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ある声優さん [声優(ひと)]

今回はあえて名前を出しません。

ちょっといろいろと考えていることと
ひょっとしたらこれって
自分が対象にしている方だけではないかもしれない
という気もしたからです。

この声優さん
とにかく出てくるとまず聞き間違えることがないくらい
特長のある声質をもっている。
かなり張りのある声ということもあるが
声質や声色というだけの理由ではないらしい。

どうもそれはこの人の台詞の表情付けによるもののようで
特に初めと終わりにそれがあるように感じました。

つまり台詞の最初の三文字と最後の二文字
ここに表情のすべてをつけているようなのです。
つまりまず最初の三文字に
相手から受けた言葉とその後に続く言葉への線路付けと
最後の二文字でそれまでのそのフレーズ内の台詞の感情をあらわす
それ以外は極力高低やアクセント以外の感情を抑制する…

つまり最初と最後で台詞をコントロールし
途中にあまり過度な表現をさけることにより
無駄に大きな表情をとらないようにするというだけでなく
台詞のワンフレーズ内で感情の統一を図るという
そういう狙いができるということです。
(もっともこれが考えて行われているのか
それとも自然に身に着けたものなのかはわかりません。)

このやり方、短い台詞ならともかく
長い台詞になってくるとフレーズが長くなる場合
表情をつける箇所の割合が必然的に少なくなってくるため
下手をすると平坦な台詞がシベリア鉄道なみに続く場合がある。

この人の場合、ときどきその危険な領域にちょっと踏み込んでるときがあるのですが
その場合、やや台詞を早めに言うことにより
間延びと平坦部の割合を少なくするということをやっているため
「ちょっと」で今のところはすんでいるようです。
これはいろいろな面がありますが
なかなか面白いやり方だと思いますし
たいへんさっぱりとした感覚を聞き手に与えることができます。

ここでひとつ思ったのですが
このやり方
たしかに今回は「ある人」の台詞まわしから受けた印象ですが
ひょっとしてこのやり方
過去にもやっていた人がいるのではないか
ただし過去のそれはこれほどはっきりとした使い方ではなく
あくまでもいくつかのやり方のひとつとしてたまに使用する程度で
そのため気がつかなかったのではないかということです。

となると
これほどはっきり使用するというのははたして新しい発見的使用方なのか
それとも禁じ手的なもので本来は好ましいものではないのか
このへんがちょっと気になるところですが
今のところこのやり方でこの方の場合OKですし
なによりもひとつの個性として確立されているので
現在的には問題はこれといってないようです。

まあ時代が変れば
かつては?と思われていたことが
いつのまにか常識となる場合もありますし
30年くらい前のアニメの吹き替えと
現在のそれを聞き比べると
この間に創意工夫と技術の向上がいろいろと感じられます。

これにはアニメそのものの発達というものもあるのでしょうが
同じことであってもアニメの質的変化によって
その使われ方と意味合いが変ってきてしまう「手法」がある
そういうものがあるのかもしれないと
今回の件でちょっと感じた次第です。
もっともプロの方にはそんなの常識と言われてしまうかもしれませんが…。

とにかくいろいろな声優さんがいる…
というか次々と登場されてきます。
映像技術やキャラクターの嗜好性や多様化などで
声優さんの方もそれに応じていろいろなタイプの方が今後も出てこられると思います。

ひょっとすると、かつて危惧した声優の大量生産的傾向には
こういう部分もあってのことだったのかもしれません。
今更ながら気がつきました。

この方の場合はたしてそのラインにのって必然的に登場してきたのか
それともまた違った意味で
それこそこれからのひとつの規範の一部としての先駆け的なものなのか
今後のこの方の活躍や動向を
そういう意味でもちょっとこれからもチェックしていきたいと思います。


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