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ユーリ・シモノフ指揮モスクワ・フィルハーモニー交響楽団(4/8) [演奏会いろいろ]

(会場)すみだトリフォニ-ホ-ル
(座席)3階9列27番
(曲目)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番(P/羽田健太郎)
チャイコフスキー:交響曲第3番「ポーランド」


 前半のラフマニノフはまずオケの弦の奥深い響きに驚かされたものの、その後はオケもピアノもこれといった印象がないまま終わってしまいました。昨年のこのコンビはもうすこしスリルや勢いがあったものの、今回はなにか想定内ですべてが収まってしまったようで、ちょっと物足りなく思ったものでした。

 ですが前半終了後に羽田さんがアンコールで弾いたソロによる「星に願いを」はもう最高に粋でしかも癒されるものがあり、最後に「きらきら星」のフレーズが挿入されるに至っては「うまいなあ」と感心しまくったものでした。後ろで聴いていたオケの団員の反応もたいへんよく、ツアーに疲れた心を「癒された」ような雰囲気をみせていた団員もみかけられました。

 そのせいか後半のチャイコフスキーも、オケの肩の力がすっと抜けたようなかんじとなり、激しい煽動的な雰囲気よりも、バレエを思わせるような視覚的な雰囲気と、第三楽章に聴かれたような弦の清澄きわまりない響きを中心とした、とても詩的かつ癒されるものとなっていました。終楽章の金管のコラールもけっしてうるさすぎず、気品と風格をたたえながらの堂々とした終結へと導く大きな手助けをしており、こんなに心洗われるようなチャイコフスキーをここで聴けるとは!という大きな喜びを感じたものでした。

 この「ポーランド」。15年前に聴いたスヴェトラーノフのそれとは大きく趣が異なるものでしたが、これもまたたいへん印象に残る名演という気がしたものでした。それにしてもそろそろこのコンビによるチャイコフスキー交響曲全集を録音してもらえぬものかと、かなり気になっております。
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