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「ガールズ&パンツァー 劇場版 シネマティック・コンサート 」に行く。 [ガールズ&パンツァー関係]

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劇場版の映像に合わせ、オーケストラが生演奏でお届けするシネマティック・コンサートの開催が決定!前回のオーケストラコンサートで見事な指揮を披露した栗田博文さんが指揮監修を行い、大宮公演を松元宏康さん、横浜公演を栗田博文さんが指揮を担当。演奏は、前回のオーケストラ・コンサートに引き続き「東京フィルハーモニー交響楽団」が担当し、より深化された形で「東京フィルGuPオーケストラ」としてお届けします。

https://www.eventernote.com/events/112705

というもの。


今回は二回開催され、
最初が埼玉県の大宮、
次いで二週開けて神奈川県の横浜で行われた。

最初はまず大宮の事から。


指揮:松元宏康
演奏:東京フィルGuPオーケストラ
歌唱:佐咲紗花
カンテレ:あらひろこ

6月25日 開演 17:30
大宮ソニックシティ 大ホール

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大宮ソニックシティ大ホール(公式サイトより)

会場の大宮のホールは定員2500というから、
上野の東京文化会館とほぼ同じで
フルオーケストラを良好な環境で聴くキャパとしては、
上限いっぱいといったところ。

ただし前の座席との距離が、
このてのコンサートホールとしては少し広めにとられているので、
実際はもう少し定員の多いホールと同規模かも。


ちょっと一階席後方が二階席が大きく張り出しているため、
やや圧迫感があるかもしれないが、
それ以外の席は舞台がしっかり見渡せるつくりになっているため、
こういうコンサートには最適といっていいと思う。

舞台にはクラシックのコンサートと同じように、
オーケストラが配置されている。

変わっているとしたら、
第一ヴァイオリンの手前にカンテレ奏者のあらさんがいて、
オケの弦と管の間あたりの位置の、
そのちょうど上方に映画を映し出すスクリーンがあるという、
そこの部分くらいでしょうか。

オーケストラの編成は、
弦楽器が、12-10-8-6-5、という12型で、
(第1ヴァイオリン12、第2ヴァイオリン10、ヴィオラ8、チェロ6、コントラバス5)
左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、
そしてコントラバスが舞台に向かって右奥。

木管は各二名の二管、
金管はトランペット4人、トロンボーン3人、ホルン6人、チューバ1、
並びは舞台に向かって左より、ホルン、トランペット、トロンボーン、チューバ。

これにピアノとハープ、
それにティンパニーを含む打楽器群が最後方に横一列という、
そんなかんじにみえた。

自分はこの日二階最後列にいたため、
スクリーンによって打楽器はもちろん、
ブラス付近がほとんどみえなかったのと、
舞台が演出上通常コンサートより暗い部分があり、
木管もこれまたよく見えなかったので、
奏者の椅子の位置や、
ときおりみえる楽器の一部で判断したので、
このあたりちょっと自信が無いので間違っていたらごめんなさい。


さてこの日のコンサート、
ChouChoさんが急病のため、
本当はこの日客席でこのコンサートを聴く予定だったという、
佐咲紗花さんが急遽代役として出演することとなった。

佐咲さんは自らのツアー中にこの代役を引き受け、
前日24日に新横浜でご自分のライブをされ、
そして本日このコンサートの本番と、
本当にスクランブル状態でのそれとなったけど、
自分の持ち歌ではない曲、
しかも知ってはいるけどアレンジがかなり違う曲を、
この場で歌いきったことにはほんとうに頭が下がります。


ただ個人的には佐咲さんによるガルパンの曲がいろいろ聴けたのは、
むしろ儲けものというかんじもしましたが…。

とにかくChouChoさんには早く元気なっていただきたいです。


さてコンサートは映画を舞台上に吊るしてあるスクリーンに、
映画本編をノーカットで映し、
それにあわせて音楽をつけていくというもので、
声優さんのイベントにおける、
生アフレコのオーケストラ版のようなものというと、
分かり易いかもしれません。

(尚、今回は立川みたいな爆音仕様ではないので、そういう音に耳が慣れた人には効果音が少し軽かったので、ちょっと物足りなかったかも。)


ただ言うは易しというものでして、
画面は正確に流れていくので、
オペラやバレエのように、
こちらの音楽あわせてくれるというものではないため、
指揮者のコントロールがとにかく重要。

オケはオーケストラピットに入ってる時と同じように、
画面をみることは演奏中できず、
指揮者の棒とアイコンタクトがすべてになるため、
これでピタリと合わせるというのは正直たいへん。

楽器の特性による各楽器の音の立ち上がりの違いや、
指揮をする前の予拍のしかた。

画面より少しだけ早く振り始めないと、
指揮のそれよりオケの反応がどうしても一瞬遅れるため、
画面と音がピタリと合わないなど、
いろいろな問題が生じる可能性があり、
正直こういうことに順応性が高いか、
もしくは場数を踏んでない指揮者でないと、
このあたりなかなかうまくいかない。


ただこの日の指揮の松元さんはかなり手慣れており、
どの場面でかなり高い確度で音と画面をピタリとあわせていた。

正直これには驚いた。


ただ会場ではズレて聴こえた人もいたようだけど、
その中のいくつかは、
オーケストラとホールの各座席までの距離により、
場所によっては感じなくとも、
違う場所ではズレて聴こえてしまうこともあるので、
それによる影響もあると思う。


すべての座席に同時にピタリとすべての楽器の音が届くということは、
これはもうオーケストラやコンサートホールの性質上無理なのでしかたがない。

ただそれ以外の部分、
例えば録音では編集してしまうオケのダイナミックレンジの広さ、
各楽器のマイルドな響き、
弦の厚みのある起伏と質感のともなったそれや、
打楽器群の迫力あるしっかりとした立ち上がりなど、
オーケストラを聴く醍醐味は充分堪能できたと思う。


これにはこの日の東京フィルの力も大きい。

東フィルは伝統的に舞台音楽や劇場音楽の指揮者と縁が深く、
こういうタイプのコンサートにいつもかなりの力を発揮している。

かつてあった「涼宮ハルヒの弦奏」や、
渡辺貞夫の武道館コンサートでも、
このオーケストラは見事な演奏を聴かせている。

しかもそれに加えて、
エッティンガーやバッティストーニが指揮台に立ってからは、
近年東フィルは状態がよく、
それがこの日も随所にあらわれていた。


コンサート前半は比較的音楽の無い所が多かったが、
それでもいろいろと聴きどころがあり、
この日は休憩時間を入れる関係で、
大学選抜との試合開始直前に各高校が登場し、
それを愛里寿が受けると宣言したところで前半終了となるのですが、
音楽をここではすぐに切らず、
そのまま長尺バージョンのようにアレンジされたものを続けたのは、
聴いていてじつに効果的だった。

この日は他にも映画そのままというわけではなく、
2500のキャパでフルオケが演奏するということで、
オリジナルとは若干違うアレンジが随所に施されていました。

(編成規模そのものはCDのそれが基本となってはいるようですが、
木管やブラスが前述した理由で推測のみの部分があり、
またCDにおける弦編成もわからないので確認はしてません。)


佐咲さんの挨拶や冒頭で佐咲さんによる、
「Glory Story」が歌われた関係でここまでで前半が1時間15分。


ここで休憩が約20分。


このときちょっと面白い事が目についた。

普段のクラシックコンサートだと、
女子トイレに男子のそれ以上に長蛇の列が休憩時間できるのですが、
この日は男性トイレがどの階も大行列で、
女子トイレにはまったく列ができていなかった。

いかにこの日の男性比率が高かったかを、
如実に証明した出来事でした。


後半は前半に比べ音楽がかなり増えた関係上、
聴きどころも多かった。

ただ「どんぐり小隊」のシーンで、
継続が活躍するシーンのカンテレの音が、
自分のいた場所ではオケの音にかなり埋没してしまったのが、
ちょっと残念でした。

他の場所、特に前の方ではそうでもなかったかも。

それ以外はじつによく音が届いていて、
特に遊園地のあたりからそれが顕著になっていった。

知波単やあひるとの連携シーンでの、
「待ち伏せします!」や「知波単、新たなる戦いです!」における、
打楽器の凄みのある音はやはり実演ならではというかんじでしたし、
バミューダ―アタックからの、
「劇場版・緊迫する戦況です!」での音楽や、
中央広場での戦いのシーンでの、
「冷静に落ち着いて!」あたりで使われていた音楽では、
ブラスがかなり吹きまくっていましたけど、
音がそのため濁ったり割れたりということもなく、
しっかりとしかも輝かしい響きだったのも素晴らしかった。

もっともブラスは山台を使っていることもあり、
音がスクリーンの影響を受けないよう、
気持ち下に楽器を向けながら演奏しているように感じられたものの、
(これもスクリーンの影なのではっきりと確認はできませんでしたが)
それでもトランペットの音がときおりスクリーンにぶつかって、
ちょっと音質が変わってしまったような瞬間もあるにはあったのですが、
不満に感じるというところまではいきませんでした。

PAはひじょうに自然に使用されていたようで、
ほとんど違和感を感じませんでしたが、
トランペットの音が変わったのはPAの関係だったのかも。


それにしても映画終盤の山場に向かっての音楽の高揚感はじつに素晴らしく、
これだけでもこのコンサートを聴いた価値があるとさえ思われました。

この終盤の緊迫感のあるシーン。

ひょっとしたらあまりの映像と音楽の一体感に、
生でオーケストラを聴いているという感覚がなかった人も多かったかも。

この後「piece of youth」を佐咲さんの歌唱+オケの演奏で終了。

オケがアンコールを一曲演奏したあと、
佐咲さんの歌唱でガルパンの定番二曲、
「DreamRiser」「Enter Enter MISSION!」

尚「Enter Enter MISSION!」ではスクリーンに歌詞も映し出され、
会場内の全員による歌と手拍子をともなった、
かなりの盛り上がりとなりました。

指揮者の松元さんも
「みぽりんと共演できた」
と言ってのけただけにノリノリでみんを煽っていました。

最後は聴衆全員のスタンディングオベーションで幕。

指揮者にもオーケストラにも、
そしてこの日「緊張で足が震えた」という、
ピンチヒッターの大役を担った佐咲さんのそれに対しても、
盛大な拍手と歓声が最後贈られ、
見事な大団円となりました。

尚、以前「ハルヒ」の時はオケの退場がうまくきまらず、
なんか三々五々に退場してしまったのですが、
今回はコンマスが客席に一礼後解散という、
ふだんの姿勢で解散となりました。

(この退場の仕方はコンマスが一礼後、他の楽員も一礼をするというものもありますが、これは各団によっていろいろとあるようです。)

あと舞台が暗かったのでわかりにくかったにもかかわらず、
指揮者の松元さんとカンテレのあらさんが最後の方で握手をしたとき、
それに対しての拍手が沸き上がったのも印象的で、
とにかくいろんな意味でじつに気持ちのいいコンサートでした。


終了は20時半。

休憩時間込みで三時間というものでした。


ただ個人的には今回「ガルパン」の音楽が作品に果たしている力が、
いかに大きいかをあらためと知ることにもなったこのコンサートだからこそ、
音楽を担当された浜口史郎さんにも盛大な拍手を送りたかった。

こう思ったのは自分だけではないと思う。


できれば横浜ではその願いをかなえてほしいところです。

それができないなら、
指揮者がスコアを手にもってそれを客席に向け、

「このスコア(音楽)にも拍手を」

みたいな感じの事をしてくれると嬉しいかも。

それくらいこの作品における音楽の力は素晴らしいのですから。



ここで余談ですが、
後半一部の弦楽器奏者の方たちが演奏していない時に、
画面をけっこう見入っているように見受けられました。

このときかつて「ゴジラ」(1954)の音楽を映画につける時、
当時N響がスタジオでフィルムをみながら、
作曲者の伊福部さんの指揮で演奏していたものの、
あまりの映画の面白さに楽員がついつい見入ってしまい、
演奏がどんどんズルズルと遅くなり、
ついには画面と音楽があわなくなり、
指揮していた伊福部さんが閉口してしまったという話を思い出した。

このあたり指揮者の松元さんあたりが見入ってしまうと、
もっとたいへんな事になってしまうのですが、
さすがに今回そんなことはありませんでした。

指揮台の上にも、
いろいろとそういう事にならないようなものがセットされていて、
いかにも今の時代のコンサートだなあと思ってしまいました。


それとこれは公演内容そのものには関係無いのですが、
現金決済による公演パンフレットのみの購入の列が、
開演前の販売時に信じがたい程の長さになっていた。

しかもなかなか遅々として進まない。

途中から急に早くなり、
辛うじて開演時間には間に合いました。

なんでなかなか進まなかったのか、
その理由が自分の番が近づいた時になんとなくわかりましたが、
販売ブースのキャパと販売者数の関係にこれはつきるようです。

まあこればっかりは、
いろいろと難しい問題があるにはあるのでしょう。

横浜公演に行かれる方はグッズはもちろん、
パンフだけ購入であっても早めに行かれる事をお勧めします。


そしてその横浜公演。

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パシフィコ横浜国立大ホール(公式サイトより)

指揮:栗田博文
演奏:東京フィルGuPオーケストラ
歌唱:ChouCho
カンテレ:あらひろこ

7月9日 開演 17:00
パシフィコ横浜国立大ホール


ホルンが四人になっている。大宮は見間違え?

あとは大宮と人数は同じ。

ホールが大宮よりかなり大きく、
収容人員が約5000というから大宮のほぼ倍。

NHKホールよりも千人多いというので、
本来オーケストラコンサート向きのホールではない。

それ以外のイベントとしてはいいかもしれないけど、
とにかくオケを聴くには場所によっては極めて条件が悪くなるため、
PAにかなり頼る音作りとなってしまった。

このため自分のいた三階席では、
PAから台詞も音楽も効果音も響いてきて、
なにか混然一体となってしまうことが多く、
ボコの歌などほとんど歌が聴こえなかった。

またPAの音もややきつめで、
大宮でのナチュラルな雰囲気もやや希薄だった。

大宮はホールの関係も有り、
オケは舞台からしっかり聴こえ、
台詞や効果音はPAから聞こえるという、
かなり理想的なものだったので、
こと音に関しては予想していたとはいえ、
少なくとも自分のいた所では、
大宮よりかなり聴きづらくきつめなものになっていた。

おそらく一階や二階前方では、
そのようなことはなかっただろうし、
他の所ももう少しよかったと思う。

もともとパシフィコ横浜でオーケストラを聴いた事がない…、
というよりそういう事も今までなかっただろうし、
このホールの天井の高さや横幅の広さから、
今回の編成のオケで大宮と同条件で演奏したら、
かなり貧弱なものになったことだろう。

ここでもしPAにあまり頼らない編成でやるとしたら、
今回の12型ではなくそれこそ弦は18型、
四管編成基本で、
金管を1.5倍以上増やさないとしんどいかもしれないが、
そうなると軽費もバカにならないし、
それ以上に画面と合わせるのも難しくなるので、
これはちと現実的ではない。

そのためこれはもういたしかたないといったところだろう。


というわけで自分は不本意だけど、
前半終了後帰宅してしまいました。

このため後半の内容はわかりません。


おそらく途中で帰ったのは自分くらいでしょうが、
ちよっとあの音は個人的にきついです。

それと視覚的に、
オケがやや前方にある手すりが邪魔で、
ちょっと見づらい所もありましたし、
熱中症回復間もないこともあり、
予想される帰りの大混雑も怖いものがありましたので…。


しかし横浜のトイレは大宮以上の大行列。

ちょっとキャパに対してトイレが少ないのかも。



最後に一言。

パシフィコ横浜の三階席。

最前列ではなかったのでホール内は大丈夫だったのですが、
高所恐怖症が年々酷くなっている自分には、
あの幅が狭く下が丸見えの外通路はかなり苦手。

外が見えない階段が一階まで通じていたのが救いでした。

このホール、
かつての東京芸術劇場以上に苦手かも。


以上で〆。


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