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のだめ徒然草その2 [のだめ徒然草]

「のだめ」の第二話を観た。

ヴァイオリンが巧くて指揮者を目指していた…。

これを聞いたとき何人かの名前がうかんできた。

現在ニューヨークフィルのシェフを務めているロリン・マゼール(1930-)
バリ管弦楽団の初代指揮者、シャルル・ミュンシュ(1891-1968)
チェコの歴史的大指揮者、ヴァーツラフ・ターリヒ(1883-1961)
フィラデルフィア管弦楽団の全盛期を築いたユージン・オーマンディ(1899-1985)
といったあたりだ。

特に最後のオーマンディの場合は協奏曲を指揮したら史上最強というくらい「つけ」がうまい。
共演者にはオイストラフ、スターン、ゼルキン、ルービンシュタイン、クライバーン
ワイセンベルク、イストミン、アントルモン、そしてヨー・ヨー・マと
どの奏者とも名盤を遺している。

ただ千秋と違うのは指揮者となった動機で
千秋は最初から指揮者になりたかったのだが
オーマンディの場合はアメリカに渡った時
そのとき自分をマネージメントとした人間が詐欺師だっためたちまち一文無しになり
その後必死に食いつないでいくうちに指揮者として芽を出しそして大成してしまったという。
まったく何がどう運命を変えていくのかわからない一例だろう。

またターリヒの場合は名門ベルリンフィルのコンサートマスターにまでなったにもかかわらず、
ニキシュの指揮に接したことにより「絶対指揮者になる」と決意
そして結果チェコフィル中興の祖となってしまったのだからこれまた凄い。
むしろこのあたりの指揮者となる動機としては千秋により似ているのかもしれない。

ところで千秋はピアノも巧いがピアノが巧い指揮者もまたかなりいる。
これまたかなりの名前があがってくるが
ピアノの巧い指揮者とピアニストの間でかつてけっこう派手な喧嘩があったという。

二十世紀を代表するビアニストのひとりアルトゥール・ルービンシュタインは
華麗な演奏スタイルが売りではあったもののけっこうミスタッチも多かった。
そんなルービンシュタインと
ピアニストとしても極めて非凡でかつては神童とまで言われた
往年の名指揮者ジョージ・セルが共演したとき、
ミスタッチの多いのルービンシュタインに対して
業を煮やしたセルがなんとルービンシュタインにピアノの「弾き方」を教えようとして
とんでもない修羅場になってしまったという。

いくらかつて神童だったとはいえ、
本職の、しかも巨匠の名前をほしいままにしていたピアニストに
ピアノの弾き方を教えてはそりゃ荒れるだろうが、
なんかこのエピソード、千秋の性格に一部組み込まれるているような気がして、
千秋が「下手糞」を連発しているのを聞くと
なんかこのときのセルとダブってしまって妙に笑えるものがある。

まあ巧いのもいいが
そうなると今度はそれはそれで場合によっては相手が下手だと気になってしょうがないというもの。
それを「自分ならつけられる」ということに転化した千秋は天晴れかもしれないが
上であげたセルもけっこう素晴らしい協奏曲の指揮による録音をいくつも遺している。

それを思うと千秋真一という指揮者
いろいろな指揮者の遺伝子をもった音楽家ということなのかもしれませんが
このあとどういうエピソードをみせてくれるのか。

原作を読んだことの無い自分には
とにかく興味津々といったところです。


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阿伊沢萬

月栗さま

nice! ありがとうございます。
自分は「のだめ」はまったく原作を読んでいませんし
ドラマも最初以外はほとんどみていませんので
正直まったくの新作を見ているような感じでこのアニメに接しています。

ですのでここではあくまでも「のだめ」をみて
この作品をみた感想といいいますか
思いついたことなどをただただ書き込んでいるという感じになっています。

これからも本編云々とは関係の無い書き込みばかりになると思いますが
ひとつよろしくお願いいたします。
by 阿伊沢萬 (2007-01-20 01:43) 

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