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パンチ・ミラー1960 [JAZZ]

パンチ・ミラー(1894-1971)

ニューオリンズの名トランぺッター、パンチ・ミラー。
この人のことを知ったのは、
外山喜雄さんの著書「聖者が街にやってくる」だった。

そこに書かれていた「ブルースの王様」としての若き日の栄光と、
その後の「ニューオリンズに死にに来た」という記述が印象的だった。
そしてそれにより、
1963年にジョージ・ルイスのグループの一員として来日した時の、
そのときの演奏を聴きファンになった。

明るい音楽を演奏しているのに、
なにかまるで悲しみや苦しみを呑み込みながら、
呻くようにしかし愉しく歌い吹きまくるその音楽に、
こういう音楽もあるのかというくらい強く心を揺さぶられたものだった。

そんなパンチのリーダーアルバム。
来日三年前の七月七日に録音されたのがこのアルバム。

pm.jpg

パンチ・ミラー1960

Punch Miller-tpt
John Handy-cl,
Eddie Morris-tmb
Louis Gallaud-pno
Emanuel Sayles-banjo
Sylvester Handy-bs
Alex Bigard-dms

1 Play Jack Carey
2 Corrine
3 Casey Jones
4 Mama Don't Allow It
5 Buddy Petit's Blues
6 Exactly Like You
7 Tin Roof Blues
8 Ice Cream
9 My Bucket's Got a Hole In It
10 Buddy Petit's Jump
11 West Indies Blues
12 Down By the Riverside
13 My Bucket's Got a Hole in It, No. 2

とにもかくにもハチャメチャでメチャ元気、
しかもどうしてなのかちょっと泣ける、
そんなバンチのペットとヴォーカルが聴ける、
ある意味ビックリ箱的なこのアルバム。

ルイスと一緒に来日したときのメンバーでもある、
セイルズのバンジョーも聴けるのが嬉しい。

それにしてもこの頃のパンチはどうなのだろう。
外山さんが言われたような「死にに帰ってきた」ような、
そういう悲壮感みたいなものは感じられない。
ただ言葉ではうまく言えないけれど、
なんか酸いも甘いも味わい尽くした人間しか出せないような、
そんな類の音楽がここにはあるような気がする。

いやそんな言葉でさえこの音楽の前では、
とってつけたような過剰な美辞麗句にさえ感じられてしまう。

音楽って本当は言葉にしちゃいけないんじゃないか。
という気持ちにもさせられるこの音楽。

モノラル録音だけど音質は聴きやすい。

あとはこのサウンドとあうかどうかというところですが、
隠れたニューオリンズジャズの名盤ともいえるこのアルバム。
機会があればぜひ一聴を。
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コメント 1

阿伊沢萬

おお!この話にnice!が二つもつくとは。正直驚きですし感激すらしています。xml_xslさま、Dionysusroomさま、nice!ありがとうございました。
by 阿伊沢萬 (2011-10-27 00:06) 

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