大洗初日の出の巻(2014) [大洗とその周辺 (oarai)]
2013年は深夜早朝の北鎌倉~鎌倉幽玄の旅だったが、
2014年はとにかく水平線からあがる初日の出をみたいということで、
初めて大晦日に誰も自宅にいないということもあり大洗へでかけることにした。
大晦日に冬コミに行った後帰宅、
夜9時過ぎ年越しそばを食べた後家を出る。
上野23:12発の快速勝田行きに乗車。
途中佐貫駅で新年を電車の中で迎える。
けっこうわびしい。
水戸に着いたのは1:03。
ここから南口に出て大洗まで深夜強行軍となる。
深夜の水戸駅。
駅を背にして直進、駅南中央交差点で左折。
途中、城南にある吉野家で夜食をとる。その後東桜川の交差点で右折。
まったく人通りが無いが、深夜の割に車が大洗方向に向かっている。
だがここからが大誤算。
水浜街道が真っ暗闇というのはわかっていたが、
肝心の51号もかなり暗い。
ところどころ足場が暗くて危険なところもあったが、
持参した小型の懐中電灯が役にたった。
ただ途中何も無いというわけではなく、
コンビニも数か所あるし、
こことガソリンスタンドは明るさが充分あった。
面白かったのは塩崎交差点角のマクドナルド。
水戸駅から15分ほどのところにあった吉野家は閑散としていたが、
ここのマックは満員御礼。
おそらく夜明けが近くなってから大洗に車で向かおうという人たちの、
キャンプ兼溜り場のようだ。
塩崎を通りしばらくして2号沿いに左折。
ここでなぜか交通規制がかかっていた。
しばらく歩くと道路の中央でバイクが横転、車の前方部が損傷という、
完全に交通事故状態の現場にでっくわした。
そういえばここに来る前、
山手線新宿駅で人身事故があり山手線が止まっていた。
年末年始といえども事故はまったく容赦ない。
こうして大洗に到着。時刻は午前三時半過ぎ。
ほぼ二時間で到着した。
もちろんこんな無謀行為は自分ひとりでした。
過去二回の水戸~大洗道中でも、
同じようなことをしている人をみかけてないので、
今回も当然自分だけだろうと思っていました。
ただこの上野発勝田行の終電で水戸で降りた人はそこそこいたので、
ひょっとすると車で大洗に向かった方はいたかもしれません。
到着すると大洗はじつに静かでした。
もうひたすら街全体が眠りについているといったかんじで、
ガルパン疲れを癒しているかのようにすら感じられました。
ほんとはもっと写真をとりたかったけど、
最初の一枚を撮った時シャッター音が街全体に響き渡ってびっくり。
そんなに大きな音ではないのに、
とにかくまわりがおっそろしく静かだったのでこのようなことになったようです。
このため街の写真はこの一枚のみです。
夜中に音をたてて申し訳ありませんでした。
しばらくすると酒屋さんらしき所が開いていた。
夜中の参拝客用に開けられているのだろう。
こうしてみるとほんとうに以前みたときと風景が違う。
昨年の北鎌倉とはまた違った静止感と静寂感でした。
このあとようやく大洗磯前神社に四時前に着く。
大洗ホテル前の大鳥居前で車が長蛇の列を成していた。駐車場満杯か。
ここは初詣の時間によっては参拝者の列が階段下まで繋がるのですが、
さすがにこの時間境内はガラガラ。
ただ警察の警備の方たちが朝の混雑に備えて集合しはじめていた。
このときの境内の様子。
初詣をしたあと、海に向かう。
とにかく真っ暗闇で波の音しか聴こえないという状態。
まだ人もまばらで場所取りもスムース。
すでにカメラを鳥居越しの初日の出をとらえるためにセットしていた人もいた。
こまとき気温は冷蔵庫以下という厳しい状況。
かなり厚着をし、ホカロンもいくつも添付していたが、
この底冷えはすさまじいものがあった。
寒さをまぎらわすために音楽を聴く。
今年没後60年のクレメンス・クラウス指揮のワルツやポルカ。
なんとも明るくあたたかい音楽で少し気持ちがあたたまる。
そして朝6時近く「美しく青きドナウ」のあの冒頭の弦のトレモロをが聴こえてきたとき、
ちょうど水平線が明るくなりはじめ、まわりもゆっくりと明るくなりはじめた。
このときなぜか涙がでてきそうになってしまった。
「ドナウ」って本当はこういう曲なのかなと、ふとそう思ったものでした。
まもなく水平線が赤く染まりはじめた。
この六時頃を境に少しずつ人の増え方が多くなってきた。
六時半にはもうかなりの人だかりでいい場所で観るのも一苦労状態。
水戸からの一番電車が6:10に大洗到着し、
それとの乗り継ぎバスが現地に着いたためだろう。
あと自分はいかなかったけど、
大洗町観光情報センターによる「はまぐり汁」の配布を受けた方たちも、
おそらく合流してきていると思う。
後ろで「パンツァー…」の掛け声が聞こえた。
なんか場違いでちょっと恥ずかしい気もするけど、
度を越したかんじもしないので個人的にはそれ以上は気にならない。
というよりも…どんどん明るくなってくるこの光景の方に気持ちがおもいっきり傾いていく。
6:49が日ノ出の時刻。だけどなかなか太陽が出てこない。
そのとき海岸沿いの小高い岩場にいた人たちから歓声があがる。
(写真の左側にみえるそれ)
そしてついに初日の出となりました。
あまりの見事さにまわりからも歓声が沸きあがる。
「大洗町初日の出一番太鼓」の太鼓の音もじつに心地よいし
軽い高揚感さえ覚えました。。
泣いたよ~なんか泣けた。
そりゃ徹夜で水戸から大洗まで歩き、
最後は氷点下まで下がった中でガタガタ震えながら待ってたのだから、
感無量になってしまったのは無理からぬこと。
それにしても半世紀以上生きて、初めて水平線からあがる初日の出をみた。
しかも圧倒的にみえるんですよ。ここの日の出は。
(私のボロ携帯の写真ではそうは見えないのですが…)。
なんかこれだけでも世界遺産にしてもいいと思ってしまいました。
神社の神主さんたちの祈祷もすみ、目出度くご来光となりました。
ももがーさんの看板といっしょに記念撮影の図。
ただ看板の彼女にも初日の出をみせてあげたのかちょっと気になりました。
帰りに再び磯前神社の鳥居前。
列は鳥居の下まで伸びてました。
このあと早々に帰路に着く。
ほんとは新年の街をゆっくりと観て歩きたかったけど、
完全に身体が冷えてしまってもうどしようもない。
寒さからくる耳の痛みや全身の震えは、
太陽の光が強くなるにつれ収まったものの、
つま先や腕から肩にかけての冷えがなかなか収まらない。
このままだと風邪をひいてしまいそうなので、
今回はこのまま潔く帰路につく。
7:55発の鹿島臨海鉄道の水戸行に大洗から乗る。
帰りはさすがに列車です。
因みにこのとき乗った列車の一両目はガルパン列車。
水戸に着くとそのままJRのホームにとまっていた水戸8:18発の上野行きに乗車。
発車と同時に睡魔に襲われそのまま熟睡。
終点まで行くので乗り越し無しという安ど感もあったのだろう。
乗り換え等で横浜に11時に着く。
直後根府川付近の強風で東海道線下りが運行見合わせとなった。
初詣の各地の混雑がさらに激化しないかとちょっと心配。
ところで24時間前、自分はこの時間まだ有明にいた。
それを考えるとほんとは大疲労大会のはずなのですが、
列車の中で仮眠をとったことと、
あの初日の出の興奮のせいで疲れがかなりすっ飛びました。
来年もまた大洗で初日の出を観たいところですが、
水戸から大洗まで深夜に行く行程と、
放射冷却大爆発の中、海で日の出を待つ時間があまりにもヘビー。
残念ながら自分は今年が最初で最後になりそうです。
以上です。
今回の夜間徒歩行程。
(A)が水戸駅、(B)が大洗磯前神社前。
これは、大船駅~北鎌倉駅~鶴岡八幡宮~鎌倉駅~由比ヶ浜商店街~長谷駅~稲村ケ崎~七里ヶ浜~小動岬~東浜海水浴場~江ノ島、を歩いたのとほぼ同じ距離で、13~14キロくらいの行程です。
というわけでおそくなりましたが
2014年はとにかく水平線からあがる初日の出をみたいということで、
初めて大晦日に誰も自宅にいないということもあり大洗へでかけることにした。
大晦日に冬コミに行った後帰宅、
夜9時過ぎ年越しそばを食べた後家を出る。
上野23:12発の快速勝田行きに乗車。
途中佐貫駅で新年を電車の中で迎える。
けっこうわびしい。
水戸に着いたのは1:03。
ここから南口に出て大洗まで深夜強行軍となる。
深夜の水戸駅。
駅を背にして直進、駅南中央交差点で左折。
途中、城南にある吉野家で夜食をとる。その後東桜川の交差点で右折。
まったく人通りが無いが、深夜の割に車が大洗方向に向かっている。
だがここからが大誤算。
水浜街道が真っ暗闇というのはわかっていたが、
肝心の51号もかなり暗い。
ところどころ足場が暗くて危険なところもあったが、
持参した小型の懐中電灯が役にたった。
ただ途中何も無いというわけではなく、
コンビニも数か所あるし、
こことガソリンスタンドは明るさが充分あった。
面白かったのは塩崎交差点角のマクドナルド。
水戸駅から15分ほどのところにあった吉野家は閑散としていたが、
ここのマックは満員御礼。
おそらく夜明けが近くなってから大洗に車で向かおうという人たちの、
キャンプ兼溜り場のようだ。
塩崎を通りしばらくして2号沿いに左折。
ここでなぜか交通規制がかかっていた。
しばらく歩くと道路の中央でバイクが横転、車の前方部が損傷という、
完全に交通事故状態の現場にでっくわした。
そういえばここに来る前、
山手線新宿駅で人身事故があり山手線が止まっていた。
年末年始といえども事故はまったく容赦ない。
こうして大洗に到着。時刻は午前三時半過ぎ。
ほぼ二時間で到着した。
もちろんこんな無謀行為は自分ひとりでした。
過去二回の水戸~大洗道中でも、
同じようなことをしている人をみかけてないので、
今回も当然自分だけだろうと思っていました。
ただこの上野発勝田行の終電で水戸で降りた人はそこそこいたので、
ひょっとすると車で大洗に向かった方はいたかもしれません。
到着すると大洗はじつに静かでした。
もうひたすら街全体が眠りについているといったかんじで、
ガルパン疲れを癒しているかのようにすら感じられました。
ほんとはもっと写真をとりたかったけど、
最初の一枚を撮った時シャッター音が街全体に響き渡ってびっくり。
そんなに大きな音ではないのに、
とにかくまわりがおっそろしく静かだったのでこのようなことになったようです。
このため街の写真はこの一枚のみです。
夜中に音をたてて申し訳ありませんでした。
しばらくすると酒屋さんらしき所が開いていた。
夜中の参拝客用に開けられているのだろう。
こうしてみるとほんとうに以前みたときと風景が違う。
昨年の北鎌倉とはまた違った静止感と静寂感でした。
このあとようやく大洗磯前神社に四時前に着く。
大洗ホテル前の大鳥居前で車が長蛇の列を成していた。駐車場満杯か。
ここは初詣の時間によっては参拝者の列が階段下まで繋がるのですが、
さすがにこの時間境内はガラガラ。
ただ警察の警備の方たちが朝の混雑に備えて集合しはじめていた。
このときの境内の様子。
初詣をしたあと、海に向かう。
とにかく真っ暗闇で波の音しか聴こえないという状態。
まだ人もまばらで場所取りもスムース。
すでにカメラを鳥居越しの初日の出をとらえるためにセットしていた人もいた。
こまとき気温は冷蔵庫以下という厳しい状況。
かなり厚着をし、ホカロンもいくつも添付していたが、
この底冷えはすさまじいものがあった。
寒さをまぎらわすために音楽を聴く。
今年没後60年のクレメンス・クラウス指揮のワルツやポルカ。
なんとも明るくあたたかい音楽で少し気持ちがあたたまる。
そして朝6時近く「美しく青きドナウ」のあの冒頭の弦のトレモロをが聴こえてきたとき、
ちょうど水平線が明るくなりはじめ、まわりもゆっくりと明るくなりはじめた。
このときなぜか涙がでてきそうになってしまった。
「ドナウ」って本当はこういう曲なのかなと、ふとそう思ったものでした。
まもなく水平線が赤く染まりはじめた。
この六時頃を境に少しずつ人の増え方が多くなってきた。
六時半にはもうかなりの人だかりでいい場所で観るのも一苦労状態。
水戸からの一番電車が6:10に大洗到着し、
それとの乗り継ぎバスが現地に着いたためだろう。
あと自分はいかなかったけど、
大洗町観光情報センターによる「はまぐり汁」の配布を受けた方たちも、
おそらく合流してきていると思う。
後ろで「パンツァー…」の掛け声が聞こえた。
なんか場違いでちょっと恥ずかしい気もするけど、
度を越したかんじもしないので個人的にはそれ以上は気にならない。
というよりも…どんどん明るくなってくるこの光景の方に気持ちがおもいっきり傾いていく。
6:49が日ノ出の時刻。だけどなかなか太陽が出てこない。
そのとき海岸沿いの小高い岩場にいた人たちから歓声があがる。
(写真の左側にみえるそれ)
そしてついに初日の出となりました。
あまりの見事さにまわりからも歓声が沸きあがる。
「大洗町初日の出一番太鼓」の太鼓の音もじつに心地よいし
軽い高揚感さえ覚えました。。
泣いたよ~なんか泣けた。
そりゃ徹夜で水戸から大洗まで歩き、
最後は氷点下まで下がった中でガタガタ震えながら待ってたのだから、
感無量になってしまったのは無理からぬこと。
それにしても半世紀以上生きて、初めて水平線からあがる初日の出をみた。
しかも圧倒的にみえるんですよ。ここの日の出は。
(私のボロ携帯の写真ではそうは見えないのですが…)。
なんかこれだけでも世界遺産にしてもいいと思ってしまいました。
神社の神主さんたちの祈祷もすみ、目出度くご来光となりました。
ももがーさんの看板といっしょに記念撮影の図。
ただ看板の彼女にも初日の出をみせてあげたのかちょっと気になりました。
帰りに再び磯前神社の鳥居前。
列は鳥居の下まで伸びてました。
このあと早々に帰路に着く。
ほんとは新年の街をゆっくりと観て歩きたかったけど、
完全に身体が冷えてしまってもうどしようもない。
寒さからくる耳の痛みや全身の震えは、
太陽の光が強くなるにつれ収まったものの、
つま先や腕から肩にかけての冷えがなかなか収まらない。
このままだと風邪をひいてしまいそうなので、
今回はこのまま潔く帰路につく。
7:55発の鹿島臨海鉄道の水戸行に大洗から乗る。
帰りはさすがに列車です。
因みにこのとき乗った列車の一両目はガルパン列車。
水戸に着くとそのままJRのホームにとまっていた水戸8:18発の上野行きに乗車。
発車と同時に睡魔に襲われそのまま熟睡。
終点まで行くので乗り越し無しという安ど感もあったのだろう。
乗り換え等で横浜に11時に着く。
直後根府川付近の強風で東海道線下りが運行見合わせとなった。
初詣の各地の混雑がさらに激化しないかとちょっと心配。
ところで24時間前、自分はこの時間まだ有明にいた。
それを考えるとほんとは大疲労大会のはずなのですが、
列車の中で仮眠をとったことと、
あの初日の出の興奮のせいで疲れがかなりすっ飛びました。
来年もまた大洗で初日の出を観たいところですが、
水戸から大洗まで深夜に行く行程と、
放射冷却大爆発の中、海で日の出を待つ時間があまりにもヘビー。
残念ながら自分は今年が最初で最後になりそうです。
以上です。
今回の夜間徒歩行程。
(A)が水戸駅、(B)が大洗磯前神社前。
これは、大船駅~北鎌倉駅~鶴岡八幡宮~鎌倉駅~由比ヶ浜商店街~長谷駅~稲村ケ崎~七里ヶ浜~小動岬~東浜海水浴場~江ノ島、を歩いたのとほぼ同じ距離で、13~14キロくらいの行程です。
というわけでおそくなりましたが
あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いいたします
本年がよりよい年でありますように
大洗で泊まれれば問題無いのでしょうが、当日の天気が晴れと分かる頃にはもはや空室が…といったかんじです。
makimakiさま、tochiさま、nice! ありがとうございました。今年もよりよい年でありますように。
by 阿伊沢萬 (2014-01-02 19:13)
その後やはりちょっと風邪気味となりましたが、気持ちはけっう晴れ晴れとしています。もし次回行くことがあればさらなる防寒が必要でしょうね。
teftefさま、nice! ありがとうございました。今年もよりよい年でありますよう。
by 阿伊沢萬 (2014-01-04 13:55)