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BBキング/ライブ・アット・ジ・アポロ [音楽]

ビッグバンド繋がりではないけど
今回もビッグバンドものをひとつ。

1990年の11月10日にアポロ劇場で行われた、
かのBBキングと
スリーサウンズでも御馴染みのピアニスト
ジーン・ハリスがリーダーの臨時編成のオールスターバンド、
フィリップ・モリス・スーパー・バンドによるライブ録音。

BB.jpg

じつはこの演奏の一ヶ月前の10月10日に
代々木第一体育館にてBBとレイ・チャールズが
このスーパー・バンドをバックにジョイントを行っているが、
このアポロのライブはほぼそのときと同一のバンドメンバーと
(今、代々木のメンバー表が無いので言い切れないですが)
BBによるもの。

当アルバムのバンドメンバーは以下の通り。

Gene Harris - Piano, Conductor
Kenny Burrell – Guitar
Harold Jones - Drums
Ray Brown - Bass
James Morrison - Trumpet
Joe Mossello - Trumpet
Glen Drews - Trumpet
Harry "Sweets" Edison - Trumpet
George Bohannon - Trombone
Urbie Green - Trombone
Robin Eubanks - Trombone
Paul Faulise – Trombone
Jeff Clayton - Sax (Alto)
Jerry Dodgion - Sax (Alto)
Plas Johnson - Sax (Tenor)
Ralph Moore - Sax (Tenor)
Gary Smulyan - Sax (Tenor)

まさに新旧オールスター大集合だ。
ただしモリソンやプラス・ジョンソンなどが多少ソロをとるものの、
このアルバムではほとんどアンサンブルだけとなっており、
代々木では一曲ソロをフルにとった名手ハリー・エディソンも
アルバムでは他の名手同様アンサンブルのみとなっている。
ただ当日の曲目が
このアルバムの曲目のみだったのかどうか自分はわからないので、
収録されていない曲があった場合
それらの曲で他のプレイヤーのソロをとっていた可能性もあるので、
もしそうだったとしたら
いずれはそのあたりも含めてコンプリートで出してほしいところだ。
それくらいこのメンバーは魅力的だ。

ところで曲目と演奏時間は以下の通りで

01 When Love Comes to Town (Bono, U2) 4:53
02 Sweet Sixteen (Josea, King) 7:25
03 The Thrill Is Gone (Darnell, Hawkins) 3:33
04 Ain't Nobody's Business (Grainger, Robbins) 2:43
05 Paying the Cost to Be the Boss (King) 2:29
06 All over Again (Adams, King) 7:32
07 Night Life (Breeland, Buskirk, Nelson) 4:03
08 Since I Met You Baby (Hunter) 3:54
09 Guess Who? (Belvin, Belvin) 5:03
10 Peace to the World (Martin) 2:55

BBの十八番がとにかくズラリと並んでいる。

BBは最初の二曲に関しては
いつものライブ感覚を強く押し出したものとなっているが
三曲目以降はいつものBBの専属バンドと違って
ホーンの数が今回のバンドの方が圧倒的に多いため、
普段のようなガンガン押していくライブというより、
その豪華で贅沢なサウンドを活かしての
よりリラックスしたものとなっている。

またバンドもじつに練れた、
しかもパンチを随所に効かせた演奏を聴かせてくれているので、
バンドの音だけ聴いていてもじつに聴き応えがある。
またメンバー全員がバリバリのジャズメンで固めているせいか、
ブルースをやっているのに、
なにか懐かしい戦前のビッグバンドの音を聴いているような感じがし、
ビッグバンド好きの方にもけっこう楽しめるような出来となっている。

BBが途中からいつもとちょっと違うリラックスした雰囲気になったのには
ひょっとするとこういうサウンドのせいなのかもしれないが、
そんな中でも気合に事欠かないのはさすがBBという気がする。

普段のBBのライブを予想して聴くとちょっと違和感があるかもしれないけど、
BBとジャズのオールスターバンドとの共演という意味では
これは大成功の部類に入ると思う。

最後にリーダーのジーン・ハリスの功績も大きい。
特に最後の二曲における彼のピアノはじつに粋でご機嫌だ。

とにかく聴くたびにBBはもちろんだけど、
バンドからもいろいろと聴き所がみつかるこれはアルバム。

機会がありましたらぜひお聴きになってみてください。

(GRD-9637)
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阿伊沢萬

shinさま

BBはこの翌年も来日しましたが、ちょうど湾岸戦争の空爆直前でして、BBがフセインのことを嫌うような仕草と発言をしていたことを、このライブを聴くと思い出し、なかなか思い出深いものがあります。

nice!ありがとうございました。
by 阿伊沢萬 (2008-11-03 03:14) 

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