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ハルヒ(アニメ)って何だろう。 [涼宮ハルヒの雑感]

いききなりだが
もう一度「消失」を見に行く前にひとくさり。

以前ちょっとふれたけど
ハルヒというアニメは
徹底的にこだわりのアニメだし
ある意味内向きだけの
それこそ閉鎖空間的アニメといっていいのかもしれない。

ただその空間に入ったら
かなりの確実でみなその虜というか餌食になっている。
それくらい強い魅力というか毒をもっている作品といっていい。

そういう作品だから
これが劇場作品になるというのには正直ビックリした。
で、できた作品はやはり閉鎖空間的アニメだった。

なにせ初めて見た人には何の説明もくそもない。
TV版すべてみてから来い
といわんばかりの出来だった。

もうこれだけでいかにも閉鎖的なアニメだけど
そのスタイルを貫いたことはむしろよかった。
劇場だからと変にスタイルを変えたらそれこそ?だ。

ところでこのアニメ
よくEVAと比べる人がいるけどどうだろう。

まあ内容はさておき
アニメの立ち位置としてはかなり違う作品といっていいだろう。

それはかたやVHF局で18:30(関東)から放送され
何度となく放送されていたのに対し
かたやUHF局のみで
しかも再放送は新作を含め一度きり。

またEVAはヤマト、ガンダムという
アニメ以外の層を巻き込むアニメではあったが、
ハルヒはそういうものではなかった。

EVAとハルヒの間には10年という年月があった。

そしてその間にアニメは
というより世の中全体が
世紀を挟んで価値観の細分化に走っていった。
それは放送時間の変更や
UHFのアニメ増大にも拍車をかけることにもなっていった。

それはある意味
プロレスの歴史とちょっと重なるところがあるけど
そのあたりはまた機会があったらということで。

ハルヒはそんな中で生まれ
そして見事にその土壌で花開いた作品といえるだろう。

で、EVAもEVAでガンダム同様
世紀を超えていまだヒットメーカーとなりうる力を
劇場版のヒットで見事証明してくれた。

そしてそのつくり方もハルヒと違い
初見の方もついていけるような作り方となっていた。

アニメというのはその時代を「うつす」鏡といっていいと思う。
もちろん他にもそういうものはあるけど
アニメはかなりその時代をうつしているといっていいと思う。

EVAはそういう意味でその時代を多少のモデルチェンジだけで
見事に乗り越えてきたのは本当は凄いことなのだが
その性格的なものを考えると
ある意味それは当然の結果といえるのかもしれない。

だけどハルヒはどうだろう。
「エンドレス・エイト」以降
たしかに味噌をつけてしまった感があるが
それもまたこの作品の宿命だったのかもしれないし、
それがあろうがなかろうが
この作品がEVA同様あと十年後また復活するかというと
自分はいささか首をかしげてしまう。

それはそのときの価値観の変動が今の自分には読めないし
それにハルヒが順応するとはとても思えないものがあるからだ。

だけどこの作品が今の時代に少なくともマッチしているのは確かだし
それをみて楽しんでいる人も自分も含めて少なからずいることも事実。

だからそのうちハルヒが次第に新しいファンから価値の外にはじきだされ
今までのファンも次第に減っていくことになるとしても
ひとつの時代の鏡のひとつとしてその存在価値は失わないだろうし、
同じ時代を生きた人の中に
かけがえのない楽しくも充実した思い出を残してくれることだろう。

もっともそれはハルヒだけに限ったことではないし
むしろ大多数のアニメにいうることなのだが
それもまたいかにもハルヒらしいといえるだろう。

だいたい主人公の涼宮ハルヒ自身
遠い価値感より近くの楽しみをとるタイプだし
作品そのものもありきたりのアニメではなかったというオマケつきなので
本人もむしろこういう形での評価の方が本望だったかもしれない。

宇宙人、未来人、超能力者、
どれもありきたりだけど
それらを創造者が巻き込んで
それにちょっと変わった一般人をからませてきた。
こんな設定が後世に影響を与えるはずがない。
だけど今がそれで楽しければいい。

とにかくハルヒはそういう意味で
後世に影響とかそういうものよりもその場を楽しく、
そして他の誰よりも面白くなることを
徹頭徹尾目指し追求したアニメといえるだろう。

そこにちょっとした各人の知識を刺激する毒もある。
そんな魅力的な
各人にとっての極私的おたのしみアニメ。

ハルヒってそんなアニメなのかもしれません。


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