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ピート・ローズの思い出 [スポーツ]

自分がいちばんMLBをよくみていたのは、
フジテレビがMLBを録画ではあるけど、
ワールドシリーズやオールスターゲームはもちろん、
レギュラーシーズンも毎週放送してくれていた頃だった。

特に1977年のワールドシリーズにおける、
レジー・ジャソンの一試合3ホーマーは強烈な印象として残ったものだった。

だけど当時のMLBは、
それにもかかわらずそんなに話題にはなっていなかった。

ベーブ・ルースの本塁打通算記録を破り日本でもニュースとなり、、
1974年には巨人の王選手とのホームラン競争のため来日してくれた、
あのハンク・アーロンが1976年に引退していたため、
彼のように一般にまで知られるような選手がいなかったからだ。

ノーラン・ライアンやルー・ブロックという、
偉大な選手もいたけどやはりアーロンほどの知名度はなかった。


ピート・ローズもそうだった。

当時ローズは「チャーリー・ハッスル(Charlie Hustle)」とよばれ、
安打製造機としてヒットを打ちまくっただけでなく、
その全力プレーでチームを鼓舞しファンを魅了し熱狂させた。

特に彼がヒットを打ち一塁をまわり二塁に向かいそうになると、
球場全体にどよめきが走った。

それは彼のトレードマークである、
ヘルメットを飛ばして二塁に飛び込むヘッドスライディングは、
迫力と美しさを兼ね備えた芸術品だったからだ。

1970年代後半は首位打者になることもなく、
また最多安打もほとんど記録することはなかったけど、
それでも78年には44試合連続ヒットや、
通算三千本を達成するなどして、
全米では最高のスーパースターのひとりだった。

また安打製造機というがパンチ力もかなりあり、
あの独特のクラウチングスタイルから、
一試合三ホーマーをやったこともある。

にもかかわらす、
ローズの日本での知名度は今一つだった。

もっともそれは78年の夏頃までのこと。

この年のオフに、
「ビッグレッドマシーンがやって来る」
みたいなかんじのそれで次第に一般にも注目されはじめ、
来日前にはスーパースターの地力を見事に発揮し、
じゅうぶんなほどの話題をふりまいていた。

(シーバー、ベンチ、フォスターというスーパースターも来日してましたが)

当時のレッズ来日の宣伝ポスターが、
ローズがメインということがさらにそれをプラスしていたと思います。

このときのことは以前ここにも書いてます。
http://orch.blog.so-net.ne.jp/2007-11-06

このときのローズはとにかく全力。

日米野球にあまり興味がなく来日しなかったり、
しても片手間にやる選手が多かった時代に、
(それでも充分対応できるくらい当時の日本のレベルは高くなかった)
彼はとにかく人一倍日本で全力でプレーしてくれていた。

このため他の選手にもそれが波及していった。


そして翌79年にもMLBのオールスターチームの一人として再来日、
今度はユニフォームがフィリーズに変わっていたが、
外野守備でもあいかわらずの全力プレーで、
少し緩んでいたMLBチームの雰囲気を一気に高めてくれていた。

またオフもイベントに参加しサインや写真撮影も応じていたし、
さらには広島の日本シリーズをみに来場、
アメリカとぜんぜん違うその雰囲気をじつに楽しそうに堪能していった。


当時MLBからみれば、
はるかに格下にみえていた日本野球なのに、
彼だけはそんなことおかまいなしに、
自らのベストプレーを全力で見せてくれていった。

37才から38才にかけてというから、
当時の日本の感覚では引退がささやかれてもおかしくない年齢だったが、
ほんとうにそんなことを微塵も感じさせないプレーの連続だった。

(79年は途中で少し怪我をしてしまいましたが…)

そこに自分はMLBのスター選手としての、
プライドをみせてもらったような気がしたものでした。


あれ以来自分にとってピート・ローズは、
憧れの選手というだけでは片づけられない、
ちよっと特別な存在の選手となっている。

その後不祥事で球界から永久追放を受けていてもです。


そんな彼が最近イチローの記録で大人気ないコメントを出していると、
そういう報道がつたわっている。


ローズはプライドの塊のような人だし、
ちょっと朝青龍のようなやんちゃな所もあるので、
下手なインタビューをしたらああいう答え方をされるのは、
火をみるより明らかだった。

特に日本のインタビューは、
はたして彼へのリスペクトが充分あったかどうかすら疑問だったので、
さらにつれない返事がそこで発信されていたのかもしれない。


たしかにローズの現役時代の日本野球はそうだったし、
今でも日本の選手がなんでMLBにやってくるのかという、
その理由の根底を考えていけば、
ローズの発言もあながち大間違いとはいえないものがある。


だが他の選手からみれば異例とも思えるほどの、
日本での彼の全力プレーをみていた自分としては、
それらの発言意外にも、
何かイチローの今回の記録や日本の野球のことに、
思うことがあるような気がしてならない。


だけどとにかく今はこういう否定的とも大人気ないともいえる内容のみが、
こちらには伝わってきているのが現状だ。

ぜひ彼の本音というか、
まだ語っていないことを感情的な部分を一度取り払った状況で、
しっかりと聞いてみたいものです。


再来年(2018)は彼が選手として初来日して40年。

それまでに誰か彼をリスペクトしてくれてるい人が、
ちゃんと話を聞いてくれないかなあ。
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阿伊沢萬

なんか最近ローズに対するネガティブキャンペーンみたいな雰囲気が多くて憤ってます。ローズによってMLBの素晴らしさを開眼させてもらった自分にとっては、ちょっとこの雰囲気に一言も二言も言いたい気持ちでいっぱいです。

ハムサブロー 様、いつもnice! ありがとうございます。
by 阿伊沢萬 (2016-07-02 12:11) 

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