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緒方恵美さん(追補) [声優(ひと)]

http://blog.so-net.ne.jp/ORCH/2005-11-05
に以前緒方恵美さんのことを書いたのですがどうもしっくりこなかった。

この理由がわからなかったのですが
とにかくしっくりしなかったので
「また機会がありましたらということで、一度〆。」
という形で前回一度〆たのですが
その後MOKOさまからのコメントがそのすっきりしなかった部分の
ひとつの解答のように感じられ
その後いろいろと考えていました。

そんな時偶然にも緒方さんが主役を演じた
「人形草紙あやつり左近」がキッズステーションで放送されました。
http://blog.so-net.ne.jp/ORCH/2006-01-31-1
(この作品につきましての雑感は上記に)

この作品、自分は個人的には緒方さんの最高傑作のひとつと思っているのですが
これを観ていて気がついたことがありました。
それはこの方独特の息づかいの絶妙さというものです。
とにかく上手いです。
台詞に入る前のためや
台詞の語尾で力を抜くかのようにして言葉の芯を抜き 響きと色と僅かな方向性のみのこす
またその抜き方もその前の台詞の曲線的とも上下蛇行ともいえるような
(ただしその動きはたいへん微妙なわずかな起伏しかないのですが)
言葉の芯を抜くときにそこに直線的なイメージをもたせないようにするそのやり方。

そしてその息づかいを施す前後にはしっかりとした張りと艶のある声を聞かせる。
(場合によってはそれが無い場合ももちろんあります)
だから柔軟ではあっても弱々しすぎる感じがしないし
リリックな感触をもった内省的な雰囲気をもたせることができる。
また気丈な(強い)部分を強調したければ
この息づかいの部分を薄くするようコントロールすればいい。

それにしてもこの技術的な上手さ
このことが息づかいの上手さが声の大小、声域の広さに対する見解の相違
もしくは自分の錯覚や間違いに繋がっていったような気がします。
(このあたりは自分の早合点であり浅い部分が露呈したということでしょう)

あとそれらのすべてが重なって言葉に独特のクッションと温かさを与え
それが居心地というか耳ざわりのよさに直結しているようにも感じられました。
もちろんそこに緊張をもたせるために緩急もつけるし高低もあるので
耳ざわりのよさだけに終わることはありませんし
上記したことがじつに絶妙に配合されているので
一本調子になったりバランスの偏りなども感じられないのです。
まったくいろいろな技術が凝らされているものだと感心しきりです。

緒方さんの声についてはほんといろいろなことに感心してしまいましたが
他の声優さんにもいろいろと技術的に感心してしまうことが多く
ほんとうはこれらのことについてももっと触れなければいけないのでしょうが
今回は緒方さんの追補ということで緒方さんのみとさせていただきました。


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コメント 2

MOKO

追補ありがとうございます、待ってました(^-^)
普段は、何となくぃぃなぁ、上手いなぁ、
という風にしか聞いていない声優さんの声も、
しっかり考えて聞くと様々な技術が隠されているのだと、
あいざーまんさんの記事を読んで気づき、考える事ができました。
ありがとうございました。
これからも、声優さんに限らず、色々な記事を楽しみにしています。
by MOKO (2006-03-10 00:37) 

阿伊沢萬

今回の追補を書くきっかけとなったのは
MOKOさまからのコメントでした。
それを思うとたいへんあれはありがたいコメントでした。
あらためて感謝いたします。

余談ですが声優さんの声というのは
ある意味楽器が奏でる音楽と同じで
その人その人のもつ素材を
自らの技術で奏でていくということにつきると自分は考えています。
ですからいくら素材がよくても技術がともなわない
また技術があってもそれが素材とうまく食い合わない
ということになるとなかなかうまくいかないものでして
声優さんとして確たる地位を築いた方のほとんどは
このバランスがうまくいった方という気がしています。

そういえば弦楽器の形
あれは人型でたしか女性の姿を模したものからきているとか。
自分が声優さんを語るとき
そのベースに音楽を聴くときと同じスタンスをとるのは
ひょっとしてそういう部分があるのかもしれません。
by 阿伊沢萬 (2006-03-11 00:58) 

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