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「浮浪雲」 [アニメ(20世紀)]

久しぶりに「浮浪雲」をみた。

もう三十年前の作品だが、
感覚的にみても全然古くなってないことに驚いた。

というよりこの頃から
「みせる」という意味で日本のアニメって
ひょっとしたらほとんど前進してないのでは?
という気さえしたほどだった。

ZZ01.jpg

見どころはいろいろとあるが、
中でも秀逸なのは竜馬暗殺のシーン。

エンディングでもこのときこのシーンのみ絵コンテをされた
村野守美さんが真っ先にクレジットされている。
(村野さんは昨年の311の数日前にお亡くなりになられている。)

とにかくその凄み迫力スピード感と、
どれをとっても圧倒的としかいいようのない凄いシーンだ。
当時自分はたしかこの作品を映画館で何度も観たが、
特にこのシーンでは会場がしばらく静まり返るほどのものがありました。

(正直今でもあのシーンは日本のアニメが世界で最高になった瞬間と思っています。)

また声優さんのキャスティングも絶妙で、
メインの三人は俳優さんで、
他は当時の人気と実力を兼ね備えたで固めた豪華版だった。

そして当時もそうだけど今みても感じるのは、
全員が全員適材適所でうまくはまっているということだ。

これは三人の俳優さんがうまかったこともあるが、
当時の声優さんが「俳優」としての色を持っていたことも、
この三人が浮き上がらなかった大きな要因という気もする。

声優さんが俳優側から乖離し、現在の色と形を形成するのは、
平成に入りしばらくしての話なので、
まだこの頃はそういうこともなかったのだろう。

宮崎駿監督がまだ「トトロ」をつくる前の時代のことです。

それにしてもまだビデオが一般に廉価で普及する以前。
アニメというとテレビ、そして劇場が主だった。

特に劇場版の作品は当時の方が大作が多かったのは、
やはり映画館の大きなスクリーンというのを意識していたことと、
テレビと劇場では今よりはるかにランクの違いを感じていた、
そしてそれに負けないように全力でやっていたという、
そういう気概みたいなものがあったような気がする。

だがこの「浮浪雲」は決して大作扱いされていたわけではなく、
むしろアニメファンは同時上映の「ゴーショーグン」の方に、
気持ちも期待の大きさも持って行っていたようなところがあった。

けどそういう客層にも唸らそうという気概は当時とても強く感じられたし、
実際自分などは「浮浪雲」の方に見た後強い感銘を受けたものだった。

時代劇アニメというと今では「剣心」のようなカッコいいアニメが浮かんでくるが、
この「浮浪雲」の主人公も違った意味でカッコいい作品だ。
なかなか見応えもあり、ちょっと大人向けのネタもある、粋でスカッとする作品だ。

みる機会があったらぜひ一度観ることをお勧めしたいです。

あと余談ですが、この作品で古谷徹さん演じる一文字兵庫が、
主人公との対決シーンで「参る」と言うシーン。
当時劇場でみたすべての回でほぼかならず
女性客からため息とも歓声ともつかない声が、
そんなに大人数ではないけれどあちこちからかならず漏れていた。

当時の声優さんへのそれがわかるエピソードとして付記しておきます。
なんとも懐かしい話です。
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