「売れる声優になるためにあなたが今しなければならない30のこと」を読んで。 [声優]
「売れる声優になるためにあなたが今しなければならない30のこと ~現場が欲しいのはこんな人」
平光 琢也(著)
という本を読んだ。
ひどく長いタイトルなので、一発では覚えられないけれど、
なぜか印象に残っていた本だった。
ただその印象そのものが、
じつはつまるところ、
この本の中で結果的に求められている声優像でもあったのは、
それを狙ってのタイトルづけだったのかなあとちょっと考えさせられてしまった。
それはさておき、
まずいきなりこの本の裏に
「本気の人だけ読んでください」
とあった。
しまったと思った。
完全に自分は本気ではないので、
なんとも悪い事をしてしまったと、ちょっとばつが悪かった。
で、肝心の中を読んでみると、
まあしごくごもっともということが並んでいた。
もちろんこれを読み完全実行したからといって、
絶対売れるようになるとはやはり思えない。
筆者もこの中でそれとなく、、
やはり「運」というものが大事ということを強く匂わせている。
そういう意味では「運」をできるだけ呼び込むための本、
とこの本はいえるのかもしれません。
そのためこれを知ってると知らないとでは、
やはりちょっと違うんだろうなあという気はするし、
じっさい自分がかつて受けた演技の講義でも聞いていたことが、
ここにもいくつか散見されている。
自分がかつて
「台詞における最初と最後がいかにしっかりとコントロールできてるかで、かなりの部分演技が決まってしまう。」
と言われたことや、
音楽での話だけど、
「自分がうまくいったとき、何故うまくいったかその説明ができないとダメ。」
というそれなども、
ここでは形をかなり変えてはいるけどふれられている。
とにかくつまるところいろいろと書かれているけど、
今おきている事象をつきつめ精査していくと、
けっきょくはかなりシンプルになるということなのだろう。
ただシンプルになるというのがじつは一番難しく、
それができないから悩んでいる演奏家の卵も数多くいることを、
ここではちょっと付け加えておきます。
それといろいろと「ああ、そういうことなのか。」という、
ちょっと新鮮な驚きみたいなものも書かれているので、
声優を志す人は一度目を通しておくのもいいかもしれません。
ところで違う項目で最近自分が書き込んだことに以下のような言葉があります。
「感動と言うのは精神の風車を廻すことである。たとえば、私たち音楽を愛する者が楽器の技術は拙くとも練習に練習を重ねて、僕等の拙つたない精神の風車を廻す練習をし、ある作品を舞台で演奏すると、その廻る風車の風に吹かれて客席のみなさんの精神の風車も徐々に廻り始める。さび付いた風車も、普段から手入れの行き届いた風車も勢い良く廻り始める。これが感動と言うものだと思う。だから自分の風車をまず廻そう・・・」
(「オーケストラ・ニッポニカ」公式サイトの、芥川也寸志氏の発言より。)
これを音楽や演奏という事柄を、
アニメや演技におきかえたことがこの本でも書かれていた。
しかもここではその風が他の演者の風車も廻す事柄についても触れられている。
音楽をすることも演技をすることも、
基本は同じなのだなあと、
あたりまえだけどあらためて感じさせられた。
これを読んで納得するも反発するも、
それは読み手の自由だろうけど、
ひとつだけ確かなのは、
ここに書かれていることをすべては無理としても、
自分に無理なく最低限あてはめることができるものが、
ひとつでもふたつでもあれば、
それはやってみる価値はあるだろうということ。
そういう柔軟性が大事なのはこの世界当然だし、
この本でもそのあたりはかなりしつこく触れている。
もっともこういう情報を頭に詰め込みすぎて、
けっきょく萎縮してしまうのはこれまた問題なので、
あくまで参考書とすべき類のものなのかもしれません。
このあたりのバランス感覚というかセンスはなかなか難しいのです。
あと本書の中でも書かれているけど、
声優の世界が「椅子取りゲーム」というふうに言っていたのは、
言い得て妙というかんじだった。
たしかに「椅子取りゲーム」なんですよね。
そしてかつては自分が取りに行ったその椅子を、
座ったその日から取られる立場になるということも、
やはり意識しなければならないのですから、
やはりこの業界はきついです。
しかもスパーンが短い。
著者は三年やってダメだと…という厳しい言い方をされているけど、
(自分も千日というのがひとつの目安となっているので)
ひょっとするとこのあたりは年々短くなっていくのかもしれません。
とにかく需要と供給が極端にアンバランスな世界なので、
この世界を志す人はがんばって運をつかんでください…、
というのをあらためて痛感させられる本でもありました。
因みに全体的な読後の感想としては、
比較的最初はシビアに現実を、
後半はやればできる的勇気づけを、
そんなものが感じられる書き方になっているので、
読み終わると元気づけられるような気持ちに書かれているのも、
個人的にはとても好感がもてました。
以上です。
尚、現在、もう一冊声優関係の本を読んでいますので、
そちらの感想はまた後日。
平光 琢也(著)
という本を読んだ。
ひどく長いタイトルなので、一発では覚えられないけれど、
なぜか印象に残っていた本だった。
ただその印象そのものが、
じつはつまるところ、
この本の中で結果的に求められている声優像でもあったのは、
それを狙ってのタイトルづけだったのかなあとちょっと考えさせられてしまった。
それはさておき、
まずいきなりこの本の裏に
「本気の人だけ読んでください」
とあった。
しまったと思った。
完全に自分は本気ではないので、
なんとも悪い事をしてしまったと、ちょっとばつが悪かった。
で、肝心の中を読んでみると、
まあしごくごもっともということが並んでいた。
もちろんこれを読み完全実行したからといって、
絶対売れるようになるとはやはり思えない。
筆者もこの中でそれとなく、、
やはり「運」というものが大事ということを強く匂わせている。
そういう意味では「運」をできるだけ呼び込むための本、
とこの本はいえるのかもしれません。
そのためこれを知ってると知らないとでは、
やはりちょっと違うんだろうなあという気はするし、
じっさい自分がかつて受けた演技の講義でも聞いていたことが、
ここにもいくつか散見されている。
自分がかつて
「台詞における最初と最後がいかにしっかりとコントロールできてるかで、かなりの部分演技が決まってしまう。」
と言われたことや、
音楽での話だけど、
「自分がうまくいったとき、何故うまくいったかその説明ができないとダメ。」
というそれなども、
ここでは形をかなり変えてはいるけどふれられている。
とにかくつまるところいろいろと書かれているけど、
今おきている事象をつきつめ精査していくと、
けっきょくはかなりシンプルになるということなのだろう。
ただシンプルになるというのがじつは一番難しく、
それができないから悩んでいる演奏家の卵も数多くいることを、
ここではちょっと付け加えておきます。
それといろいろと「ああ、そういうことなのか。」という、
ちょっと新鮮な驚きみたいなものも書かれているので、
声優を志す人は一度目を通しておくのもいいかもしれません。
ところで違う項目で最近自分が書き込んだことに以下のような言葉があります。
「感動と言うのは精神の風車を廻すことである。たとえば、私たち音楽を愛する者が楽器の技術は拙くとも練習に練習を重ねて、僕等の拙つたない精神の風車を廻す練習をし、ある作品を舞台で演奏すると、その廻る風車の風に吹かれて客席のみなさんの精神の風車も徐々に廻り始める。さび付いた風車も、普段から手入れの行き届いた風車も勢い良く廻り始める。これが感動と言うものだと思う。だから自分の風車をまず廻そう・・・」
(「オーケストラ・ニッポニカ」公式サイトの、芥川也寸志氏の発言より。)
これを音楽や演奏という事柄を、
アニメや演技におきかえたことがこの本でも書かれていた。
しかもここではその風が他の演者の風車も廻す事柄についても触れられている。
音楽をすることも演技をすることも、
基本は同じなのだなあと、
あたりまえだけどあらためて感じさせられた。
これを読んで納得するも反発するも、
それは読み手の自由だろうけど、
ひとつだけ確かなのは、
ここに書かれていることをすべては無理としても、
自分に無理なく最低限あてはめることができるものが、
ひとつでもふたつでもあれば、
それはやってみる価値はあるだろうということ。
そういう柔軟性が大事なのはこの世界当然だし、
この本でもそのあたりはかなりしつこく触れている。
もっともこういう情報を頭に詰め込みすぎて、
けっきょく萎縮してしまうのはこれまた問題なので、
あくまで参考書とすべき類のものなのかもしれません。
このあたりのバランス感覚というかセンスはなかなか難しいのです。
あと本書の中でも書かれているけど、
声優の世界が「椅子取りゲーム」というふうに言っていたのは、
言い得て妙というかんじだった。
たしかに「椅子取りゲーム」なんですよね。
そしてかつては自分が取りに行ったその椅子を、
座ったその日から取られる立場になるということも、
やはり意識しなければならないのですから、
やはりこの業界はきついです。
しかもスパーンが短い。
著者は三年やってダメだと…という厳しい言い方をされているけど、
(自分も千日というのがひとつの目安となっているので)
ひょっとするとこのあたりは年々短くなっていくのかもしれません。
とにかく需要と供給が極端にアンバランスな世界なので、
この世界を志す人はがんばって運をつかんでください…、
というのをあらためて痛感させられる本でもありました。
因みに全体的な読後の感想としては、
比較的最初はシビアに現実を、
後半はやればできる的勇気づけを、
そんなものが感じられる書き方になっているので、
読み終わると元気づけられるような気持ちに書かれているのも、
個人的にはとても好感がもてました。
以上です。
尚、現在、もう一冊声優関係の本を読んでいますので、
そちらの感想はまた後日。
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