ばれているかもしれません。

以上です。


あとこれはちょっと気になったのですが、
庵野さんが宮崎アニメの主役になったことを、
声優さんたちは正直どう思っているのだろうかということ。

そのへんがちょっと気になってますし、
じつは心配もしているのですが…。

元AKB仲谷明香 声優オーディション落選 [声優]

元AKB仲谷明香 声優オーディション落選報告も前向き

 声優を目指すため3月にAKB48を卒業した仲谷明香(21)が15日、自身のブログで声優のオーディションに落選したことを明かした。

 「ごめんなさい!オーディション落ちました…」「たくさんの方が応援してくださったのに、本当に申し訳ないです。」と結果を報告し、「でも正直ほっとしました。落ちて良かった、じゃなくて結果が早めに知れたことに対して!卒業してからの一ヶ月、そして結果までの1カ月。とっても長かったから。まだいけるぞー!宣言通り、また違う道を探そうと思います!まだまだまだまだ!」と前向きに捉えた。

 「落ちたからぶっちゃけますが、ミルキィホームズはこれからも変わらず好きなままでいますw」とオーディションを受けた作品名も告白。「これくらいでは諦めないので安心して下さい(笑)」「自分も早くアニメ出れるように頑張らなくては」と意気込んだ。

 仲谷は昨年行われた第4回のAKB選抜総選挙で36位に入ったものの、アニメ声優オーディションを受けることを理由に3月に卒業していた。
.
[ 2013年4月15日 21:05]

http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2013/04/15/kiji/K20130415005619110.html

SKEの秦さんもそうだけど、
正直声優がおもいっきりたいへんなことは言わずもがなだ。

今回落ちたことに対する反応は人それぞれだが、
マスコミ的にはどっちに転んでも今回はおいしいネタだったはずだ。

だが二回目以降は状況が当然変わってくる。
そしていずれは受かってもとりあげられなくなってしまうだろう。
そのときこの人はどのポジションについているのか。

そこからがある意味第一歩となっていくような気が個人的にはする。

そして、そこそこ有名な役を一度とったからといって、
それで安泰などということもない。
ある意味砂上の楼閣といってもいいくらい厳しい世界といえるだろう。

そして役とのめぐり合いという運の部分もじつに大事だ。

ガルパンの主役だった渕上さんも、
かつては「電波女」で前川さんというそこそこ人気のある役にいたことがあるものの、
それでもやはりその後今回の役につくまえには、
声優辞めて故郷に帰ろうと思ったことがあったとか。

斎藤千和さんも「ラストエグザイル」でラヴィをやってなければ、
やはり今の自分は無かったというようなことを発言されていた。

とにかくそういういろいろなことを思うと、
このニュースなど声優稼業のとっかりでよくある日常茶飯事にすぎない。

正直「とあるアニメの日常風景」としかいえない今回のニュース。

これそのものがじつはこれからのストーリーづくりのネタなのかどうかはともかく、
多くの方に「そんなに簡単には通さないよ」というところをみせただけでも
今回のそれは価値があったのでは?という気がしています。

仲谷さんがアニメファンからもふつうに支持される声優になるよう、、
そこはかとなくみていきたいと思います。
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なにやったんだこれ? [声優]

ライブ・イベント観覧に関してのお願い

4月13日に行われました小松未可子のライブツアー「THEE Futures」で一部のお客様による周囲を顧みない迷惑行為により、
多くのお客様に多大なるご迷惑、ご心配をお掛けしましたことを心からお詫び申し上げます。

お客様が、安全に安心して楽しめる環境を作るために、下記の禁止事項をお守り頂けますようご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

<禁止事項>
・ 演出の妨げになる全ての行為
・ 公演内容とは関係のない暴言、大声を張り上げる、音を鳴らす等の公演の妨げとなる行為
・ ステージに駆け寄る、上るなどの行為
・ 柵などに登る/越える行為
・ モッシュ、ダイブ、肩車やスタンディングで強引に前に押し寄せる行為
・ 人を突き飛ばす行為
・ 改造したサイリウムの使用、25センチ以上を超えた長さのサイリウムの使用及び誘導灯の使用行為
・ サイリウムを口に銜えるなど
・ 入場の整理番号の無視、及び場所取り行為
・ 会場内で必要とおもわれない飲食
・ 周囲のお客様を恫喝、威嚇する行為(言葉、暴力)
・ 入場チケットの不正入場
・ チケットの転売行為、オークションへの出品者
・ その他、故意に周囲への迷惑行為を行なっている場合
また、係員が危険かつ妨害行為、迷惑行為と判断した場合

今後、上記のような行為が確認され、係員の指示に従わない際は、ライブ、イベントを一時中断・中止させて頂く場合がございます。
またそのような行為を行った方は、会場から直ちにご退場いただき、
以後、今後関連する全てのライブ、イベントへの入場をお断りし、出入り禁止処分とさせて頂きます。
※ 器物破損、事故に繋がる場合も、公演を一時中断、もしくは中止とさせて頂きます。
※ その際のチケット代の返金、グッズ代の返金は一切致しません。
※ 迷惑行為の状況により所轄警察にも通報させて頂く場合もございます。
※ いかなる場合でも本禁止事情は全ての会場で摘要致します、本内容を見ていない、わからない、聞いていない等、妨害行為者として対処させて頂きます。

警備スタッフによる監視を強化しておりますが、上記のような行為が周辺で起こった場合、会場にいるスタッフへの申告にご協力ください。

ライブ、イベントは多くのお客様がいらっしゃいます。
楽しみ方はそれぞれですが、公演の妨害や周りの方のご迷惑となるような行為はお止め頂けますようお願い申し上げます。

【出入り禁止について】
出入り禁止処分は無期限とさせて頂いております。
万が一入場が確認された場合、その場で直ちにご退場頂きます。
この場合のチケット料金等の払い戻しには一切応じかねます。
何卒よろしくお願いいたします。

ご来場の皆様にはより良い環境でお楽しみいただき、ライブ・イベントが素晴らしいものになりますよう、ご協力くださいますようお願い致します。

今後とも、小松未可子の応援をよろしくお願い申し上げます。

http://www.starchild.co.jp/artist/komatsumikako/information/

まあ以前別の声優さんのライブで会場を破損させるという暴挙があったけど、
これもなんか聞いた話ではけっこう情けない内容らしい。

フーリガンとまでは言わないけれど、
聖地巡礼では地元からアニメファンは礼儀正しいという評価が定着しつつあるだけに、
ここでこれはないだろう、と正直おもってしまった。

こういうことをやったらまわりがどう思うか。

そういうマナーというか常識というか、
「みんなでつくり、みんなで楽しもう。」という、
そういう感覚が希薄になってるのかなあと、ちょっと心配です。

とにかく今後はこういうことのないよう、
心当たりのある方はぜひ気をつけて、
今後は他の方の迷惑にならないようにライヴなりイベントなりを満喫してください。
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代々木アニメーション学院声優タレントコース2012年度舞台発表会 [声優]

…に行ってきました。
二日間行われた初日13時の部の方です。
大塚駅に着くと急に雨がパラパラ。
じつに冷たい雨で今日から12月というのを実感。

会場は350人ほど入る多目的ホール。
同じ横浜校の同公演を行っている相鉄本多劇場に比べると、
その大きさは倍程のものがある。
じつはこれがちょっとひっかかっていた。

そしてその危惧が現実のものとなった。

声が届かない!

そうホールの客席側の空間が大きすぎるのだ。
しかも天井が高いのに後ろの壁には音響室等があり、
客席の空間全体に音が抜けていく要素が少なく、
むしろ声を舞台に押し返しているのではないかと思われるような、
そんな聞こえ方がしてしまう。

このため舞台前方で客席に向かって話すにはまだしも、
後列へ退いてしまうと舞台上から声が客席まで実態としてこない。
これはたいへんなホールだと思ってしまった。

普段の練習されている稽古場所は圧倒的に狭いはず。
それとこれとではかなりの違和感があったと思う。

しかも徹底的に練習に練習を重ね
アンサンブルとしてもかなり練った状態まで完成させているので、
いきなりこのホールでの微調整など
かえってやってしまうと危険なものを感じてしまうでしょう。。
そにこの作品、コンビないしトリオで全員が組まれているので、
二重に難しいものがそこにはあるという気がします。

だからみていてちょっと演じている方が気の毒に感じてしまうことが多々あった。
しかも350というでかいキャパは現として存在しているので、
そこそこの残響が存在している。
そのためときおりお互いの話が響きあって
よく聞き取れないところが多々あった。
これなどより小さく響きの無い所でみていたら、
かなり印象が違っていたと思われるだけになんともだった。

だがそのような条件にもかかわらず、
出演者は全員とても頑張っていたと思う。
前半はやや喋ることで自分を落ち着かせるという、
そんなことに力を削いでいるようなところも見受けられましたが、
途中からは調子がでてきたのかそういうことも無くなっていたようでした。

演出的にも冒頭身体を動かしたり
いろいろと勝手に喋らせたりというシーンを導入することで、
出演者をいい状態で演技させようという気配りがあり、
そういう面で出演者も比較的早く調子が出せたのでしょう。

内容的には一時間程の作品でしたが、
不思議と時間以上のものを感じました。
それはつまらなくて長く感じたというより、
見所が多くてそう感じたというものでした。

つまり見所をそれだけ見せてくれたということでして、
そういう意味で出演者の皆様の演技力に正直感心してしまいました。

この話は科学部が話を引っ張るものの主役というわけではないので、
この科学部を演じた三人がたいへん負荷が後半かかったのですが、
そのあたりも無難にこなしていたようで、
これがこの公演を支えたひとつの要因ともなっていたような気がしました。

また細かいところでひとりひとりがちゃんと動き演じていたのもよく、
そういう意味で端役がいたようでいない感じにもこの舞台は映りました。
極端に言えば大勢の主役が集まってできあがった作品、
そんな感じがこの舞台ではしました。
それだけ全員の力が拮抗していたということでしょう。

それだけに他の三公演もみたかったのですが所用でそれができませんでした。

12/1 13時公演出演:声優タレントコース2-1

林 裕弥
真下明久
梅澤龍一
松永 温
大地真央
坂本康洋
木村 周
中島健太
野坂佳代
伊澤沙織
河瀬 唯
西山ふうか
宮崎晃汰
佐藤冬麻
大原秀友
根元眞紀男
山室 拓
村上 薫
今野莉希
土井智代
佐藤 涼
山本知加
渡辺妙子
岡田康裕
濱崎佑記
糸房良浩

以上 敬称略

上演作品名:「がむしゃら」


そういえば公演後外に出ると、
来たときとは一転とてもいい天気になっており、
陽の光りもあたたかくさしていました。

これからの皆様の前途がよりよいものでありますように。
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代々木アニメーション学院 東京本部校.2012学院祭に行って。 [声優]

というわけで今度はYAGへ。

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今回みて思ったことはYAGとAMGの校風の違い。
それがこの学園祭にも如実にあらわれていた。
それは飾り付けにもよくあらわれていたし、
生徒さんの対応にもよくあらわれていた。

AMGはどちらかというとその名前のとおり、
アミューズメントパークのような雰囲気が横溢していたのに対し、
YAGはもう本当に学校の学祭そのまんまという雰囲気だった。

本部・声優館での舞台も肩肘張らずのんびりとした、
それでいていい意味でのノリや勢いが感じられる、
なかなかユニークなものだった。
(今回みせていただいたのは1-3の舞台でした。)

で、ほんとうはこの後、10分程離れたところにある、
アニメ・マンガ館に行くはずでした。
「はず」…

ここでとんでもないチョンボをしてしまった。
行くときにその地図をもらったにもかかわらず、
途中で道を間違えて遭難してしまったのだ。

「えー?」

だと思う。おそらくYAGの方からみたら、
どこをどう行けば道を間違えるんだろうと思われるかもしれないが、
情けないことに、とにかくやってしまったということだ。
このため最終的には目的地についたものの、
時間の関係で中に入ることができなかった。

親切丁寧に説明までしてもらったのに本当に情けない。
教えてくれた方にはほんと申し訳ないです。
次回からは気を付けたいと思います。

こうしてそんなこんなでAMGとYAGの学祭を、
一気呵成にザックリみせてもらったのですが、
ここで無理は承知でひとつ提案。

学祭時にお互いの学生を数人ずつレンタルして、
一公演だけミニ合同公演をやるというのはどうだろう。

今回これだけ校風が違う学校が渋谷と代々木という、
歩いても50分位で行ける範囲にあるということを思うと、
そういうことを企画してもいいのではないかという気がしたものでした。

似たもの同士ならともかく、
これだけ違うのなら一度くらいはやってみるのも、
これからの声優界を担う人たちには、
いい勉強になるような気がするのですがどうでしょう。

もちろん実現は限りなく不可能に近いものがありますが、
今回二校の学祭と舞台をみてなんとなくそう思った次第でした。

余談ですが渋谷から代々木を今回じつは歩いて移動したのですが、
みるところも多くじつに愉しく歩かせていただきました。
特に七五三のため羽織袴の小さなお子さんが、
明治神宮の境内にたくさんいらっしゃったのですが、
観光で来ていた外国人の方々がそれらのご家族に頼んで写真をとったり、
中には一緒に写真にうつったりと、たいへん喜ばれていたのが印象的でした。

それにしても代々木は綺麗になったなあ。
かつてはジュピターという輸入盤店や、
名前は言えないがぼったくり的な輸入盤屋があったりと、
いろいろと懐かしい思い出があるものの、
最近は全然来てなかったので、
その変わり方にちょっとビックリでした。

そしてその雰囲気もまわりのそれによって随分変わりました。
こんな光景、一昔前にはありえなかったです。

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アミューズメントメディア総合学院東京校声優タレント学科学院祭2012に行って。 [声優]

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というわけで今年も昨年に続いてお邪魔しました。

今回は時間がとれたので
ノベルスとキャラクター・デザインの方もみせていただきました。

最初のノベルスの方。
読んでいて思ったことに、
「ずいぶん漢字がふんだんに使用されてるなあ」
ということだった。
ほとんど装飾に近い感じすらした。

これは個人的な感覚からくるものなのであれなのですが、
漢字というものは形成文字なので、
それそのものが意味を持つというか、
言葉の意味を展開したようなものとなっているので、
たしかに強調や説明というものにはなるけれど、
その反面そこで読み手の注意を惹きつけると同時に、
読むテンポというものもストップさせてしまうという一面もある気がします。

つまり平仮名ですらすらとストーリーが流れをつくるところを、
漢字がふんだんに使用されるとどんどん流れをとめてしまうため、
なんか気持ちよく進めないという感覚がつきまとってしまう。
変な例えかもしれないけれど、
平仮名を線路、漢字を駅に例えると、
ようするに駅が多すぎて各駅停車状態に感じられてしまうのです。

これを防ぐために送り仮名をふってはいるようですが、
なんかそこのところが気になってしまいました。

最もそれはごくごく小さい出来事ですし
繰り返しますが個人的感覚の問題なのであれなのですが…。

続いてキャラクター・デザイン。
まあいろいろと個性豊かな絵が勢ぞろいでしたが、
みていて三つの絵が特に印象に残りました。
ひとつは窓に差し込む柔らかな光の感覚が絶妙に感じられた作品。
ひとつは水のとそれを通しての光が美しく感じられた作品。
そしてもうひとつは太陽がとても明るく感じられた作品でした。
けっこう「光」とか「明かり」って難しいんですよね。
あと水とかも。
背景でこういうものをみつけると妙にうれしくなってしまいます。

この後昨年同様声優科の一年生の舞台を拝見しました。

今回みたのはDクラスの皆様の舞台。

なんか全体的に昨年よりもコンパクトになった気がしました。
朗読劇もかなりスッキリしたものになっていて、
ずいぶん見通しがよく感じたものでした。

しかしそれにしてもクラスが昨年より二つも増えてる!
「うわあマジかいなあ~」というかんじでした。
ほんと凄いなあとしかいいようがありませんでした。

ところでこの日。
群読の後のひとりひとりの詩の朗読を聞いていたとき
突然ものすごく驚かされた声を聞きました。
いや「聴いた」といった方がいいのかもしれません。

とにかく独特の存在感というか磁場のようなものも持っており、
思わず「あなた何者?」と思ってしまいました。
ちょっとこれかなりビックリです。
ただこれが他の方たちとの組み合わせ等でそう聞こえたのか、
それとも本質的にそうなのかはわかりませんが、
来年の卒業公演がそういう意味で今から楽しみになってしまいました。

ここで名前を言うとあれなのですが、
とにかく私は今回ある方をチェックさせていただきました。
この人絶対声優さんとして第一線に立ってほしいなあ。

というわけでこの日いろいろと見せていただきました。
昨年かんじた「いいなあ」と感じたところは
今年もちゃんと受け継がれていました。

ほんとに今回もいろいろありがとうございました。

因みに今回は土日YAGも学園祭を同日開催していますが、
こちらははたして時間的に行けるかどうなのかちょっと不安です。


[Dクラス出演者]

原田瑛里
山出沙弥香
大西慶
米山祐平
岩波祐希
金子聖美
倉重和貴
杉野智昭
山崎侑也
野村昴平
荒井望美
船岡咲希
鹿塚優雅
佐々木賢悟
徳山実穂
長島光那
仲澤大樹
西川祐樹
奥村祐加
佐藤杏奈
平田絢香
村上崇行
阿部大空
酒井翔太
渡邉翔
和田見洋平
高橋拳也
菊池春香
皆川奈穂
堂前和希
笠原伸吾

以上、朗読順、敬称略。



(2016 10/21 追加)
もうそろそろいいと思うので書きますが、
上で驚かされたと書いた方は岩波祐希さんのことです。

現在声優さんとして活躍されているようでなによりです。
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