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鎌倉駅~江の島、津波が来たらどうするか。 [震災]

数日前(2012年9月)、鎌倉に東南海連動地震が起きた場合、
10m以上の津波が来ると算定された。
その前にも14.5mの津波が来るという、
そういう想定もあった。

とにかく最悪15mの津波が二十数分で来るという、
そういう考えで今回海沿いの道を歩いてみた。

これも東日本大震災の教訓からきた行動だろう。

はたして逃げ切れるのか。
因みに第三管区海上保安本部海洋情報部の資料では、
http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN3/bosai/tsunami/htm/tokai.htm
相模湾には地震発生後23分で津波が来ると書いてありました。
 
まず鎌倉駅から21号を南下、
そのまま海へまず出てみた。滑川交差点のあたりだ。
このあたりはだいたい海抜6m。

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因みに鎌倉駅から鶴岡八幡宮まではだいたい海抜10m。
この滑川交差点から鶴岡八幡宮までは20分くらいだ。
この八幡宮入り口あたりはたしかに海抜10mだが、
八幡宮の奥、さらには脇の道から建長寺へ向かうと、
ここで海抜高度はいきなり10m以上あがり、
場所によっては20mを超える高さになる。
高いビルがあまり無い街なので、
もし高そうなビルが無い場合は八幡宮より山沿いに逃げるというのが
ひとつの手になるかもしれない。
時間的には厳しいがこのあたりは各々の判断というところだろうか。

ただ元禄地震の時は八幡宮の二の鳥居まで津波が来たというので、
ここまでは少なくとも来るという覚悟が必要だ。

ここから海沿いに歩くとみるみるうちに高度下がっていく。
由比ヶ浜四丁目交差点付近では4.2mまで下がった。
このあたり高いビルも無いのでほんとうにたいへんだ。

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そして由比ヶ浜のバス停付近ではとうとう3.7mとなった。
もし液状化が起きたらさらに厳しい状況になるだろう。

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そしてとうとう坂ノ下交差点付近で3.1mとなった。

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このあたり、じつは相模湾のいちばん奥まった場所にあたっており、
津波が来たとき、その波高が地形的に高くなりそうな場所にあたっている。

このあたりだと長谷寺か鎌倉文学館あたりの山に逃げるしかないかもしれない。
坂ノ下交差点からだとそんなに距離が無いが問題はどれだけの人が集中するかだろう。
鎌倉大仏のところへ逃げるという手もある。

ここの大仏にはかつて東大寺のように大仏殿があっものの、
明応地震の大津波(1498)で被害を受けたという説があったが、
その後これは誤りではないかと言われているので、
これにとらわれる必要はないと思う。
※もっとも自分も最近までここの大仏殿はその津波でやられたと思ってました。

ただ海抜高度が約14m前後となんとも微妙な高さなのだ。
坂ノ下交差点から大仏まで約10分。
できればもう少し奥まで逃げたいところだろうが、
山かそばまで迫っているので土砂崩れ等も心配だ。

このあと鎌倉パークホテル付近の海浜公園あたりにくる。

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かなり海抜は低そうだが、このあたりはすぐ背後に山が迫っている。
幸い道路もあるので、ここはそこを伝ってなんとか山のてっぺんへ逃げるという、
そういう手が残されているようだ。
ただ夜だと充分な明かりがはたしてあのあたりにはあるのだろうか?
(すみませんここ避難路になってました。完全な見落としです。すみません。)

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海側には波避けのようなものもあるが津波には無力だろう。
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鎌倉海浜公園坂の下地区付近
093.JPG
※津波緊急避難に指定されている鎌倉海浜公園はここではなく、由比ヶ浜地区や稲村ケ崎にある鎌倉海浜公園の方です。稲村ケ崎の津波避難場所

(ただし個人的には由比ヶ浜の海浜公園も正直大丈夫?という感じです。)


稲村ケ崎へ。
092.JPG

このあと稲村ケ崎の手前で4.6m。

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この付近は山が崖状態なので登れない。

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※稲村ケ崎

ここまできたら稲村ケ崎の道路のいちばん高いところに逃げるか
もしくは公園の階段の上まで行くしか手がないかもしれない。

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因みにマップでは稲村ケ崎を通る134号の最頂点付近は
一応15m以上あることにはなっている。
ただこれは賭けだし津波が来たら完全に四方を囲まれるため逃げ場がない。

もっとも山側の方は細い道路があり高台方面に抜けられるので、
ここを通ることでなんとか回避できそうです。
ただあくまでもドライバーさんのみでの移動でないと駄目だと思います。

089.JPG
これがその入口。

奥は道が狭く場所もそれほど広くないので車で乗り入れは不可です。

また海側の歩道にいる場合は車道を渡るので要注意です。

あと車の混雑時は歩道が狭いのでここの通りに集中するものと思われますので、
もう少し別の通路がほしいところですが…。

※稲村ケ崎はちょっと以前事実を誤認していました。すみません。訂正しました。

片道一車線でしょっちゅう渋滞の起きている場所だけに、
人的被害を最小限にするためにも一考を要してほしいところだ。

稲村ケ崎公園横の自販の横には避難場所の説明があります。
088.JPG

おそらく以下のリンク先の図がこれに近いものかと。
これは見ておいた方がいいと思います。
https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/sougoubousai/documents/29-30hinannjyomap.pdf

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※稲村ケ崎公園を出たところから稲村ケ崎をみる。

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※左端に江の島をみる。

085.JPG

このあとまた下がっていく。
稲村ケ崎バス停付近は5.5m。ただこのあたりはここがいちばん低いところかもしれない。

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このあたりになるといくらでも山に逃げられるので。
ここで地震に遭遇した場合はそういう意味では多少気が楽な部分がある

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七里ヶ浜駅付近の行合橋交差点付近で7.2m。
このあたりだと鎌倉プリンスホテル一帯がけっこう20m以上の高さにある。

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さらに鎌倉高校前駅付近では9.2m。

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ここまでくると多少足を伸ばせば安全な高さになる。
鎌倉高校などは完全に海抜高度からみて安全だし
駅背後の病院もおそらく問題ない場所にあると思われる、

このあと小動神社入り口付近が8.4m。

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※小動神社入口付近から鳥居をみる。

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※小動神社。

さきほどの8.4m付近から神社まであがると15~20mはありそうだし、
実際マップにも20m以上の数字が出されている。
この神社の境内の端にこじんまりとした展望台があるが、
そこから江の島をみるとほぼ真横からみているような感じとなるため、
確かに高さはそこそこあるようだ。

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このあたりではこの付近が高い場所になるのかもしれない。

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このあと腰越海岸停留所付近で6.0m。そしてその次が6.7mとなる。

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あとは江ノ島まで一直線。

たしかに海岸線沿いのため津波の直撃はほぼモロ被りという、
最悪の状況になる可能性が高いが、
平地ではなく場所によっては背後に山が迫っているため、
なんとか逃げられる場所は予想よりも多かった。

ただ場所によってはけっこう綱渡り的なところもある。
特に稲村ケ崎付近のそれはなんとかしてほしいところ。

地元の人は避難訓練等でいろいろと逃げ方をご存じかもしれませんが、
自分のように土地勘の無い余所者はやはりなかなか難しいところがあります。

海沿いの看板には地震が来たらすぐ避難と書かれてはいますが、
具体的なそれは明記されていませんでした。
まさに「津波てんでんこ」といったところでしょうか。

あと最後にひとつ気になったのが江ノ電のこと。
決して安全な高さを走っているわけではないので、
はたして地震発生直後はどうするのか?
津波到達までは一刻を争うのでこのあたりもちょっと心配です。

因みに江の島付近にいたら、もうこれは江の島の頂上にダッシュで向かうしかない。
頂上部はおそらく展望灯台付近。
あそこは海抜60m、奥津宮付近も40m以上はあるはずなので、
このあたりから無理に動く必要はかえって無いかもしれません。

ただここの頂上へ上がるメインストリートはひじょうに狭い。
全幅で一車線程度の幅しかない。
もし人が殺到したらパニックになるのは必至で、
下手したら圧死者や身動きがとれないまま津波で溺死する可能性すらある。
別口に児玉神社付近へあがれる階段もあるようだが、
こことて二か所から合流するような形となっているため、
やはり下手をすると同じことになる可能性がある。

いちおう途中にある岩本楼本館の手前あたりが海抜15mくらいとのこと。
最悪の場合は非常事態としてお願いし、
この館の最上階に行くという賭けもあることはある。
ただどうなるか…。

とにかく備えあれば憂いなし。
しょっちゅう行くところなので、
このあたりはいろいろとこれからも調べていきたいと思います。


※鎌倉市「防災防犯」
http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/bousai/index.html

※藤沢市「防災防犯」
http://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/bosai/index.html

因みに東日本大震災時のような巨大津波が来た場合、
江ノ島あたりに来たそれは引地川や境川沿いに遡上し、
江ノ電の鵠沼駅あたりまでは来てしまうと考えた方がいいと思うし、
まさかとは思うけど小田急線の本鵠沼駅あたりも安心とはいいきれない。

とにかくこれ以上内陸へは行かないという保証などどこにもありませんから。

そういう意味ではとにかく海抜高度20メートルを超える場所というのを、
自分自身しっかり把握しておくとよいと思う。

以下のサイトの地図は場所を指定し、
地図上を右クリックすると海抜高度が出るという便利もの。
http://www.mapion.co.jp/map/japan.html

そして少し上にリンクした、
鎌倉、藤沢各市の防災頁にはハザードマップがあるので、
ぜひそれも参照してほしいです。

尚、神奈川県全体の津波に関しては
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f360944/
を参考にすることをお勧めします。

特に慶長型地震と明応型地震の所は必見です。


最後にまとめですが、
海岸沿いで地震にあったら、
とにかく最寄りの内陸に向かっている道路をみつけ、
そこをひたすら高い所まで逃げるという、
それにつきてしまうようです。

ただできれば高台へ逃げられる道の場所を、
「ここからだとここの道が近いです。」とか、
各交叉点にここの道から高台へ行けますみたいな、
そういう案内板がもう少しほしいというのが正直なところだ。
しかもできれば非常灯のようなものがあればベスト。

地震が来て

「逃げるってどこへ行けばいいの」とかならず観光の人はなってしまう。

できれば外国人に道を教えるレベルくらい、
分かり易いものをもう少し導入してほしいです。

それとやはり道がどこも狭い。

これはもうしかたないことなので、
とにかく車で逃げるのは極力避けてほしいものですが、
身体の不自由な方をどうするかという問題もありこのあたりはなかなかです。

江ノ電の避難路閉鎖の件もあり、
まだまだいろいろと問題があるようです。

江ノ電のこと。
以下の後半にあります。
http://orch.blog.so-net.ne.jp/2015-04-21

あと上にもリンクした避難場所等の地図の一部です。
クリックすると大きめに別ウィンドウで開きますます。
ka1.jpg
ka2.jpg
こちらにもその原本のリンク先を記しておきます。
https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/sougoubousai/documents/29-30hinannjyomap.pdf

※多少加筆改訂しました。(2015 4/20)

津波来襲時の避難建物・避難空地(2016:3/6現在)
tt-k.jpg
※クリックし別画面に出たあとさらにクリックすると大きくなります。
※腰越消防出張所は改築中のため、津波来襲時の緊急避難建築物としての利用を休止しています。
※下記リンク先にこれを含む他の避難所等の鎌倉市の情報があります。
https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/sougoubousai/260821open-data2.html

藤沢市津波一時避難場所(片瀬&鵠沼地区)
tt-f.jpg
※クリックし別画面に出たあとさらにクリックすると大きくなります。
※下記リンク先に藤沢市他地区津波一時避難場所および他の避難施設も掲載。
http://bosaiinfo.city.fujisawa.kanagawa.jp/index.php?module=bosai_shisetsu&gid=10005


(2016 4/6 追加)

神奈川県鎌倉市は実際の街並みの映像に津波を合成したシミュレーション動画を作成、今月からホームページ(HP)上で公開している。鶴岡八幡宮の一の鳥居(国指定重要文化財)や鎌倉駅など見慣れた光景が津波にのみ込まれる迫力ある映像で、津波対策の重要性を訴えている。

 動画は14分間で、県が昨年発表した相模トラフ地震のデータなどを参考に作成した。地震発生から8分で、最大14.5メートルの津波が発生するとの想定で、由比ガ浜、鎌倉駅、七里ガ浜、腰越の市内4カ所の様子(各75秒)や津波のメカニズムなどが盛り込まれている。

 津波の動画は平塚市でも作成しているが、濁流となって市街地に流入する生々しい様子を取り込んだ動画は県内初という。市民から「観光地のイメージを損なう」などの苦情が出ることも考慮したが「命を守ることの方が大事」と公開を決めた。

 市総合防災課は「怖いと思われる方もいるかもしれないが、動画を見れば、『津波が来たら、まず逃げろ』という教訓がよく理解できるはず。動画を見て、防災意識を高めてほしい」と話している。DVD版も作製しており、学校や自治会に貸与し、防災教育に役立ててもらう。【因幡健悦】

http://mainichi.jp/articles/20160405/k00/00e/040/184000c

8分

確かに上での本文のそれは、
東南海の巨大地震のそれを念頭に入れたもので、
相模トラフのことは意識していなかった。


やはりこのあたりのことももっと意識しておく必要があり、そこの欠落に反省です。


しかし8分だとかなり選択肢が絞られてしまうし、
より海側にいた人や江ノ電に乗ってる人はどうなるんだろうという、
そういう部分の危惧がものすごくある。

これがもし起きたら、
正直自分は場所によっては覚悟しなければならないと思っている。


8分かあ…。

相模トラフで起きると厳しいなあ。

ただ津波避難ビルへの誘導標識とか、
すべての避難ビルに、
よりハッキリとした夜間自動点灯照明付きの目印とかつくってくれると、
そういう最悪のケースでもなんとかなるかもしれないし、
観光客、特に外国人観光客は格段に避難しやすくなるだろう。

このあたり鎌倉市や藤沢市もなんとかしてほしいところ。


あと鎌倉市の津波ハザードマップって、
どこで配布してるのだろう。

あったら一部正式なものを手元に持っておきたいです。


因みにネットでは以下のページにあります。

https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/sougoubousai/2503tshunamihazardmap.html
※鎌倉市
https://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/bosai/bosai/hazardmap/index.html
※藤沢市


続・鎌倉駅~江の島、津波が来たらどうするか。
http://orch.blog.so-net.ne.jp/2016-04-23


(2016 11/26 追加)


因みに揺れが1分続くとなるとそこでマイナス1分となってしまう。

東南海で22分、相模沖の地震だと7分で津波が来ることになる。

そうなると、
例えばそのとき由比ガ浜海水浴場付近にいて地震に遭遇した場合、

道がかなり人で混雑すると考えると、
22分だと鎌倉駅の少し先までしか行くことができないと思うが、
津波は間違いなくそのあたりまで来てしまうので、
下馬の交差点を右折してカドキホールに行くか、
その手前の警察署近くの鎌倉女学院か、
市役所近くの市立第一小学校に行くしかない。

ただし学校は夜間や土日祝日はどうなってるのかがわからないので、
場合によっては機能しないのではないかという心配も。

また7分の場合は一の鳥居あたりまでしか逃げられないので、
鎌倉消防署かザ・パークハウス鎌倉若宮大路あたりの避難ビルに、
なんとか逃げ込むしかない。

由比ヶ浜コーポは周囲の住人で満員になっている可能性がある。

それ以上に、
地元の人口等を考えると、
土日の昼あたりにもし地震が発生した場合、
はたしてこれらの人たちが無事避難できるだけのスペースが、
全体で確保されているかというのがじつはものすごく不安。

藤沢あたりはかなりのビルがあるので、
まだなんとかできるかもしれないが、
鎌倉はビルの数が場所によって、
その絶対数が少ないのではないかと、
じつは自分は危惧している。

正直鎌倉全体が、
タイタニック号状態なのではないかと、
ほんとこのあたりは心配なのだ。

(2019 5/1 追加)

というわけで最後に、
神奈川県の「津波浸水想定図」から、
鎌倉~江ノ島のそれをここに添付したい。

鎌倉
鎌倉江ノ島津波2.jpg

江ノ島
鎌倉江ノ島津波.jpg

説明
鎌倉江ノ島津波3.jpg

参考
鎌倉江ノ島津波4.jpg

http://www.pref.kanagawa.jp/docs/jy2/cnt/f532320/p892444.html
より。


30年以内の発生確率、最大6%に上昇 相模トラフ地震
(神奈川新聞 | 2019年2月27日(水) 10:43)
https://www.kanaloco.jp/entry-150667.html
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