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「東京都青少年健全育成条例改正案」と「超電磁砲最終回」雑感 [アニメ(2010放送開始)]

「18歳未満と判断される登場人物の性描写を掲載した漫画やアニメを規制する東京都の青少年健全育成条例の改正案について、都議会総務委員会は19日、全会一致で継続審議を決めた。改正案の審議は6月定例議会に先送りされる。」(47NEWS)

またかよ
というのがまず本音。

以前もこれに似たようなあれで
コミケが直前に幕張メッセから追い出されるという
かなり非道な事柄があった。
あの直後の一般、サークルそしてスタッフの狼狽ぶりと
その後の「なにくそ」的な気持ちでの
出戻りの晴海を見事成功させたそれは今でも自分は記憶に焼き付いている。

たしか1991年頃の話だったと思う。

そしてまた今回のあれだ。
お役人はやることが無くなったり
自分たちが不都合になりだすと
すくにその視線を反らそうとする。

そして安直に目についたものをつるしあげる。
今回のアニメもそうだろう。
めんどくさくなるとすぐ自分本位のものさしでしか計らない。
さらに検証しないでまず結論ありきともおもえるようなその姿勢。
ほんとうに情けない話だ。

だけど今回そう思っている自分の立ち位置は
じつはこの条例改正について全面的な反対ではない。
むしろ今回は条件付で賛成にまわろうとさえ考えている。

これは何故か?

じつは昨年あたりから深夜アニメそのものが
たがが外れた、もしくは外れかけた状態になっていると
自分は考えている。

それはいわゆる性的な表現が露骨に増えてきたということだ。

以前ある芸人の方が
「能や実力の無い奴ほどパンツを脱ぎたがる」
といって嘆いていたことがあった。

たしかに一時期
やたらパンツ一丁になったり
綺麗どころにきわどいことさせたりで視聴率を稼ぐ深夜番組が
急速に増えた時期があった。

まあひとつやふたつならともかく
そればっかりで流れが出来るというのはいかがなものか
という気が正直していた。

そして今深夜アニメが急速にそういう方向に舵を切りかけているような
そんな気がして自分はしかたがない。

たしかに表現の自由ということも大切だけど
自分には何かそれが表現の無秩序とすり替えられてないか?
という危惧も正直ある。

クラシックコンサートや鉄道のイヴェントについては
すでにこういうことが一部で起きているが
アニメにおいてはそれが制作サイドで起きているように感じられて仕方がない。

しかもそのすり替えが視聴率の低迷の打開やネタ切れみたいな
そんなものがその背後にあるように感じられ
何か考えを放棄したような
それこそある意味「負け」を認め安直に走ったようにさえ感じられ
さらに悲しいものを感じてしまったものでした。

こんなことしてたら日本のアニメって将来どうなるの?
みんな似たり寄ったりのものばかりできたら
一時はともかく長い目でみればファンを減らすことになるんじゃないの?
と本気で心配になってしまいました。

やってる声優さんはプロだから文句は言わないだろうけど
「またこんなかんじですか…」
と内心正直うんざりしている方もいらっしゃるのではないだろうか。

自分が条件付で賛成するかもしれないというのは
別にどこかのお偉いさんに同調しているのではなく
こういう努力を放棄したような流れに一石を投じるのであれば
それもまた仕方なしという理由によるものですし、
そうならないようになんとかしてほしいという
強い要望というか願いからくるものなのです。

そんな暗い気持ちになっていた最近ですが
このまえそんな中でも気を吐いていたアニメのひとつ、
「とある科学の超電磁砲」がついに最終回を迎えた。

これが久しぶり大盛り上がり大会で
しかもじつに綺麗にまとめた見事な最終回だった。

メインの四人が皆最後自分の良さを発揮し
最高の大団円を迎えたそれは
平成のアニメと昭和のアニメの要素が重なったような
誰がみても楽しめる
古い言葉でいえば冒険活劇的なアニメとなっていた。

mm1.jpg

まあこれは桁外れな悪役といいますか
完全にいってしまってる敵役あればこそではあったのですが
とにかく旧オープニングにのったラストバトルまでの一気呵成の盛り上げと
その後のじっくりとした人と人との描き方は
ある意味新鮮味こそないかもしれないけれど
アニメのもつ魅力を最高のストレートで投げ込んだ
爽快感溢れる何度見ても飽きない傑作にまで押し上げたと言っていいと思う。

これには出演していた声優さんのチームワークも素晴らしかった。

御坂美琴 佐藤利奈
白井黒子 新井里美
初春飾利 豊崎愛生
佐天涙子 伊藤かな恵
固法美偉 植田佳奈
婚后光子 寿美菜子
黄泉川愛穂 甲斐田裕子
鉄装綴里 遠藤綾
テレスティーナ・木原・ライフライン 大原さやか
木山春生 田中敦子

以上敬称略。
はっきり言ってかなりのオールスターキャストだけど
これほど全員がうまく機能し
アンサンブルをつくり各々の見せ場をつくった作品も珍しい。

これをみていたら
何か最初に書いたあの悲観的な考えもどこかに消えていきそうな
そして何か元気をもらったような気さえしたものでした。

たしかに今の流れは気にくわないところがあるけど
こういう素晴らしい作品も現に存在する。

何かあったら税金はタバコから、
規制はアニメや漫画からというのは
もういい加減に止めにしたらどうだろう。

だけどそうつけこまれても仕方がないものがあるのもまた事実。
2010年からの数年間は
アニメにとってひとつの分水嶺になるのかもしれません。

〆です。

あとどうでもいい余談ですが
木山先生、最後クマが消えてたなあ…。
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阿伊沢萬

「直chan」様

今回は二つの出来事が重なったためとはいえ
かなりの不平不満が爆発してしまいました。
オリンピック招致失敗とそれに関する膨大な税金投入
それが追求されている矢先のこのふってわいたような改正案。
とにかくいい加減極まる動機が見え隠れして
かなり不愉快極まりないのですが
その今のアニメも決して良好な状況ではないし
つけ込まれても仕方ない状況なのかもしれません。
そんな中それでも「超電磁砲」はやればできるという
そういう希望をみせてくれました。

これからどうなるのか不安ではありますが
明るさや希望も失っていないというのが今の自分です。
そういう意味で今週のTAFはとても注目しています。
ここでもそのレポートを昨年同様書く予定です。

とりとめのないお返事となり申し訳ありません。

nice!ありがとうございました。
by 阿伊沢萬 (2010-03-21 13:45) 

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