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「のぼうの城」を観ました。+忍城に行きました。 [映画]

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http://nobou-movie.jp/

最近話題の「のぼうの城」を観た。

原作は読んでないが
実話に沿ったかなりの娯楽作品ということで、
ちょっと期待してみにいきました。
多少ネタバレもありますのでご注意を。

まず感想としては予想よりは面白かったし、
145分という長時間もそんなに飽きさせないものがあった。
これは配役がけっこううまくハマっていたこともあると思う。

最初配役みたときは正直?と思った方もいたが、
その実際は想像以上に全員が作品に同化していた。
特に石田三成の上地さんは想像以上の好演だったおかけで、
豊臣側のそれがじつにうまく引き立っていた。

だがなんといっても最大の見ものは野村萬斎さんの演技だろう。
この無垢な怪人ともいえる成田長親を、
ここまで演じられる人はおそらく萬斎さんだけだろう。
その一挙手一投足がほとんど芸術品といっていいくらい凄い。

共演した佐藤浩一さんも触れていた
佐藤さん演ずる丹波守が萬斎さん演ずる長親を投げるシーン、
その飛び方というか投げられ方が尋常ではない。
とにかく全身まったく骨が無いような
それこそクラゲのようなかんじで投げとばされているのだ。
このとき佐藤さんは萬斎さんの重さがぜんぜん感じられなかったと語られているが、
それくらい萬斎さんの飛び方が絶妙だったということだろう。
しかも倒れた場所の床板にはかなり大きな音が響いているのだから、
このあたりはもう長年培った狂言での舞台の凄さを感じさせられるものがあった。

また不安定な船上での田楽踊りもこの人ならではだし、
とにかくその動きだけでも見る価値満点といったところだろう。

最後に三成にみせる凄味のある表情、
そしてこれをして忍城が「のぼうの城」になった、
もしくは「のぼうの城」であったことを如実に示すこのシーン、
そしてそれを大きく受けた上地さんのそれは、
この映画を〆るのに最高のそれだった。

他にも見所は多く、
かなり楽しめるシーンをこれでもかと詰め込んではいるが、
その割に余計というか無駄なシーンもそこそこあるように感じられた。

ただそれが妙に映画が贅沢を許された時代の残影のようなものが感じられ、
これもまたいいのかなという気がしたものでした。

水攻めのシーンは高松城と忍城のそれとが映画中あるが、
かなり迫力があり圧倒的な感じがする出来となっているが、
正直311の津波のそれがフラッシュバックするシーンも少なからずある。
この映画は2010年の8月から11月に撮影され、
地震発生以前に秋公開が決まっていたものの一年公開が延期されていた。
今回この映画の出来をみて「これはしかたないか」と思ってしまった。
正直あのときのことを思い出したくない方にはお勧めできないものがある。

またこの戦でも有名な甲斐姫は
登場シーンはそこそこあるが戦場で戦うシーンは皆無なので、
そういうのを期待されている方は拍子抜けしてしまうかもしれない。

たしかに事実に即しながらもこれだけフィクションを膨らませているのだから、
甲斐姫がもっとでてきてもおかしくないかもしれないが、
これだけの人物がでてきてしまうと、それは無理という気がするし、
これは「のぼうの城」であって「甲斐姫の城」ではないので、
これはこれで良しとすべきだろう。

とにかくなかなか見所の多い作品だ。
完璧を求められる少々穴が多いという気もするが、
(和尚は津波からどうやって逃げ切ったのかとか…)
そういう細かいことを気にしないで楽しむことをお勧めしたい。

「夏草や兵どもが夢の跡」というけれど、
この映画もそういうかんじの、しかもなんかとても爽やかな後味のある
そんな余韻が残るこれは作品でした。
それは終わってみれば悪人など誰もいなかった、
そんなかんじのノーサイド感がここにはあったからなのかもしれません。

因みにTBSの60周年記念作品ということなので語りは安住アナウンサーが担当。
もう少し低い声の方を起用した方がいいような気もしたけど、
出来そのものは安定していました。


さてこの「のぼうの城」。
舞台となった忍城がある行田市にもじつは以前行っています。

かつての忍城の外側の堀跡を利用してつくられた水城公園。
釣りを楽しまれる方でけっこうにぎわっている。

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水城公園から郷土博物館へ行く途中にC57。ちとびっくり。

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ここが郷土博物館。
かつての忍城本丸跡に江戸時代につくられた御三階櫓を外装としてつくられています。
もちろん中にも入れます。

http://www.city.gyoda.lg.jp/kyoiku/iinkai/sisetu/hakubutukan.html

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この最上階(四階)は展望室も兼ねている。
(この城の部分はエレベーターもエスカレーターも無いので、
足腰の厳しい方はなかなかたいへんかもしれません。)


尚ここに行くには最寄の駅として秩父鉄道の「行田市」駅と
それより少し遠い「持田」駅がある。
だがここは本数がひじょうに少ないことと、
特に「持田」駅は駅から博物館まで歩道がラインでしか仕切られていないので、
少々危ないと感じられるところがある。
そしてなによりも秩父鉄道はSuicaもPASMOも使用できません。
いつもニコニコ現金払いとなりますのでご注意を。

むしろJRの「行田」駅からタクシーかバスを利用することをお勧めしたい。
http://www.city.gyoda.lg.jp/13/02/10/0002.html
(バスの時刻表)

あと少し遠いですがJRの「熊谷」からもバスやタクシーがあります。
タクシーはこちらの方が潤沢と思われます。ただしバスは本数かなり少ないです。

もっとも若い人は天気が良ければ歩くべし!
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JR行田駅から歩いてほぼ40分で水城公園に、
さらにそこから15分ほどで博物館に行けるし、
公園をよらなければもっと早く直接博物館に行けます。
ただ途中まわりにあまり何も無いので風に吹きさらされますので、
寒い日は充分ご注意を。

とにかく映画公開でかなり街も気合が入っているようですし、
博物館も係りの人が取材が増えてきて少々驚いているとのことでした。

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11/25まで特別展示もあるそうです。
http://www.city.gyoda.lg.jp/41/06/11/kyoiku/iinkai/sisetu/moyosimono/index.html

興味のある方はぜひどうぞ。
ただし人気のある甲斐姫のことはこの博物館では皆無です。
実在したとされる資料等が皆無なので実在が疑問視されていることを思うと、
あたりまえといえばあたりまえですが一応念のため。

余談ですが石田三成が本陣を構えた丸墓山古墳は健在で、
しかも頂上までのぼることができるそうです。
秩父鉄道「行田市」駅から歩いて40分、JR「吹上」駅から歩いて1時間のところにあります。

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(「丸墓山古墳」写真。以下の公式サイトより。)
http://www.sakitama-muse.spec.ed.jp/?page_id=159
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