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ビゴーと内浦を描いた絵いろいろ。 [沼津~三の浦]

明治時代日本に長期在住されたフランスの画家、
ジョルジュ・ビゴーは、
今から百三十年程前に、
今の静岡県沼津市の内浦に滞在、
いくつもの
絵画を遺しているが、
その纏めをここで分かっている範囲でしたいと思う。

えうら.jpg
①「富士(沼津江浦)」

awa111.jpg
②「三津(伊豆)寺の境内から望む淡島」

三津.jpg
③「三津風景」

三津2.jpg
④「Un coin de l'île d'Awadjima, Foudgi Yama」
※「淡島の角越しにみる富士山?」



今のところわかっているのはこの四枚で
①は静岡県立美術館に所蔵。
②は宇都宮美術館に所蔵。

作品はだいたい1887年あたりに描かれたもので、
今(2017)から130年前のもの。


描かれた場所は、

①は重寺付近の高台付近からみたもの。
(①の淡島のようにみえるのは今は無き大久保山)

②は来迎寺の山門から淡島をみたもの。

③はその参道の階段を降り切った所から氣多神社の方をみたあたり。

④は最初右にみえてる島影が淡島だと思い長浜付近の山道か高台あたりから描いたものと思っていたのですが、富士山がちょっと小さすぎるように見えることと淡島と富士の位置関係からみる陸と淡島の距離感が、長浜だと少し近すぎる気がするので気になってます。

ただ淡島がじつはこの絵の左にあるもののこの絵には描かれてないと考えた場合だと、①よりもう少し北の方で書かれたと考えられ、そうすると比較的しっくりとするものがあります。はたしてどちらなのでしょう。
(④で淡島を「安房島」と書いているのが面白い。かつてはこのように書かれていたのだろうか。)


ところでこれをみて分かるのは、
少なくともビゴーは重寺から三津付近を、
絵を描きながら移動していたこと。

ビゴーが修善寺に宿をとっていたのは、
いくつかの絵からも分かっている。

ビゴーが内浦に宿泊していたかは分からないが、
これだけの絵を遺している事を思うと、
修善寺と内浦を日帰りで何度も往復していたとは考えにくい。

この地域で一番古い旅館の「安田屋」さんは、
明治20年(1887)創業ということなので、
開業したばかりの安田屋さんに宿泊していたか、
それとも他にも当時いろいろとあった小規模な宿、
または松濤館さんや三津ホテルが開業していればそこだったのかも。

とにかくそのあたりをベースにしていろいと絵を書いていたと思います、

絵の描かれた場所もそのあたりを軸に拡がっていますし。

あと面白いのはこれら四枚のうち三枚が、
富士山や淡島を描いたものということ。

今の自分の内浦の写真も、
富士山や淡島がかなり占められている。

ビゴーにとってもやはりこの二つは魅力的な被写体だったのだろう。

このあたり、いつかこれら作品が一堂に会しての
「ビゴーの描いた沼津、伊豆」の展覧会をみてみたいものです。




②の現在(2017年)の様子。
a06.jpg
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阿伊沢萬

自分みたいな素人にもこうして見つける事ができるのなら、ビゴーの専門家ならもっといろいろと見つけられるかもしれません。また分かり次第こちらでもいろいろと書き込んでいきたいと思います。

ハムサブロー様、soramoyou様、nice!ありがとうございました。

by 阿伊沢萬 (2017-09-30 18:35) 

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