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ベニー・カーターの思い出 [JAZZ]

ベニー・カーター(1907-2003)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC


「キング」とまでよばれた往年のジャズの巨人だ。


バード出現以前は、
ジョニー・ホッジスやウィリー・スミスと並んで三大アルト奏者といわれただけでなく、
作曲や編曲にも才を発揮し、
リーダーとしてもソリストとしても卓越した人だった。


だがその知名度はあまりその実力に比して高くなく、
いくつかの日本公演ではけっこうな空席も出たときもあった。

だけど個人的にはカーターのソロやその率いるグループには、
つねに安定したそして決して期待を裏切ることの無い水準の高い演奏を行うことで、
圧倒的な信頼をそこに感じていました。


自分はカーターを三度、
1987-1989年まで三年連続で聴くことができたが、
その昔の録音とかわらない瑞々しいサックスの音、
味わいのあるトランペット、
その明るく大きく張りのある声、
とても80才を超えているとは思えないものがありました。


そんなカーターのアルバムで自分のお気に入りというと、
1977年に来日したときのアルバム。

BC.jpg
『Live and Well in Japan!』

(曲目)
1. Squatty Roo
2. Tribute to Louis Armstrong
(When It's Sleepy Time Down South - Cofessin' That I Love You - When You're Smiling)
3. Them There Eyes
4. It Don't Mean a Thing (If It Ain't Got That Swing)

(メンバー)
Benny Carter (as, tp)
Cat Anderson (tp)
Joe Newman (tp)
Britt Woodman (tb)
Budd Johnson (ts)
Cecil Paine (bs, fl)
Nat Pierce (p)
Mundell Lowe (g)
George Duvivier (b)
Harold Jones (ds).

1977年4月29日新宿厚生年金会館におけるライブ。


ビッグバンドではないがコンボでもない。

いわゆるデクテット編成によるもので、
ちょっとマーティ・ペイチのそれを思い起こさせるものがある。

ただメンバーが凄い…というか強者揃い。

二人のトランぺッターはそのまま翌年のライオネル・ハンプトンのバンドで、
カーネギーホールを熱狂させたそれで、
ここではそのときのような熱狂的なプレイではないものの、
熱くそれでいてリラックスした素晴らしいプレイがここでは聴かれる。

他にも1987年にもカーターとともに来日したウッドマンやペイン。
そしてカーターと相性抜群のベース、デュヴィヴィエ。

バッド・ジョンソン、マンデル・ロウ、ナット・ビアース
さらにベイシー楽団の名ドラマー、ハロルド・ジョーンズ。

当時二度とのぞめないメンバーによる来日といわれたが、
確かにこのメンバーは凄い。

もっとも1979年の来日メンバーもピアノがレイ・ブライアント、
トロンボーンがジミー・クリーブランド、
ギターのかわりにヴァイオリンのジョー・ケネディという具合で、
これもまた強烈なメンバーでの来日となっている。


そんな77年の来日公演のそれが自分はとにかく気に入っている。

できればコンプリートで出してほしいところだが、
現在コンプリートどころかこのアルバムそのものが入手困難だという。

そういえば同年モントルーで行われたクワルテットによるライブも、
あまり最近みかけない。

これもまたカーターの至芸を味わえる名盤なだけにこれも残念。

このあたりもぜひ潤沢に購入できるようにしてほしいところです。


因みに自分は偶然カーターを間近でみかけたことがある。

三度目の来日時、交通渋滞により来場が遅れ、
入場を待つ自分を含めた大勢の人たちの間を縫って、
悠々と正面から会場に入ろうとしたときだった。

当然一斉まわりから歓声と拍手が起こったが、
そのとき自分のそばまで来たとき顔見知りの人がいたのだろうか、
立ち止まり大きな声でその人と何か笑顔で声をかけあった。

そのときカーターは自分と同じくらいの身長(175㎝)にみえたのですが、
頭がとにかくでかい!

自分の倍あるんじゃないかというくらいでかくみえた。
ただ全体がでかいというわけではなく前後に大きいというそれはかんじだった。

カーターは存在そのものもでかいが頭もでかい。

それが自分が身近でみたカーターの印象。


なんか最後しょうもない思い出話で終わって恐縮ですが、
となかくいろんな意味でベニー・カーターは自分にとって大きな存在でした。


今年(2015)は彼の十三回忌ということでカーターの話をひとつでした。


〆です。

尚、1980年にもカーターは第一回オーレックス・ジャズフェスティバルに、
来日中止となったジョージ・ベンソンの代わりにクインテットで来日したが、
そのライブ盤もやはり入手困難とか。

メンバーは、

Benny Carter (as)
Harry "Sweets" Edison (tp)
Teddy Wilson (p)
Milt Hinton (b)
Shelly Manne (ds)

なんとかしてほしいなあ。
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