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のだめ徒然草その1 [のだめ徒然草]

なかなか愉しい出来でした。
ピアノを弾いてるときの肩の表情がちよっとあれでしたが
それ以外はじつに愉しくみせていただきました。

ところでのだめが自由にひいているのをみて
あるビアニストを思い出してしまいました。

シューラ・チェルカスキー
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%BB%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC
(↑『ウィキペディア(Wikipedia)』より)

自分はこのピアニストが80歳のときにサントリーホールで聴いたのですが
その奔放というか
でたとこ勝負のビアノには正直おどろいてしまいました。
バッハなどはもうロマンティック極まりない濃厚な歌いまわし、
プロコフィエフでは爆発するような突進力、
そしてコープランドは遊び心満点の演奏というものでした。

すべて型にはまらないじつに自由闊達、
奔放無手勝といった趣といったその弾きかたに、
なにか今回ののだめと千秋のことがいろいろと二重写しになってしまい、
このときのチェルカスキーの演奏がふと思い出されたものでした。
(このときかのエフゲニー・キーシンが聴きにきていました。)

そういえばこの前後に日本のオーケストラと共演したとき
そのとき共演した指揮者が
「練習中いつも弾きかたが違うのでもうたいへん」
とかなり辟易としていたようでした。

のだめは若きチェルカスキーかもしれませんし、
ひょっとしたらヴラディーミル・ド・パハマン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%83%A9%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%91%E3%83%8F%E3%83%9E%E3%83%B3
(↑『ウィキペディア(Wikipedia)』より)
あたりの19世紀的な名人芸的かつ即興的な、
ある意味グランドマナーを持ち合わせたピアニストの末裔なのかもしれません…

…などといったことをふと考えさせられるほどの、
とにかく愉しい内容のアニメ版「のだめ」でした。

今回は
ベートーヴェンの交響曲第7番
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番
ベートーヴェンのビアノソナタ第8番 ハ短調「悲愴」
モーツァルトの二台のピアノのためのソナタ(K448)
といっところが使用されたようですが
時間的なものがあるもののドラマ編よりポイントを絞った使い方に好感がもてました。

声の川澄綾子さんと関智一さんの組み合わせもよく
とにかく次週以降がとてもたのしみです。

http://www.nodame-anime.com/
(「のだめ」公式サイト)

余談ですが上で触れたピアニストのうち
ヴラディーミル・ド・パハマンについて少々。

このピアニストはとにかくその演奏スタイルが奔放かつ大らかというだけでなく
演奏中に歌ったり喋ったり楽譜に無い音も勝手に装飾していたというから
現在ではまずありえないピアニストだ。

この人のCDで1915-16年、つまり第一次世界大戦中に録音されたものが
現在自分の手元にありますが
TOCE-15035(自分が持っているのは収録同内容のTOCE-9407)

そこでの演奏の数々は超個性的かつ極めて歌にあふれた
それこそ「カンタービレ」という言葉がぴったりの演奏となっています。
録音が電気録音以前の太古の
今の録音から考えれば劣悪ともいえるレベルの録音のため、
(当時の録音としてはかなり優秀なものではあります)
誰にでもお勧めできるものではありませんが、
ひょっとしたら「のだめ」のルーツかもしれないこの演奏
もし興味と機会がありましたらぜひ一聴をお勧めいたします。

余談ですが手元のCDでは当時パハマンの実演を聴いたことがある野村光一氏が
パハマンが語った言葉を記していますので、その一部をここに紹介しておきたいと思います。

「よい演奏は、ステージ上で精神を集中して気持ちを固くしたまま行い、
聴衆も夢中になってそれを凝視しているようなときには、決してあり得るものではない。
よい演奏は人の心の中に柔らかく溶け込んで自然に伝わるものでなければならないものだ。」


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