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「月とにほんご」を読んで [いろいろ]

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最近読んだ本のひとつ。
(2013年2月22日発売)

コミックに解説をつけたもので、
形式としては「ゴーマニズム」と同じようなものですが、
あそこまで毒を吐きまくった内容ではありません。

四十代の漫画家の方が二十代の中国の方と国際結婚をした、
その家庭と過程でおきたことの中から、
日本語にかかわるエピソードを中心に描いたものですが、
かといってそんなに肩肘こるような内容ではなく、
誰にも面白く、そしていろいろな発見もある内容となっています。

そんなこの本ですが、
自分がこれを読み終わってふと思ったことに、
自分の身内がかつて話してくれたある言葉を思い出してしまいました。
それは、
「広い地域を恒久的に支配できる国の言語は簡潔なものが多い。
だから日本が前の戦争で大陸を占領しようなんていうのは所詮無理な話だった。」
というもの。

漢字、ひらがな、カタカナ、と三種類も字体が存在している言語を有している国など、
たしかに正直日本以外にそうは無いだろう。
文法だって日本に育った人間にとっても手強いことこのうえない。

広大な地域を支配し
さらにそういう各地域と連絡をとるにはやはり簡潔な言語の方が便利だし、
意志の疎通や正確さ、そして時間の効率化もいいというものだ。
なにより間違いの生じる頻度がかなり違うだろう。
それを思うと日本語はなんともやっかいな代物といわれても仕方が無い。

ただだからといって日本語ができそこないの言語というわけではなく、
そういう部分が情の細やかな独特の文学作品を生む土壌になったり、
四季のうつろいの微妙な変化と味わいの中で、
思いやりを大切にする文化を築く要因にもなっていったのだろう。

もっともそれが外国対してすべてがいいかというとそうでもなく、
それが曖昧な態度となって不信感をかったり、
なあなあ外交の原因となっていろいろと問題を起こしたこともあるにはあるし、
それらが世界基準とあわない部分もあることは確かだろう。

あと中国が簡体字に移行していることも、
上記したことなどかあるのかもしれないなどと思ったりもしたし、
野球よりもサッカーが世界に浸透した理由のひとつにも、
ルールの簡潔さがあるのかもなどと思ったりもした。

とにかくそんなことを読んでていろいろと考えてしまったものでしたし、
日本人としての自分の棚卸しのひとつにもなったような気がしたものでした。

尚この本の終盤には311当時のエピソードがあります。

311についてはじつは当日自分は、
いろいろな想いを抱えてその日を迎えることになったのですが、
二年目を迎える今度のその日(もしくはその近日)に、
あえてあのときの勤務先から自宅まで歩いた道のりを
再度歩いてみようとこの本を読んで思った次第。

この件については後日歩いた後に書いてみたいと思います。

とにかくこれはなかなか面白い読み物です。

原作者、井上さんのブログ。
http://blog.livedoor.jp/keumaya-china/

しっかしなあ…
そんなに日本って面白いところなのかなあ…
この本でじつはこれがいちばん強く印象に残ってます。

ああしまった、インデックスの前売り買うの忘れてしまった…。
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阿伊沢萬

これ本当におもしろい、というか興味深い内容でした。日本語はなかなかおくが深いです。ゆきママ様、nice! ありがとうございました。
by 阿伊沢萬 (2013-02-24 20:23) 

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