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「妖怪百物語」 [映画]

1968年3月に公開された大映の映画。

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監督:安田公義
助監督:太田昭和
脚本:吉田哲郎
撮影:竹村康和
音楽:渡辺宙明
美術:西岡善信、加藤茂
録音:大角正夫
音響効果:倉嶋暢
特撮特技監督:黒田義之

というスタッフメンバーで出演が、

大木安太郎:藤巻潤
おきく:高田美和
太吉:平泉征
お仙:坪内ミキ子
新吉:ルーキー新一
林家正蔵:林家正蔵
但馬屋利右衛門:神田隆
堀田豊前守:五味龍太郎
重助:吉田義夫
藤兵衛:水原浩一
伍平:浜村純
浪人一:伊達三郎
浪人二:山本一郎
老僧:荒木忍
浪人の妻:毛利郁子
語り手:内藤武敏

というこれまた豪華版。


これは結果的に京都大映が、
「大魔神」に続く特撮ものとしてつくった三部作の最初のもの。

二作目の「妖怪大戦争」が、
西洋の凶悪妖怪に日本の善良な妖怪が挑むという、
子供にも楽しめる対決もの、
三作目の「東海道お化け道中」が、
オーソドックスな時代劇を前面に出し、
妖怪を控えめにしたものに対し、
この一作目はまさに怪談そのものといったもので、
他の三作同様勧善懲悪がベースとなっている。


自分はこの第一作が、
一般にはいちばん人気のある「妖怪大戦争」より好きで、
けっこう昔からよく見返している。


確かにストーリーもなかなかだけど、
出演者がいい。

特に悪徳奉行を演じている、
五味龍太郎さんは最高で
ラストの妖怪相手の大立ち回りは、
このひとじゃなければできないというくらい、
かなりものすごいことになっている。

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※ここではその照明が素晴らしい。

ときおり、
まわりの妖怪がタジタジしているくらい、
その狂気にみちた振り回しは素晴らしく、
憔悴した表情とあいまって、
このひとじゃなければ成り立たないというくらい、
最高の演技をみせてくれている。

さすが大映を代表する役者さんのひとりです。

他にも、神田隆さんや伊達三郎さん、
吉田義夫さんに水原浩一さん、
浜村純さんに山本一郎さんと、
脇にもおなじみの顔がズラリと揃っていて、
これもまたなかなか壮観。


因みに「お化け道中」では、
上記した五味、伊達、山本の三氏に、
戸浦六宏さんと上野山功一さんが揃うという、
ファンにはたまらないことになっています。



また当時8代目林家正蔵を名乗っていた、
林家彦六師匠の話芸も一部みられる。

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そして当時お笑いで人気のあった、
ルーキー新一さんがいい味をみせてくれている。

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さらには「シン・ゴジラ」で
里見内閣総理大臣臨時代理を演じられていた平泉成さん。

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その平泉さんが平泉征名義で出演されている。

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若き日の平泉さん。当時23才。

とにかくいろいろと見どころ満点で、
ぜひ機会があったらみていただきたい作品です。

特にラストの百鬼夜行。

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これは次作「妖怪大戦争」でさらに昇華されたものとなっていく。


そしてなんといっても特技監督の黒田さんの感覚がとても素晴らしく、
特に照明を活かし江戸時代の怪談風味満点のそれは、
とても半世紀近く前のものとは思えないくらいです。

特撮の監督というと、
円谷英二さんや有川貞昌さん、
湯浅憲明さんや中野昭慶さん、
川北紘一さんや樋口真嗣さんとなるけど、
黒田義之さんもその中に入る名監督だと思います。


尚、この作品では上記したようにルーキー新一さんが出ているが、
「妖怪大戦争」では若井はんじ・けんじ、
「お化け道中」では島田洋介・今喜多代、が、
それぞれ短いながらも出演し、その持ち味をだしている。

これもまた各作品の見どころのひとつとなっています。
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