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鎧伝サムライトルーパー [アニメ(20世紀)]

20世紀のヒットアニメというと
今でこそ「エヴァンゲリオン」「ガンダム」「マクロス」「ヤマト」「星矢」
というところがでてきますが
昭和から平成にかけて放送された
「鎧伝サムライトルーパー」が
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8E%A7%E4%BC%9D%E3%82%B5%E3%83%A0%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC
(ウィキペディア(Wikipedia)
自分にとっては最も忘れられない作品のひとつとなっています。

じつはこの作品。
そんなに最初から話題になっていたわけではありませんでした。
ただ一部ではかなり人気があり
「キャプテン翼」から「聖闘士星矢」へと流れる集団主人公型作品の、
その中でも女性ファンを中心に浸透していた作品でした。

自分はこの第一話をリアルタイムで見たのですが
なんだかよくわからないし、
スマートじゃないというか洗練さていない動きに
「これ大丈夫?」という危惧さえ感じたものでした。

ですがそんなある日事件がおきました。
それは現在では絶対にありえないことでしょうが
第十七話を二週続けて放送してしまうという
信じられない大事故を放送局がやってしまったのです。

これは翌日新聞にもけっこう大きく掲載されており、
こりゃえらいことやってしまったなあという気持ちと
いったいどういう対応を次週放送局がするのだろうという気持ちで
第一話以来久しぶりにみたのですが、
みはじめたらこれが「じつに面白い!」作品に化けていました。

後でみると自分がみた第十八話は
ちょうど話しが動き始めた回だったようで
自分のようにかつてこの作品に興味のなかった人の多くも、
興味津々で見たらここでハマってしまったらしく、
この事件をきっかけに急速にトルーパー人気に火がつくこととなりました。
(以降「サムライトルーパー」を「トルーパー」と略します。)

しかも時期が9月ということもあって冬コミでは早くも最初のトルーパー旋風が吹きはじめ
それは主役5人を演じた声優さんの人気にも飛び火し、
かつてないほどの女性を中心にした大きなムーブメントと化していきました。

それは声優さんを呼んでのイベントでは
声優さんと握手したたげで失神されてしまったという方が会場ごとに続出し、
当時のメーカーの担当の方が
途中からは「あっ、この人あぶない。」と事前にわかり
倒れる前にサポートが随時できるようになったほどだったそうです。

このトルーパー台風の急速な成長にメーカーはすぐに反応、
本放送終了の翌月にはビデオを発売するという、迅速な対応をとりました。
当時はVHSとLDでの販売でしたが、その売れ方は異常なほどで
それこそ「エヴァンゲリオン」登場までは、これがひとつの伝説と化したほどでした。

ただここでちょっとした悲喜こもごもなことがありました。
それは当時この作品の権利を持っていたキングが
当初あまり人気のなかったこの作品の映像の権利を
早々にソニーに渡すような形になってしまい、
このため音源はキングが発売できたものの、
TV版だけでなくその後のOVAもすべてソニーが発売をすることになり、
悔しがるキングと、笑いが止まらないソニーという構図ができてしまったものでした。
ただこの教訓は後にキングは「シュラト」以降、「エヴンゲリオン」でも生きることとなり、
それが林原めぐみさんの大ブレイクの下地にもなったようです。

この作品、キャラクターと声優さんに強烈な人気がついたという意味では
「星矢」とほぼ同じ傾向だったのですが、
こちらは原作がないオリジナルだったことから、
より自由にいろいろと展開できたことが大きく、
しかもキングがそれ以前のアニメでみせた
キャラを使ったアルバムのノウハウというものをここで思いっきり活かしたこと、
ソニーが映像を使ってOVAを次々とつくっていったということ、
(因みにソニーは「トルーパー」と「キャプ翼」のOVAを同時進行で、
 長期に渡り発売し続けるという戦略をとり当時かなり驚かされたものでした。
 後にこのラインナップにあのCLAMPも「聖伝」を皮切りにし、
 各種作品を通して随時加わってくることとなります。)
さらに他のメーカーが声優さんと独自に単独契約しアルバムをつくったりしたことで
かなり幅の広く多様な展開を結果的に行うこととなり、
ファンのニーズを「星矢」より大きくすくいあげ、拡大させることとなりました。

またこの時期はLPとカセットからCDに移行していく時期とも重なったため、
ひとつのタイトルでいくつもの媒体が登場するということもあり、
とにかくいろいろな意味でじつに賑やかなものとなりました。

このトルーパー台風は当然同人誌会にも吹き荒れ
多くのトルーパーサークルを生み出しましたが、
これもこの台風の勢力を強めた大きな要因となりました。

あとこの作品には長浜アニメのレギュラー声優だった名優市川治さんも登場、
往時のファンに随喜の涙を流させたものでしたが、
これもまたファンを幅広く獲得する一因となったようです。
(この作品は一連の長浜ロボット作品の最後でもある「ダイモス」放送終了から
 ちょうど十年後に放送を開始しています。)

ただこの空前ともいえる大ブームを巻き起こしたトルーパーも
最後のOVA(1991)が出てから急速にその勢力を弱め沈静化していきます。
それはちょうどその頃から放送がはじまった
「ライジンオー」や「サイバーフォーミュラ」
そしてトルーパーの主人公、烈火の遼を演じた草尾毅さんが主役を演じた
「ラムネ&40」の登場によりファンがそれらの作品をはじめ、
他作品にどんどん流動していったことがそれに拍車をかけたようでした。

そしてこの4年後にあの「エヴァンゲリオン」が同じキングから発売されることとなります。

こうしてみるとトルーパーがその強大な力を発揮していたのは正味三年ほどですが、
その期間以上になぜか自分にとって今でも強く印象に残った理由として、
その凄まじいまでのファン(女性中心でしたが)のパワーと、
じつに多彩かつ強力だったメーカー側の戦略。

そして人気が去った後の潔いまでの静まり方と、
その最盛期とのギャップの見事なほどの極端な差が
その理由にあったといえると思います。

例えばここ数年トルーパーがらみのCDやDVDとなると
2003年の放送開始15周年にでたDVDによる発売くらいで
CDなどは今世紀再発売があったかどうか…。
ほんとうにこの差は極端すぎるくらい極端で、
たしかにどの作品にもこのような満ち干きはありますが、
ここまでトップとボトムの差が大きく鮮やかなのはあまり無いように思われます。

それがまた自分に強く印象として残った要因でもあるのでしょう。

…と長々と書いてしまいましたが
そのトルーパーもなんと今年の4月で放送二十周年。
ふつうならもうそんなにと言いそうなところですが、
なぜか「まだそんなものなの」というこの感覚。
いかに鮮烈で強力な印象な作品だったかという、
これもまたその証明なのでしょう。


(DVD第四巻 死闘篇)
※運命のあの17&18話入り。死闘編とはその後の皮肉であろうか。

(追加)
そういえば予告で「俺の心に鎧が走る!」という台詞。
これを「じつに痛そうだ」と当時名言を吐いた某サークルの方がいらしゃいましたが、
今はどうしていらっしゃることか…。
こういうときは二十年という年月が長く感じられます。

年年歳歳花相似 歳歳年年人不同
歳歳年年花相似 年年歳歳皆同人

です。(これ確か二度目かな?使うの。)


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