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のだめ徒然草その4 [のだめ徒然草]

今回の話では日本の音楽学校に世界的指揮者が来たという話。

ふつうなら「まあ物語の中だから」のような設定に感じるかもしれないが
じつはこれと同じことが現在進行形でおきている。
それは
http://blog.so-net.ne.jp/ORCH/2007-01-04
に書いてある、ハンス=マルティン・シュナイトだ。

フランツ・フォン・シュトレーゼマン同様…
というかそれ以上かもしれない。
レコーディングに興味が無いためかヨーロッパでの録音はそれほどないが
かの歴史的バッハ指揮者だったカール・リヒターが1981年の来日直前に急逝し
彼の創立したオーケストラである、ミュンヘン・バッハ管弦楽団&合唱団の前途が危ぶまれたとき
その後任を担い、その危機を救ったのがシュナイトだった。

三十歳でベルリンフィルの指揮台に立ち
宗教音楽だけだなく、オペラやオーケストラのコンサート指揮者としても活躍し
日本にもベルリン国立歌劇場の指揮者として来日している。

だが日本ではリヒターの後継の宗教音楽指揮者というくらいにしか評価されていない。
このためあまり騒がれていないのだろうが
じっさいそのレパートリーは広く、
バッハ、ヘンデルからハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、
ワーグナー、ブルックナー、ブラームス、といったところから
ヴェルディ、バルトーク、Rシュトラウス、ラヴェル、といったとろまで入ってくる。

ただシュトレーゼマンのマーラーの8番を千秋が聴いて感激したというように
この指揮者も合唱付きの曲になると神がかり的な力をさらに発揮する。
昨年のモーツァルトのレクイエムや一昨年のヨハネ受難曲やロ短調ミサなどは
まさにその最高の例といっていいと思う。

唯一シュトレーゼマンと違うとすれば性格こそ明るいものの自分自身にたいへん厳しい
バッハと同じルター派の信者であるというところだろうか。

そのシュナイトが現在、東京芸術大学の教授として日本に来日しているが
彼の場合は一年どころか、もう何年も教鞭をとっている。
別に自分のためのオケをもっているというわけでなく
ヨーロッパでのすべての仕事を辞め
藝大の教授や神奈川フィルハーモニー
さらには自らの名前を冠した合唱団をはじめとした日本での活動に
自分の音楽を伝え教えるために全力を傾注している。

もし千秋がシュナイトに師事していたらどうなっていたのかじつに興味深いものがある。
シュナイトのもつ天文学的なほどの膨大な知識と情報量からして
おそらく一ヶ月で何十年分もの膨大な知識と情報を千秋は得ることになるだろう。
受ける方が天才なら教える方も常人ではないだけにどんな結果になってしまうのか
じつにおもしろい話の展開だがそれはそれこれはこれ。

とにかくこの世界的指揮者の日本の学校での教授就任は
決して無い話ではないということです。

シュナイトは上記しましたように日本で演奏会を開き
ここ数年その録音も活発になってきています。
特にこの春から神奈川フィルの音楽監督になったことから
同オーケストラの共演回数も増えてきています。
http://www.kanaphil.com/
(神奈川フィル公式サイト)
もし聴く機会がありましたら、ぜひお聴きになってみてください。

尚、他にもハンス・レーブラインやニコラ・ルッチという名指揮者も日本で教鞭をとっていますし
指揮者ではありませんが
作曲家でありピアニストでありオルガニストでもあった
アンリエット・ピュイグ=ロジェ(1910-92)
http://blog.so-net.ne.jp/ORCH/2006-08-19
も晩年日本で教鞭をとられていらっしゃいました。


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阿伊沢萬

月栗さま

じつはシュナイトもかつては天才といわれ
若い時に自作がベルリンで演奏されたことがあるほど
作曲にも才のあった方だったようです。
ただその演奏の内容はここ数年飛躍的に内容が濃くなっており
珍しい言い方かもしれませんが
「天才にして大器晩成」というタイプの方なのかもしれません。

四月にはDVDが発売されたり、コンサートもありと
「のだめ」はまだまだ賑わいそうですね。

nice! ありがとうございました。
by 阿伊沢萬 (2007-02-03 23:45) 

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