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昔のジャズもカッコいい。 [JAZZ]

というタイトルですが、
じつは最近1920年代頃のジャズの録音を聴くと、
正直かなりスピーディーなものを感じることが多い。

キング・オリバー、フレディ・ケパード、ルイ・アームストロング、ジャボ・スミス…。

なんというのだろう、とてもスピード感があり、それでスマートで、
けっこう鋭角的な攻撃的ともいえるサウンドに聴こえてくるものが多い。

ようするに自分たちは時代の先端を行っているのだという、
そういう自負がそのままカッコよさに繋がっているような、
そんな感じがするのです。

これはマイルスやコルトレーン、
さらには一時のバードやブレイキーにも感じられるもので、
時代を切り開いていくという勢いみたなものが、
そういうものを感じさせているのかもしれない。


1923年にキング・オリヴァーの録音したものなどは、
たしかルイ・アームストロングの初の録音でもあったと思うが、
なんとも愉しさの中にもほどよい爽快感と緊張感が感じられるものとなっていた。

そしてフレディ・ケパードが1926年録音したこれ。
https://www.youtube.com/watch?v=ZJDAWEqqbDE
スタイルは古いがこれもじつに颯爽としたかんじの演奏だ。

さらにジャボ・スミスのこれ。
https://www.youtube.com/watch?v=VPnk26r-V0s

確か1929年の録音のはずですが、
これなど今聴いても全然もたれた感じがしない。

そしてこれらの録音がされたころ、
あのガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」が1924年にでてきた。
https://www.youtube.com/watch?v=NIr_WPcVDt8

因みにそれより以前、
かのストラヴィンスキーがアンセルメによって影響を受けたジャズはラグタイムで、
それは1918年の「11楽器のためのラグタイム」となってあらわれた。
http://www.youtube.com/watch?v=QLwqVJ-owtg

ところでこのストラヴィンスキーの曲や最初のキング・オリヴァーの録音を聴くと、
ジャズにはまだアンサンブル重視でソロへの概念がまだそれほど明確ではない。

だが1924年のガーシュウィンのそれがヒットして以降、
ルイ・アームストロングがフレッチャー・ヘンダーソンの所に行った時期でもあるが、
そのあたりから次第にソロに対して次第にその感覚が変わっていくことになる。

このへんはルイの独創性が先なのか、
それともガーシュウィンのもち込んだクラシックにおけるソロの概念が先かは分からないが、
これ以降ジャズはアンサンブルのカッコよさからソロのカッコよさ、
つまり集団から個のそれがクローズアップされていくことになり、
それがオーケストラからコンボへの時代と移っていくことになる。

もっともそれがより明確になるのはスイングの時代が終わり、
バップ全盛となる1940年代後半以降の話となってくる。

でもその間ひとつ変わらないのは、
とにかくジャズはカッコいい音楽だったということだ。

マイルス出現以前はもちろん、
ルイがシカゴに出てくるより前から、
ジャズは当時のアメリカにおける新しい、
それこそピッカピカのカッコいい音楽だったのだ。

そういえばかつて日本ではトスカニーニの指揮したガーシュウィンが、
面白みがなく速すぎのダメ演奏みたいな言われ方をされていたことがあったが、
あの演奏はじつはガーシュウィンが監修した演奏とよく似たテンポではじめられており、
しかもかなりシンフォニックでカッコいい演奏で、
ガーシュウィンのそれに似たかなり辛口の演奏だった。

それを思うとかつての日本人の一部のそれは、
ジャズをノスタルジックなものとしてモダン以前のものを捉えていたのに対し、
トスカニーニはあまりガーシュウィンを理解してはいなかったものの、
ジャズのカッコよさというものを本能的に掴んでいたということでは、
むしろかつての一部の日本人のそれよりは、
はるかにジャズの核心を理解していたといえるかもしれない。

ちょっと話があちこちにとんだけど、
とにかくジャズって昔からカッコいい音楽だったんだなあと、
特に最近強く思うようになった次第です。


しかしそうなるとバディ・ボールデンがどんな演奏をしていたのか、
ぜひ聴いてみたかったものです。
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