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公開練習 [クラシック百物語]

神奈川フィルハーモニー
http://www.kanaphil.com/
の公開練習に行ってきました。

日程表は同サイトの
http://www.kanaphil.com/perform/rehearsal.html
練習会場の「かながわアートホール」の
http://www.kanagawa-arts.or.jp/arthall/index.html
内にあります
「見学ギャラリー公開情報」をご覧いたたくとして、
2月17日の演奏会のための公開練習を練習を見学してきました。

都合により午後からの見学となりましたが
会場に着いたときはちょうどみなお昼の休憩ということで
指揮者の方もオーケストラの方々もみなくつろがれていました。
このため午後の練習が開始されるまで
そばの梅園で梅まつりをしているということで
時間まで梅の香りを堪能し、その後再度会場へとなりました。

練習が開始されると冒頭なかなか表情がうまくつくれないのか
指揮者のシュナイトが何度かその音楽を伝えてはその確認の繰り返し
でひとつの歌が単体から全体に発展し
それを次に引き継ぐところでそれがうまく伝達されていないところでまた確認。

と、しばらくこういうひとつの歌が全体へとまとまり
それがその流れを次々に伝達するという
ひとつ流れのパイプを冒頭部でつくりあげると
あとはもう一気に全曲最後までノンストップで演奏をしてしまいました。
ただそこでの音楽はかなり充実したものがなり響いており
練習というよりもういきなり本番に入ってしまったような
そんな気がするほどのものになってしまいました。

で、演奏終了後指揮者のお話があった後
午後の練習はあっという間に終了してしまいました。

これをみていると今回見学した神奈川フィルハーモニーと
4月から音楽監督になるシュナイトとの関係が
とてもよくわかったような気がしたものでした。

昨年見学したブルックナーでもそうでしたが
シュナイトは川(ここでいう曲の全体像)とその流れをつくり
神奈川フィルはその流れを
川のまわりを見渡しながらどれがより自然なのかを
考えながら漕ぎ進める船のような
そんな関係で音楽を創り上げている
というふうに感じられたものでした。

この日の冒頭であれほど時間をかけたのは
その流れをつくるためのシュナイトの作業であって
音楽が意味を持って歌が伝達されることにより出来た流れを
オケがつかみそして漕ぎだしたら
あとはそのベストの流れをつかみその感覚を覚えさせることに重きを置いた
というこの日の練習であったようでした。

このためこの日の演奏は最後までいった一回で終了となったのでしょう。
細かい表情の微調整は多少あったかもしれませんがそれ以上に
よほどいい流れができた現れかもしれません。

これをみているとシュナイトと神奈川フィルの関係は
自分が最初にこの組み合わせを聴きはじめた数年前とはかなり違ってきており
オケが指揮者に追従するだけの関係ではない、
指揮者の妥協の無い要求に対し
オケがしっかり指揮者の考えに則した自己主張をする段階になっていることを
あらためて感じさせられたものとなっていました。

オーケストラってやっぱり生き物なんだなと
この日後半オーケストラ全体が
まるで風になびくように音楽の流れに乗って全員が身体を動かし演奏していた姿とともに
あらためてそのことを実感させられる一日となりました。

指揮者のシュナイトは今年77歳。
朝からの練習ということもあり少々お疲れ気味のようでしたがお元気そうにみえましたし、
指揮台に立つと相変わらず精力的でその情熱にはほんとうに頭が下がるおもいがします。
この人が何年もこのオケに伝える情熱あればこそこういう練習
そしてこういうオケとの関係が可能なのでしょう。

とにかくなかなか興味深い公開練習でした。
それにしてもこの日の音楽
深い情感だけでなく快晴だったお天気同様じつに澄んだ
そしてどこか香ばしい雰囲気も感じられた音楽でありました。

http://blog.so-net.ne.jp/ORCH/2007-01-04
(当blog内にある、当日の指揮者シュナイトの項)


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yurikamome122

ご無沙汰いたしております。
あのリハーサルにお見えになっていたヘッドホンをつけていなかった紳士がいらっしゃいましたが、それが阿伊沢萬さんだったのでしょうか?。
おっしゃる感慨は私も同感であります。
昨日のコンサートを聴いてもその思いを強く致しました。
1週間前の定期でも指揮者よりもオーケストラを強く感じる演奏会でありました。
シュナイトさんの力も大きいと思いますがオーケストラの士気の高さもなかなかだと思います。
これからがますます楽しみであります。
またアートホールでお目にかかれるかも知れません。
その時はご挨拶をさせてください。
by yurikamome122 (2007-02-18 11:29) 

阿伊沢萬

yurikamomeさま

こちらこそご無沙汰しております。そうです、あの黒っぽい服を着ていたのが自分です。お目にかかりましたら、こちらこそよろしくお願いいたします。自分も前半のシュトラウスは練習とはまたちょっと違ってはいたものの、とても深い感銘を受けました。ですが「英雄」の方はある部分が気持ちにひっかかってしまい、かなり手厳しい感想になってしまいました。第二楽章のあまりの素晴らしさ等はもちろん賞賛されて然るべきではありますが…。来月の2番は大好きな交響曲なので、こちらは今からとてもたのしみです。
by 阿伊沢萬 (2007-02-18 14:00) 

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