SSブログ

この時期のオーケストラの演奏会に思う事とご提案 [演奏会いろいろ]

コロナ大流行の長期化によって、クラシック音楽の演奏会、特にオーケストラの公演はかなりの被害を受け、しかも大きな制約を課せられる状況になっている。

管楽器の飛沫の飛び方、そして奏者間のソーシャルディスタンスなどがそう。

これらは基本的な配置、さらには奏者が長年アンサンブルの基本として培ってきた「理想的かつ効率的な感覚」的なものが絡んでいるので、これはかなりしんどいものがある。

もし野球で各塁間をすべて1m伸ばしたら守備側も走塁側もかなりたいへんな事になると思う。それと同じかと。


とにかくどこのオケも四苦八苦してるし、特に編成の大きな曲や合唱付きの曲はさらに過酷な状況になっているといっていいと思う。

そのため多くのオケが編成を刈り込み、小ぶりな曲を中心に演奏する傾向が強くなっている。


ただこのご時世だからこそやれるやり方というものもある。

例えば最近注目されはじめている、シェーンベルクによって設立された「私的演奏協会」が演奏していた、多くの作曲家の管弦楽曲や交響曲を室内楽編成に編曲した版による演奏。

91sb-chbHbL._SS500_.jpg
※CDもいろいろと出ています。

これは最近ペトレンコが指揮したものがテレビで放送されたものを見た方もいらっしゃるだろうし、以前バイエルン放送響のメンバーが日本でもこの版による演奏会を開いた事があるので、御存知の方も多いかと。


このあたりを取り上げるのも今の時期だから可能かと。

あとバッハのブランデンブルクやモーツァルトのハフナーセレナード、そしてビゼーの「アルルの女」の原典版を、指定された楽器数でやるというのも面白いと思うし、ブラームス、そしてブルックナーの中期くらいまでの交響曲を二管遵守、そして弦楽器を作曲された当時の欧州の一般楽団の平均に近い、四十名程におとしてやるのも新鮮でいいかもしれない。


最近は奏法云々を当時のそれにあわせてやる傾向があるけど、ならば編成もそれにあわせるというのは、決して理にかなわない事ではないと思うけどどうなのだろう。

あとバロックはピリオド系がメインになると同時にオケのレパートリーから意味なく外される傾向があったので、この機会に再度世に問うというのもありだろう。

また編成を小さくすると全員が出られなくなるというのなら、前半と後半をメンバー総入れ替えというのもひとつの手だと思う。ただそうすると一回の手取りが減ってしまうかもしれませんが、全員の感覚にバラつきが生じないようにするにはひとつの案として有りだと思います。


とにかくこの時期だからできるものというのもいろいろとあると思うので、この状況を逆手にとって、いろいろと新鮮なそれを各団体に企画してほしいところです。



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント