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「げんしけん二代目」見返してます。 [アニメ(2013放送開始)]

「げんしけん」というアニメがある。
2004年に放送されていた作品で、
その二期ともいえる「げんしけん2」も
2007年に放送されている。

じつはいろいろな事情で、
自分は「2」を先にみてから2004年版をみている。

そんな「げんしけん」シリーズの新作が、
今年(2013)の夏放送された。
監督が「ガルパン」の水島監督ということで期待してみていた。

タイトルは「げんしけん二代目」。

zz10001.jpg
http://genshiken-2daime.com/

正直いろいろと思うことがあって当時感想は書かなかったけど、
最近一気にそれらを見返す機会があったので、
この機会に感想を書いてみたいと思います。

「げんしけん」の最初の二つのシリーズは、
今見ると「二代目」に比べて少々アングラ系というか、
なんか地下のクラブでフリージャズを聴いてるような、
なんともいえない薄暗いマイナー感と汗臭さが漂う作品だった。

また作品の内容もけっこう殺伐としたものが随所にあり、
2004年版では、まだキレていた頃の春日部さんのグーパンチや、
とんでもなく深い闇を有していた原口など、
ちょっと一般にはお勧めできない濃い内容だった。

ただ一般には勧めづらい濃い作品という意味では、
2007年ものも同じで、
ここでは白目の無い箒頭の荻上さんが、
寄るもの触るものをすべて拒絶敵視するという、
おっそろしくキレた存在として描かれていた。

2004年は春日部さん、2007年は荻上さんが、
それぞれ話を動かす核となっていたが、
その二人がどちらもキレ方がなかなか強烈だったため、
笑えるシーンがいろいろあったとはいえ、
両作品ともなかなかヘビーなものが正直あった。

そんな2007年から6年たっての「げんしけん」。
またああいうヘビーなものかなあと見てみたら、
キャラがかなり入れ替わったことと、
絵の雰囲気が明るくなり、しかも声優が総替わりしたこと。
そしてあの荻上さんがかなり丸く雰囲気も変わったことで、
印象が大幅に変わってしまった。

かつてメインだった、
斑目、久我山、田中の最強トリオはもちろん、
笹原、高坂、春日部もすべて卒業。

大野、朽木が四年、
荻上が三年、
という三人だけの「げんしけん」で話がはじまり、
一話途中から、一年の、吉武、矢島、波戸、
そして留学生として2007年版にも登場した、
スザンナ、ホプキンス(スー)が新入生として加わる。

ただ三人が女性、一人がいわゆる「わけあり」の「男の娘」のため、
以前がほとんど「男たちの大和」状態だったのが、
今回は荻上さん曰く
「ただの腐女子サークル」という雰囲気になってしまった。

しかも喋るテンポがなかなかいいことと、
喋りが個人プレー的なものより、
アンサンブル的なものが重視されているせいか、
とにかく明るく、ポップな感じのする作品となっていた。
(ただ言ってる内容はけっこうエグいものも多いですが)

こういうあたりに水島監督が「ガルパン」でみせた、
大人数を均等に均しソロを各々にうまく振り分ける手腕が、
なかなかうまく機能しているようにみえた。

しかもキャラがもともと強い人ばかりなので、
存在感があまり薄らぐこともなく、
むしろ強くなりすぎる部分を、
けっこううまく中和していたようにさえ感じられた。

そのため前述したように、
前二作より明るくポップで
より一般に見やすいかんじに感じられたのだろう。

その一番の例が、今回の話の中心となった波戸よりも目立っていた、
吉武&矢島のコンビだろう。

zz10002.jpg
※向かって左が吉武、右が矢島。
zz10003.jpg

荻上曰く
「くったくがないけど空気はよんでる」吉武と、
「頑固だけどしっかりもの」の矢島というこの二人。

過去二作にこういうボケ&突っ込みタイプのコンビがいなかったこともあるだろうけど、この二人によって今回の「げんしけん」のカラーが決まったといっていいのかもしれない。
波戸の話もそんなにベタついた印象にならなかったのも、
この二人の存在がけっこう大きかったと思う。

もちろん荻上が丸くなったことがそれを可能にしたことも確かだけど、
この二人と、ときおり炸裂するスーのフレーズは、
やはり今回のこの作品のひとつの色でありアクセントだったと思う。

ただこのあまりにも雰囲気が変わったことで、
前二シリーズからのファンからは不満の声も少なくなかったとか。

特に声優の変更はいろいろと不満があったようだけど、
何回かみてたら、この作品ならこれでもいいのかもと思ったし、
個人的に実際大きく変わったなあと実感したのは、
檜山修之さんから興津和幸さんに変わった斑目役くらいだろうか。

もっともすっかり脱力系にシフトしてしまった斑目なら、
興津さんの今回のそれなら、これでむしろいいと思う。

ただ第三話冒頭のモノローグではまだなくとなく練れておらず、
ちょっと千早群像が顔を出しかけていたのですが、
話が進むにつれそういうことはまったく感じられなくなりました。

とにかく話題性は放送中や放送後も、
前のシリーズほどではなかったようですが、
見返してみるとなかなかユニークな作品だったという気がします。

年年歳歳オタクというものが明るくポップになっているんだなと、
あらためてそこのところが強く感じられ
同時に6年の歳月ってけっこう大きいなという気もしました。

以上そんなところです。

※キャラの敬称略。

あと余談ですが声優の米澤円さん。
「WHITE ALBUM2」で小木曽雪菜役。
「けいおん」では平沢憂役をしていますが、
ここではなんとあの薮崎久美子をやってます。

「おんどりゃあ!」

のあの台詞。この人もう少しこういう役でいろいろとみてみたいです。
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阿伊沢萬

まあ簡単にいえば「腐り姫の物語」といったかんじなのですが、腐ったかんじがあまりしない、なんともあっけらかんとしたところがよかったです。ただこの作品、本にして文章だけにしたら、かなり毒々しいものになってしまうのかもしれません。

ゆきママ様、nice! ありがとうございいます。
by 阿伊沢萬 (2013-12-16 02:28) 

阿伊沢萬

どうでもいいことかもしれませんが神永先輩役の能登さん。以前は人間離れもしくは人間ではないキャラが多かったのに、最近は極めて人間くさいキャラで好演をされています。今までの反動なのかどうかは分かりませんが、神永先輩もかなりハマったいい腐り演技だったと思います。

teftef様、nice! ありがとうございいました。
by 阿伊沢萬 (2013-12-20 04:08) 

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