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シャルル・デュトワ指揮NHK交響楽団(12/7) [演奏会いろいろ]

(会場)NHKホール
(座席)3階C13列42番
(曲目)
プーランク:グロリア

※ソプラノ:エリン・ウォール
※合唱:新国立劇場合唱団

ベルリオーズ:テ・デウム

※テノール:ジョゼフ・カイザー
※合唱:新国立劇場合唱団、国立音楽大学
※児童合唱:NHK 東京児童合唱団
※オルガン:勝山雅世


この二曲が実演で一緒に聴ける時が来るとは。しかも指揮はデュトワ。

プーランクは明るく、典雅ともいえる雰囲気に充ちた演奏がとにかく素晴らしかったです。ただ冒頭、いきなりホールの大きさを痛感させるような散漫な響きになったのはいささか興ざめ。これが演奏のせいなのか、ホールのせいなのか、座席の位置のせいなのかはわかりません。

ですがなんといっても後半のベルリオーズ。さすがにあの大編成をそのままとなるとNHKホールの舞台をさらに倍以上拡張しなければいけないので、さすがにそれは無理というもの。だがそれでもかなりの大編成での演奏となっていた。

デュトワのこの日の演奏は、とにかくわかりやすく、見通しが良く、そしてこの曲がいかに美しいかということを、じつに雄弁に語ってくれた。

たしかにベルリオーズの合唱は独特のアーチ型の刺激的な共鳴感覚をともなった、なんとも体感的な凄さをこちらに与えてくるが、それだけでなく、とても清澄な(それだけに不気味ともいえる凄みをともなった)美しさも感じさせてくれる。

デュトワはこの大きなホールで大きさやパワーに頼らない、そのかわりこの曲のもつ響きの凄さと表裏一体になっている清澄さと美しさをじっくり、そして独特のブレンド感覚を活かして描いていった。ただそれにはいささかオケに表情に硬さが目立ったのが残念だったが、それでもその言わんとしていることは充分すぎるくらいよく伝わってきた。

あと自分の座っていた席が、NHKホールの変わったオルガン位置によることもあるが、左側からオケと合唱、右側からオルガンが聴こえてくる場所に陣取ったせいか、演奏が明晰だったことも手伝って、じつにオケ&合唱とオルガンの掛け合いが面白く聴くことができた。

これがサントリーホールやミューザ川崎ではこうはいかなかっただろう。いつもはこのオルガンの位置がいろいろと物議を醸すNHKホールのオルガンですが、今日自分が座った位置でこの曲を聴くには、けっこうありがたい場所にこのオルガンは鎮座されていたようでした。

尚、来年(2014)には、スダーン指揮東京交響楽団による同曲が演奏される。311で中止になった同曲演奏の仕切り直しだ。こちらもとても期待できます。


ところで自分のことで恐縮ですかが、今年の11月で演奏会に行き始めてちょうど40年が経ちました。早いものです。じつは11月に聴いた指揮者はその40年の間に生まれた指揮者ばかりだった。別にそのためあえてその世代の指揮者を選んだわけではないのですが、なんとも歳月の経つはやさと、自分の年齢を痛切に再認識させられたものでした。
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