SSブログ

高尾山古墳見学会に行く。 [沼津~三の浦]

先日開かれた、

「高尾山古墳見学会」

にでかけた。

当日は最初は曇っていたものの、
富士山こそみえなかったが途中から好天に恵まれた。

北口から出るとこれがあった。
a-02.jpg

近くで家族でそれをみていた方たちがいて、
そのとき父親らしい方が、
「どの子が好きななの?」
という言葉をかけていた。

沼津とこのグルーブがファミリー層に、
とても自然に浸透している事が感じられた。

このように外からは喜ばれ、
地元から支持され愛されるキャラとなったことは、
本当によろこばしいものだと思った。

これには地元の人達が
ある意味「楽しみながら」アクアとその道を歩んでる事も、
それらの事に大きく影響を与えていると思う。


そんな事を考えながら高尾山古墳に行く。

駅から歩いて三十分ほどのところ。

takao.jpg

ラブライブとはあまり関係の無い地域なので、
このあたりのファンには馴染みのない地域だと思う。

ここへ行くには国道一号を渡ることになるが、
今回はここの渋滞も遺跡問題に絡んでいる。

しかしここの歩道橋の痛み方はかなり酷い。
高尾山古墳も見えるなかなかの場所にあるけど、
もし一号の上に落下したら大惨事だ。

a-05.jpg

国交省の管轄らしいがこういうのを見るにつれ、
この国はお金があるのかないのか分からない時がある。


さてこの日の見学会は午前九時から始まったが、
今回のテーマは遺跡の歴史云々ではなく、
ここが今後どうなるかという事を現地で説明するもの。

これについては、
http://www.at-s.com/news/article/politics/shizuoka/436299.html
静岡新聞のそれにもあるけど、ようするに、

「片側をトンネル構造にして古墳を回避する2本の2車線道路を整備する」

というものらしい。

ここで上空からグーグルマップでみた現地のそれをみてみる。

a-01.jpg

これをみると分かり易いと思われますが、
新幹線の高架橋を抜けて新しい四車線分の道が右から、
そして左にはより幅広の道が予定されているような空きスペースと、
従来からある二車線が江原公園交差点から伸びている。

そしてそのど真ん中に高尾山古墳がある。

ここはぶっ壊して一気に道路を通そうと、
そういう考えだったのがじつによくわかる。

a-07.jpg
高尾山古墳の手前で工事が中断している新しい道路。
片道二車線、往復四車線です。

だがすでにご存知のようにこの古墳は東日本でも極めて珍しく、
しかもひょっとした考古学史上というか、
日本の歴史に大きな発見をもたらす可能性のある。
まれにみる巨大古墳であることが判明した。

だがそれでも当時の市側が取壊し姿勢を覆さなかったため、
その後いろいろとこの問題が取り上げられ、
2015年7月にはテレビ朝日の夕方のニュースで大々的に取り上げられた。

自分はその翌日時間があった事でそれを観に行ったが、
腰を抜かすくらいその規模の大きさに驚かされた。

このときこのあたりを専門とされている方もいらっしゃり、
いろいろと話を聞かせてもらいましたが、
その方もかなりこの古墳に驚かれていたし、
取壊しという姿勢をとっている市側のそれにかなり憤慨されていた。

その後この問題はいろいろと真摯に取り上げられるようになり、
上記した静岡新聞のそれに落ち着こうとしているようだ。

今回の見学会はほぼそれに沿っての説明を、
用意していただいた資料を基にしていただいた。

この日の高尾山古墳。
a-06.jpg

で、実際どのようになるかというと、
ここからは渡された資料やネットに載ってるものから推測すると、

a-11.jpg

のように道路ができるらしい。

左右に走っている白とやや灰色がかった白色の道路が、
新しくつくられる予定のもので、
左右に走っている上のそれは途中から地下トンネルになるため、
地下部分を白抜きにしてあります。

そして左右に走っている下のそれはやや高架的に作られ、
古墳の平地の部分から三メートルの高さを走るとのことで、
一部橋脚を使用してのそれになるとのこと。

a-09.jpg
この写真でみると、
古墳本体の左端にみえる枯れた白い老木の中ほどの左横あたりから、
写真左端の神社付属の建築物の屋根の右横あたりを、
抜けていくものと思われます。

幅と車の流れについては、
上のそれは二車線で地図の右側へ。

下のそれは途中から二車線が四車線になり右側から左側へと、
それぞれ流れる予定になってます。

この変則的なそれの理由は、
道交法によるもので、
安全等の基準からこうならざるを得なかったとのこと。

本来は上下ともトンネルならよかったのでしょうが、
地図から観て下の道路が、
古墳を出るとすぐに交差点になってしまうという所が、
トンネルにするといろいろと基準にひっかかってしまうらしい。

なかなか難しい問題ですが、
最初を慎重に入らなかったツケがここにきて響いてるといっていいだろう。

だがここでそれを今更嘆いてもはじまらない。


あと縦に走っている白い太線は、
以前からある細い道路を前面改装して新しい道路にするもので、
(通称?東西道路)
途中下の新しい道路と交差する予定。
片道一車線の往復二車線。

a-08.jpg
因みにその交差点の高さはこの神社のお社の手前にある、
青いフェンスの上あたりになるとのこと。

尚、新設される道路には歩道は、
今の所古墳周辺には予定されていないようです。


正直えらいものができてしまうなあという気持ちが先に立ち、
景観的に古墳のそれは台無し、
朝から午前中にかけて日の当たりも悪くなるし
騒音もあるしトンネルからの振動が古墳に与える影響も心配で、
何十億かけてつくるものがこれかというかんじになり、

「古墳が壊されなかっただけましのレベル」

という気持ちになってしまい、軽い失望を覚えてしまった。

そういう意味では、
悪い意味で泉岳寺の景観問題を思い出してしまった。

あの悲劇に比べればまだ少しはマシですが…。


だがしばらくずっとこれを眺めていて、

「待てよ」

という気になった。

それはこのとき「今後古墳敷地内にも人が入れるようにする」
という事がヒントになった。


自分は本質的に
「まわりにあるものは使えるものはすべて使う」
というところがあるせいか、
次第にこれはこれで使いようがあるという気がしてきた。

まず浮かんだのがこれ。
a-12.jpg

確かに古墳は今までのように隣接する神社や、
古墳の北側(上の地図では右)にある東西道路からの、
今までよく見れた場所からのそれは、
この道路が開通するともう見れなくなる。

だが新しい道と東西道路が交差する部分、
上の地図に記した黄色い場所に
そこそこの広さがある古墳を眺められる展望台を、
張り出すようにつくったらどうなるか。

さらに可能なら、そこに少し高めの台を設置したり
小さなベンチや、上に屋根などをつくり、
展望台を設けてはどうかという事だ。

そうなると我々は初めてこの古墳を、
今までにない高さから、
しかも至近距離からみる事ができる。

じつはこれは鎌倉の永福寺(ようふくじ)跡がヒント。

ここもふつうにみるとなんとも平板で全貌が分からないのですか、

a06.jpg
a11.jpg

近くのちょっとした高台に展望台が作ってあり、
上ったらごらんのとおりとなった次第。

古墳を上から見れるというのは、
けっこうありそうでそんなにないような気がするので、
そこそこ話題にもなるような気がするのですが。

これも交差点付近が、
結果的に高台のような感じになった事でできる代物で、
ある意味使えるものは使えという発想。

ただそのためにはもちろんそこへ行く道が必要。

希望としては東西通りの古墳よりの端に沿って歩道をつくってもらい、
それによって展望台へ行けるようにし、
展望台のもう片側には、
新しい道路沿いに古墳内に下っていく道をつくるというもの。

またそれと並立させるように、
東西道路から展望台に行く道の途中の、
あまり高さの無いあたりから古墳内に入れる道もつくる。

そして古墳本体の周りは柵などで囲うものの、
そのまわりを周回できる遊歩道をつくり、
そこに先の東西道路からの道と、
展望台から降りてくる道を合流させるというもの。


ただし遊歩道は古墳の東側、
地図でいう上側にはスペース上出来ないと思います。

また遊歩道から熊野神社方向に抜けられる道を作ったり、
多少細めだが大きく江原交差点方向に開いているスペースの先端部分から、
JA南駿やその反対側に行ける歩道橋かトンネルを完備すれば、
地元にとって交通事故のリスクが極端に少ない、
それでいてひじょうに便利なルートが東西南北全方向に確保される。

※↑この歩道橋の意見は他の参加者の方から最初に出たものです。

このことは静岡新聞にも切実な事として扱われている。
http://www.at-s.com/news/article/politics/shizuoka/436697.html


また自分は昨年沼津の宝にも選出されている、
高尾山祭典をここに観に来たけど、
普段じつに静かなこの地が、
物凄い人であふれかえっているのをみて、
これが新しい道路で寸断されるのは悲しいし、
むしろこの人たちすべてを公園化された古墳に集約し、
文字通り高尾山祭典にするのも有りだと思った。

さらには古墳のすくそばまで高架道路が来ているのなら、
その道路の下部付近から遊歩道を照らす照明を取り付ければ、
夜間の通行も心配をあまりすることがない。

またその照明にライトアップができるようにすれば、
クリスマスや高尾山祭典などの時に、
華やかな古墳のライトアップも可能になるだろうし、
観光客を呼ぶことも可能だろう。

照明が近くに住まわれる皆さんのご迷惑にならないよう、
もちろん角度は調節されるだろうが、
古墳の反対側には古墳本体が光を遮ってくれるので、
このあたりは心配はないと思う。

また東西道路が全通した場合、
そこにもしバスが通ることになったら、
最寄りに「高尾山古墳前」というバス停をつくるのもいいだろう。


もし道路が予定と違わずつくられるか、
もしくは多少なりとも古墳にやさしい作り方をさらにしてくれれば、
より地元にとってひじょうに便利な環境になるし、
観光客にとっても繰り返し再訪したくなるような場所になるはず。

※この繰り返し、つまり「顧みられる」事がとても重要。


このように地元から支持され愛され、
外からは喜ばれる古墳になれば、
本当によろこばしいものだと思う。

市側もどうせ大枚をはたいてつくるのなら、
いやいや抗議を受けて拙速案的なものをつくるというのではなく、
作ったらいろんな意味で二度おいしい物、
そしてみんなが楽しめるものをつくった方が気持ちいいし、
前向きにいろいろな方たちの意見をききながらできるというもの。

確かに完成したら、
すぐにいろんなものが形としてはねかえってくるかは、
今度は維持する側管理する側にもかかってくるので、
このあたりはなかなか見通しがつきにくいけど、
ただ作るよりは絶対まともなものができる事は確か。

最初に記した沼津にムーブメントをもたらしたアクアも、
ここまで幅広く支持された大きな要因には、
たしかにアクアのファンが聖地巡礼として大挙訪れたことや、
それに対して敏感に反応した商店の方たちの動きも大きいけど、
その支持層が低年齢層を含むファミリー層に広く拡大した事が大きい。

ようするに地元から支持され愛されたという事だ。

この古墳も同じような過程をもし辿っていくことができれば、
地元から愛されビジターからも愛され顧みられる、
とても幸せな財産となるだろう。


自分がその完成をみるまて元気かどうかは分からないけど、
ぜひこの古墳に関わる事業のすべてが、
いい方向へと流れる過程の糧となることを期待したいです。

以上で〆


余談ですが、
上の地図でみると東西道路の右下にある空き地は、
どうも駐車場になる予定らしい。

そういうものをつくるのであれば、
やはりそれ相応に受け入れるだけの、
器となる古墳そのものの整備は必要かと。

それと誤解無いよう強調しますが、
個人的に目指しているのはシンブルなもので、
こてこてとした装飾は極力排したいというのが本音。

古墳の案内板やベンチは必要だけど、
それ以外の余計なものは極力避けるというのが姿勢。

先に例としてあげた永福寺跡をはじめとした鎌倉全般にみられるそれや、
横浜市都筑区の、大塚・歳勝土遺跡公園がよいお手本かと。

https://www.rekihaku.city.yokohama.jp/koudou/see/iseki_kouen/
大塚・歳勝土遺跡公園

沼津の市側の関係者で、
このあたりを未訪の方はぜひ一度行かれる事をお勧めしたい。

もっともあそこまでやるのは規模的に無理なので、
あくまでもその中から参考になるもの使えるものを、
いろいろと考察し精査しチョイスしてほしいという事が目的です。
nice!(3)  コメント(1) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 3

コメント 1

阿伊沢萬

前からあったものと天から降ってきたものとの違いはありますが、個人的には高尾山古墳は「古墳版ラブライブ」と思ってます。そういうふうに解釈すればやる事はシンプルかつ限られたものになるとは思うのですが…。

middrinn様、soramoyou様、おぐけん様、nice!ありがとうございました。
by 阿伊沢萬 (2018-03-07 23:53) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント