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OVA「ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です!」を観て。 [ガールズ&パンツァー関係]

00004.jpg
http://www.movic.jp/info/girls-und-panzer-ova/
(公式サイト)

来る7/25に発売されるOVAを、
三週間ほど速く先行して劇場公開するというのが今回のこれ。

最初TV版と同じ二十数分程度のものかと思ってたけど、
実際はそれよりも十分以上長い、
幾分長尺なものとなっている。

内容はとにかく明るく能天気というのがひとつのキーワードで、
それにのったじつに屈託のない話となっている。

あと戦車を動かすことに命かけたかのようなつくりで、
正直それで力尽きたようなシーンもあるような気がしたけど、
あそこまでやれば誰も文句は言わないだろう。

また本編の伏線の派生もここではいくつか施されており、
伏線の回収ともどもこの作品のひとつの見どころとなっている。

とにかくけっこう密度の濃い、
じっさいの時間以上のものを盛り込んでいるような、
そんな満足感や充実感もある出来となっています。

ただそれ以上にあの動きは自宅でみるのもいいですが、
大きなスクリーンでみるのもまたなかなかという気がします。



というわけでここからはネタバレなので、
読みたくない方はここで終了をお願いします。



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以下ネタバレ。



作品はとにかく雲ひとつない青空のような、
細かいことにはまったくこだわらない、
…というか野放図というか天真爛漫というか天衣無縫というか、
そんなアンツィオ高校の魅力が横溢したものとなっている。

もう戦車道も学校も、
そして人生そのものも、
お金が無くてもまずは楽しまなければという、
そういう雰囲気がめいっぱい感じられる学校として、
アンツィオ高校は描かれている。

特に「食」に関してはそれが突出していて、
ある意味、華さん向きの学校といえるかもしれません。

そんな学校だけに、
正直試合内容も勢いはあるけど、
やることなすこと大雑把で穴だらけ、
すべて「最後はなんとかなるさ」みたいな、
そんなかんじで試合も進んでいく。

ただ選手の運動量が半端じゃない。
だからあれだけ食にこだわるのかというくらい、
とにかくみんな走るし動く。

考えるより先に、もう走っているという、
そんな感じで全員が動いている。

それだけに試合のスピード感と動きは半端じゃない。

しかも無駄な動きも派手にあるため、
テレビアニメとしては近年まれにみるくらい動いている。

正直これをかつての宮崎アニメの正統的な後継作品といわれても、
なんか納得させられてしまうほどにそれはある。

また大洗の練習風景でもその無駄な走りをしている車両があり、
それがまたとんでもないくらい画面狭しと走り回っている。

絶対テレビアニメの制作スケジュールでは無理というくらい、
とにかく過去の全話の中でもいちばん激しく戦車が走ってるのが、
この話というかんじになっている。

ただこの話はそれだけでなく、
ふだんの日常の姿もうまく織り込まれている。

今回は歴女チームのカエサルさんとその友人との話が、
うまく話しに持ち込まれていて、
それが本編のラストシーンで、
大洗の車両が四台だけしかいないという、
あのシーンへとつながっていくところは、
なかなか綺麗なまとまりをみせている。

またそのカエサルさんの装填シーンにでてくる大洗の街の風景も、
背の高いビルとかがあまり無い街の雰囲気がよく感じられ、
この街と製作者の間に濃い結びつきが感じられるところが、
なんとなく嬉しく感じられた。

GP.jpg
(予告編より)

あとアンツィオといえばP-40ということで、
「はじめてみた」といわれるように、
じっさいつくられた数が少ない戦車らしいのですが、
後にドイツに徴用され使用されたのがアンツィオ戦。

それを思うとこの作品における、
この「アンツィオ高校」という名前の設定。

これ戦車が決まってから高校の名前が決まったのかなと、
ちょっとそんなことを思ったりしたものでした。


そしてラストで描かれたオチもまたらしいといえばらしいもので、
これには劇場でも笑いがおきてました。

ただそれ以上に、
「アンツィオ高校はいい学校」という声が、
終演後会場のあちこちから聞かれていたのが印象的で、
個人的にはちょっと「アニマルハウス」を思わせるところもあるけど、
「アニマルハウス」もちょっと羨ましい部分もあっただけに、
いい学校というより、
全員がナチュラルな意味でひとつにまとまっている羨ましい学校、
そんな感じが自分にはしました。

とにかくそんなわけで負けはしたものの、
全体的に徹頭徹尾アンツィオ高校ペースで進められた作品、
とそんなかんじがした作品でした。

ただそれだけに食事のシーンで、
二か所ほど絵の動きが無かった所があったのでそれが余計目立ってしまった。

あれははたして演出上のものか、
それとも食事をつくる等のノウハウが製作者に戦車ほどのそれが無かったのか、
もしくは戦車を動かし過ぎてここで力尽きたのかは分かりませんが、
そこだけは戦車が動きまくっていただけに、
なんか妙に浮いたように感じられてしまいました。

もっとも動かなければダメという部分でもないだけに、
このあたりは見た人の感覚次第なのかもしれません。

あと声優さんですが、
以前みたビデオにおける再収録時のそれで、
本放送収録時のそれに比べると、
手慣れたかんじにはなっているが
勢いというか新鮮さがやや後退したように感じられ、
今回それをちょっと危惧したのですが、
幸いここではそういう感覚はほとんど無く、
そういう意味でTVでの本放送を観ていたときと、
ほぼ同じ感覚で楽しむことができました。

とにかく個人的には充分すぎるほど楽しめた作品でした。

因みに来たるべき劇場版の予告と、
新キャラのお披露目等もありましたが、
肝心の公開時期等にはまったく触れられていないことから、
おそらく公開は早くて来年、
それも夏か秋のあんこう祭あたりになりそうな気がしますが、
ひょっとすると水島監督の艾年記念作品になるかもしれません。

まあこのあたりは今秋あたりには目途がついてくるのではないでしょうか。


とにかくまだまだガルパンのそれは続きそうです。

それにしても映画館は満員御礼でした。
大洗に映画館(とバッティングセンター)が無いのが残念です。

あと余談ですが、
劇中「フニクリ・フニクラ」が使用されてましたが、
130年ほど前、
この曲をたんなる民謡と勘違いして自作の曲に使用、
その後演奏されるたびに多額の著作権料を作曲者に支払うという、
そういう作曲家がいたことを観てて思い出してしまいました。
https://www.youtube.com/watch?v=Ka45ZKye1pE

以上で〆です。
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