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ARIA The NATURAL [アニメ(2006放送開始)]

ヒーリングアニメの大傑作となった「ARIA」の第二シリーズ。
あいかわらずのほほんとみてるうちに終わってしまうのだが
今週の第5話「その 雨の日の素敵は…」「その 春にみつけたものは…」
という二本立てのような珍しいつくり。

前半は日本の雰囲気の中に灯里とアリシアがお稲荷さん参りをするという話?なのだが
これがなんといいますか
「となりのトトロ」というか黒澤明監督の「夢」の第一話といいましょうか
とにかくちょっと不思議な話で
ミスマッチのようでじつはちゃんとそこにうまく収まっているのが不思議で
こんなところにも「ARIA」のもつ世界の柔和さがうまく作用しているのかと思ったものでした。
(あと茶屋のお婆ちゃんに山本圭子さんが出ていたのが嬉しかった)

ですが後半はさらにたのしくみせてもらいました。
軽便鉄道の廃線跡の光景…
これなどは鉄道ファン
特に宮脇俊三氏編集の「鉄道廃線跡を歩く」が好きな方には
もうとんでもなくこたえられないシチュエーションではなかったでしょうか。

自分もたまに山の中で二本のレールが草ぼうぼうに半ば埋まりながら
どこまでも続いていくそういう光景にでっくわすと
それについていってどこまでも行きたくなるような
そんな誘惑にかられる時が少なからずあるのですが
この話はそんな夢をかなえてくれたようなお話で
最後には小高い丘の上の桜の木の下に
廃車が一両ぼつんとたたずんている
それは桜に見守られながら静かに眠りについてるような光景で
こんなのにでっくわっしたら灯里でなくても走り出してしまうこと間違いなし。

これは個人的にかなりツボに来たお話でした。
あと今回はほとんど三人(二人と一匹?)のみの出演に絞ったのもよくて
それがさらに落ち着いた雰囲気を醸し出していたように感じました。

そして最後には廃車に電気がついて美しい夜桜とのコラボレーションとなるのですが
本来自分はあまり夜桜が好きでなくそこに「霊」を強く引くような感覚を感じてしまうのですが
このお話でのそれはまるで宮沢賢治の世界のような幻想的な美しさに仕上がっており
これまたとても感心、というより感銘さえ受けたものでした。

ほんとうは再放送として朝や午前中にお子様のご覧になられる時間にも
この作品を放送してほしいという気がするのですが、いかがなものでしょうか。

とにかくこの「ARIA The NATURAL」
ヒーリングアニメというだけでなく
時としてそれ以上の強い感銘を観る側に与える作品であるということを
今回あらためて感じたものでした。

PS
それにしても線路が二股にわかれているところで棒を倒して行く方向を決めるやり方
あれもしも上にほうりなげていたら、それこそ黒澤監督の「用心棒」!
前半後半に各々黒澤ネタかい!というところでしたが…。
スタッフに鉄道マニアだけでなく黒澤作品マニアもいらっしゃるのでしょうか?

http://www.ariacompany.net/
「ARIA The NATURAL」公式サイト

雑学PS

ヴェネツィアつながりですが
「ヴェネツィア・サン・マルコ寺院の音楽」(BVCD-31006)
というCDがある。
ここにはなんと約四百年も前にヴェネツィアのサン・マルコ寺院で奏でられた音楽が
当時のスタイルをおもわせる形で収録されている。
指揮はこのジャンルの第一人者トーマス・ヘンゲルブロック。
興味のある方はぜひ一度お聴きになってみてください。

ただし清澄な音楽ではありますが
いわゆるヒーリング系とはかなり違うサウンドですのでご了承ください。


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阿伊沢萬

ディックさま

はたしてまだここを読まれているかどうかあれですが、
じつはたいへん失礼なことに
ディックさまのnice!がついているのを見落としていました。
ほんとうに申し訳ありませんでした。
おそまきながら御礼申し上げます。

nice!ありがとうございました。
by 阿伊沢萬 (2008-02-16 21:30) 

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