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ネヴィル・マリナー指揮NHK交響楽団(2/14) [演奏会いろいろ]

(会場)NHKホール
(座席)3階C13列42番
(曲目)
ドヴォルザーク:交響曲第7番
ドヴォルザーク:交響曲第8番


昼過ぎから降り出した雪が、開場前にはもうかなり積もっていた。いつもは外で入場を待っている人たちも、この日はホール側の措置で中で待つことになった。こういう心遣いはほんとうにありがたい。外で待っていたら倒れる人がでたかもしれないくらい、とにかく風といい雪といい、先週同様キツイ状況となった。

中もそんなに人は入っていなかったが、こんな中皇太子様もこのコンサートにご来場されていた。おそらくこんなに空いてるN響のコンサートもはじめてかもしれません。

マリナーは2011の10月、あの311で多くの演奏家が来日をキャンセルしている最中に来日し、指揮してくれましたが、その後昨年(2013)6月に兵庫芸術文化センター管弦楽団に客演し、そして今回の来日と、ここ数年高齢にもかかわらず来日を続けてくれていることにほんとうに頭が下がります。

じつはマリナーを初めてレコードで聴いてから40年ほど経つのに、いまだその公演を一度も聴いたことがなかった。今回は、彼の指揮の師であるモントゥが得意とし、しかもその録音に自らも奏者として参加した可能性が高いドヴォルザークの7番がプログラムにあるだけに楽しみにしていました。

マリナーはスクロヴァチェフスキー同様、立ったまま指揮をしていたが、その指揮姿からは老いはあまり感じられず、とても今年(2014)に90歳になるとは思えない矍鑠としたものがあった。

そしてその音楽はさらに若々しく、なんか中堅世代の指揮者か堂々とした音楽を展開しているかのような趣があり、正直初めてこの指揮者をレコードで耳にした時とそんなに印象が変わらないものがあった。これはこの日の演奏全体にいえるもので、これには正直驚いた。

7番はそんな中、非常にくすんだ色付けが施されたものになっており、モントゥの演奏同様、ドヴォルザークというよりブラームスのそれを聴いているような感じすらした。だが演奏としてはただ渋いだけでなく、ときおりかなりアグレッシブに攻めてくるところもあり、第一楽章終盤や第四楽章前半には、かなり気持ちを前に出し、低音にかなり強い音を要求するなど、なかなか激しい一面をみせていた。

ただホールのせいなのか、管楽器の一部がやけに散漫に響いていたところがあり、そこのところが気になった。帰りの電車でも心配していたのだろうか。

後半の8番は、曲想のせいか、より伸びやかに大らかな音楽をさらにそこへ盛り込んだ演奏となっていった。これといって個性的な事に走ったりせず、「この曲を聴きたければまずこの演奏から聴きましょう」、というかんじの、じつに真正面から描き切った、ある意味晩年のセルとクリーヴランドのそれと座標が相通じるような見事な演奏だった。

そういえば晩年のセルも、老いを感じさせない、若々しさの中に熟成の味わいを込めた演奏を展開していた。セルもロンドン響を何度か指揮していたので、マリナーもそんなセルの下で演奏し、その音楽にいろいろと影響されたのかもしれない…などと思ったりしたようなこれは演奏でした。

前半の7番ではちょっとバランス的にも気持ちが前に行ったような部分があったものの、8番ではそういうこともなく、とにかく大いに満喫させられた演奏でした。

ところで前半、マリナーが演奏終了後、何回目かに舞台に登場したとき、コンマスの堀さんの手をとりそのまま二人で退場するといった場面がみられました。近くで誰かが「反省会か?」といってたのが何か笑えました。

この後、すぐにホールを出て帰途につくのですが、湘南新宿が動いていないので、渋谷から山手線で品川まで移動。だが品川駅で次の電車が、今新橋を東京に行く電車が、そこから折り返してくるまで来ないという衝撃的構内放送。

それから雪が吹き付けるホームで三十分程電車を待つ。来た電車は混んでいたし、しかも途中何度も車内照明が点滅するという不安な運行。(その後この電車は横浜以西で運行休止になったとか)

なんとか横浜までつき、とにかく無事家にはつきました。本当に雪の日の演奏会はたいへんです。
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