ひさしぶりにコンサートに行く (チェコ・フィルハーモニー) [演奏会いろいろ]
11月2日。
昨年3月以来ほんとうに久しぶりのコンサート。
場所は浜松のアクトシティ大ホール。
浜松は初めてということでコンサート前に楽器博物館に行く。
http://www.gakkihaku.jp/
今年(2015)で開館20周年とのこと。
これがまたいろいろと興味深いもの満載で、時間が経つのもあっという間でした。
馬頭琴が弾けるコーナーがあったので試しに弾くものの、ちっとも音がでやしない。かつてチェロを弾いていた感覚でやっていたのだが、弓の持ち方を変えてもぜんぜん音がキコキコ音しか出ない。最後の方でようやく鳴らすことはできたが、ものすごく弓にも弦にも強い力を入れなければならないことがわかった。
じっさい馬頭琴はものすごく遠くまでよく響く楽器なので、いろいろとテクニックや体力も必要なのだろう。
他にも博物館の方によるオルガンの解説などもとてもわかりやすく勉強になるなどとにかくいい所でした。大人400円ということなので浜松に行ったときはこのあたりが好きな方はぜひ一度立ち寄ることをお勧めします。
このあとホールへ行く。当日券購入だったけど、けっこう空席は少なかった…と思ったら両サイドの上階席はクローズしていたようでした。
演奏会の内容。
指揮:イルジー・ビエロフラーヴェク
ピアノ:ダニール・トリフォノフ
管弦楽:チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
(曲目)
スメタナ:連作交響詩「わが祖国」より第四曲 「ボヘミアの森と草原から」
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 Op.18
(ピアノ:ダニール・トリフォノフ)
(アンコール)
J.シュトラウス(D.トリフォノフ編曲):「こうもり」より 序曲
~休憩~
ベートーヴェン:交響曲 第5番「運命」 Op.67
(アンコール)
メンデルスゾーン:交響曲 第5番 ニ長調 Op.107「宗教改革」より第3楽章
スメタナ:歌劇「売られた花嫁」より「スコーチュナ」
サントリーホールで10/28と10/31に行われたコンサートを足して二で割ったようなプログラム。
最初の曲は11/4の「わが祖国」全曲のデモンストレーションのような演奏で、正直素晴らしくよくまとまってはいるけど、それ以上の印象はありませんでした。ただこちも久しぶりの演奏会なのでいまいち聴く態勢ができていなかったのかも。
続くトリフォノフのラフマニノフは第一楽章ではオケに呑み込まれ気味ではあったものの、第二楽章以降は弱音の美しさを軸に立て直し見事な演奏を聴かせてくれていました。
ただ聴いた方の話によると、10/31のこのコンビによる同曲でも第一楽章でも同じ傾向だったのに、オケのプルトを削ることなく、そのままこの日もこういう演奏を続けたのはちょっと疑問。トリフォノフからは何も指揮者に注文とかは出さなかったのだろうか。
このあとトリフォノフはアンコールで自らのアレンジによる「こうもり」を演奏。これがもう個性と技巧が大爆発の大炸裂。あまりの演奏に聴衆はポカーンでしたが、舞台上のチェコフィルメンバーはブラボーと足踏みによる大喝采。オケにとっては位置的にかぶりつきとなったためテンションがマックスになってしまったようでした。
オケがソリストにここまで熱狂的なそれをおくるのは珍しく、トリフォノフが今回この曲を演奏したのは10月29日のリサイタルのアンコールの最後に〆として演奏していたところをみると、チェコフィルとの三日間の連続共演で、この曲をアンコールとして演奏したのはこの日が初めてだったのかも。舞台端でこれを立って聴いていた指揮者のビエロフラーヴェクはこの演奏どう思って聴いていたのでしょうか。
このあと休憩後にベートーヴェン。
これがじつにバランス感覚といい見通しといい素晴らしく行き届いた演奏で、清潔だけど綺麗ごとに終わらない、ベートーヴェンが古典的手法で書き上げた変奏曲風交響曲の頂点ともいうべきそれを、じつに見事に表現していた。
確かにそこには「運命」も攻撃的なそれも無かったけど、こういうやり方でこの曲を演奏されたらもうこれはこれでいう事は無いだろう。
聴衆の反応もまさにそのような曲に対してのそれだった。
その後アンコール。
最初のメンデルスゾーン。聴いたことのあるメロディなのに「宗教改革」と気づかなかった。後にわかったとき、わからなかったことにちょっとショックだった。こういう抒情的に美しい演奏でこの曲を聴いたことがなかったためなのだろうか。
そして最後のスメタナ。これはもう絶品。この曲をチェコフィルの実演で聴くのはこれが初めて。すべてにおいて「このカードをきれば世界中の誰にも肩をならばせない」というかんじの名演奏でしたし、こういう曲を持つオーケストラに正直自分は羨望の念を深く持たされたものでした。
こうして久しぶりの演奏会は大満足で終了。帰途につきました。
それにしても浜松のホールといい楽器博物館といい、とてもいい雰囲気でした。
できたらまた訪ねてみたいところです。
以上で〆
昨年3月以来ほんとうに久しぶりのコンサート。
場所は浜松のアクトシティ大ホール。
浜松は初めてということでコンサート前に楽器博物館に行く。
http://www.gakkihaku.jp/
今年(2015)で開館20周年とのこと。
これがまたいろいろと興味深いもの満載で、時間が経つのもあっという間でした。
馬頭琴が弾けるコーナーがあったので試しに弾くものの、ちっとも音がでやしない。かつてチェロを弾いていた感覚でやっていたのだが、弓の持ち方を変えてもぜんぜん音がキコキコ音しか出ない。最後の方でようやく鳴らすことはできたが、ものすごく弓にも弦にも強い力を入れなければならないことがわかった。
じっさい馬頭琴はものすごく遠くまでよく響く楽器なので、いろいろとテクニックや体力も必要なのだろう。
他にも博物館の方によるオルガンの解説などもとてもわかりやすく勉強になるなどとにかくいい所でした。大人400円ということなので浜松に行ったときはこのあたりが好きな方はぜひ一度立ち寄ることをお勧めします。
このあとホールへ行く。当日券購入だったけど、けっこう空席は少なかった…と思ったら両サイドの上階席はクローズしていたようでした。
演奏会の内容。
指揮:イルジー・ビエロフラーヴェク
ピアノ:ダニール・トリフォノフ
管弦楽:チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
(曲目)
スメタナ:連作交響詩「わが祖国」より第四曲 「ボヘミアの森と草原から」
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 Op.18
(ピアノ:ダニール・トリフォノフ)
(アンコール)
J.シュトラウス(D.トリフォノフ編曲):「こうもり」より 序曲
~休憩~
ベートーヴェン:交響曲 第5番「運命」 Op.67
(アンコール)
メンデルスゾーン:交響曲 第5番 ニ長調 Op.107「宗教改革」より第3楽章
スメタナ:歌劇「売られた花嫁」より「スコーチュナ」
サントリーホールで10/28と10/31に行われたコンサートを足して二で割ったようなプログラム。
最初の曲は11/4の「わが祖国」全曲のデモンストレーションのような演奏で、正直素晴らしくよくまとまってはいるけど、それ以上の印象はありませんでした。ただこちも久しぶりの演奏会なのでいまいち聴く態勢ができていなかったのかも。
続くトリフォノフのラフマニノフは第一楽章ではオケに呑み込まれ気味ではあったものの、第二楽章以降は弱音の美しさを軸に立て直し見事な演奏を聴かせてくれていました。
ただ聴いた方の話によると、10/31のこのコンビによる同曲でも第一楽章でも同じ傾向だったのに、オケのプルトを削ることなく、そのままこの日もこういう演奏を続けたのはちょっと疑問。トリフォノフからは何も指揮者に注文とかは出さなかったのだろうか。
このあとトリフォノフはアンコールで自らのアレンジによる「こうもり」を演奏。これがもう個性と技巧が大爆発の大炸裂。あまりの演奏に聴衆はポカーンでしたが、舞台上のチェコフィルメンバーはブラボーと足踏みによる大喝采。オケにとっては位置的にかぶりつきとなったためテンションがマックスになってしまったようでした。
オケがソリストにここまで熱狂的なそれをおくるのは珍しく、トリフォノフが今回この曲を演奏したのは10月29日のリサイタルのアンコールの最後に〆として演奏していたところをみると、チェコフィルとの三日間の連続共演で、この曲をアンコールとして演奏したのはこの日が初めてだったのかも。舞台端でこれを立って聴いていた指揮者のビエロフラーヴェクはこの演奏どう思って聴いていたのでしょうか。
このあと休憩後にベートーヴェン。
これがじつにバランス感覚といい見通しといい素晴らしく行き届いた演奏で、清潔だけど綺麗ごとに終わらない、ベートーヴェンが古典的手法で書き上げた変奏曲風交響曲の頂点ともいうべきそれを、じつに見事に表現していた。
確かにそこには「運命」も攻撃的なそれも無かったけど、こういうやり方でこの曲を演奏されたらもうこれはこれでいう事は無いだろう。
聴衆の反応もまさにそのような曲に対してのそれだった。
その後アンコール。
最初のメンデルスゾーン。聴いたことのあるメロディなのに「宗教改革」と気づかなかった。後にわかったとき、わからなかったことにちょっとショックだった。こういう抒情的に美しい演奏でこの曲を聴いたことがなかったためなのだろうか。
そして最後のスメタナ。これはもう絶品。この曲をチェコフィルの実演で聴くのはこれが初めて。すべてにおいて「このカードをきれば世界中の誰にも肩をならばせない」というかんじの名演奏でしたし、こういう曲を持つオーケストラに正直自分は羨望の念を深く持たされたものでした。
こうして久しぶりの演奏会は大満足で終了。帰途につきました。
それにしても浜松のホールといい楽器博物館といい、とてもいい雰囲気でした。
できたらまた訪ねてみたいところです。
以上で〆
この演奏会けっこう評判よかったようです。ホールがよかったというのも大きかったと思います。浜松と川崎、状況は違いますけどどちらも素晴らしいホールを活かしていろいろと音楽の街づくりをしているようです。これから先のこの二つの街の音楽に対するそれをもう少しいろいろと見ていきたいと思ってます。
ハムサブローさまnice!ありがとうございました。
ところで沼津にラブライブの風がいよいよ吹き始めそうな気配ですが、高尾山古墳とかも舞台になっちゃうんでしょうか。もしそうなったらそうなったでけっこうたいへんなことになっちゃうで、それはそれで心配です。「サンシャイン」、ちょっと沼津がらになったことで他人事ではなくなってしまいました。
by 阿伊沢萬 (2015-11-11 01:06)