声優がらみについてのひとりごと。 [声優]
以前、アニメの歴史についての研究発表みたいなものを聞いたとき、
各発表者とも演出やメカデザインとか、
歴史背景や他ジャンルとの関連とかそういうものには詳しくふれていたが、
声優や音楽というもの、
つまり「視覚」ではなく「聴覚」にかかわるものに対して、
まるでふれられていないことに正直驚きと失望を強く感じてしまったことがあった。
アニメが総合芸術であるということは誰もが認めることだが、
それだけにこの状況はいただけない。
これを同じ総合芸術のオペラに例えてみれば、
それはもう一目瞭然だろう。
もしこのやり方を踏襲しオペラを語るとなると、
歌手と演奏を含む音楽すべてのことを省き、
演出と時代背景、原作と台本の差異等のことのみで、
オペラの歴史を語ることとなる。
自分は過去いろいろな書籍を読んだが、
少なくともこういうやり方でオペラの歴史の総論を書いた文献を、
一度たりとも目にしたことはない。
ヴェルディを語る時にトスカニーニを黙殺する、
Rシュトラウスを語るときクレメンス・クラウスにまるでふれない。
さらにはマリア・カラス、エンリコ・カルーソーなどの歌手も、
すべて黙殺して語ることなどはたして可能だろうか。
「いやこれはオペラなので音楽つきの劇だから話が違う」
という人もいるかもしれないが、
では、あなたはアニメをみるとき、
今までの人生すべて音を消してみてきたのですかと問われたら、
その人はどう答えることができるのだろう。
確かに指揮者と監督という部分の違いこそあれ、
このあたりのことを、
けっこう真剣に考察されていないというのは、
ひじょうに残念だし片手落ちというのが偽らざる心境だ。
最近では声優ファンの事を見下して「声ヲタ」といっているが、
それはそれでもかまわないが、
こと歴史等をコンプリートな情報で語ろうとするなら、
やはりその部分をミーハー的だからというような考えで、
素通りしたり軽視黙殺するのは研究者としてどうなのよと、
自分などは強く疑問を呈してしまう。
自分が以前、大学の声優研究会みたいなところが、
そのほとんどイベント系に特化していることを指したのは、
それそのものは悪くないが、
それ以外に声優の歴史や系譜を組み立て、
そこからアニメの歴史を補強できるようなものも制作しているところはないものかと、
ちとひとくさりしたのはじつはそのあたりのこともあるからだ。
最近自分がオペラの講義を聴講しにいってるのも、
ただオペラに再度興味がでてきたからというだけではないし、
声優養成所の卒業公演や舞台発表などをみにいっているのも、
そういう部分の補強やヒントを探しているに他ならないからだ。
これは自分が声優も日本の伝統芸能のひとつという、
そういうスタンスがあるからかもしれないが、
正直それらは無駄とは思ってはいない。
正直に言わせてもらうが、
研究者やそういう人たちはアニメにおける声優を、
「雰囲気」
としか認知していないような気がする。
それは声優のイベント時のファンの反応や、
メディアに自分が露出しているときの声優さんの、
そういう姿だけでものごとを測ろうとしているあらわれともいえるだろう。
それはつまりそういう「雰囲気」の部分だけで、
感覚的に声優をとらえているに他ならないのではないか。
ただしこちら側にも責任はある。
なにせ声優に対しての総論や歴史体系書みたいなものが皆無という、
そういう部分もあるし、
また研究していこうという人もほとんどみかけないということもある。
つまり声優を追いかける側も、
やはり「雰囲気」というものに強く支配され、
それにのみ浸かり流されているだけの状態に近いということだ。
最近は読んでないが、
以前読んだ声優を専門に扱っていた雑誌も、
やはり「雰囲気」に大きく支配されていた。
確かに「雰囲気」というのも大切だし、
それが売り上げなり人気なりを支えている要素でもあるのだから、
否定などする気など皆無なのだが、
ただそれだけにのみとらわれ気をとられているのは、
これまたどうなのよということなのだ。
すでにTVアニメの声優さんの歴史だけでも半世紀がすぎているが、
そろそろこのあたりをひとつにしたものが必要なのかもしれません。
そういえば自分がつくったクラシックサイトは、
海外のオーケストラが初来日してからまもなく半世紀が経とうという時期に、
それらの流れを簡単にみれるために、
昭和期の1955-1988までのそれをまとめたものだった。
それはおそらく当時としては初めての、
そういうことを扱ったクラシック資料サイトだった。
声優…、
年齢的にちょっと不安だし資料も少ないし…、
今から自分ひとりで作れるとは到底思えないし…、
誰かなんとかしてください~…。
と、最後は他人頼みということで〆。
各発表者とも演出やメカデザインとか、
歴史背景や他ジャンルとの関連とかそういうものには詳しくふれていたが、
声優や音楽というもの、
つまり「視覚」ではなく「聴覚」にかかわるものに対して、
まるでふれられていないことに正直驚きと失望を強く感じてしまったことがあった。
アニメが総合芸術であるということは誰もが認めることだが、
それだけにこの状況はいただけない。
これを同じ総合芸術のオペラに例えてみれば、
それはもう一目瞭然だろう。
もしこのやり方を踏襲しオペラを語るとなると、
歌手と演奏を含む音楽すべてのことを省き、
演出と時代背景、原作と台本の差異等のことのみで、
オペラの歴史を語ることとなる。
自分は過去いろいろな書籍を読んだが、
少なくともこういうやり方でオペラの歴史の総論を書いた文献を、
一度たりとも目にしたことはない。
ヴェルディを語る時にトスカニーニを黙殺する、
Rシュトラウスを語るときクレメンス・クラウスにまるでふれない。
さらにはマリア・カラス、エンリコ・カルーソーなどの歌手も、
すべて黙殺して語ることなどはたして可能だろうか。
「いやこれはオペラなので音楽つきの劇だから話が違う」
という人もいるかもしれないが、
では、あなたはアニメをみるとき、
今までの人生すべて音を消してみてきたのですかと問われたら、
その人はどう答えることができるのだろう。
確かに指揮者と監督という部分の違いこそあれ、
このあたりのことを、
けっこう真剣に考察されていないというのは、
ひじょうに残念だし片手落ちというのが偽らざる心境だ。
最近では声優ファンの事を見下して「声ヲタ」といっているが、
それはそれでもかまわないが、
こと歴史等をコンプリートな情報で語ろうとするなら、
やはりその部分をミーハー的だからというような考えで、
素通りしたり軽視黙殺するのは研究者としてどうなのよと、
自分などは強く疑問を呈してしまう。
自分が以前、大学の声優研究会みたいなところが、
そのほとんどイベント系に特化していることを指したのは、
それそのものは悪くないが、
それ以外に声優の歴史や系譜を組み立て、
そこからアニメの歴史を補強できるようなものも制作しているところはないものかと、
ちとひとくさりしたのはじつはそのあたりのこともあるからだ。
最近自分がオペラの講義を聴講しにいってるのも、
ただオペラに再度興味がでてきたからというだけではないし、
声優養成所の卒業公演や舞台発表などをみにいっているのも、
そういう部分の補強やヒントを探しているに他ならないからだ。
これは自分が声優も日本の伝統芸能のひとつという、
そういうスタンスがあるからかもしれないが、
正直それらは無駄とは思ってはいない。
正直に言わせてもらうが、
研究者やそういう人たちはアニメにおける声優を、
「雰囲気」
としか認知していないような気がする。
それは声優のイベント時のファンの反応や、
メディアに自分が露出しているときの声優さんの、
そういう姿だけでものごとを測ろうとしているあらわれともいえるだろう。
それはつまりそういう「雰囲気」の部分だけで、
感覚的に声優をとらえているに他ならないのではないか。
ただしこちら側にも責任はある。
なにせ声優に対しての総論や歴史体系書みたいなものが皆無という、
そういう部分もあるし、
また研究していこうという人もほとんどみかけないということもある。
つまり声優を追いかける側も、
やはり「雰囲気」というものに強く支配され、
それにのみ浸かり流されているだけの状態に近いということだ。
最近は読んでないが、
以前読んだ声優を専門に扱っていた雑誌も、
やはり「雰囲気」に大きく支配されていた。
確かに「雰囲気」というのも大切だし、
それが売り上げなり人気なりを支えている要素でもあるのだから、
否定などする気など皆無なのだが、
ただそれだけにのみとらわれ気をとられているのは、
これまたどうなのよということなのだ。
すでにTVアニメの声優さんの歴史だけでも半世紀がすぎているが、
そろそろこのあたりをひとつにしたものが必要なのかもしれません。
そういえば自分がつくったクラシックサイトは、
海外のオーケストラが初来日してからまもなく半世紀が経とうという時期に、
それらの流れを簡単にみれるために、
昭和期の1955-1988までのそれをまとめたものだった。
それはおそらく当時としては初めての、
そういうことを扱ったクラシック資料サイトだった。
声優…、
年齢的にちょっと不安だし資料も少ないし…、
今から自分ひとりで作れるとは到底思えないし…、
誰かなんとかしてください~…。
と、最後は他人頼みということで〆。
mat-chanさま
すみません、こんな愚痴と弱音の塊みたいな独り言におつきあいいただきまして。でも正直言いまして、上に書いたことは偽らざる本音でして、今日常的に目の前にありすぎるため、こちらもなんとなく日常としてイージーに接しているような、その結果が今現在の声優に対するそれという気がしてしかたがないのです。
なんか上手い手があるとよいのですが…。
nice! ありかとうございます。
by 阿伊沢萬 (2014-11-21 23:33)