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演奏中の飴 [クラシック百物語]

よく演奏中に飴の袋をチャリチャリ音をさせて剥いている人がいる。
ここ数年ほぼ百パーセントこういう状況にでっくわす。
正直不愉快意外のなにものでもないし
我慢できないのか!と怒鳴りたくもなるし
演奏はじまる前に剥いて口の中に入れとけよ!
と説教のひとつもしたくなる。

※実際1度説教してしまったが雰囲気が悪くなってしまい後悔しきり。
する方もされる方もいいことなしなんです。ほんとうは。
それだけに絶対やめてほしい。

ところがこの飴
めったにないことらしいのですが
単なるノドのそれが理由ではない
もっと深刻な状況で飴の袋を剥いている人がいることを最近知りました。

それは低血糖を突然起こすという事態です。
これは糖尿病もしくはそれに準ずる人たちが
その血液中の糖分の値を下げるために服用している薬が
たまにうまく効かなくなったりするときに起こるもので
演奏前に軽く食事をとったりすればほぼ大丈夫のようですが
たまにそうであっても駄目だったり
演奏前にそういう軽食がとれなく演奏中に空腹になったりすると
低血糖状態に陥る場合があるそうで
この状態を放置すると意識不明になったり
最悪の場合、生命に関わる状態に陥る可能性があるということです。

で、そういう状態になったときの対処方が
ジュースを飲んだり飴を舐めたりするということがあるそうで
そのため自分の想定外のところで低血糖がおきた場合
やむにやまれず飴を剥いてしまうことがある

そういう人がいるらしいのです。
もっともそれはたいへん稀なことですし
たいていは無関心無神経の人たちなのかもしれませんが
中にはそういう非常事態の方もいるという
そういう事実に正直驚きを覚えてしまいました。

ただこういう人はその病気のなりかけで
薬が身体に馴染むまでの期間に多いということなので
普通に馴れてしまえばめったにおきないということらしいのですが
「めったに」ということは「たまには」あるということの裏返しなので
やはりちょっと気にってしまいます。

演奏会にはいろいろな方が来ていますし
正直他人には知られたくない「病」をかかえている人もいるでしょう
お腹が冷えるとすぐ退出ししかるべきところに行かなければならない人も
「病」というより「体質的」な問題かもしれませんが
やはりいろいろとたいへんだと思います。

これからは正直そういう場面にでっくわしても
できるだけより静観を心がけるようにしたいと思います。

が、

だからといってただたんにノドがむずむずするからと
イージーに飴の袋を剥くという行為が大手を振るというのは
やはり納得がいかないものがあります。

非常事態でやむにやまれぬ状態での人たちにも
これはあまりにも迷惑ですし、
このため躊躇したがために
結果たいへんな事態になる可能性もなきにしもあらずですので
そういう方々のためにも飴の袋を剥くという行為に対して
真剣に考慮してほしいものですし
あまり推奨はしたくないのですが
電車内の携帯の注意のように
開演前に飴の袋についても
常にアナウンスしなければならない事態になるのかもしれません。

そして悲しいことにそれが日常化してしまうかもしれませんし
にもかかわらずそんなことおかまいなしに
飴を剥く人たちがいつづけるのかもしれません。
で、肝心の緊急の人は萎縮してしまい大事に至ってしまう…
めったにあることではないとは思いますが
それだけは絶対避けたいものです。

考えてみると満員電車の中で無神経に携帯をでかい声出して使用している人と
イージーに飴の袋を剥いてる人って案外同じ人なのかもしれません。
それにしても注意されなければやめない
さらには注意されても他の人がやっているからやめないという風潮…

困ったものです。

(2005年7/26に他所に掲載したものを多少改訂後再掲載)


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